大石内科循環器科医院

静岡市葵区鷹匠2-6-1 新静岡駅より 徒歩3分 駐車場あり

静岡市葵区鷹匠2-6-1
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認知症(もの忘れ)外来

認知症(もの忘れ)外来

認知症(もの忘れ)外来とは

認知症(もの忘れ)外来では「すぐに忘れてしまう」といった認知症のような症状が「加齢に伴う正常なもの忘れ」なのか、「認知症の入り口」なのかを診断します。
「なんかおかしい」と感じたら、できるだけ早く当院の認知症(もの忘れ)外来にご相談ください。
認知症は早期発見・早期治療が非常に重要で、一部の認知症に関しては早めに治療することで、改善したり進行を遅らせたりすることができます。

認知症とは

認知症は、1度発達した認知機能が、脳の病気などによって認知機能が低下して、社会生活や日常生活に支障をきたしている状態です。
加齢によって認知症の増加傾向になり、65歳以上の方に発症率が高く、85歳以上では4人に1人程度に認知症の症状が出てくるといわれています。
認知症は主に4つに分類されます

アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症は、認知症の種類の中でも最も多く、7割程度を占めています。
原因は、脳の神経細胞にアミロイドβやタウタンパク質がたまり、これらが神経細胞を破壊して、脳が萎縮することで発症します。
アミロイドβやタウタンパク質が蓄積する要因は加齢や遺伝などが関係していると考えられていますが、具体的な原因は分かっていません。
ただし、高血圧や糖尿病の方がアルツハイマー型認知症の傾向があることから、予防するためには、生活習慣の改善が効果的なことが分かってきました。

アルツハイマー型認知症の方は、もの忘れの症状が出てきて、新しいことを覚えることが難しくなります。
また、症状が進行すると、日付が分からなくなったり、食事をしたことを忘れてしまったりする場合があります。
新しい記憶から徐々に無くなっていき、進行すると「性格の変化」「徘徊」「失禁」などの症状が出てきて、周りの人の全面的なサポートが必要になります。

血管性認知症

血管性認知症は、全体の2割程度を占めており、アルツハイマー認知症に次いで多い認知症です。
原因は、脳出血や脳梗塞などの疾患により、脳細胞が破壊されて引き起こされる認知症です。
脳梗塞や脳出血は、高血圧や糖尿病などの生活習慣病が原因で発症するため、予防するためには生活習慣を改善して、血管の障害を予防しましょう。

血管性認知症は、発症した部位によって症状が異なります。
症状としては、「歩行障害」「手足のしびれ」「排尿障害」「麻痺」「言語障害」「不眠」などがあり、血管の障害が起きるたびの症状が強くなっていきます。
そのため、血管の症状を緩和させるために、食生活や生活習慣の改善、リハビリテーションなどで再発を予防することが大切です。

レビー小体型認知症

レビー小体型認知症は、「レビー小体」というたんぱく質が脳にたまり、脳細胞を破壊することで発症します。
睡眠中に身体が激しく動く、手足の震え、歩行障害、身体のこわばりなどの症状が出ます。
また、うつ症状や存在しない物が見える幻覚などを伴うこともあります。
判断力や認知力などは変動しやすく、頭がはっきりしている時とぼーっとしている時を繰り返しながら症状が進行していきます。
態度や気分がころころ変わる特徴もみられます。

前頭側頭型認知症

脳の中の前頭葉や側頭葉の神経細胞が萎縮して徐々に進行する認知症です。
人格の変化、言語障害、行動障害などのさまざまな症状が出ます。
65歳未満の若い世代に発症することもあり、初期には物忘れ症状ではなく、人格の変化、言語障害、行動障害などの症状が多いため、発見が遅れるケースも少なくありません。
また、周囲の状況をみることができず、同じパターンの言動を繰り返したり、時間に固執したりするケースもあります。
症状が進行すると、物の名前が認識できなくなり、言葉が出なくなっていきます。

認知症の症状

初期の症状

もの忘れなどの症状がありますが、会話もできますし、周りのサポートをすることで、日常生活を送ることは可能です。

  • 時間【見当識障害】
    日にちや時間が分からなくなり、約束を忘れてしまい、時間通りに待ち合わせることが難しくなります。
  • 記憶障害
    同じことを何度も繰り返して言ったり、物の場所が分からなくなったります。
  • 実行機能障害
    物事を順番にこなすことができなくなってしまい、買い物のお金の管理などができなくなってしまいます。
  • 物取られ妄想
    自分で置き場所が分からなくなってしまうことで、誰かに盗られてしまったと妄想する場合があります。

