健康診断で「脂質異常症」と指摘された方は、食事内容を見直す必要があるかもしれません。脂質異常症は血液中の脂質、特にコレステロールや中性脂肪が多すぎる状態です。放置すると動脈硬化を引き起こし、心臓病や脳卒中などのリスクを高めます。しかし、食事療法は脂質異常症の改善に寄与する可能性が高いです。
この記事では脂質異常症の食事療法について詳しく解説します。食べてはいけないもの一覧や推奨される食べ物、具体的なレシピについても紹介します。記事を読めば、毎日の食事を変えるきっかけになり、健康的な生活を送れるようになります。
当院では、脂質異常症で悩んでいる方の診療も行っています。
脂質異常症の食事療法とは良い脂質を増やし悪い脂質を減らすこと
脂質異常症の食事療法は、ただやみくもに脂っこいものを減らせばいいというわけではありません。重要なのは、体にとって良い脂質を増やし悪い脂質を減らすことです。皆さんが大好きなラーメンで例えてみましょう。ラーメンには、麺・スープ・チャーシュー・メンマ・ネギなどさまざまな食材が使われています。
脂質異常症の食事療法では、ラーメンのスープに含まれる動物性脂肪を減らし、麺の量を調整しチャーシューの代わりに鶏のササミ肉を選ぶなど食材や調理法を工夫することで、脂質の量を調整していきます。
脂質異常症の方が食べてはいけないもの一覧
脂質異常症の方が食べてはいけないもの一覧を紹介します。脂質異常症の人は、以下の食べ物をできるだけ控えるようにしましょう。
飽和脂肪酸の多い食品
飽和脂肪酸の多い食品は避ける必要があります。主に以下の食品が当てはまります。
- 動物性脂肪
牛肉の脂身、豚肉の脂身、鶏肉の皮は、脂質が多いので控えめにしましょう。ベーコンやソーセージなどの加工肉も、脂質と塩分が多いので注意が必要です。
- 乳製品
バターや生クリームは、脂肪分が多いので使いすぎに注意しましょう。チーズは種類によって脂肪分が異なるので、低脂肪のものを選ぶようにすると良いでしょう。
- 油脂
ラードやヘットは、動物性脂肪なので控えめにしましょう。
コレステロールの多い食品
コレステロールの多い食品にも注意が必要です。普段から口にする食品にも含まれているので、以下の食品例をチェックしておきましょう。
- 卵黄
卵黄にはコレステロールが含まれていますが、1日に卵1個程度であれば問題ありません。卵料理を食べる際は、卵白と卵黄をバランスよく摂取するように心がけましょう。卵の個数に関しては個人差があるため、医師や管理栄養士に相談すると安心です。
- 魚卵
イクラ、タラコ、筋子などの魚卵はコレステロールが多いので、食べすぎに注意しましょう。
- レバー
レバーは栄養価が高い食品ですが、コレステロールも多いので、食べすぎに注意しましょう。
糖質の多い食品
糖質の多い食品にも注意してください。糖質制限という言葉があるように、糖質の量を調整しないと肥満や糖尿病のリスクにもつながります。以下の食品を把握しておきましょう。
- 精製された穀類
白米・食パン・うどんなどは、精製された穀物のため糖質の吸収が早く血糖値を急上昇させやすい食品です。これらを食べる際は量を調整したり、玄米や全粒粉パンなど精製度の低いものを選ぶようにしましょう。
- 甘いもの
お菓子・ジュース・砂糖を多く使った料理などは、糖質が多く含まれているため注意が必要です。
脂質異常症の方に推奨される食べ物の一覧
脂質異常症の人は、以下の食べ物を積極的に食べるようにしましょう。
不飽和脂肪酸の多い食品
不飽和脂肪酸の多い食品は以下のとおりです。
- 青魚
マグロ・さんま・さば・いわしなどの青魚には、DHAやEPAと呼ばれる不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。DHAやEPAは血液中の中性脂肪を減らし、善玉コレステロールを増やす効果があります。週に2~3回程度、積極的に食べると良いでしょう。
- 植物油
オリーブオイル・菜種油・えごま油などの植物油は、不飽和脂肪酸を多く含みます。炒め物やドレッシングなど、さまざまな料理に活用できます。
- ナッツ類
アーモンド・くるみ・ピスタチオなどのナッツ類は、不飽和脂肪酸・食物繊維・ビタミンEなどが豊富に含まれています。ただしカロリーが高いので、食べすぎには注意が必要です。
食物繊維の多い食品
食物繊維の多い食品は以下のとおりです。
- 野菜
ごぼう・きのこ・海藻など、食物繊維が豊富な野菜を積極的に食べましょう。食物繊維はコレステロールの吸収を抑え、血糖値の上昇を緩やかにする効果があります。
- 豆類
大豆・納豆・豆腐などの豆類には、良質なタンパク質や食物繊維が豊富に含まれています。肉類の代わりに、積極的に摂取すると良いでしょう。
その他の食品
その他に推奨する食品は、タンパク質が含まれる食べ物です。赤身の肉や魚・大豆製品などは、良質なタンパク質源です。筋肉や血液を作るために必要な栄養素なので、積極的に摂取しましょう。
家庭で作れる脂質異常症に適したレシピ
家庭で作れる脂質異常症に適したレシピを以下で紹介します。レシピは簡単で手軽に作れておいしいので、ぜひチェックしてみてください。
豆腐ハンバーグ
豆腐ハンバーグの材料と作り方についてそれぞれ下記で紹介します。
材料(2人分)
- 木綿豆腐:1丁(300g)
- 玉ねぎ:1/2個
- 鶏ひき肉:100g
- パン粉:大さじ3
- 卵:1個
- 塩コショウ:少々
- オリーブオイル:大さじ1
作り方
- 豆腐はしっかりと水切りをし、手で潰す。玉ねぎはみじん切りにする。
- ボウルに豆腐、玉ねぎ、鶏ひき肉、パン粉、卵、塩コショウを入れてよく混ぜる。
- 混ぜ合わせたタネを2等分して小判型に成形する。
- フライパンにオリーブオイルを熱し、ハンバーグを両面焼いて中まで火を通す。
鮭のホイル焼き
鮭のホイル焼きの材料と作り方についてそれぞれ下記で紹介します。
材料(2人分)
- 生鮭:2切れ
- しめじ:1/2パック
- エリンギ:1/2パック
- しいたけ:2枚
- 塩コショウ:少々
- レモン汁:大さじ1/2
- オリーブオイル:大さじ1
作り方
- 鮭は塩コショウを振る。しめじ、エリンギ、しいたけは食べやすい大きさに切る。
- アルミホイルに鮭、きのこ類を乗せ、レモン汁、オリーブオイルをかける。
- アルミホイルをしっかりと包み、魚焼きグリルまたはオーブントースターで10~15分焼く。
まとめ
脂質異常症は血液中のコレステロールや、中性脂肪が多すぎる状態です。放置すると動脈硬化を引き起こし、心臓病や脳卒中などのリスクが高まります。
今回ご紹介した食事療法は脂質異常症の改善に寄与する可能性が高いです。動物性脂肪やコレステロールを多く含む食品を控え、青魚・植物油・ナッツ類などの不飽和脂肪酸を多く含む食品を積極的に摂取することが推奨されます。また食物繊維が豊富な野菜や豆類も、積極的に食べるようにしましょう。食べてはいけないもの一覧をチェックして、くれぐれも食べすぎには注意してください。
当院では管理栄養士による栄養指導も行っております。食事のことをもっと知りたい方は、是非当院にご相談下さい。
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