大石内科循環器科医院

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睡眠中に足がつる原因とその対処法について

2025.04.19 その他

夜中に突然襲ってくる、あの激しい足のつり。電気が走るような痛みで目が覚め、身動きが取れなくなる経験は、決して少なくありません。実は、日本人の多くが抱えるこの悩み、単なる一時的な不快感とは限りません。睡眠中の足つりは、深刻な健康問題のサインを示している可能性もあるのです。

この記事では、足がつる原因を3つの要因に分類し、関連する疾患や具体的な症状、そして、その頻度や痛みの特徴を詳しく解説します。さらに、応急処置から予防策、そして医療機関を受診すべきケースまで、分かりやすくご紹介します。

毎晩の安眠を妨げる足のつりを克服し、快適な睡眠を取り戻すための情報を網羅しました。多くの方の体験に基づき、不安を解消し、具体的な解決策を見つけるお手伝いをいたします。

睡眠中に足がつる原因と関連疾患の概要

夜中に突然足がつって、激痛で目が覚めた経験はありませんか? その痛みで飛び起き、しばらく動けなくなることもあるでしょう。実は、睡眠中に足がつるという経験は非常に多くの人が抱えている悩みです。

健康な状態であれば、多少足がつることは誰にでも起こりえます。しかし、その頻度が高かったり、痛みが強かったりする場合は、何か原因があるかもしれません。今回は、睡眠中に足がつる原因や関連する病気について、わかりやすく解説します。原因を理解することで、適切な対策を立てることができます。一緒に見ていきましょう。

足がつる原因として考えられる3つの要因

足がつる原因は、大きく分けて次の3つの要因が考えられます。

  1. 筋肉の疲労や冷え: 長時間立ちっぱなしの仕事や激しい運動の後、筋肉は疲弊し、硬くなってしまいます。マラソンを走った後などはまさにこの状態です。このような状況下では、筋肉が収縮しやすくなり、足がつりやすくなります。また、冷えによって血行が悪くなると、筋肉に十分な酸素が供給されにくくなります。酸素不足は筋肉の機能を低下させ、これもつりの原因となります。冬場の就寝時や冷房の効いた部屋で寝ているときに足がつりやすいのは、このためです。
  2. ミネラルバランスの乱れ: 筋肉が正常に収縮するためには、カルシウム、マグネシウム、カリウムなどのミネラルが不可欠です。これらのミネラルは、いわば筋肉の動きをスムーズにする潤滑油のような役割を果たしています。ミネラルが不足すると、筋肉の動きがぎこちなくなり、足がつりやすくなってしまいます。例えば、大量に汗をかいたり、水分をあまり摂らなかったりすると、体内のミネラルバランスが崩れやすくなります。運動中や暑い時期には、特にミネラルの喪失に注意が必要です。こまめな水分補給を心がけ、スポーツドリンクなどを活用してミネラルを補給するようにしましょう。
  3. 血行不良: ふくらはぎの筋肉は「第二の心臓」とも呼ばれ、血液を心臓に戻すポンプのような役割を果たしています。しかし、長時間同じ姿勢でいたり、運動不足だったりすると、このポンプ機能がうまく働かなくなり、血行が悪くなってしまいます。血行不良は、筋肉への酸素供給を滞らせ、結果として足がつりやすくなる原因となります。デスクワーク中心の方や、長時間同じ姿勢で作業をする方は、定期的に軽い運動やストレッチを取り入れるなど、血行を促進するための工夫をしてみましょう。
要因具体的な例
筋肉の疲労や冷え長時間の立ち仕事、激しい運動、冷房の効いた部屋、冬場の睡眠時
ミネラルバランスの乱れ汗をたくさんかく、水分不足、激しい運動後、不適切な食事
血行不良長時間同じ姿勢、運動不足、デスクワーク、睡眠中の姿勢

睡眠時無呼吸症候群との関連性

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が何度も止まる病気です。いびきが大きかったり、日中の強い眠気があったりする場合は、この病気を疑う必要があります。実は、この病気は足のつりとも関連があると考えられています。睡眠時無呼吸症候群では、体内の酸素濃度が低下し、慢性的な酸素不足の状態に陥ります。これは、筋肉への酸素供給を阻害し、足がつりやすくなる一因となります。また、睡眠の質が低下することで、疲労が蓄積しやすくなり、これも足のつりの原因となる可能性があります。

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他の疾患との鑑別診断

睡眠中に足がつるからといって、必ずしも睡眠時無呼吸症候群というわけではありません。足のつりの背景には、他の病気や体の状態が隠れている場合もあります。例えば、糖尿病、甲状腺機能低下症、腎臓病、肝臓病などの疾患は、足のつりを引き起こす可能性があります。また、特定の薬の副作用として足がつる場合もあります。

もし頻繁に足がつったり、痛みが強かったり、なかなか治まらなかったりする場合は、自己判断せずに医療機関を受診し、適切な検査を受けることが大切です。医師による診察と適切な検査によって、原因を特定し、適切な治療を受けることができます。

