エビチリやカニクリームコロッケなど甲殻類を使った料理は、美味しいメニューがたくさんあります。でも食べると体が痒くなったり、呼吸が苦しくなったりした経験はありませんか?もしかしたら、あなたはエビ・カニアレルギーかもしれません。
実は食物アレルギーの中でも、エビやカニなどの甲殻類アレルギーは、症状が強く出やすいと言われています。この記事ではエビ・カニアレルギーの具体的な症状や原因、そしてもしアレルギーと診断された場合の対処法について解説します。あなたも知らない、エビ・カニアレルギーの真実を探ってみましょう。
エビやカニのおいしい料理を食べると体がなんだかおかしい…と感じたことはありませんか?それは、エビ・カニアレルギーのサインかもしれません。
実は食物アレルギーの中でも、エビやカニなどの甲殻類アレルギーは、特に症状が強く出やすいと言われています。
ここでは、エビ・カニアレルギーで起こる具体的な症状と、その特徴について詳しく見ていきましょう。
エビ・カニアレルギーの症状として、最も多く見られるのが皮膚に現れるサインです。まるで体が「SOS」のメッセージを送っているようです。
皮膚だけでなく呼吸をする時に使う器官、つまり鼻や喉、気管支などにもアレルギー反応は現れることがあります。
エビやカニを食べた後、お腹にも異変を感じることがあります。
これらの症状は食中毒と似ているため、注意が必要です。食中毒の場合は、一緒に食事をした人にも同様の症状が出ることが多くあります。しかしアレルギーの場合は、食べた本人だけに症状が出ることが多いという特徴があります。
エビ・カニアレルギーは、重症化すると命に関わる危険性もあります。まるで、体が「大変!緊急事態だよ!」と叫んでいるような状態です。特に注意が必要なのが、「アナフィラキシーショック」と呼ばれる症状です。これは、アレルギー反応が全身に起こり、意識を失ったり、血圧が急激に低下したりするなど、生命を脅かす危険な状態です。
アナフィラキシーショックは、エビやカニを食べた数分~数十分後に出現することが多く、以下のような症状が見られます。
このような症状が出た場合は、すぐに救急車を呼び適切な処置を受ける必要があります。
エビやカニでお腹が痛くなったり、かゆくなったりしたら、それはアレルギーかもしれません。
「もしかして、エビ・カニアレルギー?」と感じたら一人で悩まず、まずは医療機関を受診して検査を受けることをお勧めします。
原因を特定し適切に対処することで、不安を減らし安心して食事を楽しむことができます。
カニ・エビアレルギーかもと思ったときに、その原因を確かめる検査に「ドロップスクリーン検査」があります。
ドロップスクリーン検査は、ほんの少しだけ指先から血を取るだけで、色々なアレルギーの原因物質を一度に調べることができるとても便利な検査です。小さなお子さんでも安心して受けることができます。
検査の流れは、とても簡単です。
もしエビやカニを食べた後、息苦しさや意識がぼーっとするなど、急激な症状が出た場合は、ためらわずにすぐに救急車を呼びましょう。
アナフィラキシーショックの可能性があり、一刻も早い処置が必要となります。
救急車が到着するまでの間は、横になって足を高くすると症状の進行を遅らせる効果があります。心臓に向かって血流を誘導するイメージです。
日頃から、医師に処方されたエピペンなどの自己注射薬を持っている場合は、ためらわずに使用しましょう。
自己注射薬は症状を一時的に抑える効果があり、あなたの命を守るための大切なツールです。
エビ・カニアレルギーと診断された場合、エビやカニはもちろんのこと、それらを使った加工食品にも注意が必要です。
食品表示をよく確認し「エビ」「カニ」といった文字を見つけたら、その食品は口にしないようにしましょう。
食品表示は、まるで食品の履歴書のようなもの。原材料名やアレルゲン表示をしっかり確認することで、危険な食品を避けることができます。
特に注意が必要な食品を以下にまとめました。
食品群 | 注意すべき食品例 |
---|---|
海老・カニを含む加工食品 | かまぼこ、ちくわ、はんぺん、さつま揚げ、つみれ、魚肉ソーセージ、練り物、えびせん、かに風味サラダ、かにクリームコロッケ、シーフードスープ、ブイヤベースなど |
エビ・カニのエキスが使われている可能性のある食品 | ラーメン(スープ)、パスタ(ソース)、お好み焼き(だし汁)、チャーハン(具材) |
その他 | エビ・カニを扱う飲食店で調理された食品、エビ・カニと同じ場所で保管されていた食品 |
外食する際も、お店の人にエビ・カニアレルギーであることを伝えメニューにエビやカニが使われているかどうかを確認するようにしましょう。
お店の人もアレルギー対応には慣れていることが多いため、安心して相談してみましょう。
エビ・カニアレルギーと診断された場合、医師から生活改善の指導や、症状を抑える薬の処方を受けることができます。
アレルギー反応が重症化する可能性がある場合は、自己注射薬の処方を受けることもあります。
自己注射薬はアナフィラキシーショックなどの重篤なアレルギー症状が出た際に、すぐに使用できるよう、常に携帯しておくことが重要です。
エビ・カニアレルギーは現在の医学では完治が難しいアレルギーですが、適切な治療と自己管理によって、症状を抑えながら生活することができます。
定期的な通院と医師の指示を守り、安心して生活できるように心がけましょう。
エビ・カニアレルギーは、甲殻類に含まれるタンパク質が原因で起こるアレルギーです。症状は、じんましん、喘鳴、腹痛など様々です。重症化するとアナフィラキシーショックを起こし、命に関わる危険性もあります。
エビ・カニアレルギーと診断された場合は、エビ・カニを含む食品を避け、医師の指示に従って生活することが重要です。外食時は、お店の人にアレルギーであることを伝えて、メニューの確認をしましょう。
Bel Imam M, Stikas CV, Guha P, Chawes BL, Chu D, Greenhawt M, Khaleva E, Munblit D, Nekliudov N, van de Veen W, Schoos AM and Core Outcome Measures for Food Allergy (COMFA) consortium. “Outcomes reported in randomized controlled trials for mixed and non-IgE-mediated food allergy: Systematic review.” Clinical and experimental allergy 53, no. 5 (2023): 526-535.
大石内科循環器科医院
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