大石内科循環器科医院

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高血圧の初期症状を解説!すでに症状が出てると進行しているかも

2024.08.31 生活習慣病高血圧

静かに忍び寄る「サイレントキラー」と呼ばれる高血圧に、不安を感じているのではないでしょうか。高血圧は自覚症状が出にくいですが、実は初期段階でも体にサインが現れている場合があります。サインを放置すると、動脈硬化が進行し、脳卒中や心臓病のリスクを高めてしまう危険性もあります。

「頭痛が頻繁に起こる」「めまいがする」「息切れがしやすい」などの異変は、高血圧の初期症状かもしれません。この記事では、高血圧の初期症状とその原因、そして早期発見や早期治療の重要性について詳しく解説します。記事を読めば、高血圧の初期症状が理解でき、早期発見、早期治療につながります。高血圧が心配な方は、ぜひ最後までご覧ください。

大石内科循環器科医院では、高血圧の診療をしております。気軽で便利なクリニックとして、通院のしやすさに定評があります。お悩みの方は気軽に相談ください。


高血圧の初期症状として知っておくべき5つの症状

高血圧は、自覚症状が出にくい病気として知られていますが、初期の段階でも体にサインが出ていることがあります。高血圧を放置すると、血管に大きな負担がかかり続けて動脈硬化が進行し、脳卒中や心臓病のリスクを高めてしまう危険性があります。初期症状を見逃さず、早期の治療につなげることが大切です。

高血圧で自覚する症状については以下の記事も合わせて参照してください。
>>高血圧の自覚症状を解説!頭痛や吐き気・肩こりが出始めたら注意

頭痛

高血圧が原因で起こる頭痛の特徴は、後頭部を中心とした鈍い痛みです。就寝中に血圧が上がりやすいため、朝起きたときに強く、日中にかけて徐々に軽くなっていく傾向があります。ズーンと重たい頭痛を感じて午前中いっぱい続くものの、午後には楽になってくる、という場合は高血圧が原因かもしれません。

高血圧による頭痛は、緊張型頭痛や片頭痛と症状が似ているため、自己判断が難しい場合があります。「いつもと違う頭痛」と感じたら、医療機関への受診を検討しましょう。

高血圧による頭痛の特徴などについては以下の記事に記載していますので、合わせて確認してみてください。
>>高血圧による頭痛の対処法は?安静や頭痛薬の服用で良いかなど解説

めまい

高血圧によってめまいが起きる原因は、自律神経の乱れや脳の血流不足などが考えられます。高血圧になると、自律神経のバランスが崩れやすくなり、めまいを引き起こすことがあります。一時的に脳への血流が不足することもめまいの原因となります。

高血圧によるめまいは、目の前が暗くなったりふらついたりする症状が特徴です。朝、布団から急に起き上がった際にクラッとするようなめまいを感じたら、高血圧が関係しているかもしれません。回転性のめまいや耳鳴りを伴う場合は、他の病気が隠れている可能性もあるため、医療機関を受診しましょう。

息切れ

高血圧によって心臓に負担がかかると、息切れが起こりやすくなります。少し早歩きをしただけで息苦しくなったり、階段の上り下りで呼吸が苦しくなったりする場合は、高血圧が原因かもしれません。安静時や睡眠時に息苦しさを感じる場合は、心臓の機能が低下している可能性もあるため、速やかに医療機関を受診しましょう。

動悸

健康な状態でも、緊張するときや激しい運動をした後には、誰でも動悸を感じます。しかし、高血圧によって心臓に負担がかかると、安静時でもドキドキと心臓が速く打つ動悸を感じるようになります。

心臓が全身に血液を送り出すために、より強い力で拍動しなければならなくなっているためです。ストレスや疲労、睡眠不足などによっても動悸は起こるため、高血圧との関連を見極めることが重要です。

