大石内科循環器科医院

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足がだるい・重いときの原因を解説!だるさを取る方法の紹介や病気の可能性も言及

2024.07.10 むくみ

「立ち仕事だから」「デスクワークで座りっぱなしだから」と、足のむくみや重さを仕事のせいにしていませんか?

もちろん原因の一つですが、そのつらい症状は、体からのSOSサインかもしれません。足のだるさや重さは、放置すると重大な病気を引き起こす可能性もあるのです。

今回は、足のだるさや重さの背後に潜む病気の可能性について詳しく解説していきます。足のだるさや重さを改善するための具体的な方法についてもご紹介します。

ご自身の体と向き合い、健康的な毎日を送るためにも、ぜひ最後まで読んでみてください。

足のだるさや重さの一般的な原因

足のだるさや重さは多くの人が経験する症状ですが、その原因は単純な疲労から深刻な血管疾患まで多岐にわたります。ここでは、足のだるさや重さの一般的な原因を紹介していきます。

  • 長時間の同一姿勢
    長時間立ち続けたり座り続けたりすることで、足の血流が滞り、だるさや重さを感じることがあります。重力の影響で血液が足に溜まりやすくなるためです。
  • 運動不足
    日常的な運動不足は、足の筋肉の働きを低下させ、血液循環を悪化させる原因となります。ふくらはぎの筋肉は「第二の心臓」とも呼ばれ、血液を心臓に戻す重要な役割を果たしています。
  • 塩分の過剰摂取
    塩分の取りすぎは体内の水分量を増加させ、むくみの原因の一つです。むくみによって足が重く感じることがあります。
  • 疲労の蓄積
    日々の生活やストレスによる疲労の蓄積も、足のだるさや重さの原因となることがあります。

足がだるい時に考えられる病気の可能性

足のだるさや重さが慢性化する場合、以下のような血管疾患が原因である可能性が高いです。

下肢静脈瘤

下肢静脈瘤は、足の静脈の弁が正常に機能しなくなり、血液が逆流することで起こる病気です。同じ状態が続いてしまうと、静脈が拡張し、血液循環が悪化します。

下肢静脈瘤の特徴は以下のとおりです。

  • 足の表面に浮き出た蛇行した静脈
  • 足のだるさ、重さ、むくみ
  • こむら返り(足のつり)
  • 皮膚の変色や潰瘍(重症の場合)

下肢静脈瘤の発症リスクは年齢とともに上昇し、50歳以上では約60%の人が何らかの症状を持つとされています。

深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)

深部静脈血栓症は、足の深部にある静脈に血栓(血の塊)ができる病気です。長時間の同一姿勢(特に座位)が主な原因とされ「エコノミークラス症候群」とも呼ばれます。

深部静脈血栓症の症状は以下のとおりです。

  • 片足の急激な腫れと痛み
  • 足の皮膚の赤みや熱感
  • 歩行時の痛み

深部静脈血栓症は、血栓が肺に流れて肺塞栓症を引き起こす危険性があるため、早期発見、早期治療が重要です。

慢性静脈不全

慢性静脈不全は、静脈の弁の機能不全により、血液が足に溜まりやすくなる状態を指します。下肢静脈瘤の進行した状態ともいえます。

慢性静脈不全の症状は以下のとおりです。

  • 足の重さ、だるさ
  • むくみ
  • 皮膚の変色や硬化
  • 潰瘍形成(重症の場合)

足のだるさ・むくみで悩んでいる方は、循環器内科へ行くことをおすすめします。静岡県でむくみにお悩みの方は、循環器専門医が院長を務める大石内科循環器科医院へぜひお越しください。

足のだるさや重さの科学的メカニズム(乳酸と疲労の関係)

激しい運動後の筋肉疲労は乳酸の蓄積が原因だと考えられていましたが、最新の研究ではこの考えが覆されつつあります。

乳酸に関する新たな知見は以下のとおりです。

  • 乳酸は「疲労物質」ではなく、むしろエネルギー源として利用される
  • 乳酸は、解糖系でブドウ糖から作られたピルビン酸が、クエン酸回路に入らなかったときに生成される
  • 乳酸からは速やかにエネルギーを得ることができる

