寒い冬から、日に日にあたたかくなる春の到来を待ち焦がれていた方も多いはず。しかしそれと同時に、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどに悩まされる人も少なくありません。 それは、スギ花粉症かもしれません。
実は、日本人の約25%がスギ花粉症に悩んでいると言われています。スギ花粉症は空気中のスギ花粉が目や鼻から体内に入ると体が異物と認識し、アレルギー反応を起こすことで症状が現れます。
この記事ではスギ花粉症の症状や原因、そして具体的な検査方法から治療法、予防策まで詳しく解説していきます。 スギ花粉症の症状に悩んでいる方はもちろん、まだ発症していない方も、ぜひ参考にしてみてください。
春の訪れ共に暖かい日が待ち遠しい気持ちになる一方で、鼻水やくしゃみ、目のかゆみなどに悩まされる方も多いのではないでしょうか? それは、もしかしたらスギ花粉症のサインかもしれません。
冬の寒さが落ち着き暖かくなってくるこの時期は、スギの木にとっては花粉を飛ばす季節です。空気中に飛散したスギ花粉が目や鼻から体内に入ると、私たちの体はそれを異物だと認識し排除しようとします。その結果、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどのアレルギー反応が起こるのです。
スギ花粉症で代表的な症状として、くしゃみ、鼻水、鼻詰まり、目のかゆみなどがあげられます。さらに、喉のかゆみやくしゃみに伴う頭痛、微熱、倦怠感なども現れることがあります。
これらの症状は、スギ花粉に対する体の過剰な防御反応が原因です。
例えば、くしゃみは、鼻に入った花粉を外に追い出そうとする体の反応です。鼻水も同様に、鼻の粘膜についた花粉を洗い流す役割を果たしています。目のかゆみは、目に付着した花粉を涙で洗い流そうとする反応です。
症状 | 具体的な症状 |
くしゃみ | 何度も連続してくしゃみが出る、朝起きた時や外出時に多く出る |
鼻水 | 水のようにサラサラした鼻水が止まらない、鼻の奥に流れる |
鼻詰まり | 鼻が詰まって息苦しい、匂いが分かりにくい、夜寝苦しい、いびきの原因になる |
目のかゆみ | 目が痒くてこすりたくなる、ゴロゴロする、異物感がある |
涙目 | 涙が止まらない、目が充血する、光がまぶしく感じる |
皮膚の炎症 | 顔や首、腕などに赤みやかゆみが出る、湿疹ができる、乾燥しやすい |
スギ花粉症は、症状が重くなると日常生活に大きな影響を及ぼすことがあります。 重症化すると夜眠れないほどの鼻詰まりや、集中力の低下、倦怠感などにより仕事や勉強に集中できないことがあります。
このようにスギ花粉症は症状が重症化すると日常生活や仕事、学業にも大きな支障をきたす可能性があることを理解しておく必要があります。
スギ花粉症の症状は、患者さん一人ひとりで大きく異なります。 軽い人では、ほとんど症状が出ない場合もあれば重症化すると日常生活に支障が出るほど症状が強く出てしまう人もいます。
また、年齢によっても症状の出方が異なることがあります。 一般的にスギ花粉症は幼児期に発症することは少なく、小学校高学年頃から発症するケースが増えていきます。そして20歳代でピークを迎え、その後は徐々に軽くなっていくことが多いです。
しかし近年では高齢になってから初めてスギ花粉症を発症するケースや、一度軽快したはずの症状が再び悪化するケースも増えています。これは環境の変化やストレス、生活習慣の変化などが影響していると考えられています。
スギ花粉症かどうかを正確に知るためには、医療機関を受診して適切な検査を受ける必要があります。自己判断で市販薬を服用したり放置したりすると、症状が悪化したり他の病気の可能性を見逃してしまう可能性があります。
今回は、スギ花粉症の検査方法を具体的に解説していきます。
スギが原因のアレルギーかもと思った時、アレルギー症状の原因を確かめる検査に「ドロップスクリーン検査」があります。
ドロップスクリーン検査は、ほんの少しだけ指先から血を取るだけで、色々なアレルギーの原因物質を一度に調べることができる、とっても便利な検査です。
