大石内科循環器科医院

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足のむくみは心不全の初期サインかも?見逃せない症状と対処法

2024.07.23 むくみ

「最近、靴がきついな…」「夕方になると足がパンパン…」

こうした症状は、心臓からのSOSサインかもしれません。
この記事では、心不全の症状と対処法について詳しく解説します。足のむくみは、心不全の初期症状である可能性があり早期発見が重要です。
この記事を読むことで足のむくみの原因を理解し、適切な対処法を知ることができます。

心不全と足のむくみの関係

心臓は体中に栄養を届けるポンプのような役割をしています。このポンプの力が弱まり足のむくみが起きてしまう病気が心不全です。

ここでは、心不全と足のむくみの関係性について解説しています。

足のむくみが心不全の初期サインとなる可能性

心不全になると心臓のポンプ機能が低下し、全身に血液を送り出す力が弱まります。すると血液の流れが滞り、静脈と呼ばれる血管に血液が溜まりやすくなるのです。心臓から最も遠い足は、重力の影響もあり、むくみが特に現れやすい場所です。

「夕方になると足がむくみやすい」「指輪がきつくなる」といった症状は、心不全の初期症状である可能性があります。日中の活動で心臓に負担がかかり、夕方になると心臓のポンプ機能が低下してしまうために起こると考えられています。

足のむくみの原因が心不全かどうかの判断方法

心不全以外にも、足のむくみの原因はさまざまです。以下に足のむくみを引き起こす原因になる一例を紹介します。

  • 長時間立ちっぱなしの仕事
  • 塩分の摂り
  • 女性ホルモンの影響
  • 腎臓の病気
  • 薬の副作用

大切なのは、自己判断せずに医療機関を受診することです。医師は、むくみの症状以外にも動悸や息切れ、体重増加、尿量の変化などの症状もチェックしてくれます。さらに血液検査や心電図、心臓超音波検査などの検査結果を総合的に判断し、むくみの原因を特定します。

心不全による足のむくみの症状や特徴

心不全による足のむくみは一般的に両足に見られ、夕方になると悪化する傾向です。指で押すとへこみが戻りにくいという特徴もあります。

心不全が進行すると、足だけでなくお腹や顔にもむくみが広がることがあります。心臓のポンプ機能が著しく低下し、体内の水分調節機能がうまくいかなくなるためです。

足のむくみ以外の心不全の症状とは?

心不全は、心臓のポンプ機能が低下することで、全身に十分な血液を送り出せなくなる病気です。足のむくみ以外にもさまざまな症状が現れます。

代表的な症状としては動悸や息切れ、咳、疲労感、食欲不振、夜間頻尿などがあります。風邪や貧血など、他の病気でも起こることもありますが、心不全の場合は症状が徐々に悪化していく傾向なので注意が必要です。

心不全治療-足のむくみの対処法

ここでは、心不全による足のむくみの対処法について記載します。

ただ、心不全の疑いもありながら足のむくみで悩んでいる方は、まず循環器内科へ行くことをおすすめします。静岡県でむくみにお悩みの方は、循環器専門医が院長を務める大石内科循環器科医院へご来院ください。

心不全における足のむくみの改善方法

心不全の治療で足のむくみを改善するには、大きく分けて3つの方法があります。

  • お薬を使った治療
    • 水分を排出するお薬(利尿薬)
      体の中に溜まっている余分な水分を尿として体の外に出すことで、むくみを改善させる薬です。
    • 心臓のはたらきを助けるお薬
      疲れた心臓をサポートすることで、むくみの原因となる血液の滞りを改善させる薬です。
  • 弾性ストッキングの着用
    足首から太ももにかけて段階的に圧力をかけることで、足の静脈の血流を促進し、むくみを軽減します。特にふくらはぎは「第二の心臓」と言われており、足の血液を心臓に戻すのを助けるはたらきがあるため、有効な手段です。
  • 生活習慣の改善
    • 水分の摂りに注意
      水分の過剰な摂取もむくみの原因となります。特に心臓の機能が低下している場合は、一度にたくさんの水分を摂取すると心臓に負担がかかるので、注意が必要です。
    • 適度な運動
      ウォーキングなどの軽い運動は血液の循環を良くし、むくみの改善に効果が期待できます。運動不足は心不全のリスクを高めるだけでなく、むくみを悪化させる原因にもなります。
    • 塩分を控える
      塩分の摂りは、体内の水分量を増加させ、むくみを悪化させる原因の一つです。以下に塩分をついつい取ってしまう方に向けた減塩のコツも紹介しています。
減塩のコツ
ラーメンのスープを全部飲むスープは半分残すように心がけましょう。ラーメンだけでなく、うどんやそばなどの麺類の汁も同様です。
醤油やソースをたっぷりかけるかける前に、容器を傾けて量を調整し、減塩タイプの調味料を選びましょう。最近では、醤油スプレーなども販売されていますので、そういったものの利用もおすすめです。
お漬物や佃煮をたくさん食べる野菜スティックなど、塩分の少ないものを一緒に食べましょう。お漬物や佃煮は、少量を箸休めに楽しむようにすると良いでしょう。

