大石内科循環器科医院

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LDLコレステロールとは?危険性と改善方法について解説

2024.10.18 脂質異常症

「LDLコレステロールが高い」と言われて不安を感じている方も多いのではないでしょうか。LDLコレステロールは「悪玉コレステロール」とも呼ばれ、高すぎると動脈硬化や心臓病のリスクが高い。しかし、適切に対策することで、悪影響を抑えられます。

この記事では、LDLコレステロールの役割や基準値、そして食事療法や運動療法などの具体的な改善方法について詳しく解説します。健康的な生活を送るために、LDLコレステロールについての理解を深め、適切な管理方法を学びましょう。

当院では、LDLコレステロールの値でお悩みの方の相談も承っています。

LDLコレステロールとは体内でコレステロールを運ぶ重要な役割

LDLコレステロールとは、体内でコレステロールを運ぶ重要な役割を果たしています。しかし、血液中に多すぎると健康上の問題を引き起こす可能性があるため、「悪玉コレステロール」とも呼ばれます。LDLコレステロールの特徴や基準値について解説します。

LDLコレステロールの主な特徴

LDLコレステロールは、体にとって重要な役割を果たす脂質の一種です。主に肝臓で生成され「悪玉コレステロール」として知られていますが、実際には細胞の構築に不可欠な栄養素を全身に運ぶ重要な役割を担っています。

しかし、LDLコレステロールが血液中で過剰になると、血管壁に付着し、酸化されて動脈硬化を引き起こすリスクが高まります。これが心筋梗塞や脳卒中などの深刻な健康問題につながる可能性があります。

LDLコレステロールの適切な値を維持することが重要です。日本動脈硬化学会のガイドラインでは、LDLコレステロールの基準値を140mg/dL未満としています。健康的な食生活や定期的な運動、禁煙などの生活習慣の改善により、LDLコレステロール値を適切に管理することが可能です。

LDLコレステロールの年齢別の基準値(一般的な目安)

LDLコレステロールの基準値は年齢によって異なります。体の成長や代謝の変化に応じて、適切な値が変動するためです。以下に、年齢別LDLコレステロール基準値を示します。

年齢基準値
2〜19歳・望ましい値:100mg/dL未満
・境界域高値:100〜129mg/dL
・高値:130mg/dL以上
20歳以上・望ましい値:120mg/dL未満
・境界域高値:120〜139mg/dL
・高値:140mg/dL以上

基準値は一般的な目安であり、個人の健康状態や他のリスク要因によっては、医師が推奨する目標値は異なる場合があります。定期的な健康診断を受け、LDLコレステロール値の推移を確認することが重要です。値が高い場合は、食事の見直しや運動の増加、医師の指導のもとでの適切な治療が必要です。

ただし、個人の健康状態や他のリスク要因によって、目標とすべき値は変わる場合があります。例えば、糖尿病や心臓病の既往がある場合は、より低い値(100mg/dL未満)を目指すことが推奨されることがあります。

LDLコレステロールによる危険性

LDLコレステロールが高い場合は、動脈硬化を引き起こし、さまざまな健康リスクを高める可能性があります。以下に主なリスクと予防策をまとめます。

LDLコレステロールが引き起こす主な疾患リスクは以下のとおりです。

リスクのある病気解説症状例
心臓病・狭心症:心臓の血管が狭くなり、胸痛と圧迫感を引き起こす
・心筋梗塞:心臓の血管が完全に詰まり、心筋が壊死する
胸痛や息切れ、冷や汗、吐き気
脳卒中・脳梗塞:脳の血管が詰まり、脳細胞が壊死する
・脳出血:脳の血管が破裂し、出血する
顔面麻痺や言語障害、運動麻痺、意識障害
閉塞性動脈硬化症足の血管が狭くなり、歩行時に痛みやしびれが生じる歩行時の足の痛みやしびれ、冷感、皮膚の色の悪化

過去の統計データでは、LDLコレステロールが100mg/dL上昇するごとに、心血管疾患のリスクが約20〜25%増加するとされています。日本人の約30%が高LDLコレステロール血症(140mg/dL以上)であると推定されています。

