大石内科循環器科医院

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高尿酸血症の薬物療法を医師が解説

2025.04.07 健康診断

あなたは、足の親指の付け根に突然襲いかかる激痛、痛風をご存知でしょうか? または気づかないうちに進行し、将来腎臓に負担をかける可能性のある高尿酸血症について、不安を感じたことはありませんか?

実は、日本人の約10人に1人が高尿酸血症に悩んでいると言われています。自覚症状がないまま進行することも多く、気がついた時には既に深刻な状態になっているケースも少なくありません。しかし、安心してください。高尿酸血症は適切な治療によって症状の悪化を防ぎ、健康な生活を取り戻すことができるのです。

この記事では、高尿酸血症の治療の中心となる薬物療法について、専門医が分かりやすく解説します。尿酸値を下げるための様々な薬剤の種類、その作用機序、効果的な飲み方、そして起こりうる副作用とその対処法まで、詳しくご紹介します。さらに、薬物療法以外の治療法についても触れ、あなたに最適な治療法を見つけるためのヒントを提供します。痛風や高尿酸血症に不安を感じている方、ぜひ読み進めて、健康な未来への第一歩を踏み出しましょう。

高尿酸血症の薬物療法とその効果

尿酸値が高いと診断された時、薬を飲むべきかどうか、不安になりますよね。多くの方が同じように悩んでいます。高尿酸血症は自覚症状がないまま進行し、ある日突然、足の親指の付け根に激痛が走る痛風発作を引き起こすことがあります。また長期間放置すると腎臓に負担がかかり、腎機能障害につながる可能性も出てきます。

しかし、ご安心ください。高尿酸血症は適切な治療を行うことで、これらのリスクを大きく減らすことができます。この章では高尿酸血症の薬物療法について、薬の種類や効果、飲み方、副作用など気になるポイントをわかりやすく解説します。一緒に高尿酸血症について理解を深め、健康な毎日を目指しましょう。

高尿酸血症の主な薬剤の種類と特徴

高尿酸血症の薬には、大きく分けて尿酸の「生産」を抑える薬と、尿酸の「排泄」を促す薬の2種類があります。私たちの体は細胞が古くなると分解され、その過程でプリン体という物質ができます。このプリン体が最終的に変化したものが尿酸です。

通常、尿酸は腎臓でろ過され尿中に排泄されます。しかし尿酸が作られすぎる、または排泄がうまくいかない場合、血液中の尿酸値が高くなり高尿酸血症となるのです。

それぞれのタイプの薬の特徴を、代表的な薬剤名とともにご紹介します。

薬の種類特徴代表的な薬剤名
尿酸産生抑制薬尿酸が作られるのを抑える薬です。体内で尿酸が作られるのを邪魔することで、尿酸値を下げます。アロプリノール、フェブキソスタット
尿酸排泄促進薬尿酸が体外に排出されるのを助ける薬です。腎臓での尿酸の再吸収を抑え、尿中に排出される尿酸の量を増やすことで、尿酸値を下げます。ベンズブロマロン、プロベネシド

例えば尿酸産生抑制薬は、工場で製品(尿酸)を作るのを減らすようなイメージです。一方、尿酸排泄促進薬は、工場から製品(尿酸)をトラックで運び出す量を増やすようなイメージです。

各薬剤の作用機序と期待される効果

薬によって、尿酸値を下げる仕組みが異なります。それぞれの薬がどのように作用し、どのような効果が期待できるのかを詳しく見ていきましょう。

  • アロプリノール: キサンチンオキシダーゼという酵素の働きを阻害します。この酵素は、プリン体を尿酸に変える働きをしているため、この酵素の働きを抑えることで尿酸の産生を抑制し、尿酸値を下げます。
  • フェブキソスタット: アロプリノールと同様にキサンチンオキシダーゼ阻害薬ですが、作用機序が若干異なり、より強力に尿酸産生を抑制します。
  • ベンズブロマロン: 腎臓の尿細管にある尿酸トランスポーターという、尿酸を再吸収するタンパク質の働きを阻害することで、尿酸の排泄を促進します。
  • プロベネシド: ベンズブロマロンと同様に尿細管での尿酸の再吸収を阻害することで、尿酸の排泄を促進します。

薬の効果的な飲み方と注意点

薬の効果を最大限に引き出し、副作用を最小限に抑えるためには、正しい飲み方と注意点を守ることが非常に重要です。

薬は、必ず医師の指示通りに服用してください。自己判断で服用量を変えたり、服用を中止したりすることは大変危険です。また、薬によっては、食前、食後、就寝前など、服用するタイミングが決められています。処方された薬の飲み方について、医師や薬剤師にしっかりと確認しましょう。

副作用とその対処法

高尿酸血症の薬は一般的に安全に服用できますが、体質によっては副作用が現れることもあります。主な副作用としては発疹、吐き気、下痢、肝機能障害などが挙げられます。副作用には個人差があり全ての人に現れるわけではありませんが、もし副作用が気になる場合は決して自己判断で服用を中止せず、必ず医師に相談してください。医師は症状に合わせて薬の種類や量を変更したり、副作用を抑える薬を処方したりするなど、適切な対応をしてくれます。

薬物療法以外の治療法について

薬物療法は高尿酸血症の治療において重要な役割を果たしますが、それ以外にも、食事療法や運動療法などの生活習慣の改善が非常に重要です。

食事療法では、プリン体の多い食品、例えば、レバー、白子、エビ、乾燥しいたけ、いわしなどを控えめにし、水分を十分に摂るように心がけてください。水分を多く摂ることで尿量が増え、尿酸が排泄されやすくなります。また、適度な運動も、尿酸値の改善に役立ちます。さらに、肥満は高尿酸血症のリスクを高めるため、適正体重を維持することも大切です。これらの生活習慣の改善は、薬物療法の効果を高め、痛風発作などのリスクをさらに低減するためにも重要です。

まとめ

高尿酸血症は放置すると痛風発作や腎臓への負担につながる怖い病気ですが、適切な治療でリスクを大きく減らせます。この記事では、尿酸の産生を抑える薬と排泄を促す薬の2種類、そしてそれぞれの代表的な薬剤の特徴や効果、飲み方、副作用について解説しました。

薬を服用する際は、必ず医師の指示に従い、自己判断で変更したり中断したりしないようご注意ください。副作用が心配な場合も、医師に相談しましょう。 薬物療法に加え、プリン体の摂取制限や水分補給、適度な運動など、生活習慣の改善も非常に大切です。

尿酸値が高いと診断された方は、まずは医療機関を受診し、ご自身の状況に合った治療法について医師と相談しましょう。 健康な生活を取り戻すために、専門家の力を借りながら一歩ずつ進んでいきましょう。

健康診断の結果や気になる症状があれば、まずはお気軽に当院にご相談ください。

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