足のむくみを予防するための心不全と体調管理

心不全になると心臓のポンプ機能が低下し、全身に血液を送り出す力が弱まります。結果、体内の水分調節がうまくいかなくなり、足のむくみが生じやすくなります。心不全による足のむくみを予防するためには、心臓の状態を良好に保つことが重要です。具体的には、以下のような体調管理が重要となります。

  • 規則正しい生活
    睡眠をしっかりとる、決まった時間に食事をとるなど、生活リズムを整えることは、心臓への負担を減らし、むくみの予防につながります。
  • 適度な運動
    軽いウォーキングやストレッチなど、無理のない範囲で体を動かすことは大切です。血液の循環を良くしてむくみの改善に役立つのはもちろん、心肺機能を高め、血液の循環を改善する効果があります。
  • 食事療法
    塩分の摂りは、体内の水分量を増加させ、むくみを悪化させる原因になります。減塩を心がけ、カリウムを多く含む食品(野菜、果物、海藻など)を積極的に摂るようにしましょう。
  • 水分摂取
    水分の摂りは心臓に負担をかけるため、医師の指示に従って、適切な量を摂取するようにしましょう。

足のむくみに役立つ心不全対策

心不全対策として、足のむくみに効果的なものをご紹介します。

  • 軽い運動
    ウォーキングや軽い体操など、無理のない範囲で体を動かすようにしましょう。ウォーキングは、1日30分程度を目安に、自分のペースで歩くようにします。軽い体操をする場合、ラジオ体操やストレッチなど、無理のない範囲でおこないましょう。
  • マッサージ
    足首からふくらはぎに向かって優しくマッサージすることで、血液の循環を促進し、むくみの改善に役立ちます。足裏マッサージは末梢の血液循環を改善させ、むくみを軽減する効果が期待できます。
  • 足首を回す
    足首をゆっくりと回して、ふくらはぎの筋肉を刺激することで、血行が促進されてむくみが解消される可能性が高いです。
  • ふくらはぎを揉む
    両手でふくらはぎを包み込み、下から上に向かって優しく揉み上げます。
  • 足湯
    ぬるめのお湯(40℃くらい)に10~15分ほど足を浸けることで、血行が促進され、むくみが軽減されます。
  • 足を高くして休む
    就寝時や休息時には、クッションなどを使い足を心臓よりも高くして休みましょう。足の血液が心臓に戻りやすくなり、むくみの改善に効果が期待できます。
  • 弾性ストッキング・弾性包帯
    医師の指示のもと、弾性ストッキングや弾性包帯を着用することで、足の静脈の血流を促進してむくみを軽減できます。

心不全診断と検査方法

ここでは、心不全の診断方法について、具体的な例を交えながら詳しく解説していきます。

心不全の診断のための主な検査項目

心不全の診断には、複数の検査項目を組み合わせて総合的に判断します。主な検査項目と内容について紹介しているので、確認していきましょう。

検査項目内容検査の目的
問診息切れや疲労感、むくみなどの症状、病歴、服薬歴などを聞き取ります。症状や病歴から心不全の可能性を探ります。
身体診察体重や血圧、脈拍などを測定し、心臓や肺の音を確認します。むくみの程度なども確認します。身体の状態から心不全の兆候を探ります。
血液検査血液中のBNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)などの心不全マーカーを測定します。心不全の状態を客観的に評価します。BNP値が高いほど、心不全が疑われます。
心電図検査心臓の電気的な活動を記録し、不整脈や心筋の酸素不足などを調べます。心臓のリズム異常や心筋梗塞などが心不全の原因となっている可能性を探ります。
心臓超音波検査超音波を使って心臓の動きや構造を観察し、心臓のポンプ機能や弁の状態を評価します。心臓の動きや構造、機能を詳しく調べることで、心不全の原因や重症度を評価します。
胸部レントゲン検査心臓の大きさや肺の状態を確認します。心臓の肥大や肺のうっ血など、心不全に伴う変化がないかを確認します。

心不全の診断における専門家の役割

心不全の診断には、循環器内科医などの専門医の診察が重要です。専門医は豊富な知識と経験にもとづいて、問診や身体診察、検査結果などを総合的に判断して心不全の診断をおこないます。

心不全は、初期段階では自覚症状が乏しい場合もあるため、早期発見が重要です。足のむくみなどの症状がある場合は、放置せずに循環器内科を受診し、専門医に相談することをおすすめします。

まとめ

足のむくみは、靴がきつくなるといった一時的なものから、心臓の病気のサインの可能性もあるので注意が必要です。足のむくみ以外にも、息切れや疲れやすさ、動悸、横になると息苦しくなるといった症状があれば、早めに医療機関を受診しましょう。

心不全の治療には、心臓の負担を減らす薬や、むくみを軽減する利尿剤などが用いられます。足のむくみの改善には、マッサージや弾性ストッキングの着用、適度な運動も有効です。

自己判断で対処法をおこなうのは危険な場合もあるため、必ず医師に相談し、適切な指導を受けるようにしましょう。

むくみについてより詳しく知りたい方はぜひ次の記事もご覧ください。
【医師監修】足のむくみの原因と解消法を徹底解説!放置すると危険なワケとは?

参考文献



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