LDLコレステロールの改善方法

LDLコレステロールの改善は、主に以下の3つの方法で行います。

食事療法

食事療法はLDLコレステロールを減らす基本原則です。まずは、飽和脂肪酸を減らすことを意識ましょう。接種するときのポイントは以下のとおりです。

  • 脂肪の多い肉、バター、ラードなどの摂取を控える
  • 代わりに、豆腐や皮を取り除いた鶏肉を使う
  • 徐々に摂取量を減らし、週に数回は控えめにする

食物繊維を積極的に摂取することも大切です。野菜や果物、海藻やキノコなどを毎日の食事に積極的に取り入れましょう。目安は毎食野菜1皿、果物1個です。白米の代わりに玄米や雑穀米、全粒粉パンを選ぶのがおすすめです。その他、コレステロールを多く含む卵黄、イカ、レバーなどの食品の過剰摂取は控えてください。

運動療法

LDLコレステロールを減らし、HDLコレステロールを増やすなら有酸素運動がおすすめです。ウォーキングやジョギング、水泳などから始めてみましょう。1日30分程度、週5日以上を目安としてください。継続可能な運動習慣作りをすることで、長期的な健康につながります。自分の体力や好みに合わせて運動の種類は選びましょう。

日常生活に組み込める工夫として、階段を使用したり、一駅歩いたりするのもおすすめです。自分の好きな音楽を聴きながらのエクササイズやヨガなども効果的です。

薬物療法

薬物療法は食事療法や運動療法で効果が不十分な場合や、リスクが高い場合に検討しましょう。

代表的な高コレステロール血症に対する治療薬は以下の3つです。

治療薬効果副作用
スタチン系薬剤肝臓でのコレステロール合成を抑制する筋肉痛、肝機能障害(比較的安全性が高い)
エゼミチブ腸管からのコレステロール吸収を抑制する消化不良、腹痛
PCSK9阻害薬・LDL受容体の分解を阻害する・注射薬として使用する血糖値上昇、肝機能上昇、腫れなど

特に重要なのは、薬物療法は医師の指示に従い、自己判断で中止や変更をしないことです。

必ず、医師の指示の元、用法・用量を守って服用しましょう。他にも、以下の生活習慣の改善によるLDLコレステロールの改善が期待できます。

項目解説
禁煙・LDLコレステロールを増加させ、HDLコレステロールを減少させる
・禁煙後1年で心血管疾患のリスクが約50%低下するとされている
適正体重の維持・肥満はLDLコレステロール値を上昇させる
・目標:BMI 18.5〜24.9の範囲内を維持する
ストレス管理・慢性的なストレスはLDLコレステロール値を上昇させる可能性がある
・適度な休息や趣味の時間を設けるなど、ストレス解消法を見つける
家族歴の把握・LDLコレステロール値は遺伝的要因にも影響する
・家族に高コレステロール血症や心血管疾患の既往がある場合は、自身の値をモニタリングする

LDLコレステロールの管理は、一時的なものではなく、生涯を通じて継続的に取り組むべき課題です。日々の小さな習慣の積み重ねが、将来の健康につながります。体調や検査結果に注意を払いながら、必要に応じて医療専門家のアドバイスを受けながら、健康的なライフスタイルを維持していくことが大切です。

LDLコレステロールとHDLコレステロールの違い

LDLコレステロールとHDLコレステロールは、体内で異なる役割を果たしています。これらの違いを理解することで、健康的な生活習慣の重要性がわかります。

コレステロールの種類役割
LDLコレステロール(悪玉)・コレステロールを細胞に運つ
・過剰になると血管壁に蓄積する
・動脈硬化のリスクを高める
HDLコレステロール(善玉)・余分なコレステロールを回収する
・肝臓に運んで処理する
・血管の健康維持につながる

適切な食事と運動習慣を通じて、LDLコレステロールを適切な範囲に保ち、HDLコレステロールを増やすことが、心血管系の健康維持には重要です。定期的な健康診断でコレステロール値をチェックし、必要に応じて生活習慣の改善や医療専門家の助言を求めることをおすすめします。

まとめ

LDLコレステロールの管理は生涯を通じて重要です。年齢に応じた適切な目標値を設定し、健康的な生活習慣を維持することで、心血管疾患のリスクを低減できます。LDLコレステロールの管理を行う際は、以下のポイントを押さえましょう。

  • 定期的な血液検査でLDLコレステロール値をチェックする
  • 食事療法:飽和脂肪酸を減らし、食物繊維を積極的に摂取する
  • 運動療法:日30分程度、週5日以上を目安にする
  • 必要に応じて医師の指導の下で薬物療法を検討する

適切な生活習慣の改善と医療専門家のアドバイスを組み合わせることで、LDLコレステロールを健康的な範囲に保つことができます。心血管疾患のリスクを低減し、より健康的な生活を送りましょう。

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