大石内科循環器科医院

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認知症になりやすい人の特徴とは?

2024.11.12 認知症

年齢を重ねても、記憶力や思考力を維持したいと思いませんか?

誰もが迎える老後を健やかに、そして自分らしく過ごすために認知症予防は重要な課題です。認知症は年齢を重ねることで誰にでも起こりうる病気ですが、ある調査によると80歳を超えると5人に1人が発症すると言われています。

この記事では認知症になりやすい人の特徴を7つご紹介し、具体的な予防策をわかりやすく解説します。ご自身やご家族のために、今からできる認知症予防を始めましょう。

認知症になりやすい人の特徴7選

認知症は年齢を重ねると誰にでも起こりうる病気ですが、いくつかの要因によってリスクが高まることが分かっています。ここでは、認知症になりやすい人の特徴を7つご紹介します。ご自身の生活習慣を見直すきっかけとして、ぜひ参考にしてみてください。

年齢を重ねるとリスクが高まる

年齢を重ねることは避けられない現実であると同時に、認知症のリスクを高める最大の要因の一つでもあります。2012年の統計によると認知症は男女ともに65歳を過ぎたあたりから増加し始め、75歳では10人に1人、80歳を超えるとなんと5人に1人が認知症になると言われています。まるでコインを2回投げたら1回は表が出る確率と同じくらい、身近な病気になってきていると言えるでしょう。

高齢になると脳の神経細胞が減少し、脳の働きが低下することが認知症のリスクを高める一因と考えられています。若い頃は徹夜明けでも頭が冴えていたという方も、年齢を重ねると疲れやすくなったり、物覚えが悪くなったりと実感されるのではないでしょうか。

また加齢に伴い、動脈硬化や高血圧などの生活習慣病のリスクも高まります。これらの病気は脳の血管を傷つけ、血流を悪くすることで認知症のリスクを高める要因となります。

さらに高齢になると、社会的な役割や人とのつながりが減少し生活に張りがなくなってしまうことも少なくありません。このような社会的孤立も、認知症のリスクを高める要因の一つと考えられています。

認知症の家族歴がある

認知症の中には家族性アルツハイマー病のように、遺伝が強く影響するものもあります。両親や祖父母など血縁者に認知症の方がいる場合は、そうでない方に比べて認知症を発症するリスクが高くなる可能性があります。

例えば、私が診察した患者さんの中には、お父様をアルツハイマー病で亡くされ数年後にご自身もアルツハイマー病と診断された方がいらっしゃいました。遺伝的な要因は残念ながら自分で変えることはできませんが、生活習慣の改善など他のリスク要因を減らすことで発症を遅らせたり予防したりできる可能性があります。

高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病

高血圧、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病は、脳の血管にもダメージを与え認知症のリスクを高めることが知られています。これらの病気は食生活の乱れや運動不足など、日々の生活習慣と密接に関係しています。バランスの取れた食事や適度な運動を心がけることは、認知症の予防だけでなく健康な体作りにも繋がります。

高血圧は血管に常に高い圧力がかかり続けることで、血管の内壁を傷つけ動脈硬化を引き起こします。動脈硬化は脳の血管が詰まったり、破れたりする原因となり脳梗塞や脳出血などの脳血管障害を引き起こすリスクを高めます。

糖尿病は、血液中の糖(ブドウ糖)が増えすぎる病気です。血液中の糖が増えすぎると、血管が傷つきやすくなり動脈硬化が進行しやすくなります。また糖尿病は脳の神経細胞にもダメージを与え、認知機能の低下を促進する可能性も指摘されています。

脂質異常症は、血液中のコレステロールや中性脂肪といった脂質が増えすぎる病気です。脂質異常症があると血管の内側に脂肪が溜まりやすくなり、動脈硬化が進行しやすくなります。

喫煙や過度な飲酒

たばこに含まれるニコチンは、血管を収縮させ血行不良を引き起こすため脳の健康にも悪影響を及ぼします。また過度な飲酒も脳の細胞を傷つけ、認知機能の低下に繋がると言われています。喫煙や過度な飲酒は、百害あって一利なしです。禁煙や節酒を心がけ、健康的なライフスタイルを送りましょう。

喫煙は血管を収縮させ、血圧を上昇させる効果があります。また、ニコチンは血管内皮細胞という血管の内側にある細胞を傷つけ、動脈硬化を促進する作用も持っています。動脈硬化は脳血管障害のリスクを高めるだけでなく、認知症のリスクを高めることも知られています。

過度な飲酒は脳の神経細胞に直接ダメージを与え、認知機能を低下させる可能性があります。またアルコールを分解する過程で、アセトアルデヒドという有害物質が体内で作られます。アセトアルデヒドは、発がん性物質としても知られており様々な病気のリスクを高める要因となります。

運動不足

運動不足は肥満や生活習慣病のリスクを高めるだけでなく、認知症のリスクも高めることが分かっています。運動は脳への血流を良くし、脳細胞を活性化する効果があります。毎日30分程度のウォーキングや軽い運動を習慣化することで、認知症予防だけでなく心身ともにリフレッシュできます。

運動不足になると脳への血流が悪くなり、脳細胞に十分な酸素や栄養が供給されなくなります。また運動不足はストレスホルモンの分泌を増加させ、脳の神経細胞にダメージを与える可能性も指摘されています。

一方、運動習慣のある人は運動によって脳由来神経栄養因子(BDNF)という物質が分泌されやすくなります。BDNFは神経細胞の成長や生存を促進する働きがあり、認知機能の維持や向上に役立つと考えられています。

社会的な孤立

人との交流が少ない、いわゆる「社会的孤立」の状態が続くと、脳への刺激が少なくなり、認知機能の低下に繋がると考えられています。また、孤独感はストレスホルモンの分泌を増加させ、脳の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。地域活動への参加や友人との交流など、積極的に人と関わる機会を持つように心がけましょう。

社会的な孤立は、脳への刺激を減らし、認知機能の低下を招く可能性があります。人と会話したり、新しいことを学んだりするなどの知的活動は、脳の神経細胞を活性化し、認知機能の維持に役立ちます。

また、社会的な孤立は、ストレスホルモンの分泌を増加させ、脳の健康に悪影響を及ぼす可能性もあります。ストレスホルモンは、脳の神経細胞にダメージを与え、認知機能の低下を促進する可能性が指摘されています。

頭部外傷の経験

過去に交通事故などで頭部に強い衝撃を受けたことがある場合、認知症のリスクが高まる可能性があります。頭部外傷は脳に直接的なダメージを与えるため、注意が必要です。頭部をぶつける可能性のあるスポーツや作業をする際には、必ず保護具を着用するなど予防対策を徹底しましょう。

頭部外傷は脳に直接的なダメージを与え、認知機能の低下を招く可能性があります。特に意識を失うほどの強い衝撃を受けた場合は、注意が必要です。頭部外傷後、しばらくの間は頭痛やめまい、吐き気などの症状が現れることがあります。これらの症状が長引く場合は、医療機関を受診しましょう。

まとめ

認知症は誰にでも起こりうる病気ですが、年齢、家族歴、生活習慣病、喫煙、飲酒、運動不足、社会的孤立、頭部外傷といった要因がリスクを高めます。

これらの要因を減らす生活習慣を心がけることが、認知症予防に繋がります。

当院は認知症(物忘れ)外来を行っております。また。認知対応型通所介護センター(デイサービス)も併設しておりますので、気になる症状等がある方は当院にご相談ください。