大石内科循環器科医院

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血圧脈波検査

血圧脈波検査とは

血圧脈波検査は、動脈硬化の進行度や血管の詰まりを調べるための簡便な検査です。心筋梗塞や脳梗塞のリスクを評価する目的で行われ、痛みもなく数分で終わります。

検査では、腕と足に血圧計を巻いて、血圧の差や脈の伝わる速さを測定します。次の2つの指標により、血管の状態を客観的に把握できます。

  • CAVI(キャビィ):血管の「硬さ」を評価する指標
  • ABI(エービーアイ):血管の「詰まり具合」を評価する指標

CAVIが9.0以上、ABIが0.9未満の場合は、動脈硬化や血流障害の可能性があるため注意が必要です。大石内科循環器科医院では、これらの結果をもとに、生活習慣の見直しや治療の必要性を丁寧にご説明します。ご自身の血管年齢を知り、将来のリスクに備えるために、ぜひご相談ください。

こんな症状・お悩みがある方におすすめ

自覚症状がなくても、血管の老化(動脈硬化)は静かに進んでいることがあります。以下でご紹介する症状やお悩みを持つ方は、動脈硬化のリスクが高い可能性があります。

血圧が高い、または血圧の変動が気になる

高血圧は動脈硬化を進める大きな要因の一つであり、血管の状態を確認することが非常に重要です。健康診断で高血圧を指摘された方や、家庭での血圧が不安定な方は、血管にすでに負担がかかっている可能性があります。

血圧脈波検査では、血圧の数値だけではわからない「血管の硬さ」や「詰まり」を客観的に評価できます。治療中の方にとっては、薬の効果を確認する手段としても有用です。次のような方は、ぜひ検査をご検討ください。

  • 高血圧と診断された方
  • 家庭血圧が高い、または日によってばらつきがある方
  • 家族に高血圧の方がいる方
  • 血圧の薬を服用中で、血管の状態も知りたい方

血管の状態を把握することは、今後の治療方針や生活改善の指針になります。

糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病がある

糖尿病や脂質異常症のある方は、自覚症状がなくても動脈硬化が進んでいる可能性があります。これらの生活習慣病は、血管に慢性的なダメージを与え、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクを高めるため注意が必要です。

糖尿病では、血中の過剰な糖が血管の内側を傷つけ、血管の硬化を促進します。脂質異常症では、悪玉(LDL)コレステロールが血管に蓄積し、血流を妨げる原因となります。次のような方は、血圧脈波検査で血管の状態を定期的にチェックすることをおすすめします。

  • 糖尿病や脂質異常症の治療を受けている方
  • 血糖値・LDLコレステロール・中性脂肪が高い方
  • 肥満傾向があり、運動習慣が少ない方

合併症の予防や治療方針の見直しのためにも、早めの血管チェックが大切です。

足の冷え・しびれ・歩行時の痛みなどの症状がある

足の冷えやしびれ、歩行時の痛みは、足の血管が狭くなっているサインかもしれません。「歩くと足が痛み、少し休むと楽になる」という症状は、間歇性跛行(かんけつせいはこう)と呼ばれ、下肢の動脈硬化によって血流が不足している可能性があります。

血圧脈波検査では、ABI(エービーアイ)という指標で足の血流の異常を数値化できます。ABIが低いと、足の血管が詰まりかけている状態が疑われ、適切な診断や治療へとつなげることが可能です。以下のような症状がある方は、ぜひご相談ください。

  • 足先が冷たい、皮膚の色が悪い
  • 足の指や足裏にしびれを感じる
  • 歩行時にふくらはぎが痛み、休むと楽になる
  • 足の傷が治りにくい、治るのに時間がかかる

早期の血管チェックで、重症化を防ぐことができます。

喫煙歴や加齢による血管の老化が気になる

喫煙や加齢は、知らず知らずのうちに血管を傷つけ、動脈硬化を進める大きな原因となります。タバコは血管の内側を直接傷つけ、加齢によっても血管の弾力は徐々に失われていきます。これらの変化は、自覚症状がないまま進行し、心筋梗塞や脳卒中などの重大な疾患につながる可能性があります。