検査の流れは、とても簡単です。
当院でも、ドロップスクリーン検査を行っておりますのでご利用ください。
スギ花粉症と診断するためにはアレルギー検査の結果だけでなく、問診による情報も非常に重要です。
これらの情報はアレルギー検査の結果だけでは判断できない、患者さん個々の状況を把握するために非常に役立ちます。
例えばスギ花粉の飛散時期にだけ症状が現れるという場合でも、患者さんの生活環境や職業によっては他の花粉やハウスダストなどの影響も考えられます。そのため、問診によってこれらの可能性を検討していく必要があるのです。
スギ花粉症は花粉が飛散する特定の時期にだけ症状が現れるため、他のアレルギー性鼻炎と区別がつきにくいという特徴があります。自己判断で市販薬を使用したり放置したりすると症状が悪化したり、適切な治療を受けるのが遅れてしまう可能性があります。少しでもスギ花粉症が疑われる場合は、必ず医療機関を受診し医師に相談しましょう。
スギ花粉症と診断されると、多くの方は「この症状と一生付き合っていかなければいけないのか…」と不安な気持ちになるかもしれません。確かに、スギ花粉症は自然に治癒することが難しい病気です。しかし近年では医学の進歩により、症状を効果的にコントロールできる治療法や根本的な体質改善を目指す治療法も登場しています。
適切な治療と日々の予防策を組み合わせることで、スギ花粉症であっても症状に悩まされることなく快適な日常生活を送ることは十分に可能です。ここではスギ花粉症の治療法と予防策について、具体的に解説していきます。
スギ花粉症の薬物療法は、症状を抑えることを目的としています。主な薬の種類と、それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
どの薬が自分に合っているかは症状の程度や体質、生活スタイル、他の病気の有無などによって異なります。自己判断で市販薬を使用するのではなく必ず医師に相談し、最適な薬を処方してもらいましょう。
スギ花粉症の症状を根本的に改善したいと考えている方にとって、舌下免疫療法は有効な選択肢の一つです。舌下免疫療法はスギ花粉症の原因となるアレルゲンを少量ずつ体内に取り込むことで、アレルギー反応を起こしにくい体質に変えていく治療法です。
舌下免疫療法は、全ての人に適応されるわけではありません。喘息などの他のアレルギー疾患を持っている方、妊娠中の方などは治療を受けられない場合があります。医師に相談し、治療を受けるかどうか検討しましょう。
当院でもスギ舌下免疫療法に対応しておりますので、ご相談ください。
スギ花粉症の症状を和らげるためには、薬物療法だけでなく、日常生活でできる対策も重要です。ここでは、花粉シーズンを乗り切るための具体的な方法を紹介します。
スギ花粉症は適切な治療と日常生活の対策を組み合わせることで、症状をコントロールすることができます。つらい症状に悩まされている方は、ぜひこれらの方法を試してみてください。
スギ花粉症は、スギ花粉に対するアレルギー反応によって起こる病気です。主な症状は、くしゃみ、鼻水、鼻詰まり、目のかゆみなどです。症状が重くなると睡眠障害、集中力低下、QOLの低下など日常生活に大きな影響を与えることもあります。
スギ花粉症の検査には、ドロップスクリーン検査があります。検査結果だけでなく、問診による情報も診断に重要です。
治療法としては、抗ヒスタミン薬、ロイコトリエン拮抗薬、ステロイド薬などの薬物療法があります。根本的な治療法として、舌下免疫療法があります。
日常生活では花粉を避ける、室内の花粉を減らす、食生活の改善、ストレスを溜めないなどの対策が有効です。スギ花粉症の症状に悩まされている方は、医療機関を受診し、適切な治療と予防策を組み合わせることで、症状をコントロールし、快適な日常生活を送ることができます。
花粉症やアレルギー症状でお悩みの方、お子さまのアレルギー反応の原因など、お気軽に当院へご相談ください。
大石内科循環器科医院
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