大石内科循環器科医院

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5月のアレルギー症状 その原因と対策は?

2025.04.18 アレルギー科

5月、爽やかな季節のはずなのに、くしゃみと鼻水、そして目のかゆみにお悩みではりませんか?

ゴールデンウィークの楽しい予定も、花粉症の症状で辛い… 実は、5月はイネ科植物のカモガヤ花粉が大量に飛散するピークシーズン。 目に見えない小さな敵が、私たちの健康を脅かしているのです。

このカモガヤ花粉は他のイネ科の花粉と比べて粒子が小さいため、気道深くに侵入しやすく喘息などのリスクを高める可能性も指摘されています。 さらに、そのアレルゲン性は高く、少量でも強いアレルギー反応を引き起こすことも。 具体的な症状はくしゃみ、鼻水、目のかゆみだけではありません。喉の痛みや咳、皮膚症状にまで及ぶことも。

この記事では、5月を悩ませるカモガヤ花粉の特性から、具体的な症状、そしてドロップスクリーン検査や舌下免疫療法といった治療法、さらには日常生活でできる効果的な対策までを分かりやすく解説します。 快適な5月を過ごすためのヒントが満載です。 あなたも、花粉症の症状から解放され、春の陽射しを心から楽しめるようになりませんか?

5月に花粉症を引き起こすイネ科カモガヤの特性

5月になると、くしゃみや鼻水が止まらなくなり、憂鬱な気分になる方も多いのではないでしょうか。ゴールデンウィークなどの楽しいイベントも、鼻詰まりで思う存分楽しめないのは本当に辛いですよね。実は、5月はイネ科の植物の花粉が特に多く飛散する時期です。その中でも、カモガヤという植物は、花粉症の原因として非常に有名です。この章では、5月の花粉症を引き起こすカモガヤについて、分かりやすく解説します。

カモガヤ花粉の飛散時期と量

カモガヤの花粉は、主に5月から7月にかけて飛散し、特に5月中旬から6月中旬がピークです。この時期は、まるで目に見えない粉雪のように、大量の花粉が空気中に舞っています。

花粉の飛散時期や量は、場所によっても異なります。例えば、都心部では、5月中旬から下旬にかけて最も多く飛散するとされています。また、その年の気候条件によっても大きく左右されます。例えば、雨が少ない春は地面が乾燥し、花粉がより多く飛散しやすくなります。

カモガヤは、公園や河川敷、道路脇など、私たちの身近な場所に生息しています。そのため、日常生活で知らず知らずのうちに花粉を吸い込んでしまう可能性が高いのです。お子さんと公園で遊んでいる時などにも、花粉を吸い込んでいるかもしれません。

他のイネ科の花粉との比較

イネ科の植物はカモガヤ以外にも、ハルガヤ、オオアワガエリ、スズメノテッポウなど、多くの種類が存在します。これらの植物も花粉症の原因となりますが、飛散時期やアレルギーの強さはそれぞれ異なります。

カモガヤは、他のイネ科の植物と比べて、花粉の大きさが小さいという特徴があります。そのため、鼻や喉だけでなく、より奥の気道まで到達しやすく、喘息などの症状を引き起こす可能性も懸念されています。また、カモガヤ花粉のアレルゲン性は高く、少量の花粉でも強いアレルギー反応を引き起こす可能性があります。

例えば、ハルガヤは4月から6月に飛散し、アレルギーの強さはカモガヤよりやや弱いです。一方、オオアワガエリはカモガヤと同じ5月から7月に飛散し、アレルギーの強さはカモガヤと同程度です。スズメノテッポウは8月から10月に飛散するため、秋の花粉症の原因として知られています。

花粉症における具体的な症状とその原因

5月になると鼻がムズムズ、目がかゆい、くしゃみが止まらない…、そんな花粉症の症状に悩まされていませんか。これらの症状は私たちの体を守るはずの免疫システムが、花粉を敵と勘違いして過剰に反応してしまうことで起こります。まるで、小さなチリに大砲で反撃しているようなイメージです。

実は花粉症の症状は、くしゃみや鼻水、目のかゆみだけではありません。喉のかゆみや咳、さらには皮膚症状が現れる場合もあります。これらの症状は、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。

そこで、この章では、花粉症で起こる具体的な症状とその原因について、かりやすく解説します。自分の体に何が起こっているのかを理解することで、適切な対策を講じることが可能になります。

くしゃみや鼻水のメカニズム

くしゃみと鼻水は、花粉が鼻の中に入ってくることによって引き起こされる、花粉症の代表的な症状です。私たちの鼻の粘膜には、空気中のホコリやウイルスなどの異物が体内に侵入するのを防ぐ、門番のような役割があります。

この門番役の鼻の粘膜には、異物を感知するセンサーが備わっています。花粉が鼻の中に入ると、このセンサーが花粉を異物だと認識し、体内に侵入させないよう、排除しようとします。

具体的には、センサーが花粉を感知すると、ヒスタミンという物質が体内で放出されます。ヒスタミンは、鼻の血管を広げ、鼻水を大量に分泌させます。同時に、くしゃみを引き起こす神経を刺激することで、鼻水と一緒に花粉を体外へ追い出そうとします。

つまり、くしゃみと鼻水は、体を守るための防御反応なのです。しかし、花粉に対して過剰に反応してしまうと、必要以上に多くのヒスタミンが放出され、鼻水やくしゃみが止まらなくなってしまうのです。