足がつる具体的な症状と頻度について

夜中に突然、足をつる経験は誰にでもあるでしょう。あの激痛で目が覚め、しばらく動けなくなる感覚は本当に辛いですよね。実は医学的には「有痛性筋痙攣」と呼ばれるこの症状、多くの方が経験する身近な悩みです。今回は睡眠中に足がつる具体的な症状やその頻度、痛みの特徴について、より詳しく、そして患者さんの不安に寄り添う形で解説します。

睡眠中の足がつる症状の種類

睡眠中に起こる足のつり。どの筋肉が、どれくらいの痛みでつるのかは人それぞれです。まるで十人十色、症状も多様なのです。代表的な症状をいくつかご紹介します。

  • ふくらはぎのつり: 最もよく経験されるのがこのタイプです。ふくらはぎの筋肉が硬くこわばり、強い痛みを感じます。まるでアキレス腱が引っ張られるような感覚を伴うこともあります。第二の心臓と呼ばれるふくらはぎの筋肉の異変は、全身の血流にも影響を与える可能性があり、注意が必要です。
  • 足の裏のつり: 土踏まずや指の付け根がつることもあります。ここがつると、地面を踏みしめるのも困難になるほどの鋭い痛みを感じることがあります。普段何気なく行っている歩行が、どれほど足の裏の筋肉に支えられているかを実感する瞬間です。
  • 太もものつり: 太ももの前側や裏側の筋肉がつることもあります。特に前側の筋肉がつると、膝が伸びなくなるため、歩くことが難しくなります。太ももは体の中でも大きな筋肉なので、ここがつると日常生活への影響も大きいです。
  • 足の指のつり: 足の指が曲がったまま硬直したり、逆に反り返ったりします。一見些細な症状に思えるかもしれませんが、これもまた激痛を伴います。足の指の繊細な動きを支える小さな筋肉の悲鳴と言えるでしょう。

これらの症状は、片足だけでなく両足に同時に起こる場合も。また、一度つった筋肉が何度も繰り返しつるというケースも少なくありません。症状の現れ方は実に様々なのです。

足がつることの頻度と発生パターン

足のつりの頻度は、人によって大きく異なります。月に数回程度の方から、毎晩のように経験する方まで様々です。また、つりやすいタイミングやパターンも人それぞれです。

  • 睡眠中: 特に就寝直後や明け方近くに起こりやすい傾向があります。これは、体温や血圧の変動、睡眠中の姿勢などが影響していると考えられます。
  • 運動後: 激しい運動をした後、筋肉が疲労しているときにつりやすいです。運動によって筋肉内の水分やミネラルのバランスが崩れることが原因の一つです。
  • 長時間同じ姿勢: デスクワークなどで長時間同じ姿勢を続けていると、足の血行が悪くなり、つりやすくなります。特に、足を組む癖がある方は要注意です。
  • 脱水症状: 汗をたくさんかいたり、水分を十分に摂らなかったりすると、体内の電解質バランスが崩れ、つりやすくなります。夏場や運動時はこまめな水分補給を心がけましょう。

その他、加齢、妊娠、特定の薬の副作用、ミネラル不足、冷えなども足のつりの原因となることがあります。

足がつる痛みの強さと持続時間

足のつりの痛み、「非常に強い痛み」と表現されることが多く、まるで電気が走ったような、あるいは針で刺されたような鋭い痛みを感じます。この痛みは、筋肉が異常に収縮することで発生します。持続時間は数秒から数分程度で、自然に治まることが多いですが、10分以上続く場合もあります。

痛みや持続時間は、つった筋肉の大きさや、つりの程度によって異なります。痛みがおさまった後も、しばらくは筋肉の違和感やだるさが残ることがあります。まるで筋肉が疲れ果てているかのように感じます。

もし、足のつりの頻度が高かったり、痛みが強かったりする場合は、背後に何らかの病気が隠れている可能性も考えられます。自己判断せずに、医療機関を受診し、専門医の診察を受けることをお勧めします。

足がつる対処法と予防策

夜中に突然足がつって目が覚めた経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。あの激痛は本当に辛いですよね。まるで電流が走ったような、あるいは、硬いもので締め付けられるような感覚…。そして、その痛みが治まった後にも、しばらくは鈍い痛みが残ったり、歩行に違和感を感じたりすることもあります。今回は、そんな「足のつり」への対処法と予防策を、具体的な方法を交えながら詳しく解説していきます。

すぐにできる応急処置方法

足がつってしまったその瞬間は、何よりも早く痛みを和らげたいはずです。一刻も早く楽になりたい、そう願う患者さんのために、すぐにできる応急処置を3つのステップでご紹介します。

