大石内科循環器科医院

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静岡市葵区鷹匠2-6-1
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トレッドミル検査

トレッドミル検査とは

トレッドミル検査は、心臓の働きや血流の状態を、運動しながら調べる検査です。「トレッドミル」というランニングマシンのような装置の上を歩きながら、心電図や血圧を測定していきます。検査の特徴は、「運動中の心臓の反応を見ること」です。

心臓の病気の中には、安静にしているときには異常が見つからないものがあります。しかし、軽い運動によって心臓に負担をかけることで、ふだん隠れている異常が明らかになることがあります

「運動時に胸が痛くなる」「動くと動悸や息切れが起こる」などの症状がある方には、原因を探るうえで重要な検査です。当院では、安全に十分配慮しながらトレッドミル検査を実施しております。検査中は医師や看護師がそばにいて、状態をしっかり確認しますので、ご安心ください。

こんな症状・お悩みがある方におすすめ

トレッドミル検査は、隠れた心臓の状態を調べる検査です。これから紹介する症状やお悩みがあれば、一度検査をご検討ください。

運動中や階段の昇降で胸の痛みや圧迫感がある

体を動かしたときに胸が痛む、重く感じるという症状がある方は、心臓の血管に異常があるサインの可能性があります。特に、階段の上り下りや早歩きなどの軽い運動時に症状が現れる場合は注意が必要です。

次のような症状に心当たりがある方は、早めの検査をご検討ください。

【症状のチェックリスト】

  • □ 階段を上ると胸が締めつけられるように痛む
  • □ 急ぎ足で歩くと胸の中央が重く感じる
  • □ 胸の痛みが肩やあご、腕まで広がる
  • □ 休むと数分で症状が落ち着く

これらは「狭心症」の典型的な症状で、安静時の検査では異常が見つかりにくいことがあります。トレッドミル検査では、運動によって心臓に適度な負荷をかけながら心電図を記録することで、隠れた異常を見つける手がかりとなります

息切れや動悸が起こりやすく、心疾患が心配

運動時に息切れや動悸を感じる方は、心臓に何らかの異常が隠れている可能性があります。特に、安静時には問題がなくても、動いたときだけ症状が出る場合は注意が必要です。

こうした変化は通常の心電図では見つけにくく、運動中の心臓の反応を見るトレッドミル検査を推奨します。ご自身の体の状態を正しく知ることは、症状の原因を明らかにし、心疾患の予防や早期対処にもつながります。

健康診断や心電図で異常を指摘され、精密検査を希望している

健康診断で「心電図に異常がある」と言われた場合は、次のステップとして精密検査を受けることが大切です。健診の心電図は、安静状態で心臓の状態を簡易的に調べる検査です。そのため、運動時にしか現れない異常は見逃されることがあります。狭心症などがその代表例です。

こうした見えにくい異常を確認する手段の一つがトレッドミル検査です。健康診断の結果に不安を感じた方は、正確な状態を知るための一歩として検査をご検討ください

運動療法を始める前に、心臓の状態を確認したい

これから運動を始めたいと考えている方にとって、事前に心臓の状態を確認することは、安全に運動を続けるための大切な準備です。特に、運動習慣のなかった方や、高血圧・高脂血症などの持病がある方は注意が必要です。

トレッドミル検査では、運動にどの程度耐えられるかを把握し、自分に合った運動の強度やペースを知ることができます。体に無理のない範囲で運動を始めるためにも、まずは心臓の状態をチェックしておくことをおすすめします。

心疾患の治療中で、薬の効果や回復状況を確認したい

心臓病の治療中は、薬が効いているか、症状が改善しているかを定期的に確認することが重要です。トレッドミル検査は、治療効果や回復状況を客観的に評価する目的でも行われます。

治療前後の変化を比較することで、今の治療方針が適切かどうかを見極める手がかりとなります。

トレッドミル検査でわかること

胸のドキドキや息切れなど、気になる症状の原因を探るために、トレッドミル検査でわかることを確認しましょう。

運動中に生じる不整脈や脈拍の変動

安静時には見られなくても、運動中にだけ不整脈や脈の乱れが現れることがあります。これは「運動誘発性不整脈」と呼ばれ、症状の原因として見逃せないものです。

トレッドミル検査では、運動しながら心電図を記録することで、脈拍の変化や不整脈の有無を詳しく確認できます。脈が正常に上がっているか、不自然に速くなったり遅くなったりしていないか、危険な不整脈が出現していないかなどを評価します。

狭心症などの心筋虚血の有無

運動時に胸の痛みや圧迫感がある場合、心筋(心臓の筋肉)に十分な血液が届かない「心筋虚血」が起きている可能性があります。これは、心筋に酸素を送る冠動脈が狭くなることで起こり、狭心症の代表的な症状です。

トレッドミル検査では、運動によって心臓に負荷をかけることで、安静時には現れない心筋虚血のサインを引き出すことができます。胸の痛みなどの自覚症状の有無、心電図上の変化(ST変化)、運動中の血圧の推移などを総合的に確認します。

こうしたデータから、狭心症の有無をより正確に評価し、適切な治療や予防へとつなげる判断材料となります。

運動による心臓の動きや血流の変化、体への負荷の程度

トレッドミル検査では、心臓が運動にどれだけ耐えられるか=心機能の強さを客観的に評価できます。これは、病気の有無だけでなく、運動に対する心臓の反応をみることで、体への負荷の許容範囲を知る目的でも行われます。検査中は、心拍数や血圧の変化を細かく観察し、以下のような異常がないかを確認します。