血圧脈波検査では、喫煙や年齢による血管の老化を、CAVIという指標で客観的に評価できます。検査結果をもとに生活習慣を見直すことが、将来の病気予防につながります。

次のような方は、ぜひ一度検査をご検討ください。

  • 現在喫煙している方、または過去に喫煙歴が長い方
  • 40歳以上で血管の状態を調べたことがない方
  • 家族に心筋梗塞や脳卒中の既往がある方

健診で血管年齢を調べたい、または動脈硬化を予防したい

「血管年齢」を知ることは、将来の病気を防ぐための第一歩です。血管年齢は、実年齢と比べて血管がどの程度若いか・老化しているかを示す目安であり、生活習慣による影響を数値で確認できます。たとえ健診結果が正常でも、血管年齢が高ければ動脈硬化が進行している可能性があります。

検査結果をもとに、食事・運動・禁煙など、生活習慣を見直すきっかけにもなります。以下のような方におすすめです。

  • 自分の血管年齢を知っておきたい方
  • 病気を未然に防ぐために行動を始めたい方
  • 健診で異常がなくても血管の状態が気になる方
  • 日々の生活習慣を見直すきっかけがほしい方

「まだ大丈夫」と思っている今こそ、血管のチェックをおすすめします。

血圧脈波検査でわかること

血圧脈波検査は、目には見えない血管の健康状態を調べるための検査です。「数値」という客観的な形で、ご自身の血管の状態を詳しく知ることができます。ここでは、血圧脈波検査でわかる3つのことを解説します。

動脈硬化の進行度(血管の硬さ)

血管の硬さは、動脈硬化の進行度を示す重要な指標です。健康な血管はゴムのようにしなやかですが、加齢や生活習慣の影響で次第に硬くなり、破れやすく・詰まりやすい状態へと変化します。血圧脈波検査では、「CAVI」という数値で血管の硬さを評価します。

CAVIは、心臓から足首まで脈の速さを測定することで、血管のしなやかさを数値化したものです。数値が高いほど血管は硬く、8.0以上で動脈硬化の疑い、9.0以上で進行した動脈硬化が強く疑われます。

自覚症状がないうちに状態を把握し、早めの生活改善につなげることが大切です。

下肢動脈の血流障害(つまりや狭窄の有無)

足の血管が狭くなったり詰まったりすると、冷えや痛み、しびれなどの不調を引き起こすことがあります。その原因の多くは動脈硬化によるもので、血管の内側に「プラーク(脂肪の塊)」がたまり、血流が妨げられることで生じます。

血圧脈波検査では、ABIという指標を使って足の血流の異常を数値で評価します。ABIは、腕と足首の血圧の比を計算したもので、0.91〜1.40が正常値、0.9未満は血管の狭窄や閉塞が疑われます。

ABIが低い場合は、「閉塞性動脈硬化症」などの病気が隠れている可能性もあるため、注意が必要です。歩くとふくらはぎが痛み、休むと楽になる「間歇性跛行」などの症状がある方は、血流障害のサインかもしれません。年齢のせいと決めつけず、足の症状にはABI検査での評価が大切です。

血管年齢や将来の心筋梗塞・脳梗塞のリスク評価

血圧脈波検査では、CAVIの値から「血管年齢」を推定でき、将来の心筋梗塞や脳梗塞のリスクを評価できます。血管年齢は、同年代の健康な人と比べて血管がどれくらいしなやかかを数値化したもので、血管の健康状態を客観的に見える化できます。

以下のように、血管年齢の結果から今の状態がわかります。

  • 実年齢より高い場合:動脈硬化が進んでいる可能性があり、生活習慣の早急な見直しが必要
  • 実年齢と同等または若い場合:現在の生活習慣が血管の健康に良い影響を与えている状態

たとえ健康診断の数値が正常でも、血管年齢が高いことでリスクに気づくことがあります。検査結果をもとに、医師と一緒に生活習慣の改善や必要に応じた治療方針を検討できます。血管の状態を知ることが、将来の病気を防ぐ第一歩です。

血圧脈波検査の流れ

血圧脈波検査は、短時間で終わり、痛みもなく受けられる簡単な検査です。血圧測定と似た感覚で、体に大きな負担をかけずに血管の状態を調べることができます。当日の流れは以下のとおりです。

