大石内科循環器科医院

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なぜ高血圧に? 様々な原因を詳しく解説

2024.08.02 生活習慣病高血圧

「高血圧」と聞くと健康診断で引っかかった経験や、親世代の病気というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。しかし実は20代・30代でも高血圧になる可能性は高く、近年では若年層での発症も増加傾向にあります。
高血圧は放置すると脳卒中や心臓病など、命に関わる病気を引き起こすリスクが高まります。
今回は、高血圧の原因となる様々な要因を解説し、日々の生活の中でできる予防策について詳しく紹介します。 自分の生活習慣を見直し、健康的な生活を送るためのヒントを見つけてください。

高血圧の原因とは?

みなさんは「高血圧」と聞いて、どんなイメージをもちますか?
「血圧が高い状態のこと」ということは、なんとなくわかるかもしれません。 高血圧は放置すると血管に負担がかかり続け、動脈硬化などを引き起こしてしまうこわい病気です。 今回は、高血圧の原因となる様々な要因を解説します。

高血圧の原因となる病気や疾患

高血圧の原因となる病気は、大きく分けて二つあります。 一つは、腎臓病やホルモン異常、薬の副作用、睡眠時無呼吸症候群など、原因となる疾患が明らかなパターンです(二次性高血圧)。 もう一つは、原因となる疾患が明らかではなく、「生活習慣」と「遺伝的要因」によるパターンです(本態性高血圧)。個人によって発症要因は異なりますが、遺伝的要因と環境的要因が相互作用することにより発症するとされます。

二次性高血圧

腎臓疾患

腎臓は体の中の水分や塩分の量を調節する働きがあり、このバランスが崩れると高血圧になることがあります。 体内の水分量を調節する仕組みを、わかりやすく蛇口に例えてみましょう。蛇口から出る水の量を調節するのが腎臓の役割だと考えてみてください。腎臓が健康な状態では体内の水分量に合わせて、蛇口を開いたり閉じたりして、適切な量の水を保つことができます。しかし腎臓に異常があるとこの蛇口の調整がうまくいかなくなり、体内に水が溜まりすぎてしまうことがあります。これが、腎臓の病気によって高血圧が起こる仕組みです。
例えば腎臓の血管が硬くなったり詰まったりすると、腎臓がうまく働かなくなり、高血圧になることがあります。これは、蛇口へとつながる水道管が錆びついて細くなってしまった状態に似ています。水道管が細くなると、蛇口を大きく開いても、なかなか水が流れにくくなってしまいますね。同様に、腎臓の血管が硬くなると、腎臓に十分な血液が流れなくなり、うまく機能しなくなってしまいます。その結果、水分量の調整がうまくいかなくなり高血圧を引き起こしてしまうのです。

ホルモン異常

ホルモンを作る臓器である副腎や甲状腺の病気でも、ホルモンのバランスが崩れて高血圧になることがあります。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群は睡眠中に呼吸が止まってしまう病気で、高血圧のリスクを高めることが知られています。これは、睡眠中に呼吸が何度も止まってしまうことで体が酸素不足の状態に陥りその結果、血管が収縮して血圧が上がってしまうためです。

高血圧を引き起こす可能性のある薬物

  • 鼻炎薬
  • 解熱鎮痛剤
  • ステロイド剤
  • 一部の漢方薬

これらの薬を服用する際は、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
またアルコールは血管を収縮させる作用があるため、飲み過ぎると血圧が上昇します。 高血圧の人は、アルコールの摂取量を控えるように心がけましょう。

本態性高血圧

高血圧の原因となる生活習慣要因

高血圧は、生活習慣病の代表格とも言われています。 生活習慣が原因で高血圧になる場合は、生活習慣を見直すことで血圧を下げられる可能性があります。 高血圧を予防するためにも、日頃から生活習慣に気を配ることが大切です。