  • 運動しても血圧が上がらない、または下がる
  • 心拍数が十分に上がらず、反応が鈍い

これらは、心臓のポンプ機能が低下しているサインの可能性があります。検査結果をもとに、無理のない運動量や日常生活での注意点を判断できるため、安全に身体を動かすための指標として役立ちます

薬や治療の効果、運動耐容能(どの程度動けるか)

治療を受けたあとの体の変化を確認するために、トレッドミル検査は「治療の成果を客観的に見える化」する方法です。お薬の効果やカテーテル治療後の状態が、自分に合っているかを数値で把握できます。

特に重要なのが「運動耐容能(うんどうたいようのう)」の評価です。これは、どの程度の運動まで無理なく行えるかを示す体力の指標で、以下のような点を確認します。

  • 治療前後での運動の持続時間や強さの変化
  • 症状(胸の痛みなど)や心電図異常の改善
  • 現在の薬が体に合っているかどうか

この結果をもとに、無理のないリハビリや運動計画(運動処方)を立てることができます。安全に日常生活を送るための、重要な情報が得られる検査です。

トレッドミル検査の流れ

トレッドミル検査は、約20分~30分で終了する安全性の高い検査です。心臓への負荷に対する反応を見るため、以下の4つのステップで進みます。

  1. 準備:胸に心電図の電極を貼り、腕に血圧計を巻きます。
  2. 検査開始:トレッドミルに乗り、平らな道をゆっくり歩きます。
  3. 運動負荷:2〜3分ごとに速度や傾斜を少しずつ上げていきます。
  4. 検査終了:心拍数の目標到達、つらさを感じたとき、または医師の判断で中止します。

運動時間は5分前後ですが、体調や体力に応じて調整します。検査中は医師やスタッフが常に状態を確認していますので、少しでもつらさを感じたら、すぐにお知らせください。安全を最優先に進めますので、安心してお受けいただけます。

トレッドミル検査前後の注意点

トレッドミル検査を安全に、そして正確に行うための注意点をご説明します。

当日は軽装で来院し、運動しやすい靴を履く

トレッドミル検査では実際に歩いたり走ったりするため、動きやすい服装と滑りにくい靴が必要です。当院では検査着の貸し出しを行っていないため、ご自身で準備をお願いします。服装については、以下のようなものが適しています。

  • Tシャツやポロシャツなどの通気性が良いトップス
  • ジャージ、スウェット、トレーニングパンツなど動きやすいズボン

以下のような服装は避けましょう。

  • ワンピース、スカートなど足の動きを妨げる服
  • ジーンズなど体を締めつける服
  • 和装やボタンの多い服

足元は、履き慣れたスニーカーなどの運動靴が安全です。室内用があればご持参ください。新しい靴は靴擦れの恐れがあるため避けましょう。検査中に汗をかくことがあるため、タオルや着替えの持参もおすすめします。安全で快適な状態で検査を受けていただくことが、正確な結果につながります。

検査前は軽く水分補給を行い、空腹・満腹は避ける

トレッドミル検査の当日は、空腹や満腹を避け、軽く水分補給をしておくことが大切です。直前の食事は、消化のために胃に血液が集中し、運動時に心臓へ余分な負担がかかってしまいます。空腹すぎると低血糖になり、めまいやふらつきを起こす恐れもあります。

検査の2時間前までに、おにぎりやパンなどの軽い食事を済ませておきましょう。検査直前までのお水やお茶による水分補給は問題ありません。糖分の多い飲み物は血糖値に影響するため控えてください。

あわせて、当日は禁煙をお願いします。タバコに含まれるニコチンは血圧や心拍数に影響し、正確な検査結果が得られなくなる可能性があります。正確で安全な検査のために、事前の体調管理にご協力ください。

検査中に胸の痛みや息苦しさを感じたらすぐに伝える

トレッドミル検査中に少しでも「おかしいな」と感じたら、すぐに医師やスタッフに伝えてください。胸の痛みや締め付け感、息苦しさ、動悸、めまい、冷や汗、足の強い疲労感などは、心臓からの大切なサインかもしれません。

「もう少し頑張れるかも」と思って無理をすると、体に大きな負担がかかることがあります。遠慮せず、正直に伝えていただくことが、検査の安全と正確な診断につながります。

検査後は安静にし、十分に休んでから帰宅する

検査が終わっても、すぐに帰宅せず、体を落ち着かせる時間をしっかり取ることが大切です。運動後は血圧が急に下がることがあり、立ちくらみやめまいの原因になります。そのため、検査後はベッドで安静にしながら、心拍数や血圧が元の状態に戻るかを確認します。

通常は15〜30分程度の休憩時間を設けていますが、体調がすぐれない場合は回復するまでゆっくりお休みいただけます。電極などは状態を確認してから外しますので、安心してお過ごしください。

帰宅後も無理は禁物です。汗をかいた場合はしっかり拭き、必要であれば着替えてからお帰りください。当日は激しい運動や長時間の入浴を避け、体をいたわりながらゆっくり過ごすようにしましょう。

トレッドミル検査は循環器専門医がいる大石内科循環器科医院で

トレッドミル検査は、安静時の検査では見つけにくい心臓の異常を、運動によって明らかにする大切な検査です。階段を上ったときの胸の痛みや、少し動いただけで息が切れるといった症状は、狭心症や不整脈などの兆候かもしれません。「年齢のせい」「疲れているだけ」と見過ごさず、ご自身の体の状態を正しく知ることが、健康を守る第一歩です。

大石内科循環器科医院では、専門的な知識と安全管理のもとでトレッドミル検査を行っており、症状の原因を丁寧に評価します。気になる症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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