大石内科循環器科医院

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息が苦しくて起きてしまう。その原因は睡眠時無呼吸症候群かもしれません!

2025.04.30 いびき・睡眠無呼吸外来

夜中に何度も息苦しくて目が覚めてしまう、朝起きた時の爽快感がない、日中は耐えがたい眠気に襲われる…このような症状に心当たりはありませんか?

実は、これらは睡眠時無呼吸症候群のサインかもしれません。 この病気は睡眠中に呼吸が繰り返し止まることで体内の酸素レベルが低下し、様々な健康問題を引き起こす可能性があります。 自覚症状がないまま放置されているケースも多いこの病気を、一緒に考えてみませんか?

実は睡眠時無呼吸症候群は単なる睡眠障害にとどまらず高血圧や糖尿病、さらには心疾患や脳卒中といった深刻な病気の危険因子となる可能性も潜んでいます。 ご自身はもちろん大切な家族のためにも、睡眠時無呼吸症候群の症状と原因、そして検査方法や治療法について理解を深めることは非常に重要です。

この記事では、睡眠時無呼吸症候群の代表的な症状と原因を5つご紹介し、検査方法から治療法、そして恐ろしい合併症まで、分かりやすく解説していきます。 もしかしたら、あなたやあなたの大切な人が、この病気のサインを見逃しているかもしれません。 ぜひ、この記事を通して、睡眠時無呼吸症候群への理解を深め、健康的な睡眠と生活習慣を取り戻すための一歩を踏み出しましょう。

睡眠時無呼吸症候群の症状と原因5選

夜中に息苦しくて何度も目が覚めてしまう、朝起きてもスッキリしない、日中は耐え難い眠気に襲われる…。このような症状でお悩みの方は、もしかしたら睡眠時無呼吸症候群かもしれません。この病気は、睡眠中に呼吸が何度も止まることで、体に様々な悪影響を及ぼす可能性があります。

今回は、睡眠時無呼吸症候群の代表的な症状と原因を5つご紹介し、この病気について一緒に考えていきましょう。もしかしたら、あなたやあなたの大切な人が、この病気のサインを見逃しているかもしれません。

睡眠中に呼吸が止まる

睡眠時無呼吸症候群の最も特徴的な症状は、その名前の通り、睡眠中に呼吸が止まることです。健康な人であれば、睡眠中も規則正しく呼吸を続けることができますが、この病気の方は、のどの奥にある気道が狭くなったり、完全に塞がったりすることで、呼吸が止まってしまいます。

呼吸が止まる時間は、10秒以上続くこともあり、一晩に数十回から数百回も繰り返されることもあります。空気の通り道が塞がってしまうため、呼吸ができなくなり、息苦しさを感じて目が覚めることもあります。酸素不足に陥ると、脳は危機を感じて覚醒し、再び呼吸を再開させます。

睡眠時無呼吸には、大きく分けて「閉塞性睡眠時無呼吸症候群」と「中枢性睡眠時無呼吸症候群」の2種類があります。閉塞性睡眠時無呼吸症候群は、肥満や扁桃肥大などによって気道が物理的に塞がれることが原因で、全体の9割以上を占めます。一方、中枢性睡眠時無呼吸症候群は、脳からの呼吸を促す信号がうまく送られないことが原因で起こり、比較的稀な病態です。

大きないびきをかく

大きないびきは、睡眠時無呼吸症候群の代表的な症状の一つです。気道が狭くなると、呼吸をする際に空気が通過する際に振動が生じ、いびきが発生します。睡眠時無呼吸症候群の患者さんでは、このいびきが非常に大きく、家族や同室で寝ている人の睡眠を妨げることもあります。

単なるいびきと睡眠時無呼吸症候群によるいびきの違いは、音の大きさだけでなく、いびきのパターンにもあります。いびきの音が大きくなったり小さくなったりを繰り返したり、途中で途切れたりする場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性が高いと言えるでしょう。特に、いびきが止まった後に、息苦しそうに喘いでいたり、むせるような咳き込みがある場合は要注意です。

頻繁に夜中に目が覚める

睡眠時無呼吸症候群の方は、夜中に何度も目が覚めてしまうことがよくあります。呼吸が止まることで、体が酸素不足の状態になり、脳が緊急事態と判断して目を覚まさせ、呼吸を再開させようとします。このような中途覚醒は、睡眠の質を低下させ、日中の眠気や倦怠感につながります。

中途覚醒は、多くの場合、本人は気づいていません。そのため、一緒に寝ている家族から、「夜中に何度も起きている」と指摘されて初めて気づくケースも多いです。睡眠中に何度も目が覚めることで、深い睡眠が妨げられ、熟睡感を得ることが難しくなります。