中等度の症状

見当識障害が進行して、場所の認識が難しくなってきます。
そのため、徘徊が増加するのもこの段階です。
入浴や着替えも自分で行うことが難しくなるなど、サポートの必要が増えてきます。

  • 場所【見当識障害】
    自分がどこにいるか分からなくなってしまい、目的の場所に行こうと思ってもたどりつけないことが増えてきます。
    今まで見慣れた場所でも迷子になってしまうため、徘徊が増えてきます。
  • 言語障害
    伝えたいことが上手く伝えられず、うつ傾向になる場合もあります。
    また、相手が言っていることも理解できなくなってしまい、暴力的な行動に出る方もいます。
  • 失行
    入浴や着替えなど、今までできていたことができなくなってしまいます。

重度の症状

時間や場所だけでなく、人の認識が難しくなってきます。
家族の人でも誰だか分からなくなってしまうケースもあります。
トイレも難しくなってしまい、失禁することも増えてきます。
言語機能もさらに低下してしまい、歩くことや座ることも困難になってきます。

  • 人【見当識障害】
    家族や今まで親交が深かった人の認識も難しくなってしまいます。
  • 失禁
    一人でトイレをすることが難しくなってしまい、失禁や排便をしてしまうことが増えます。
  • 身体機能の低下
    かなり進行した状態では、歩行が困難になったり、パーキンソン症状が出て寝たきりになったりすることもあります。

認知症の原因

  • 老化
    老化はさまざまな変化が身体の中で起きますが、認知症を引き起こす要因にもなります。
    特に、認知症の中でも多いアルツハイマー病の方は、「アミロイドβ」というたんぱく質が蓄積されてアルツハイマー病を発症します。
    これは、老化が原因で蓄積されると考えられており、認知症と老化は深い関係があります。
  • 生活習慣
    糖尿病や高血圧は身近な疾患ですが、血液がドロドロになり、動脈硬化の原因につながります。
    そうすると、脳血管性認知症のリスクが高くなってしまいます。
    その原因として考えられるのは、偏った食生活、喫煙、運動不足などです。
    また、アルコールを摂取し過ぎる状態が続くと、アルコール性認知症の可能性が高まります。
    アルコールの摂取量が多くなると、脳の萎縮や機能の低下につながり、認知症を招きます。
  • 病気やケガ
    くも膜下出血・脳梗塞・脳出血などの脳の病が原因で認知症につながることがあります。
    そのほかにも、交通事故などの外傷や悪性腫瘍が原因で認知症を発症する場合があります。
    また、入院生活が長くなると、認知機能が低下してしまうケースも考えられます。
    入院するまでしっかりしていた方も、脳への刺激が少なくなり、変わってしまう場合がありますが、自宅に帰って日常生活を取り戻すと、徐々に回復していく場合もあるのです。
  • ストレス
    多くの病気にストレスは関係していますが、認知症にもストレスは深い関わりを持っています。
    強いストレスがかかると、うつ傾向になってしまい、人とのコミュニュケーションが低下しやすくなります。
    人と会話をしないと、刺激が少なく、認知機能が低下しやすくなるでしょう。
  • 遺伝
    アルツハイマー型認知症は、多くが遺伝とは関係しませんが、家族型のアルツハイマー病もあります。
    この疾患の特徴は、20~50代の若年性のアルツハイマー病を発症することが多く、両親のどちらかが家族性のアルツハイマー病の場合、5割程度お子さんに遺伝すると考えられています。
    しかし、認知症が遺伝するのは全体の数%といわれており、かなりまれなケースです。

認知症の検査

認知症の検査の場合でも、通常の問診と同じように身体検査・画像診断検査・神経心理学検査などが行われます。

身体検査

認知症だけでなく、さまざまな病気の可能性を考えて、血液検査・レントゲン検査・心電図検査・感染症検査などを行います。
今後の治療計画を立てるために、ほかの疾患がないかも確認していきます。

画像診断検査

CTやMRI画像を元にして、脳の萎縮度を診断します。
また、脳の糖代謝や脳の血流検査なども合わせて行う場合があります。
レビー小体型認知症を診断するために、MTBGシンチグラフィーという検査を行う場合があります。