足のだるさや重さの原因を単純に「乳酸の蓄積」と結びつけるのは適切ではありません。血液循環の低下や他の代謝物質の蓄積が主な原因と考えられるのです。

足のだるさや重さの予防法

足のだるさや重さを予防するためには、以下の点に注意しましょう。

  • 規則的な運動:週3回以上、30分程度の有酸素運動をおこないましょう。
  • 体重管理:適正体重を維持することで、足への負担を軽減できます。
  • 禁煙:喫煙は血管の健康に悪影響を与えるため、禁煙が推奨されます。
  • 適切な水分摂取:1日1.5〜2リットル程度の水分摂取を心がけましょう。
  • 休息:長時間の立ち仕事や座り仕事の場合は、定期的に休憩を取りましょう。
  • 足の挙上:就寝時に足を少し高くすることで、血液循環を改善できます。

以上を意識するだけで、普段からの足のだるさや重さを感じにくくなります。次章では、すでに足のだるさや重さを感じている方向けの改善方法を紹介しているのでチェックしておきましょう。

足のだるさや重さを改善する方法

科学的な知見にもとづいた、足のだるさや重さを改善する方法を紹介します。

  • 適度な運動
    規則的な有酸素運動は、血液循環を改善し、足の筋肉を強化します。特に、ウォーキングや水泳は効果的です。
  • 足の挙上
    仰向けになって足を心臓より高い位置に上げることで、足から心臓への血液の戻りを促進します。1日15〜20分程度おこなうことが推奨されます。
  • 圧迫療法
    医療用弾性ストッキングの着用は、静脈の血液循環を改善し、むくみを軽減する効果があります。特に、下肢静脈瘤や慢性静脈不全の患者に効果的です。
  • マッサージ
    足のマッサージは血液循環を促進し、むくみを軽減する効果があります。深部静脈血栓症が疑われる場合は、医師の診断を受けるまでマッサージを控えましょう。
  • 適切な水分摂取
    適切な水分摂取は、血液の粘度を下げ、循環を改善します。過剰な水分摂取は逆効果になる可能性があるため、適量を心がけましょう。
  • バランスの取れた食事:塩分の過剰摂取を避け、ビタミンやミネラルを豊富に含む食事を心がけましょう。ビタミンC、Eは血管の健康維持に重要です。
  • 姿勢の改善
    定期的に立ち上がって歩くなど、姿勢を変えることが重要です。デスクワークの場合は、1時間に1回程度は立ち上がって軽い運動をすることが推奨されます。

すでに足のだるさや重さを感じている方は、少しずつで良いので、できそうな内容から実践してみましょう。

医療機関の受診が必要な場合

以下のような症状がある場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。

  • 片足だけが急に腫れて痛む
  • 足の皮膚が赤く変色し、熱を持つ
  • 歩行時に強い痛みがある
  • だるさや重さが長期間(数週間以上)続く
  • むくみが朝になっても引かない

上記のような症状が見られる場合、深部静脈血栓症や重度の下肢静脈瘤の可能性があります。早期発見、早期治療が重要なため、なるべく早めに医療機関を受診しましょう。

まとめ

足のだるさや重さは、単なる疲労から深刻な血管疾患まで、さまざまな原因で引き起こされます。日常生活での適切な対策と、必要に応じた医療機関の受診が重要です。慢性的な症状や急激な変化がある場合は、早めに専門医の診断を受けることをおすすめします。

足のだるさや重さを予防、改善したい方は以下のポイントを意識しましょう。

  • 適度な運動
  • バランスの取れた食事
  • 規則正しい生活習慣

以上の3点を心がけることで、足のだるさや重さを予防、改善しやすくなります。自身の体調の変化に敏感になって早めに適切な対策を取ることが、健康的な生活を送る上で重要です。

むくみについてより詳しく知りたい方はぜひ次の記事もご覧ください。
【医師監修】足のむくみの原因と解消法を徹底解説!放置すると危険なワケとは?

参考文献

下肢静脈瘤の頻度に関する統計(http://www.think-vein.jp/about2.html)

深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)の症状と予防法(https://www.tokyokekkan.com/care/dvt/)

乳酸と疲労の関係に関する新たな知見(https://lab-brains.as-1.co.jp/enjoy-learn/2024/02/59441/)

下肢静脈瘤の原因と症状(https://www.acvc.jp/varicose_veins/)

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