日中の強い眠気

睡眠時無呼吸症候群によって睡眠の質が低下すると、日中に強い眠気を感じることがあります。たとえ睡眠時間が十分に取れていても夜中に何度も呼吸が止まってしまうことで、深い睡眠が妨げられ結果として日中の耐えがたい眠気を引き起こします。

この眠気は、仕事や学業、日常生活に支障をきたすだけでなく、会議中や運転中に突然眠ってしまうなど、危険な状況を招く可能性もあります。居眠り運転による交通事故のリスクを高める可能性もあるため、特に注意が必要です。

集中力・記憶力の低下

睡眠不足は、集中力や記憶力の低下につながります。睡眠時無呼吸症候群の方は、睡眠の質が悪いため、脳が十分に休息できていません。そのため、日中の活動中に集中力が続かなかったり、物事を覚えにくくなったりすることがあります。

仕事や勉強のパフォーマンスが低下したり、ミスが増えたりするなど、日常生活にも影響が出ることがあります。また、判断力や決断力も鈍くなるため、重要な決定を下す際に困難が生じる可能性もあります。

睡眠時無呼吸症候群の検査と治療法

息苦しくて夜中に何度も目が覚める、朝起きてもスッキリしない、日中耐えられないほどの眠気に襲われる…。これらの症状は、睡眠時無呼吸症候群のサインかもしれません。

この病気は、寝ている間に呼吸が繰り返し止まることで、体内の酸素レベルが低下し、様々な健康問題を引き起こす可能性があります。実は、自覚症状がないまま放置されているケースも多い病気です。

ご自身やご家族に心当たりのある方は、ぜひこのまま読み進めてください。検査方法や治療法を知ることで、睡眠時無呼吸症候群の不安を少しでも解消し、適切な対応につなげることができるはずです。

睡眠時無呼吸症候群の検査方法:簡易検査と精密検査

睡眠時無呼吸症候群の検査には、大きく分けて「簡易検査」と「精密検査」の2種類があります。

1. 簡易検査(在宅検査):自宅で手軽に検査可能

簡易検査は、自宅で手軽に行える検査です。検査キットは医療機関で処方してもらい、自宅で寝る前に指先にセンサーを装着し、睡眠中の呼吸状態や血中酸素濃度などを測定します。

手軽に検査できることが大きなメリットです。

2. 精密検査(終夜睡眠ポリグラフ検査:PSG):より詳細なデータを取得

精密検査(終夜睡眠ポリグラフ検査:PSG)は、病院に1~2泊入院して行う検査です。脳波、眼球運動、筋電図、心電図、呼吸状態、血中酸素濃度など、様々なデータを記録し、睡眠の状態を総合的に評価します。

簡易検査よりも多くの情報を取得できるため、より正確な診断が可能となります。当院では、精密検査もご自宅で行うことができます。

CPAP療法:効果と注意点

CPAP療法は、中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群の第一選択となる治療法です。鼻マスクを装着し、空気を送り込むことで、気道を常に陽圧に保ち、呼吸を楽にします。

多くの方が症状の改善を実感できる効果の高い治療法ですがマスクの締め付け感や乾燥、装置の音などが気になる方もいます。医師と相談しながら自分に合ったマスクや圧力の設定を見つけ、継続していくことが大切です。

マウスピースによる治療:適応と費用

軽症から中等症の閉塞性睡眠時無呼吸症候群の方には、マウスピースによる治療が適応となる場合があります。マウスピースは、下顎を少し前に出すことで気道を確保し、呼吸をスムーズにします。

CPAP療法に比べて手軽で、持ち運びにも便利ですが、効果には個人差があります。顎関節症のある方などは使用できない場合もありますので、医師との相談が必要です。費用は保険適用で、比較的安価です。

外科手術:種類とリスク

CPAP療法やマウスピースによる治療で効果がない場合や、扁桃肥大などの解剖学的な異常が原因で無呼吸が生じている場合には、外科手術が検討されることがあります。

手術には、口蓋垂軟口蓋咽頭形成術や鼻中隔矯正術など、様々な種類があり、それぞれリスクやメリット・デメリットが異なります。医師とよく相談し、ご自身の状態に最適な手術方法を選択する必要があります。

生活習慣改善:効果的な方法

睡眠時無呼吸症候群の症状を改善し、再発を予防するためには、生活習慣の改善が非常に重要です。肥満は睡眠時無呼吸症候群の大きなリスク要因となるため、減量は特に効果的です。

その他にも、禁煙、適度な運動、バランスの取れた食事、規則正しい睡眠、飲酒量の制限なども、症状の改善に役立ちます。日々の生活の中で、これらの改善点を意識的に取り入れることで、より健康的な睡眠と生活習慣を手に入れることができるでしょう。

