大石内科循環器科医院

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そのアレルギー症状の原因はダニかも?原因や対処方法をご紹介

2024.09.13

くしゃみ、鼻水、肌のかゆみ…もしかして、それはダニが原因かもしれません。

ダニは目に見えない小さな生き物ですが、家の中に潜み私たちの健康を脅かす存在です。ダニアレルギーは、日本人の約20%が患っていると言われています。ダニのフンや死骸が原因で起こるアレルギー症状は、くしゃみや鼻水、咳、喘息、皮膚のかゆみなど様々です。

この記事では、ダニアレルギーの原因や症状、そして効果的な対策方法について詳しく解説します。アレルギーとの上手な付き合い方を学び、快適な生活を取り戻しましょう。

ダニアレルギーの主な症状と原因

「なんだか最近、くしゃみや鼻水が止まらない…」「肌がかゆくて、赤くなっちゃう…」もしかして、それはダニのせいかもしれません。

ダニは目には見えないくらい小さな生き物ですが、家の中のあちこちに隠れて暮らしています。そして彼らのフンや死骸が、私たちのアレルギー反応を引き起こすことがあるのです。

くしゃみや鼻水のメカニズム

ダニアレルギーで最も一般的な症状が、くしゃみや鼻水、鼻づまりです。例えば、お掃除で掃除機をかけるとき、目には見えませんが、ダニのフンや死骸も一緒に吸い込まれて、空気中に舞い上がります。そして、その空気を吸い込んだ時に、私たちの体の中にダニのフンや死骸が侵入してくるのです。

私たちの体は、これらの侵入者を敵だとみなし、追い出そうとします。その時に、くしゃみや鼻水、鼻づまりといったアレルギー反応が起こるのです。

皮膚症状の特徴と発生時期

ダニアレルギーは鼻や喉だけでなく、皮膚にも症状が現れることがあります。ダニのフンや死骸が皮膚につくと、かゆみ、赤み、湿疹といった症状が出るのです。これはダニが私たちの肌を、ツンツンと刺激してくるようなイメージです。

例えばダニが大好きな布団やカーペットに長時間触れていると、肌が赤くなったり、かゆくなったりすることがあります。このような症状は、アトピー性皮膚炎と似ていますが、実はダニアレルギーが原因である場合もあるのです。

ダニアレルギーによる皮膚症状は、ある特定の時期に悪化しやすいという特徴があります。ダニは、高温多湿の環境を好みます。ですから、ジメジメとした梅雨の時期や気温の高い夏場は、ダニにとってパラダイスのようなものです。この時期はダニが爆発的に増えやすく、それに伴ってダニアレルギーの皮膚症状が悪化するケースが多く見られます。

咳や喘息との関係性

ダニアレルギーは、咳や喘息の症状を悪化させることがあります。ダニのフンや死骸を吸い込むことで、気管支が刺激され、咳が出やすくなることがあります。

例えば喘息を持っている人がダニを吸い込むと、気管支が狭くなってしまい呼吸が苦しくなる喘息発作を起こしやすくなります。これはダニが気管支をくすぐって、せき込ませてしまうようなイメージです。

ダニは家の中のあらゆる場所に生息しています。そのため完全に避けることは難しいのですが、こまめな掃除や寝具の洗濯などダニ対策を行うことで咳や喘息の症状を和らげることができます。

ダニは家の中に必ずいるものですが工夫次第でその数を減らし、アレルギー症状を軽くすることができます。まずは掃除や寝具のケアなど、できることから始めてみましょう。

ダニアレルギーの検査と診断方法

「もしかして、ダニアレルギーかな?」と思ったら、当院にご相談ください。

当院では、あなたの症状や生活習慣などについて詳しく聞き取りを行いながら、アレルギーの原因物質を特定するための検査を行います。

ドロップスクリーン検査

アレルギーの原因物質に対する抗体の量を測定します。腕からの採血を必要とせず、指先から血液が約1滴採取できれば検査が可能です。小さな針を使用し少しチクリとする程度のため、 注射や採血が苦手な方や小さなお子さまにもご利用いただけます。

