大石内科循環器科医院

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甲状腺エコー

甲状腺エコー検査とは

甲状腺エコー検査とは、首にある甲状腺の状態を、超音波を使って詳しく調べる検査です。超音波(エコー)は人の耳には聞こえない高い音の振動で、体に当てたときの反射を画像として映し出します。この検査は痛みがなく、放射線も使わないため、安全性が高いのが特徴です。

お子さまや妊娠中の方でも安心して受けていただけます。検査時間は5〜15分ほどで、体への負担もほとんどありません。甲状腺は首のすぐ下にあるため、肌の上から小さな機械(プローブ)を軽く当てるだけで、腫れ・しこり・炎症などの変化をリアルタイムで観察できます。

定期的な経過観察にも適した、簡便で信頼性の高い検査です。当院でも実施していますので、どうぞ安心してご相談ください。

こんな症状・お悩みがある方におすすめ

甲状腺エコー検査を受けることで、病気のサインを早期に捉え、適切な治療につなげることが可能です。ここでは、検査を受けるべきおすすめの方法を紹介しています。

首にしこりや腫れを感じる

首にしこりや腫れを感じた場合、甲状腺に何らかの変化が起きている可能性があります。甲状腺は、のどぼとけの下にある小さな臓器で、病気になると見た目や触れたときの違和感で気づかれることが多くあります。

甲状腺エコー検査では、こうした変化の原因を詳しく調べることができます。検査では、以下のような点を確認します。

  • 甲状腺全体が腫れていないかを確認
  • しこり(結節)の有無と、その形や性質を評価

しこりの多くは良性ですが、まれに甲状腺がんの可能性もあるため、自己判断せず、早めの検査が大切です。

声がかすれる、または飲み込みづらさがある

声のかすれや食べ物の飲み込みにくさは、甲状腺が原因で起こることがあります。甲状腺は、声帯を動かす神経や食道のすぐ近くにあるため、異常が起きると周囲を圧迫し、機能に影響を及ぼすことがあります。甲状腺の腫れやしこりがあると、次のような症状が出ることがあります。

  • 声を出す神経が圧迫され、声がかすれる・高音が出にくくなる
  • 食道が圧迫され、のどにつかえる・飲み込みづらい感覚がある

他の病気が原因のこともありますが、甲状腺の異常の可能性も見逃せません。気になる症状が続く場合は、早めに甲状腺エコー検査で確認しましょう。

健康診断や血液検査で甲状腺の異常を指摘された

健診で「甲状腺に異常あり」や「要再検査」と書かれていた場合、甲状腺の病気が隠れている可能性があります。甲状腺の異常は、次の2つの観点から指摘されます。

  • 血液検査でホルモンの数値が高すぎる・低すぎる(機能の異常)
  • エコーや触診でしこりや腫れが見つかる(形の異常)

特に形の異常が疑われた場合は、甲状腺エコー検査で内部を詳しく調べることが重要です。ホルモンが正常でも、しこりが見つかることはあります。異常を指摘されたら放置せず、早めの精密検査を受けましょう。

家族に甲状腺疾患(バセドウ病・橋本病など)の既往がある

バセドウ病や橋本病などの甲状腺疾患は、体質が家族間で似ることから、血縁者に同じ病気がある方は将来の発症リスクがやや高いと言われています。今は症状がなくても、定期的に甲状腺エコーで状態を確認することが早期発見に役立ちます。

甲状腺疾患で治療中、または経過観察中の方

すでに甲状腺疾患と診断され、治療中または経過観察中の方にとって、甲状腺エコー検査は体の状態を把握するための重要な検査です。病状が安定しているか、治療が効果を上げているか、あるいは新たな変化がないかを、定期的に確認していく必要があります。

しこりがある場合や手術後の経過をみる場合などでは、主治医の判断にもとづき、エコーによる継続的なチェックが欠かせません。自覚症状がなくても、検査でしか分からない変化が現れることもあるため、安心して治療を続けるためにも定期検査は大切です。

甲状腺エコー検査でわかること

甲状腺エコー検査では、超音波によって首の表面から甲状腺の状態をリアルタイムで確認できます。以下のような項目が主に評価され、病気の早期発見や治療方針の決定に役立ちます。

甲状腺の腫れや炎症の有無(甲状腺腫・橋本病など)

甲状腺の腫れや炎症は、甲状腺エコー検査で早期に見つけることができます。特に甲状腺全体が均一に腫れる「びまん性病変」は、以下のような病気が疑われます。

  • バセドウ病:甲状腺が全体的に大きくなり、内部はゴツゴツと不均一に見える
  • 橋本病(慢性甲状腺炎):腫れが見られる一方、慢性化すると逆に小さくなることもある
  • 亜急性甲状腺炎:炎症が起きた部位の輪郭がぼやけ、痛みを伴うケースが多い

これらの所見は、血液検査の結果とあわせて診断の参考になります。

結節(しこり)の有無と性質(良性・悪性の判断材料)

甲状腺エコー検査では、しこり(結節)の有無や性質を詳しく調べることができます。見つかった場合は、良性か悪性かを推測するために、次のようなポイントを確認します。

  • 形や大きさ:丸く横に広い形は良性が多く、縦長やいびつな形は悪性の可能性
  • 境界の様子:輪郭がはっきりしていれば良性、ぼやけている場合は注意が必要
  • 内部の構造:液体が溜まった袋状なら良性、白い点(石灰化)があれば悪性の疑い
  • 硬さの印象:柔らかく見える場合は良性、硬そうに見えるとリスクが高い傾向