神経心理学検査

認知機能を測定するために、質問の回答や作業を行うことで検査します。
基準を下回ると認知症が疑われますが、抵抗や不安などで正しく検査ができない場合があるので、認知症の一つの資料として検討されます。

認知症の治療

認知症の原因によって治療法が異なります。
レビー小体型認知症・アルツハイマー型認知症・前頭側頭変形症の3種類の認知症の根本的な治療は確立されていません。
これらは、細胞が変形したりして脳の機能が低下して認知症が進行していきます。
原因に対してアプローチすることはできませんが、進行を遅らせることはできます。

治療法

  1. 薬物療法
    認知症のお薬は症状に応じて処方されます。
    主に、情報の伝達を助ける「抗コリンエステラーゼ阻害薬」と情報の伝達を整理する「NMDA受容体拮抗薬」に分けられます。
    そのほかに、認知症の行動で抑制した方がよいと判断された場合には、睡眠薬、抗てんかん薬、抗精神病薬などが処方される場合もあります。
    認知症の症状は緩和したり、進行したりを繰り返す場合がありますが、自己判断せず、医師の処方通りに服用しましょう。
  2. 非薬物療法
    適度な運動や刺激で残された認知能力を維持するために、脳を活性化させます。

リハビリテーション

活動や運動を通して、日常生活に必要な機能の訓練を行います。
歩くこと、寝返ること、階段の上り降りなど日常生活で必要な筋力をトレーニングします。
また、料理や掃除などを通して、指先を使ったり、認知機能を回復させたりするリハビリテーションを行います。
また、季節を感じて認識しやすくするために、季節の行事も取り入れていきます。

  1. 心理療法
    過去に楽しかった記憶などをお話してもらい、認知、記憶などの回復を目的としています。
    会話してコミュニュケーションを取ることで、脳の機能に働きかけます。

認知症の予防

認知症は、高血圧や糖尿病、高脂血症、などの生活習慣病、喫煙、睡眠時無呼吸症候群、飲酒と深い関わりがあるといわれています。

  • 食生活を見直す
    野菜を中心としたバランスのよい食生活を心がけることが生活習慣病の予防になります。
    また、自分で料理をして、片付けることも認知機能を訓練する上で大切なステップです。
    糖質や脂質を控えてバランスよい食事をしましょう。
    飲みすぎにも注意しましょう。
  • 適度な運動をする
    運動を続けることができる、適度なものを継続的に行うことが大切です。
    運動して活動することは、脳の機能にも刺激が加わりますし、肥満などの予防にも効果が期待できます。
  • 禁煙する
    禁煙することは非常に重要です。
    なかなか禁煙が成功しない方は禁煙外来に相談してみましょう。

当院の認知症(もの忘れ)外来の特徴

  • 豊富な診療経験

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    当院は長年認知症診療に携わってきており、現在たくさんの認知症患者様の診療にあたっています。

  • 診断後のサポートが充実

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    当院は、認知症対応型通所介護センターを併設しております。
    そこでは、認知機能を維持・回復させるためのリハビリテーションを中心とした様々な活動を行っております。

    また、認知症患者様にとって、様々な人との会話やコミュニケーションは非常に重要です。私たちは、人と人がつながる場づくりを行っており、そこに楽しく参加をしていただいております。

  • 認知症の予防にも尽力

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    私たちは認知症の予防にも力を入れています。
    認知症は、高血圧や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病、喫煙、睡眠時無呼吸症候群、飲酒などと深い関わりがあるといわれています。
    当院では、循環器内科専門医、総合内科専門医が得意とする生活習慣病の管理に力をいれており、また、様々な運動教室や食事・栄養指導、禁煙外来、いびき・睡眠無呼吸外来なども開設しております。

受診方法

当院の「認知症(もの忘れ)外来」受診の流れ
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認知症(もの忘れ)外来の受診予約

認知症(もの忘れ)外来は予約制となっております。
お電話(054-252-0585)にて受診予約をしてください。
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電話にて簡単な問診

電話で予約をしていただいた際に、簡単な問診をさせていただきます。

まとめ

認知症にはいくつか種類があり、その原因に合わせて治療をすることが大切です。
症状があると感じたら、早めに受診しましょう。
日常生活から改善できることを始めると、進行を遅らせることができます。
また、薬で進行を抑えたり、症状を緩和したりすることもできるため、ご家族の方は負担にならないように向き合っていきましょう。