手足のしびれ・冷感

高血圧の状態が長く続くと、血管が硬く狭くなってしまい、血液の流れが悪くなります。結果、手足の末端まで十分な血液が行き渡らなくなり、しびれや冷感を感じることがあります。特に体の左右どちらか一方の手足だけに症状が現れる場合は、脳梗塞などのリスクが高まっている可能性もあるため、注意が必要です。

高血圧の初期症状に気づいたあとの対処法と受診のタイミング

高血圧は初期の段階では自覚症状が出にくい病気として知られていますが、放置すると動脈硬化が進み、脳卒中や心筋梗塞などの重大な病気を引き起こすリスクが高まります。

自己チェックの方法とは

高血圧の初期症状は、他の病気でも起こりうるため、高血圧かどうかを自己判断することは難しいです。高血圧の疑いがある場合は、家庭用の血圧計を使って、毎日決まった時間に血圧を測ってみましょう。家庭用の血圧計は、家電量販店やドラッグストアなどで手軽に購入できます。

血圧の測定は、朝起床後と夜寝る前の1日2回が目安です。起床後は、トイレを済ませた後、朝食前に測定するのがおすすめです。夜は、リラックスできる時間帯に、入浴後30分以上経ってから測定するようにしてください。

測定する際は、リラックスした状態で背筋を伸ばして座り、腕を心臓と同じ高さに保ちます。食後や入浴後、運動の直後、アルコールやタバコの影響がある場合は正確な値が測れないことがあるので、測定を控えてください。

血圧の値は、上の血圧(収縮期血圧)と下の血圧(拡張期血圧)の2つの数値で表されます。上の血圧は血液を全身に送り出すときの圧力、下の血圧は血液が心臓に戻ってくる時の圧力を示しています。家庭で測定した血圧が、上の血圧が135mmHg以上、下の血圧が85mmHg以上の場合、高血圧の疑いがあるとされています。

血圧値分類
上の血圧140mmHg以上、下の血圧90mmHg以上高血圧
上の血圧120~139mmHg、下の血圧80~89mmHg正常高値
上の血圧120mmHg未満、下の血圧80mmHg未満至適血圧(正常)

高血圧の初期症状が出たり消えたりする場合は、症状が出ている時だけに気を付けるのではなく、普段の血圧測定がより大切です。高血圧が進行すると、心臓や血管に負担がかかり、動脈硬化を引き起こしやすくなります。

専門医に相談すべき場面

自己チェックで高血圧の疑いがある場合や、初期症状が気になる場合は、放置せずに医療機関を受診しましょう。家庭で測定した血圧が、上の血圧180mmHg以上、または下の血圧110mmHg以上の場合は、重症高血圧の可能性があり、すぐに医療機関を受診する必要があります。

高血圧の初期症状に加えて「強い胸の痛み」「息苦しさ」「ろれつが回らない」「意識障害」などの症状が現れた場合は、脳卒中や心筋梗塞などの命に関わる病気を発症している可能性があります。救急車を呼ぶなど、緊急の対応が必要です。

医療機関では、問診や血圧測定、血液検査などをおこなって高血圧の原因や重症度を調べます。必要に応じて、心電図検査や心臓超音波検査、頸動脈エコー検査などの精密検査を行うこともあります。

初期症状を軽視した場合のリスク

高血圧は自覚症状が出にくい病気ですが、放置すると血管に負担がかかり続け、動脈硬化が進行します。動脈硬化は、血管の壁が厚く硬くなる現象で、血管の内腔が狭くなったり、弾力性が失われたりすることで、さまざまな病気を引き起こします。高血圧が原因で引き起こされる代表的な病気は以下のとおりです。

  • 脳卒中
  • 心筋梗塞
  • 心不全
  • 腎不全
  • 閉塞性動脈硬化症

上記の病気は、命に関わるだけでなく、後遺症が残って日常生活に支障をきたす可能性もあります。

高血圧は、生活習慣の改善や薬物療法によって、血圧をコントロールできます。初期の段階であれば、生活習慣の改善だけで血圧が正常化するケースも多いです。高血圧の初期症状を軽視せず、早期に発見し、適切な治療を開始することが大切です。