これらの情報を総合的に判断し、必要に応じて細胞検査(穿刺吸引細胞診)を行います。

甲状腺がんの早期発見や経過観察

甲状腺エコー検査は、甲状腺がんの早期発見や治療後の経過観察において重要です。自覚症状がない小さなしこりも、エコーなら数ミリ単位で見つけられます。がんの可能性があるしこりには、以下のような特徴があります。

  • 5mm以上の大きさ
  • いびつな形や境界が不明瞭
  • 内部に白い点(微細石灰化)がある
  • 急に大きくなってきた
  • 首のリンパ節に腫れがある

これらの所見があれば、追加の精密検査(細胞診など)を行い、がんの有無を詳しく調べます。治療後や良性しこりの経過観察中も、定期的なエコーで変化をチェックすることで、再発や進行を早期に把握できます。

甲状腺の大きさ・形・内部構造の変化

甲状腺エコー検査では、甲状腺の大きさや形、内部の構造に異常がないかを詳しく確認できます。これにより、病気の有無や種類を推測する手がかりが得られます。評価のポイントは次のとおりです。

  • 大きさや形:正常範囲か、全体的に腫れていないか、小さくなっていないか
  • 内部の均一性:正常では全体がきめ細かく均一に見えるが、炎症などがあるとゴツゴツした不均一な所見になる
  • 色の濃淡:黒く見える部分は炎症、白く見える部分は石灰化などの可能性を示す

甲状腺のすぐ近くにある副甲状腺や、リンパ節の腫れなども同時に確認できます。このように、甲状腺だけでなく首まわり全体の状態を把握できるのが、エコー検査の大きなメリットです。

甲状腺エコー検査の流れ

甲状腺エコー検査は仰向けで寝た状態で行い、痛みや体への負担はほとんどありません。検査当日の流れは以下のとおりです。

  1. ベッドに仰向けになっていただき、首を少し反らせた姿勢をお取りいただきます。
  2. 首元に透明なゼリーを塗り、超音波が伝わりやすい状態にいたします。
  3. 室内を少し暗くし、プローブという機器を首にあてて丁寧に観察いたします。
  4. 甲状腺の大きさやしこりの有無などを、リアルタイムで確認いたします。
  5. 検査後はゼリーを拭き取り、そのまま普段通りの生活をしていただけます。

検査時間は5〜15分ほどで終了します。普段通りの呼吸でリラックスして受けてください。

検査前後の注意事項

ここでは、甲状腺エコー検査をより安心して受けていただくための簡単な注意点をご説明します。

食事制限や特別な準備は不要

甲状腺エコー検査は、特別な準備をしなくても受けられる検査です。検査当日は、以下のようなことを気にせず普段通りにお過ごしください。

【事前に準備しなくてよいこと】

  • 食事や水分の制限
  • 常用薬の中断(医師の指示がない限り)
  • 特別な持ち物や準備

胃カメラや腹部エコーと異なり、食事内容が検査結果に影響することはありません。お薬も普段通り服用して問題ありません。不安な点があれば、事前に医師やスタッフへご相談ください。

ネックレスやマフラーなど首まわりの装飾品は外しておく

ネックレスやマフラーなど首まわりの装飾品は外しておきましょう。甲状腺エコー検査では、首にゼリーを塗って超音波をあてるため、首元がすっきりした服装でお越しいただくと検査がスムーズです。事前に以下をご確認ください。

【検査当日の服装と持ち物のポイント】

  • 首元が開いたTシャツやVネックのトップス
  • ネックレスやチョーカーなどの装飾品は外す
  • スカーフやマフラーも避ける
  • ハンドタオルがあるとゼリーの拭き取りに便利

服装や持ち物を少し工夫するだけで、より快適に検査を受けていただけます。

検査中に痛みや違和感があればすぐに伝える

検査中に痛みや違和感があればすぐにお伝えください。甲状腺エコー検査は、体に負担の少ない検査で、基本的に痛みはありません。ただし、ゼリーの冷たさや、プローブで首を軽く押される感覚に違和感を覚えることがあります。

万が一、強い圧迫感や息苦しさ、気分が悪くなった場合には、我慢せずその場でお申し出ください。無理をすると筋肉が緊張し、画像が見えにくくなることもあります。検査は患者さまの安全と安心を最優先に行いますので、どんな小さなことでも遠慮なくお声がけください。

検査後は普段通りの生活に戻れる

検査後はそのまま普段通りの生活に戻れます。検査が終わりましたら、首についたゼリーをきれいに拭き取って終了です。食事や仕事、入浴、運動など、すべて普段通りに行っていただけます。

甲状腺エコー検査は放射線を使わず、体への影響がほとんどない安全な検査です。妊娠中の方やお子さまでも安心して受けていただけます。検査結果の説明は当日または後日、医師よりご案内いたします。

甲状腺の健康が気になる方は、大石内科循環器科医院にご相談ください

甲状腺エコー検査は、痛みや放射線の心配がなく、短時間で安心して受けられる検査です。首のしこりや腫れ、声のかすれ、飲み込みにくさなどの症状の原因を調べ、健康診断で指摘された甲状腺の異常を詳しく確認できます。

甲状腺の病気は初期には症状が出にくく、気づかないうちに進行することもあります。だからこそ、定期的な検査や早めのチェックがとても大切です。

気になる症状やご不安がある方は、お一人で悩まず、大石内科循環器科医院までお気軽にご相談ください。甲状腺エコー検査を通じて、皆さまの健康をしっかりとサポートいたします。

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