高血圧につながる生活習慣

  • 塩分の摂り過ぎ
  • 脂肪分の摂り過ぎ
  • 野菜不足
  • 飲酒
  • 運動不足
  • 肥満
  • ストレス
  • 喫煙

高血圧の原因となるストレスや睡眠不足

ストレスや睡眠不足も、高血圧の原因の一つと考えられています。 ストレスを感じると交感神経が活発になり、血管が収縮して血圧が上昇します。緊張や興奮すると、心臓はドキドキと速く鼓動し始めます。これはストレスに対処するために、体が戦闘態勢に入るためです。このとき血管は収縮し、血圧は上昇します。
また睡眠不足は自律神経のバランスを崩し、血圧を上昇させるホルモンの分泌を促します。睡眠不足が続くと体は慢性的なストレス状態に置かれ、血管が収縮しやすくなります

高血圧の原因となる食事や運動の習慣

塩分の摂り過ぎは、高血圧の大きな原因の一つです。 塩分を摂り過ぎると、血液中の塩分濃度が高くなり喉が渇きます。 すると体は血液中の塩分濃度を薄めようと、水分をため込むようになります。 その結果、血液量が増加し血管にかかる圧力が高くなり高血圧になるのです。塩分を摂り過ぎると血管の中に水分が過剰に引き込まれ、血管内の圧力が高まります。これは風船に水を入れ過ぎると、風船がパンパンに膨らんでしまうイメージと似ています。
また、運動不足も高血圧のリスクを高めます。 運動不足になると血管の弾力性が失われ、血圧が上昇しやすくなります。血管はゴムのように伸び縮みすることで、血圧を調整しています。しかし運動不足になると、この血管の弾力性が低下し硬くなってしまいます。

高血圧の原因となる環境要因

気温や騒音などの環境要因も、高血圧に影響を与える可能性があります。 気温が低い冬は血管が収縮しやすいため、血圧が上がりやすい傾向にあります。寒い冬に手足が冷えてしまう経験はありませんか?これは体が体温を逃がさないように、手足の血管を収縮させているためです。このように気温が低いと、血管は収縮しやすくなり血圧が上昇しやすくなります。
また騒音の多い環境に長時間いると、ストレスホルモンが分泌され血圧が上昇することがあります。騒音は体にとってストレスとなり、交感神経を刺激します。その結果、血管が収縮し血圧が上昇してしまうのです。

高血圧の原因となる遺伝的な要素

高血圧は、遺伝的な要素も関係しています。 両親が高血圧の場合、子どもが高血圧になりやすいというデータもあります。 これは遺伝的に血圧を調節する機能が弱いなど、生まれ持った体質が影響していると考えられます。
私たちの体は、設計図に従って作られています。この設計図は遺伝子と呼ばれ、両親から受け継いだものです。高血圧は、この遺伝子が関係している場合があり、両親から高血圧になりやすい体質を受け継いでいると高血圧のリスクが高まります。
ただし遺伝的な要素があっても、必ずしも高血圧になるわけではありません。 遺伝的な要素と生活習慣が重なることで、高血圧のリスクが高まると考えられています。遺伝的な要因があっても生活習慣を改善することで、高血圧の発症リスクを抑えることができるのです。

まとめ

高血圧は腎臓やホルモンの異常・生活習慣・遺伝・薬物・アルコール摂取・ストレス・睡眠不足・食事・運動・環境など、様々な要因が複雑に絡み合って起こります。
腎臓の異常では水分や塩分の調節機能が低下し、高血圧を引き起こします。生活習慣では、塩分や脂肪分の過剰摂取・野菜不足・飲酒・運動不足・肥満・ストレス・喫煙などが挙げられます。遺伝的な要因では両親が高血圧の場合、子どもが高血圧になりやすい傾向があります。薬物やアルコールの摂取も、高血圧の原因となる可能性があります。ストレスや睡眠不足は交感神経を活性化させ、血管を収縮させるため血圧上昇につながります。食事では塩分過剰摂取、運動不足では血管の弾力性低下がそれぞれ高血圧のリスクを高めます。気温や騒音などの環境要因も、高血圧に影響を与える可能性があります。

当院は循環器内科の専門医として、高血圧を始めとする様々な生活習慣病の改善に積極的に取り組んでおります。高血圧や生活習慣の改善をお考えなら、当院までお気軽にご相談ください。

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