年齢や性別による高血圧の初期症状の違い

高血圧の初期症状は、年齢や性別によって異なることがあります。若い頃は血管も柔らかく多少の無理がききますが、年を重ねるごとに血管も老化し、硬く脆くなっていくからです。ここからは、年齢や性別による初期症状の違いを確認します。

若年層に見られる特徴的な症状

20代、30代の若い世代では、高血圧はほとんど自覚症状がないまま進行することが多く「サイレントキラー」と呼ばれる理由です。若いうちは血管も柔軟で、高血圧による影響を受けにくいという特徴があります。健康診断で初めて高血圧を指摘される方も多いです。

しかし、自覚症状がなくても、高血圧によって心臓や血管に負担がかかり続けていることに変わりはありません。若い方が高血圧に気づくためには、以下の症状に気を付ける必要があります。

  • 時折感じる頭痛
  • めまい
  • 健康診断で血圧が高いと言われる

他の原因で起こることも多いため、高血圧だと気づかずに放置してしまうケースも少なくありません。塩分が多い食事を好むなど、高血圧が不安な方は、初期症状を軽視せずに病院に行くことが重要です。

中高年層の一般的な症状

中高年層になると、血管の老化や動脈硬化が進むため、高血圧の症状が現れやすくなります。血管が硬くなることで、血液を送り出すために心臓はより強い力で働かなければならず、結果としてさまざまな症状が現れるのです。中高年層では、以下の症状が高血圧によって引き起こされます。

  • 後頭部がズキズキする頭痛
  • めまいと耳鳴りがする
  • 顔色が悪くなる
  • 疲れやすくなる
  • 動悸がする
  • 息切れがする
  • 手足のしびれ

日常生活に支障をきたすだけでなく、脳卒中や心筋梗塞などの重大な病気の前兆である可能性もあります。上記の症状が続く場合は、すぐに病院を受診しましょう。

男性と女性の症状の違い

男性と女性では、ホルモンバランスの違いなどから、高血圧の症状にも違いが見られます。

一般的に、男性は女性に比べて高血圧になりやすいと言われています。男性ホルモンがストレスに対する反応を強め、血管を収縮させやすくするためです。女性よりも喫煙や飲酒、過剰なストレスといった生活習慣リスクを抱えている人が多いため、高血圧のリスクが高くなる傾向にあります。

女性は閉経後に高血圧のリスクが急激に高まります。閉経前は、女性ホルモンのエストロゲンが血管を保護する働きをしているため、高血圧の発症を抑えることが可能です。しかし、閉経後はエストロゲンの分泌量が減るため血管が硬くなりやすく、高血圧になりやすいです。

男性に多い症状としては、脳卒中や心筋梗塞が挙げられます。一方で、女性に多い症状や動脈硬化や血管の病気です。健康診断で血圧が高いと指摘されたり、初期症状を感じたりしたら、放置せずに適切な対処と早期の受診を心がけましょう。

まとめ

高血圧は自覚症状が出にくい病気ですが、放置すると重大な病気を引き起こすリスクがあります。以下のような初期症状が出たら、高血圧が疑われます。

  • 頭痛
  • めまい
  • 息切れ
  • 動悸
  • 手足のしびれ

高血圧を改善するには早期発見や早期治療が重要です。高血圧が疑われる場合は、家庭用血圧計で定期的に血圧を測定し、異常値が出た場合は医療機関を受診しましょう。

高血圧について網羅的に知りたい方は、以下の記事をぜひご覧ください。

>>大石内科循環器科医院|高血圧の基礎知識・症状・治療について

参考文献

Werring D, Ozkan H, Doubal FN, Dawson J, Freemantle N, Hassan A, Le SN, Mallon D, Mendel R, Markus HS, Minhas JS and Webb A. Early neurological deterioration in acute lacunar ischaemic stroke: systematic review of incidence, mechanisms, and prospects for treatment. International journal of stroke: official journal of the International Stroke Society, no. (2024): 17474930241273685.

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