日中、激しい眠気に襲われ仕事や日常生活に支障をきたしていませんか？ もしかしたら、それはただの「怠け」ではなく、病気のサインかもしれません。

近年増加傾向にある睡眠時無呼吸症候群（SAS）は睡眠中に呼吸が何度も止まる病気で、日中の強い眠気、いびき、起床時の頭痛などが特徴です。 放置すると高血圧や心臓病などのリスクを高める可能性も。

実は、あなたの周りの誰かがSASに苦しんでいるかもしれません。 この記事では、日中の眠気の原因を5つに絞り込み、特にSASについて詳しく解説します。 簡単なチェックリストで自分の眠気の程度を測り、SASの可能性を探ってみませんか？ 快適な睡眠を取り戻し、充実した毎日を送るための第一歩を踏み出しましょう。

日中の眠気の原因と診断方法

日中の耐えられない眠気。本当につらいですよね。仕事や勉強に集中できない、会議中に居眠りをしてしまう、車の運転中に意識が遠のく…そんな経験はありませんか？

もし心当たりがあるなら、それはただの怠け癖ではなく、病気のサインかもしれません。

この章では、日中の眠気の原因を探り、適切な診断方法についてご紹介します。安心できる日常生活を取り戻すためにも、ぜひ最後まで読んでみてください。

日中の眠気の主な原因5つ

日中の眠気は、単に睡眠不足だけが原因ではありません。様々な原因が考えられますので、主な原因を5つご紹介します。

1. 睡眠不足: 夜更かしや早起き、あるいは睡眠の質が低下することで、睡眠時間が足りていない場合、日中に眠気が起こりやすくなります。現代社会では、ストレスや生活習慣の乱れから睡眠不足に陥りやすい環境に置かれている方が多くいらっしゃいます。ご自身の睡眠時間を把握し、適切な睡眠時間を確保できているか確認してみましょう。
2. 睡眠時無呼吸症候群（SAS）: 睡眠中に呼吸が何度も止まる病気です。質の良い睡眠がとれないため、日中に強い眠気が現れます。いびきが大きい、夜中に何度もトイレに起きる、起床時に頭痛がするといった症状も併発することがあります。自覚症状がない場合も多いので、家族やパートナーに指摘されたことがある方は要注意です。
3. ナルコレプシー: 日中に強い眠気に襲われる病気で、睡眠不足とは異なり、急に強い眠気に襲われて、居眠りをしてしまうのが特徴です。他にも、情動脱力発作（感情が高ぶった際に、全身の力が抜けてしまう）、睡眠麻痺（入眠時や起床時に体が動かない）、入眠時幻覚（寝入りばなに現実ではないものが見える）などの症状を伴うこともあります。10代後半から20代前半に発症することが多く、比較的稀な病気です。
4. 睡眠相後退症候群: 体内時計が後ろにずれてしまい、夜なかなか寝付けず、朝起きられない状態が続きます。そのため、日中に眠気が強くなります。夜型の生活を送っている方に多く見られ、思春期に発症しやすい傾向があります。
5. うつ病などの精神疾患: 精神的なストレスや不安などが原因で、日中の眠気や倦怠感、意欲の低下、食欲不振などの症状が現れることがあります。身体的な病気ではないため見過ごされがちですが、放置すると症状が悪化することがありますので、専門医への相談が重要です。

睡眠時無呼吸症候群とは？

睡眠時無呼吸症候群（SAS）は、睡眠中に呼吸が止まる、または浅くなる状態が繰り返される病気です。大きないびき、起床時の頭痛、日中の強い眠気が特徴で、重症化すると高血圧や心臓病、脳卒中などのリスクを高める可能性があります。

