大石内科循環器科医院

静岡市葵区鷹匠2-6-1 新静岡駅より 徒歩3分 駐車場あり

静岡市葵区鷹匠2-6-1
054-252-0585

blog
ブログ

食後に血圧が下がるって本当?食後低血圧の原因や対処法を徹底解説

2024.09.29

食後に突然めまいやふらつきを感じたことはありませんか?その症状は「食後低血圧」かもしれません。食後低血圧は、高齢者だけでなく若い世代でも起こる症状です。この記事では、食後低血圧の原因や症状、予防法、対処法を詳しく解説します。

食後低血圧は日常生活に支障をきたすだけでなく、転倒や意識消失のリスクもあります。正しい知識を知り、適切な対策をして、食後低血圧を予防・改善しましょう。

大石内科循環器科医院では、高血圧の診療をしております。気軽で便利なクリニックとして、通院のしやすさに定評があります。お悩みの方は気軽に相談ください。

食後は血圧が下がる|症状や原因を解説

食後低血圧は、高齢者の方によくみられます。歳を重ねると、体の機能が少しずつ低下していくのは自然な流れです。血管も例外ではなく、柔軟性を失い、血圧をうまく調整するのが難しくなります。加齢とともに、体内の水分量も減少しがちです。若い頃は、多少の水分不足でも体はうまく対応できますが、高齢になると、調節機能が衰え、食後の血圧低下に拍車をかけてしまう場合があります。

食後低血圧は高齢者に多いといわれていますが、最近では若い方でも食生活の乱れや生活習慣の乱れによって起こるケースがあります。

食後低血圧で起こる症状

食後低血圧の症状は、通常、食後30分〜1時間後に現れやすく、以下のような症状が代表的です。

  • めまい(回転性めまいと浮遊性めまい)
  • ふらつき
  • 立ちくらみ
  • 倦怠感
  • 吐き気
  • 冷や汗

食後低血圧は、症状が一時的に現れることがほとんどですが、症状が重い場合は、転倒したり、意識を失ったりする危険性もあるため注意が必要です。高齢者の場合、食後低血圧が原因で転倒し、骨折などのケガをしてしまうケースもあるので、注意しましょう。

食後低血圧になりやすい人とは?

食後低血圧は誰にでも起こる可能性がありますが、特に以下のような方は注意が必要です。

  • 高齢者
  • 低血圧気味の人
  • 糖尿病患者
  • 胃切除手術を受けた人
  • 自律神経が乱れている人

食後低血圧になりやすい人は、体の機能低下や特定の状態により、食後の血圧調整が難しくなっている可能性があります。

食後低血圧のメカニズム

食後低血圧が起こる原因は以下のとおりです。

食事による消化器官への血液集中

食事をすると、消化のために胃や腸などの消化器官に血液が集中します。体の他の部分への血液供給が減少し、血圧が下がりやすくなります。

自律神経の調整機能低下

通常、血圧が下がると自律神経が働き、心臓の動きを活発にしたり血管を収縮させたりして血圧を調整します。しかし、高齢者や自律神経機能が低下している人では、この調整がうまく働かないことがあります。

インスリンの影響

食後、特に炭水化物を多く摂取すると、血糖値が急上昇しインスリンが過剰に分泌されます。インスリンには血管を拡張させる作用があるため、血圧低下を助長する可能性があります。

いくつかの要因が複合的に作用し、食後低血圧が引き起こされると考えられています。

食後低血圧の検査・治療・予防方法

食後低血圧の検査方法から治療法、予防策まで詳しく解説します。

食後低血圧の検査方法

食後低血圧の診断には、以下の手順が一般的に用いられます。

  1. 問診:症状の発現時期、食事内容、服用中の薬について詳しく聞き取りを行います。
  2. 血圧測定:食前と食後の血圧を比較します。通常、食事は病院で用意されたものか、普段通りの食事を摂ります。
  3. 診断基準:食後2時間以内に収縮期血圧(上の血圧)が20mmHg以上低下した場合、食後低血圧と診断されます。