血液採取後、30分程度お待ちいただければ当日中に検査結果がわかります。そのため、結果説明のための再度来院が要りません。 お仕事や学校、家事でお忙しい方にもご利用いただけます。



検査結果に基づいて、あなたに最適な治療法が提案されます。アレルギー症状を和らげ快適な生活を送るために、積極的に医療機関を受診しましょう。

除外診断としての重要性

ダニアレルギーと診断するためにはアレルギー検査の結果だけでなく、患者さんが訴える症状や生活環境、他に考えられる病気の可能性などを総合的に判断する「除外診断」が非常に重要になります。

例えば「くしゃみや鼻水」はダニアレルギーだけでなく、風邪や花粉症など他のアレルギー疾患でもみられる症状です。また「皮膚の痒み」もアトピー性皮膚炎や乾燥肌など、ダニが原因ではない場合もあります。

当院では問診で症状が出ている時期や時間帯、症状の変化などを詳しくお聞きします。いつから症状が出始めたのか、どの時間帯に症状が強くなるのか、症状が良くなったり悪くなったりする場合は、どのような時に変化するのかなどを教えてください。

その他にも日常生活の中で、どのようなことに困っているのかをお聞きします。例えば「夜眠れないほど鼻が詰まる」「肌のかゆみがひどくて集中できない」など具体的な状況を教えていただけると、より適切な治療法を検討することができます。

場合によっては、追加の検査を行うこともあります。

ダニアレルギーの効果的な対処法

ダニアレルギーは正しく対策することで症状を抑え、快適に過ごすことができます。ここでは効果的なダニアレルギー対策について、具体的に解説して行きます。

環境整備による予防策

ダニアレルギー対策の基本は、家の中のダニを減らすことです。ダニは高温多湿を好み特に寝具やカーペット、ソファなどに多く生息しています。ダニにとってこれらの場所は、快適なリゾートホテルのようなものです。

そのため効果的なダニ対策として、こまめな掃除と湿度管理が重要になります。

掃除

  • 掃除機:週に2~3回、ダニの死骸やフンを掃除機で吸い取りましょう。カーペットや畳の裏側、家具の下など、ダニが潜んでいそうな場所も忘れずに掃除することが大切です。掃除機をかける際は部屋の中にダニの死骸やフンをまき散らさないように、排気を部屋の外に出すか排気フィルターをこまめに掃除しましょう。窓を開けて換気をしながら掃除するのも効果的です。
  • ふき掃除:床や家具の表面は水拭きをした後、乾いた布で拭くことで、ダニの繁殖を抑えられます。水拭きだけではダニの死骸やフンを完全に取り除くことができないため、乾拭きも忘れずに行いましょう。
  • 寝具:週に1回はシーツや布団カバーを洗濯し、天日干ししましょう。布団乾燥機も効果的です。天日干しは太陽の光でダニを殺菌し、布団の湿気を飛ばす効果があります。
  • ぬいぐるみ:ダニは、ぬいぐるみも大好きです。こまめに洗濯するか冷凍庫で24時間以上冷やすことで、ダニを駆除できます。小さなお子様がいる場合は、ぬいぐるみをこまめに洗濯したり、ダニの発生を抑えるカバーを使用したりするなど工夫してみましょう。

湿度管理

  • 換気:こまめな換気で、部屋の湿度を下げましょう。特に梅雨の時期や冬場は、除湿機を活用するのも効果的です。1日に数回、窓を開けて新鮮な空気を取り込み室内の空気を入れ替えましょう。
  • エアコン:エアコンの除湿機能を利用するのも効果的です。室温は20~25℃、湿度は50%以下を保つようにしましょう。適切な温度と湿度を保つことで、ダニの繁殖を抑え快適な生活環境を作ることができます。