日中の眠気を評価するためのチェックリスト

ご自身の眠気の程度を客観的に評価するために、エプワース眠気尺度と呼ばれる簡単なチェックリストをご紹介します。以下の質問に答えてみてください。

1. 座って静かに読書をしている時に、どれくらい眠くなりますか？
2. テレビを見ている時に、どれくらい眠くなりますか？
3. 公共の場所で、座って話を聞いている時に（例えば、劇場や会議で）、どれくらい眠くなりますか？
4. 乗客として、1時間くらい続けて車に乗っている時に、どれくらい眠くなりますか？
5. 昼寝をせずに、午後、横になって休んでいる時に、どれくらい眠くなりますか？
6. 座って誰かと話している時に、どれくらい眠くなりますか？
7. アルコールを飲まずに、昼食後、静かに座っている時に、どれくらい眠くなりますか？
8. 車を運転中に、数分間、渋滞で停止している時に、どれくらい眠くなりますか？

それぞれの質問に対し、「全く眠くならない（0点）」「少し眠くなる（1点）」「かなり眠くなる（2点）」「非常に眠くなる（3点）」の４段階で評価します。合計点が8点以上10点未満の場合は軽度の眠気、11点以上15点未満の場合は中等度の眠気、16点以上は重度の眠気とされています。

その他の病気や疾患との関連

日中の眠気は、SAS以外にも、様々な病気や疾患と関連している可能性があります。例えば、甲状腺機能低下症、貧血、糖尿病、ナルコレプシー、慢性疲労症候群、パーキンソン病などです。これらの病気は、身体の機能を低下させ、疲労感や眠気を引き起こすことがあります。日中の眠気と共に、だるさや倦怠感、体重の変化、食欲の変化、気分の落ち込みなど他の症状がある場合は、他の病気の可能性も考慮し、医療機関を受診しましょう。

日中の眠気を改善するための生活習慣6つ

日中の眠気を改善するためには、生活習慣の見直しが重要です。

1. 規則正しい睡眠: 毎日同じ時間に寝起きすることで、体内時計が整い、睡眠の質が向上します。寝る直前にパソコンやスマートフォンの画面を見るのは避け、睡眠の1時間前には部屋の照明を落とし、リラックスできる環境を作るようにしましょう。
2. 適度な運動: 軽い運動は、睡眠の質を高めます。激しい運動は交感神経を優位にし、睡眠の妨げになるため、寝る3時間前までには終えましょう。ウォーキングやストレッチなど、軽い運動を取り入れると良いでしょう。
3. バランスの良い食事: 栄養バランスの良い食事は、健康な睡眠を促進します。特に、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を促すトリプトファンを多く含む食品（牛乳、大豆製品、バナナなど）を積極的に摂るように心がけましょう。
4. カフェインの摂取を控える: 寝る前のカフェイン摂取は、睡眠の質を低下させる可能性があります。カフェインの効果は数時間持続するため、夕方以降はコーヒーや緑茶などのカフェインを含む飲み物を控えるようにしましょう。
5. アルコールの摂取を控える: アルコールは、睡眠の質を低下させます。寝付きは良くなりますが、深い睡眠を妨げ、夜中に目が覚めやすくなるため、結果的に日中の眠気を引き起こす可能性があります。
6. 寝る前のリラックス: 寝る前は、リラックスできる時間をつくりましょう。ぬるめのお風呂に入ったり、好きな音楽を聴いたり、アロマを焚いたりするのも良いでしょう。腹式呼吸や瞑想なども、リラックス効果を高めるのに役立ちます。

まとめ

日中の眠気でお困りのあなた、もしかしたら睡眠時無呼吸症候群かもしれません。この記事では、日中の眠気の原因を5つ、睡眠時無呼吸症候群の症状や診断方法を詳しく解説しました。

原因は睡眠不足だけではありません。睡眠時無呼吸症候群以外にも、ナルコレプシー、睡眠相後退症候群、うつ病など様々な可能性があります。

自分の眠気の程度を客観的に知りたい場合は、エプワース眠気尺度を試してみてください。

日中の眠気は、生活の質を大きく下げる原因となります。 眠気が続く場合は、放置せず、当院にご相談下さい。原因を特定することが大切です。

大石内科循環器科医院
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