血圧の数値だけでなく、症状の有無や程度、他の疾患の可能性なども考慮して総合的に判断します。血糖値検査や心電図検査などの追加検査を行うこともあります。

食後低血圧の治療法

食後低血圧の治療は、原因や症状の程度によって異なりますが、主に以下の治療法が主流です。

  1. 生活習慣の改善:
    ・規則正しい生活と十分な睡眠
    ・バランスの取れた食事
    ・適度な運動習慣
    ・ストレス管理
  2. 薬物療法:
    薬が原因で食後低血圧が起きている場合は、医師の指示のもと、薬の種類や服用量を調整します。
  3. 食習慣の改善:
    ・少量の食事を頻回にとる
    ・ゆっくりとよく噛んで食べる
    ・食後30分程度は安静にする
  4. 非薬物療法:
    高齢者の食後低血圧に対しては、食事に食物繊維を多く取り入れたり、緑茶を摂取したりするなどの非薬物療法も検討されています。

食後低血圧の予防策

食後低血圧を予防するために、日常生活で以下の点に注意しましょう。

  1. 水分摂取:食事の前にコップ1杯の水を飲むことで、食後の血圧低下を抑えられます。
  2. 食事の取り方:
    ・ゆっくりとよく噛んで食べる
    ・一度に大量の食事を摂らない
    ・炭水化物の過剰摂取を避け、タンパク質や脂質、ビタミン、ミネラルをバランスよく摂取する
  3. 食後の過ごし方:
    ・食後30分程度は安静に過ごす
    ・激しい運動や長時間の立ち作業を避ける
  4. 生活習慣の改善:
    ・規則正しい生活リズムを保つ
    ・適度な運動を習慣化する
    ・ストレス管理を心がける
    ・急激な温度変化を避ける
    ・長時間の入浴を控える

予防策を日常生活に取り入れることで、食後低血圧のリスクを軽減できる可能性があります。

食後低血圧で気をつけること

食後低血圧は、高齢者によくみられる症状ですが、若い方でも起こることがあります。食後にめまいやふらつきを感じたら、食後低血圧の可能性があるので注意が必要です。

食後低血圧のリスクと合併症

食後低血圧によって起こる可能性のあるリスクや合併症を以下の表にまとめました。

リスク・合併症説明
転倒・転落めまいやふらつきにより、転倒や階段からの転落が起こりやすくなる可能性があります。
骨折転倒・転落により、骨折するリスクがあります。特に高齢者は骨がもろくなっているため、注意が必要です。
頭部打撲転倒・転落により、頭部を打撲するリスクがあります。
栄養不足食後低血圧により、食欲不振や消化不良が起こり、栄養不足に陥る可能性があります。
脱水症状食後低血圧により、水分を十分に摂ることができず、脱水症状を引き起こす可能性があります。
心臓病食後低血圧は、心臓の機能低下によって起こる場合があり、狭心症や心筋梗塞などの心臓病のリスクを高める可能性があります。
脳血管疾患食後低血圧は、脳への血流不足を引き起こす場合があり、脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患のリスクを高める可能性があります。

食後低血圧の専門医への相談

食後低血圧は、命に関わる病気のサインである可能性もあります。食後低血圧かな?と感じたら、自己判断せずに医療機関を受診し、専門医に相談しましょう。

食後低血圧の症状が出ている場合、問診や診察、検査を通して原因を特定し、適切な治療法や生活習慣の改善策を検討します。食後低血圧は、原因や症状によって治療法が異なるため、自己判断で市販薬を服用したり、民間療法を試したりするのは避けましょう。

まとめ

食後低血圧は、食後の急激な血圧低下により起こる症状です。主な対策は以下のとおりです。

  • 少量の食事を頻回に摂取する
  • ゆっくりとよく噛んで食べる
  • 食後30分程度は安静を保つ
  • 水分をこまめに摂取する
  • バランスの取れた食事を心がける

日常生活の工夫により、食後低血圧のリスクを軽減できます。症状が気になる場合は、自己判断せず専門医に相談するのも大切です。

当クリニックでは、低血圧だけでなく高血圧も専門分野として取り扱っています。高血圧についても網羅的に知りたい方は、以下の記事をぜひご覧ください。

>>大石内科循環器科医院|高血圧の基礎知識・症状・治療について

参考文献

大石内科循環器科医院
420-0839
静岡市葵区鷹匠2-6-1
TEL:054-252-0585

Google Maps