その他

  • 空気清浄機:ダニアレルゲンを除去する効果のあるフィルターを搭載した空気清浄機を使用するのも有効です。空気清浄機は空気中のダニの死骸やフンを吸い込み、きれいな空気を排出することでアレルギー症状を和らげます。
  • 防ダニシート:布団やカーペットの下に敷くことで、ダニの繁殖を抑えることができます。防ダニシートには、ダニを寄せ付けない成分が含まれておりダニの増殖を抑える効果があります。
  • ダニ捕りマット:誘引剤でダニをおびき寄せて粘着シートで捕獲します。ダニ捕りマットは、ダニをおびき寄せて捕獲するため直接人体に影響を与える心配がありません。

時期ごとの注意すべきポイント

ダニアレルギーの症状は、時期によって変化します。それぞれの時期に合わせた対策をすることで、症状を効果的に予防することができます。

時期注意すべきポイント
春(3~5月)花粉症と症状が似ているため花粉症とダニアレルギーの両方を疑い、医療機関を受診しましょう。
夏(6~8月)湿度が高くなりダニが繁殖しやすい時期です。こまめな掃除と換気、除湿を心がけましょう。
秋(9~11月)ダニの死骸やフンが増加する時期です。布団やカーペットのダニ対策を徹底しましょう。
冬(12~2月)暖房器具の使用により部屋の中が乾燥しやすくなるため、加湿器を使用する場合は、湿度が上がりすぎないように注意しましょう。こまめに掃除をし、加湿器のタンクの水は毎日交換して清潔を保ちましょう。

舌下免疫療法の適応と効果

従来の対症療法では症状を抑えることはできても、根本的な治療法ではありませんでした。

しかし近年「アレルゲン免疫療法」というアレルギーの原因物質であるアレルゲンを少量ずつ投与することで体をアレルゲンに慣らし、アレルギー反応を起こりにくくする治療法が注目されています。

舌下免疫療法は、アレルゲンを錠剤や液体の形で舌の下に投与する治療法です。毎日自宅で服用することができ、通院の負担も少ないというメリットがあります。

舌下免疫療法の効果

  • アレルギー症状を軽減する
  • アレルギー症状の悪化を防ぐ
  • 新たなアレルギーの発症を抑制する
  • 長期的な効果が期待できる

舌下免疫療法の適応

  • ダニアレルギー
  • スギ花粉症

ただし全ての人に効果があるわけではなく、効果が出るまでに時間がかかる場合もあります。

また副作用として、口内炎や喉の違和感などがみられることがあります。舌下免疫療法を受ける場合は事前に医師に相談し、自分に合った治療法かどうかを判断してもらうようにしましょう。

当院でも、ダニ・スギ花粉症の舌下免疫療法をご利用いただけます。



まとめ

ダニアレルギーは、ダニの死骸やフンが原因で起こるアレルギー症状です。主な症状は、くしゃみ、鼻水、鼻詰まり、皮膚のかゆみ、湿疹などです。ダニは高温多湿な環境を好み、寝具やカーペットなどに多く生息します。

ダニアレルギー対策には、こまめな掃除、湿度管理、寝具の洗濯、空気清浄機の使用などがあります。掃除機や布団乾燥機を活用し、ダニの死骸やフンを取り除きましょう。

ダニアレルギーが疑われる場合は検査を受けて、原因を特定しましょう。必要に応じて、舌下免疫療法などの治療法もあります。

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参考文献

Guttman-Yassky E, Kabashima K, Staumont-Salle D, Nahm WK, Pauser S, Da Rosa JC, Martel BC, Madsen DE, Røpke M, Arlert P, Steffensen L, Blauvelt A, Reich K. “Targeting IL-13 with tralokinumab normalizes type 2 inflammation in atopic dermatitis both early and at 2 years.” Allergy 79, no. 6 (2024): 1560-1572.


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