大石内科循環器科医院

静岡市葵区鷹匠2-6-1 新静岡駅より 徒歩3分 駐車場あり

静岡市葵区鷹匠2-6-1
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下肢動脈エコー

下肢動脈エコー検査とは

下肢動脈エコー検査は、足の動脈を超音波で映し出し、血管の状態や血流をリアルタイムで確認する検査です。人の耳には聞こえない安全な音波(エコー)を使うため、体への負担が少なく、痛みもほとんどありません。血管の内側の様子や血液の流れを視覚的に捉えることで、足の血管の健康状態を詳しく評価できます。

当院でも実施していますので、どうぞ安心してご相談ください。

こんな症状・お悩みがある方におすすめ

足の血管が狭くなったり、血流が悪くなっていると、さまざまな不調として現れることがあります。以下のような症状やご状況に心当たりのある方は、下肢動脈エコー検査を受けることで、原因の早期発見に役立つ可能性があります。

歩くとふくらはぎや太ももが痛くなる(間欠性跛行)

「歩き始めてしばらくすると、ふくらはぎや太ももが痛くなる」などの症状は、間欠性跛行(かんけつせいはこう)の典型的なサインです。足の筋肉に血液が十分届かなくなったときに現れる、血流障害による症状です。

歩行によって筋肉の酸素消費量が増えるのに対し、血流が追いつかないため、筋肉が一時的に酸素不足に陥ります。結果として痛みや重だるさ、張り、つっぱり感などが出現します。

関節や筋肉の問題と似ているため、年齢や体力のせいと誤解されやすいのも特徴です。しかし、放置すると歩ける距離がどんどん短くなっていく場合もあるため、早めのチェックが大切です。

足先が冷たい・しびれる・色が悪いと感じる

足先の冷えやしびれ、色の変化は、血流の悪化によるサインかもしれません。特に動脈硬化が原因の場合、以下のような特徴が見られます。

【冷えの特徴】

  • 片足だけが明らかに冷たい
  • 靴下や布団でも温まらない

【しびれの特徴】

  • 足の感覚が鈍くなる
  • 厚い布越しに触られているように感じる
  • ピリピリ・ジンジンとしたしびれが続く

【色の変化】

  • 足が白っぽく見える(血の気がない)
  • 紫色に変色する(チアノーゼ)

これらは、心臓からの血液が末端まで届かず、酸素や栄養が不足している状態を示しています。さらに進行すると、安静にしていても足が痛む「安静時痛」が出ることもあり、夜間に眠れないほどの強い痛みになることもあります。些細な違和感も見逃さず、早めに血管の状態を確認することが大切です。

傷が治りにくい、または足の皮膚が乾燥している

足の傷がなかなか治らない、皮膚が極端に乾燥しているなどの症状は、血流の低下による可能性があります。これは動脈硬化が原因で、酸素や栄養が十分に届いていない状態です。以下のような変化が見られたら注意が必要です。

【傷の治りが遅い】

  • 靴擦れや切り傷が何日も治らない
  • 傷口がじくじくしたり、化膿しやすい
  • 傷が深くなり、潰瘍のようになることがある

【皮膚や爪の変化】

  • 足全体がカサついて粉を吹いたようになる
  • 爪が分厚くなり、変形・もろくなる
  • すねや足の甲の毛が薄くなる・抜ける

血液が届かないことで皮膚細胞が栄養不足になり、自己修復の力が弱まります。症状が進行すると壊疽(えそ)を引き起こし、足の切断に至るケースもあるため、見逃さず早めの対応が大切です。

糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病がある

生活習慣病のある方は、足の血管にも知らず知らずのうちにダメージが進んでいる可能性があります。糖尿病・高血圧・脂質異常症は、いずれも動脈硬化を進行させる大きなリスク因子です。

【糖尿病】

  • 高血糖が血管の内側を傷つけ、動脈硬化を進行させる
  • 神経障害が起こると、足の痛みや傷に気づきにくくなる

【高血圧】

  • 血管に常に高い圧力がかかり、壁が硬くもろくなる
  • 血流のコントロールが不安定になりやすい

【脂質異常症】

  • 悪玉コレステロールが血管壁にたまり、血管を狭くする
  • プラークの蓄積が血流障害や詰まりの原因になる

これらの病気は、足の血管にも静かに進行するため、症状が出る前の段階で血流の状態をチェックすることが大切です。たとえ足に不調がなくても、定期的な検査による予防的な管理が健康維持に役立ちます。