  1. 準備:ベッドに仰向けになり、両腕と両足首にカフを巻きます。
  2. 測定:カフが順番に膨らみ、血圧と脈のデータを記録します(約5分)。
  3. 結果説明機器を外し、検査結果をその場で医師から結果を説明します。

測定中は、会話や体の動きを控え、リラックスした状態を保つことが大切です。検査後すぐに結果がわかるため、今の血管の状態をその場で確認できます。健診の一環や動脈硬化のチェックとして、気軽に受けられる検査です。

検査前後の注意点

血圧脈波検査で、より正確に血管の状態を知るためには、いくつか大切なポイントがあります。ご自身の体を正しく知るための大切な準備として、注意点を把握しておきましょう。

締めつけの少ない服装で来院する

血圧脈波検査は、腕と足首にカフ(帯)を巻いて測定するため、検査しやすい服装が必要です。体を締めつける服装や、腕・足首が出しにくい服装は、正確な測定の妨げになります。また、締めつけが強い衣類は血流に影響し、測定値に誤差が出る可能性もあります。

検査当日は、Tシャツや袖の広いシャツ、ゆったりとしたズボンやスカートなど、腕や足首がすぐに出せる服装がおすすめです。スキニーパンツ、タイツ、ガードルなどは避けてください。

服装に迷う場合は、着替えやすい服を着てご来院いただくと安心です。検査をスムーズに進めるために、ぜひご協力をお願いします。

当日は水分を適度にとっておく

検査当日は、体内の水分を十分に保つことが、正確な測定結果につながります。脱水状態では血液の流れが悪くなり、血管の硬さや詰まり具合に誤差が出ることがあります。特に朝食後や来院前は、喉の渇きを感じていなくてもコップ1杯程度の水や白湯を飲んでおくと安心です。

飲み物の種類にも注意が必要です。カフェインを含むコーヒーや紅茶、エナジードリンクなどは、血圧や脈拍を上げる作用があるため避けましょう。利尿作用によってかえって脱水を引き起こす可能性もあります。

水や麦茶など、ノンカフェインの飲み物を選ぶのが理想的です。検査の精度を高めるためにも、検査直前の水分補給を意識してください。

測定中は体を動かさず、リラックスして横になる

血圧脈波検査では、体を動かさずリラックスすることが、正確な結果を得るためのポイントです。測定時間はわずか5分ほどですが、その間の姿勢と呼吸がデータの精度に大きく影響します。体を動かすと脈波の測定にノイズが入り、正確な記録ができなくなります。また、緊張や力みがあると血圧が高く出てしまうこともあります。

リラックスして測定を受けるためには、肩の力を抜き、手足を自然な位置に置きましょう。ゆっくりとした呼吸を意識し、目を閉じるのも効果的です。測定中は会話を控え、静かに過ごすことをおすすめします。検査に痛みはなく、スタッフがすぐ近くにいますので、不安があればすぐにお知らせください。

検査後は普段通りの生活で問題ない

血圧脈波検査は体に負担の少ない検査のため、終了後はいつも通りの生活に戻っていただけます。注射や薬の使用もなく、身体を強く動かすこともありませんので、特別な安静や制限は不要です。ご高齢の方や持病のある方でも安心して受けられる検査です。終了後は、以下のような日常生活に支障はありません。

  • 食事・入浴:いつも通りで問題ありません。
  • 運動:普段の運動習慣を続けて構いません。
  • お仕事・運転:制限はありません。

検査結果は当日にその場でわかります。医師が血管の硬さや詰まり具合、血管年齢をレポートで丁寧にご説明します。今の血管の状態を知ることで、健康への第一歩が踏み出せます。結果をもとに、今後の予防や改善に向けた方針を一緒に考えていきましょう。

血圧脈波検査を受けるなら大石内科循環器科医院へ

血圧脈波検査は、わずか数分で血管の「硬さ」や「詰まり具合」を数値で確認できる、動脈硬化の早期発見に非常に有効な検査です。症状がない段階でも、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを事前に把握できることが大きな特徴です。

血圧が高い方や足が冷える方、家族に心臓病の人がいる方などは、ご自身の血管年齢をチェックしてみませんか。

大石内科循環器科医院では、検査から結果説明まで丁寧に対応し、今後の予防や生活改善についてもわかりやすくアドバイスいたします。40代以降の健康チェックとしてもおすすめです。動脈硬化が気になる方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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