睡眠時無呼吸症候群の合併症と予防

睡眠時無呼吸症候群は、単に睡眠の質を低下させるだけでなく、様々な体の不調につながる可能性があることをご存知でしょうか?実は、放っておくと重大な病気の引き金になることもあるのです。今回は、睡眠時無呼吸症候群が引き起こす可能性のある合併症と、その予防策について詳しく解説します。

高血圧

睡眠時無呼吸症候群になると、呼吸が止まっている間、体内の酸素濃度が低下します。この酸素不足を解消しようと、体は必死に心臓を働かせ、より多くの血液を送り込もうとします。このため、心臓への負担が増大し、血管が収縮することで血圧が上昇しやすくなるのです。

健康な状態では、睡眠中は血圧が低下するのが一般的です。しかし、睡眠時無呼吸症候群の方は、この血圧の正常な低下が見られず、むしろ上昇してしまうケースが多いのです。高血圧は、動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳卒中などのリスクを高める危険因子です。睡眠時無呼吸症候群によって高血圧の状態が続くと、これらの病気のリスクも高まってしまうのです。

糖尿病

睡眠時無呼吸症候群は、血糖値のコントロールを難しくし、糖尿病のリスクを高める可能性があります。睡眠不足は、食欲を抑制するホルモンであるレプチンの分泌を減らし、食欲を増進させるグレリンの分泌を増やすため、過食につながりやすくなります。さらに、睡眠時無呼吸によって体内で慢性的な炎症が起こり、インスリンの働きが阻害されることで、血糖値が上昇しやすくなるのです。

健康な状態では、インスリンは適切に分泌され、血糖値を一定の範囲内に保つ働きをしています。しかし、睡眠時無呼吸症候群によってインスリンの働きが弱まると、血糖値が上がりやすくなり、糖尿病のリスクを高めてしまうのです。

心疾患

睡眠時無呼吸症候群は、不整脈、狭心症、心筋梗塞、心不全などの心疾患のリスクを高める可能性があります。呼吸が止まるたびに、心臓は大きな負担を受け、心臓の筋肉に負担がかかります。また、血圧の上昇や血液中の酸素不足も、心臓の機能に悪影響を与えます。心疾患は命に関わることもあるため、早期発見と適切な治療が重要です。

健康な心臓は、規則正しく拍動し、全身に血液を送り出しています。しかし、睡眠時無呼吸症候群によって心臓に負担がかかり続けると、不整脈や心不全などを引き起こし、健康な生活を送ることが難しくなる可能性があります。

脳卒中

睡眠時無呼吸症候群は、脳卒中のリスクも高めます。睡眠中の無呼吸によって、脳への血流が一時的に悪くなり、脳細胞への酸素供給が不足します。これにより、脳細胞がダメージを受け、脳梗塞や脳出血のリスクを高める可能性があります。また、高血圧や不整脈などの合併症も、脳卒中のリスクを高める要因となります。

健康な脳は、常に十分な酸素と栄養を供給されています。しかし、睡眠時無呼吸症候群によって脳への血流が滞ると、脳細胞がダメージを受け、脳卒中のリスクが高まるのです。

認知症

睡眠時無呼吸症候群は、認知症のリスクを高める可能性が指摘されています。慢性的な睡眠不足は、脳の機能低下を引き起こし、記憶力や判断力、思考力などに影響を与えます。また、睡眠時無呼吸によって脳への酸素供給が慢性的に不足することも、認知機能の低下を促進すると考えられています。

健康な脳は、情報を処理し、記憶を蓄積する能力を維持しています。しかし、睡眠時無呼吸症候群によって脳が酸素不足に陥ると、これらの機能が損なわれ、認知症のリスクを高める可能性があるのです。

睡眠時無呼吸症候群は、決して軽視できる病気ではありません。適切な検査と治療、そして生活習慣の改善によって、これらの合併症のリスクを軽減し、健康な生活を取り戻すことが可能です。少しでも気になる症状がある方は、早めに医療機関を受診し、専門医に相談することをお勧めします。

まとめ

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まる病気で、大きないびき、日中の強い眠気、集中力・記憶力の低下などが主な症状です。検査は簡易検査と精密検査があり、治療法はCPAP療法、マウスピース、外科手術、生活習慣改善などがあります。

この病気は高血圧、糖尿病、心疾患、脳卒中、認知症などの合併症を引き起こす可能性があるため、早期発見と適切な治療が重要です。少しでも気になる症状がある方は、ためらわずに医療機関を受診し、専門医に相談しましょう。快適な睡眠と健康な毎日を取り戻すためにも、睡眠時無呼吸症候群について正しく理解し、適切な対応を心がけてくださいね。

ご不安な症状がある方は、当院にご相談ください。



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