大石内科循環器科医院

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【医師によるコラム】新型コロナワクチンQ&A

2021.07.01

まず、どうやってコロナウイルスが体内に侵入するかを確認しておきます。
感染した人の吐息や咳のしぶきに含まれるウイルスが目、鼻、口の粘膜に付着します。

付着したウイルスの表面には、図にあるようなスパイクたんぱく質というトゲトゲがついています。そのスパイクたんぱく質を使って細胞内(体内)に侵入してきます。
この侵入を防ぐのが、ワクチンの役割ですが、

ワクチンには様々な種類があります。皆さんにとっておそらく、なじみのあるインフルエンザワクチンは不活化ワクチンに分類されますが、今回ファイザー製、モデルナ製の新型コロナウイルスワクチンは新しいタイプであるmRNAワクチンに分類されます。

では、よく質問されますmRNAワクチンの仕組みを簡単に解説します。
私たち人間は、水分と脂肪を除けばほとんどタンパク質からできています。そして、そのタンパク質を作るための設計図を体内の保存庫に大量に保存しています。
設計図を保存庫から選び出して、タンパク質を作る場所まで運搬する役割を担っているのがmRNAです。
mRNAワクチンは人工的に作ったmRNAでウイルスのトゲトゲ部分を体内で作るための設計図があらかじめmRNAに持たされています。

このため、このワクチンを人に注射すると体内でウイルスのトゲトゲの部分が作り出されます。
それを利用して、あらかじめ体内で免疫のトレーニングを行います。ウイルスに感染する前にウイルスもどきにを使って攻撃の訓練をしておけばいざ本物のウイルスが体内に侵入してきてもすぐに退治できるという仕組みです。

有効性は、この4つで評価されます。
①感染予防効果
→ウイルスに感染する人を減らす効果。(PCR陽性者を減らす効果)
②発症予防効果
→たとえ感染(PCR陽性)しても、症状が出る人を減らす効果
③重症化予防効果
→たとえ、感染して症状が出ても、重症になる人を減らす効果
④集団免疫効果
→ワクチン接種した人達が含まれる集団で、感染がひろがりにくくなる効果

①~③を詳しく見ていきます。

まず②(発症予防効果)からです。
発症予防というのは、例えPCR陽性になっても症状がでることを防ぐことでした。
このグラフは、左がファイザー製、右がモデルナ製です。
縦軸が、新型コロナウイルス発症率(症状出現率)、横軸がワクチン接種からの期間(日)です。
赤線がワクチン未接種(偽薬接種)、青線がワクチン接種群です。
発症率が95%(94.5%)と低下しており、とても優秀な成績です。

一応確認ですが、
①発症予防効果95%
≠「95%の人には有効で、5%の人には効かない」or「接種した人の95%は新型コロナに発症しないが、5%の人は発症する」

「ワクチンを接種しなかった人の発症率よりも接種した人の発症率のほうが95%少ない」
「発症リスクが、20分の1になる」
(ちなみにインフルエンザウイルスワクチンの発症予防効果は50%)

②ワクチンを打ったからと言って100%発症を予防できるわけではない
③1回目を打っても2週間は効果なし

先ほどの結果が、ワクチン発売前の臨床試験の結果で、
この結果が良くて、後ほど説明する有害事象に関しても少ないことがわかったので発売に至ったわけですが、
今からご紹介するデータが、臨床試験データではなくリアルワールドデータ(実臨床データ)実際ワクチンを試験ではなく日常で打ってどうだったかというデータです。
イスラエルでは4月3日までに16歳以上の人口653万8,911人の72.1%に当たる、471万4,932人がBNT162b2ワクチンの2回接種を完了したており、その以下の文章はデータをまとめた論文の抜粋(日本語訳)です。

  • 2回目の接種から7日以上経過した場合のワクチンの発症予防効果は95.3%のリスク
  • 2回目の接種から7日以上経過した場合のワクチンの感染予防効果は91.5%のリスク
  • 2回目の接種から7日以上経過した場合のワクチンの重症化予防効果は97.5%のリスク

このように、コロナワクチンは、感染予防、発症予防、重症化予防は非常に高いことが分かっています。

では、効果の持続時間ですが
ファイザーのワクチンについて今のところ2回接種後6か月間の持続効果(発症予防)があることが治験で明らかになっています。
モデルナワクチンのワクチンについては今のところ2回接種後3か月は十分な抗体量が維持されていることが分かっています。
それ以上のことは、まだ公表されておらず効果持続性の調査は現在進行形で行われています。

まず有害事象と副反応をきちんと切り分けて理解する必要があります。
ワクチンを打った後に起こったすべての有害な事を有害事象、そのうちワクチンと関係のある事象を副反応と言います。
新型コロナウイルスワクチンに関して、2021年2月14日現在ではアナフィラキシー以外には重い副反応は見つかっていません。

副反応の発現頻度に関しては図参照してください。

例えば発熱に関しては
1回目接種後では20歳代は5%程度、65歳以上の高齢者は1%程度
2回目接種後では20歳代は50%程度、65歳以上の高齢者は10%程度
と、若年者で2回目の方が発生頻度が高いことがわかっています。