ステップ1:つっている筋肉をゆっくりと伸ばす

まずは、つっている筋肉を意識的に伸ばしてみましょう。例えば、ふくらはぎがつっている場合は、つま先をすねの方へゆっくりと持ち上げます。この時、決して急に伸ばしてはいけません。急な動きは、かえって筋肉を傷つけてしまう可能性があります。痛みが強い場合は、無理に伸ばそうとせず、まずは軽く触れる程度から始め、徐々に伸ばしていくようにしましょう。イメージとしては、固まった筋肉を優しくほぐしていくような感覚です。

ステップ2:筋肉をマッサージする

筋肉を伸ばしたら、次はマッサージです。つっている筋肉を優しくマッサージすることで、血行が促進され、筋肉の緊張が和らぎ、痛みが軽減されます。指先を使って、円を描くようにマッサージしたり、手のひらで優しくさすったりしてみましょう。温めることも効果的です。温かいタオルで患部を温めると、筋肉がリラックスしやすくなります。痛みが強い場合は、冷やすのも一つの方法です。保冷剤などをタオルに包んで患部に当ててみましょう。

ステップ3:水分と電解質を補給する

足のつりは、体内の水分や電解質、特にマグネシウムやカリウムの不足が原因で起こることもあります。激しい運動後や、たくさん汗をかいた後などは、特にこれらの不足に陥りやすい状態です。スポーツドリンクや経口補水液、ミネラルウォーターなどを飲むことで、不足した水分や電解質を効率的に補給することができます。また、ミネラルを多く含む食品、例えば、バナナやほうれん草、ナッツ類などを摂取することも効果的です。

症状対処法
ふくらはぎのつりつま先をすねの方へゆっくりと持ち上げる、ふくらはぎをマッサージする、温める/冷やす
足の裏のつり足の指を甲の方へ反らせる、足の裏をマッサージする、温める/冷やす
太ももの前のつりかかとをお尻の方へ近づける、太ももをマッサージする、温める/冷やす

足がつる予防のための生活習慣改善3つ

足のつりを予防するためには、日々の生活習慣を見直すことが重要です。ここでは、特に効果的な3つの生活習慣の改善点をご紹介します。これらの改善策は、足のつりだけでなく、健康全般にも良い影響を与えるため、ぜひ積極的に取り組んでみてください。

  1. 適度な運動: 適度な運動は、足のつりの予防に非常に効果的です。ウォーキングや軽いジョギング、水泳、サイクリングなど、無理のない範囲で体を動かす習慣を身につけましょう。運動によって筋肉の柔軟性が向上し、血行が促進され、足のつりが起こりにくくなります。また、運動はストレス軽減にも効果があるため、心身の健康維持にも役立ちます。
  2. バランスの良い食事: バランスの良い食事は、健康の基本です。足のつりの予防という観点では、カルシウム、マグネシウム、カリウムなどのミネラルを十分に摂取することが重要です。これらのミネラルは、筋肉の収縮をスムーズにするために必要な栄養素です。不足すると、足のつりが起こりやすくなります。牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品、ひじきやわかめなどの海藻類、ほうれん草や小松菜などの緑黄色野菜、バナナやオレンジなどの果物、ナッツ類などを積極的に食事に取り入れましょう。
  3. 十分な水分補給: 体内の水分が不足すると、血液の循環が悪くなり、筋肉への酸素供給が滞り、足がつりやすくなります。特に、夏場や運動後は、こまめに水分を補給するように心がけましょう。水やお茶だけでなく、スポーツドリンクや経口補水液も効果的です。カフェインを含むコーヒーや紅茶などは、利尿作用があるため、水分補給には適していません。就寝前や起床後にも、コップ一杯の水を飲む習慣をつけると良いでしょう。

医療機関での適切な検査と治療法

上記の対処法や予防策を試しても、足のつりが頻繁に起こる場合や痛みが強い場合は、自己判断せずに医療機関を受診しましょう。医療機関では血液検査や尿検査、睡眠時無呼吸検査、神経伝導検査などを行い、足のつりの原因を詳しく調べます。原因が特定されれば、それに応じた適切な治療を受けることができます。薬物療法や理学療法、生活指導など、様々な治療法があります。医師の指示に従い、適切な治療を受けることで、足のつりの症状を改善し、快適な生活を取り戻すことができるでしょう。

まとめ

睡眠中に足がつる原因は、筋肉の疲労や冷え、ミネラルバランスの乱れ、血行不良など様々です。また、睡眠時無呼吸症候群などの病気が隠れている場合もあります。ふくらはぎ、足の裏、太もも、足の指など、つるところも人それぞれで、痛みや頻度も異なります。

足がつったら、つった筋肉をゆっくり伸ばし、マッサージをして、水分と電解質を補給しましょう。予防には、適度な運動、バランスの良い食事、十分な水分補給が効果的です。

それでも症状が改善しない、または頻繁に起こる場合は、医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けましょう。原因を特定し、適切な対処をすることで、辛い足のつりを改善し、ぐっすり眠れる毎日を取り戻せるかもしれません。

睡眠中の足のつりでお悩みなら、当院までご相談ください。



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