喫煙歴があり、動脈硬化が心配な方

喫煙は動脈硬化を強力に進行させる最大のリスク要因の一つです。現在喫煙中の方はもちろん、過去に長く喫煙していた方も、血管にダメージが蓄積されている可能性があります。タバコによる血管への影響には以下のようなものがあります。

  • 血管内皮を傷つけ、動脈硬化のきっかけを作る
  • ニコチンが血管を収縮させ、血圧と血流の負担を増加させる
  • 血液を粘っこくして、血栓ができやすくなる

足の血管に関わる「閉塞性動脈硬化症」は、喫煙との関連が非常に強いとされています。健康管理の第一歩として、下肢動脈エコー検査で自分の血管の状態を知ることから始めてみましょう。

下肢動脈エコー検査でわかること

下肢動脈エコー検査では、超音波を使って足の血管の内部を詳しく観察することで、血液の流れや血管の状態がわかります。具体的に検査でわかる内容を解説します。

動脈硬化による血管の狭窄や閉塞の有無

足の血管が狭くなったり詰まったりしているかどうかを確認できるのが、下肢動脈エコー検査の大きな役割です。動脈硬化の進行度や血流への影響を、リアルタイムで可視化します。

以下のような情報を確認できます。

  • 血管の壁がどれくらい厚くなっているか
  • プラーク(コレステロールなどの塊)の有無や大きさ
  • 血管の狭窄(血管が狭くなる)や閉塞(完全に詰まる)の有無

これらを把握することで、足の冷えや痛みの原因が血管にあるかを見極め、治療や生活改善に役立てます。

血流の流れ方や速さの異常

血液の流れ方やスピードを調べることで、血管の狭窄や閉塞による血流異常を正確に評価できるのが、下肢動脈エコー検査の大きな特長です。特に「ドップラー法」により、目に見えない血流の異常も可視化できます。以下のような技術で詳しく観察します。

【カラードップラー法】

  • 血流を赤・青で色分けして表示
  • 狭窄部では色の乱れが生じ、異常がひと目でわかる

【パルスドップラー法】

  • 特定部位の血流速度を波形で記録
  • 狭くなった場所ではスピードが急上昇する
  • 詰まりの先では流れが弱くなる、または消失する

ただ血管の形を見るだけでなく、実際の血液の流れまでチェックすることで、症状の原因や重症度を立体的に把握できます。

閉塞性動脈硬化症(ASO)の有無

閉塞性動脈硬化症(ASO)は、足先への血流が不足することでさまざまな症状を引き起こします。代表的な症状は、歩くと足が痛み、休むと治る「間欠性跛行」です。

下肢動脈エコー検査では、このASOの診断に必要な情報を以下のように多角的に評価します。

  • 血管の壁の厚さやプラークの有無から動脈硬化の進行度を確認
  • 狭窄や閉塞がある血管の位置と範囲を特定
  • ドップラー法で血流の速度や乱れを調べ、血流障害の程度を評価

これらの結果を総合的に判断することで、ASOの有無だけでなく重症度まで明らかにできます。症状が進行すると、安静時でも足が痛んだり、潰瘍・壊死へとつながることもあるため、早期発見・早期対応が重要です。

足の冷えや痛みの原因の特定

足の冷えや痛みの原因を正確に知ることは、適切な治療への第一歩です。下肢動脈エコー検査では、その症状が血管由来のものかどうかを客観的に評価できます。

以下のような症状について、血流の異常が原因かどうかを明らかにできます。

  • 歩行時の痛み:筋肉への血流不足による酸素欠乏が疑われます。
  • 足先の冷えや色の悪さ:末端まで血液が届いていない可能性があります。
  • 傷の治りにくさ:酸素や栄養が患部に行き渡らず、自然治癒が妨げられている状態です。

血流が原因であると判明すれば、薬・運動療法・カテーテル治療など、状態に合った治療方針を選ぶことが可能になります。長く続く足の症状がある場合は、早めのチェックがおすすめです。