例えば発熱に関しては
1回目接種後では20歳代は5%程度、65歳以上の高齢者は1%程度
2回目接種後では20歳代は50%程度、65歳以上の高齢者は10%程度
と、若年者で2回目の方が発生頻度が高いことがわかっています。

ここで、唯一の重篤の副反応であるアナフィラキシーについて説明します。
こちらが、アナフィラキシーの診断基準です。

ただ、コロナワクチン接種後のアナフィラキシーに頻度は低く100万人あたり5人ほどで、静岡市民全員に打って3~4人に発症するイメージです。

アナフィラキシーをおこし、もし何も対処しなければ最悪の場合死に至る恐ろしい病気ですが、

  • 医師がアドレナリン(エピネフリン)などの治療薬を用いて適切に治療すれば、十分に対処可能
  • 現時点で、ワクチン接種後のアナフィラキシーによる死亡例は報告されていない
  • 発症する人の大半は何らかのアレルギー歴があり、接種後30分以内に発症
    →そもそも発症率が非常に低く、念のためアレルギー歴がある方は接種後30分は会場で待機すればひとまず安心と言えます。

①~③に該当する方は要注意です。
①明らかに発熱している方(※1)②重い急性疾患にかかっている方③ワクチンの成分に対し、アナフィラキシーなど重度の過敏症の既往歴のある方

いずれもかかりつけの医師に相談すべきですが、ここでは③に関して少し詳しく見ていきます。
ポイントは「ワクチン成分」に対してです。
つまりアレルギーがあってもワクチン成分以外のアレルギーであれば接種可能(念のため30分待機は必要)ということです。

ではワクチンの成分を見ていきます。
色々ありますが、ポリエチレングリコール(PEG)に注目してください。これらの成分でアレルギー反応を起こしうるのは基本的にはポリエチレングリコール(PEG)だからです。
つまり、自分がポリエチレングリコール(PEG)に対してアレルギーが無ければ大丈夫ということです。

どのようなものにポリエチレングリコール(PEG)が含まれているかというと、大きく分けて薬と化粧品です。
薬に関しては、医薬品医療機器総合機構(PMDA)のホームページ(https://www.pmda.go.jp/)で検索できますので、何らかの薬でアレルギーが出たことがある人は検索してみてください。
化粧品に関しては、何らかの化粧品でアレルギーが出たことがある人はその化粧品の成分表示をcheckしてみてください。

花粉症に限らず、ワクチンの成分に対するアレルギーがなければ接種可能です。
繰り返しになりますが、ワクチン成分以外のアレルギーのある方は接種できますが、一応接種会場に30分待機する必要があります。

現在日本で、承認されているファイザー、モデルナワクチンはともにポリエチレングリコール成分を含んでいます。
しかし、世の中にはポリエチレングリコールを含まないワクチンも開発されています。
日本製も開発中であり、将来的にはポリエチレングリコールを含まないワクチンが承認される可能性が高いので、そちらを打つことが可能となります。

予防内服しても予防できないので推奨されませんが、もともと内服している方は、そのまま内服継続してください。

可能です。むしろ、基礎疾患がある人は新型コロナウイルスに感染した時の重症化リスク、死亡リスクが高いので、リスク低減が期待できるワクチンを優先的に接種する方針となっています。
ただし、抗凝固療法を受けている人、血小板減少症または凝固障害がある人、免疫不全の人、心血管系疾患の人、腎臓疾患の人、肝臓疾患の人、はその疾患の状態によっては接種できない可能性があるので主治医に相談が必要です。

基本的に大丈夫です。現時点で、ワクチンと内服薬の相互作用(内服薬orワクチンの効果が利きすぎるor利かなくなる)は確認されていない。
ただし、抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)を飲んでいる人は、ワクチン接種後に血が止まりにくいことがあるので、止血のために2分以上接種部位を押さえておく必要があります。

2回の接種を強くお勧めします。
このように、1回接種のみだと、予防効果が軒並み低下することが明らかになっています。

基本的には1日目から3週間後(ファイザー)or4週間後(モデルナ)に受ける必要があります。
というのも、予定日より大きくずれ場合の有効性、安全性は確認されていないからです。

どこの会社のワクチンが良い?かは不明です。
少なくとも、日本で接種可能なファイザーとモデルナは非常に高い有効性と安全性が証明されている
それぞれのワクチンで有効性の違いがあるが、試験の対象者、時期、条件も異なるので一概に数字だけを比べることはできません。
(ファイザーがモデルナより優れているとは言えない)

症状を和らげるために、アセトアミノフェンなどの市販の解熱鎮痛剤を飲んで対応してください。
通常2日以内に解熱しますが、数日たっても解熱しない、症状が重い場合(例えば、食事がとれない、ベットから起き上がれない)は医療機関等への受診や相談をご検討ください。

予防目的の内服は推奨されません。
理論的には、解熱鎮痛薬の事前内服は免疫反応を鈍らせ、ワクチンの効果を低下させる可能性があると言われています。

大石悠太(大石循環器内科医師)