目のかゆみと涙の分泌の関係

目のかゆみも、花粉症で多くの方が経験する症状です。目にも、鼻と同様に、異物から体を守るための仕組みが備わっています。

花粉が目に入ると、目の表面を覆っている結膜という粘膜が刺激されます。結膜にもセンサーがあり、花粉などの異物を感知すると、ヒスタミンが放出されます。

ヒスタミンは、目の血管を広げ、涙をたくさん分泌させます。涙は、花粉を洗い流す役割を果たしています。同時に、ヒスタミンはかゆみを引き起こす神経も刺激するため、目のかゆみが生じます。

目の場合も、鼻と同様に、体を守るための反応として涙や目のかゆみが生じます。しかし、花粉に対して過剰に反応すると、必要以上に涙が出て、目のかゆみがひどくなってしまうのです。

喉のかゆみや咳の原因

花粉症では、喉のかゆみや咳の症状が現れることもあります。これは、鼻や目と同じように、喉にも異物から体を守るための仕組みがあるためです。

花粉が喉に入ると、喉の粘膜にあるセンサーが花粉を異物と認識し、ヒスタミンが放出されます。ヒスタミンは、喉の粘膜に炎症を引き起こし、喉のかゆみや咳が生じます。

さらに、鼻水が喉に流れ落ちることで、喉を刺激し、咳が悪化する場合もあります。特に、夜間や朝方に鼻水が喉に流れ落ちやすいため、咳がひどくなることがあります。

このように、花粉症の症状は、体を守るための反応が過剰に起こることで生じます。

幅広い対策と治療法

5月は、ゴールデンウィークなど楽しい予定がたくさんありますよね。しかし、花粉症の方にとっては、くしゃみや鼻水、目のかゆみなど、辛い症状に悩まされる時期でもあります。せっかくの楽しい時間も、鼻が詰まって息苦しかったり、目のかゆみが気になって集中できなかったりすると、台無しになってしまいます。

そこで、この章では、5月の花粉症対策と治療法について、分かりやすく解説します。原因となる花粉への対策はもちろん、症状を抑える薬、根本的な体質改善を目指す治療法まで、さまざまな選択肢があります。自分に合った方法を見つけることが、快適に過ごすための鍵となります。

ドロップスクリーン検査の方法と費用

皆さんは、ドロップスクリーン検査を知っていますか?これは、ほんの少量の血液で、たくさんのアレルギーの原因物質(アレルゲン)を一度に調べることができる、とても便利な検査です。まるで、小さな探偵さんが、血液の中からアレルギーの原因を探してくれるようなイメージです。

検査方法はとっても簡単!指先から数滴の血液を採取するだけで、40種類以上ものアレルゲンに対するアレルギー反応を調べることができます。検査キットに血液を垂らして乾燥させ、検査機関に送るだけなので、注射のような痛みもありません。小さなお子さんでも安心して受けることができます。

費用は医療機関によって異なりますが、3割負担の方で5,000円程度が目安です。検査結果は30分~40分程度で分かります。どのアレルギーを持っているのかはっきりさせることで、より効果的な対策を立てることができます。



日常生活での花粉対策テクニック

花粉症対策は、医療機関での治療だけでなく、日常生活での工夫も大切です。毎日の生活の中で、少し意識を変えるだけで、症状を和らげることができます。

まず、花粉の飛散量が多い日は、なるべく外出を控えましょう。どうしても外出が必要な場合は、マスクやメガネを着用することで、花粉が目や鼻に入るのを防ぐことができます。帰宅時には、玄関先で衣服についた花粉を払い落とし、室内に持ち込まないように注意しましょう。

室内では、空気清浄機を使用したり、こまめに掃除をして、花粉の量を減らすことが重要です。窓を開けて換気する場合は、花粉の飛散量が少ない時間帯を選ぶのがおすすめです。また、洗濯物は室内に干し、布団や衣類を乾燥機にかけるのも効果的です。

規則正しい生活習慣を心がけ、バランスの取れた食事と十分な睡眠をとることで、免疫力を高めることも大切です。免疫力は、私たちの体を守るための防御システムです。免疫力が低下すると、アレルギー反応も起こりやすくなってしまいます。

まとめ

5月に入り、カモガヤ花粉の飛散がピークを迎える今、つらい花粉症の症状に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。この記事では、5月における花粉症の原因であるカモガヤ花粉の特性から、具体的な症状、そして様々な対策や治療法まで詳しく解説しました。

ドロップスクリーン検査で原因物質を特定し、自分に合った治療法を選択することで、症状を効果的に改善できる可能性があります。

花粉症は、適切な対策と治療によって症状を軽減できる病気です。この記事で紹介した情報を参考に、快適な5月を過ごせるよう、ぜひ積極的に対策を始めてみましょう。 辛い症状に悩んでいる方は、まずは医療機関を受診し、医師と相談して最適な治療法を見つけることをおすすめします。

アレルギー症状でお悩みなら当院のアレルギー科へご相談ください。



参考文献

  1. Sola J, da Silva Ferreira JA, Dionicio Elera J, Plácido JL, Pereira C, Fonseca J, Panizo C, Inácio LF, Cancelleire N, Zubeldia Ortuño JM, Landeta A, Madariaga B and Martínez A. “Timothy grass pollen therapeutic vaccine: optimal dose for subcutaneous immunotherapy.” Immunotherapy 8, no. 3 (2016): 251-63.



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