下肢動脈エコー検査の流れ

下肢動脈エコー検査は、体への負担が少なく、短時間で終わる検査です。安心して受けていただけるよう、当日の流れをご紹介します。

  1. 検査着に着替え:足の付け根から足先まで見えるよう短パンなどに着替えます。
  2. ベッドで仰向けに横になる:リラックスして寝ていただき、足以外はタオルで覆います。
  3. ゼリーを塗布:超音波を伝えやすくするため、足全体に温かいゼリーを塗ります。
  4. 超音波で観察:小さな機器(プローブ)を当てて血管の状態を確認します。
  5. 検査終了と拭き取り:約30分で終了し、ゼリーを拭き取って着替えれば完了です。
  6. 検査後の注意点:食事や運動など制限はなく、普段通りにお過ごしいただけます。

検査前後の注意事項

下肢動脈エコー検査を安心して受けていただくために、検査の前後に気をつけていただきたいことをご説明します。

締めつけの少ない服装で来院する

検査の正確性とスムーズな進行のために、ゆったりした服装での来院が理想的です。足の付け根から足先まで観察するため、着替えやすく血管を圧迫しない服装を選びましょう。以下のポイントを参考にしてください。

【おすすめの服装】

  • ウエストがゴムのズボンやスウェット
  • ゆったりとしたスカート
  • Tシャツなど上下が分かれている服

【避けたほうが良い服装】

  • ワンピースや、体を締めつけるボディスーツ
  • ガードル、コルセット、着圧ソックスなどの補正下着
  • 体にぴったりとフィットするスキニージーンズ

検査中は足以外にタオルをかけるなど、プライバシーに十分配慮していますのでご安心ください。

食事制限や特別な準備は不要

下肢動脈エコー検査は、前日や当日の食事制限は必要ありません。体への負担も少なく、普段どおりの生活で受けられる検査です。当日スムーズに検査を受けるため、以下の点をご確認ください。

  • 食事:朝食や昼食はいつも通りしていただいて問題ありません。
  • 服薬:医師の指示がない限り、普段通り服用可能です。
  • トイレ:検査前に済ませておくと安心です。
  • 持ち物:保険証・診察券を忘れずに持参してください。

胃カメラなどのように絶食が必要な検査ではないため、気軽に受けていただけます。ご不明な点があれば事前にお気軽にご相談ください。

検査中に痛みや違和感があればすぐに伝える

下肢動脈エコー検査は、基本的に痛みのない安全な検査です。ただし、まれに軽い圧迫感や不快感を覚えることがあります。検査をスムーズに進めるためにも、以下のようなときは遠慮なくお声がけください。

  • 押される感覚が強いとき
  • 痛みや違和感を感じたとき
  • ゼリーが冷たくてつらいとき
  • 気分が悪くなったとき
  • その他、不安や不快を感じたとき

無理をすると体に力が入り、検査が正確に行えなくなる場合もあります。リラックスして受けていただくことが正確な診断につながります。

検査後は普段通りの生活に戻れる

下肢動脈エコー検査は体への負担が少なく、検査後はすぐに通常の生活に戻れます。注射や麻酔も使用しないため、安静の必要もありません。

【検査後の過ごし方】

  • 食事:制限なくすぐにお食事できます。
  • 運動・仕事:軽い運動や仕事にもすぐに復帰できます。
  • 入浴:当日から普段通り入浴可能です。
  • 運転:車や自転車の運転も支障ありません。

ゼリーは検査後に拭き取りますのでご安心ください。結果は当日または後日、医師が丁寧にご説明いたします。

下肢動脈エコー検査をご希望の方は大石内科循環器科医院へ

足の冷え・しびれ・歩行時の痛みは、年齢のせいではなく血管からのSOSかもしれません。下肢動脈エコーは、超音波で足の血管の詰まりや血流の状態を安全に確認できる、体にやさしい検査です。

特に、糖尿病・高血圧・脂質異常症のある方や喫煙歴のある方は、動脈硬化が進行している可能性があります。自覚症状がなくても、一度血管の状態をチェックしておくことが重要です。

大石内科循環器科医院では、専門医による丁寧な診察と検査を行い、足の症状の原因を評価して適切な診断につなげています。気になる症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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