大石内科循環器科医院

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運転中の眠気は睡眠時無呼吸症候群?ドライバーさん必見!

2024.11.14 いびき・睡眠無呼吸外来

運転中に強い眠気を感じた経験はありませんか?運転中の眠気は寝不足ではなく「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」が原因の可能性があります。睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が何度も止まってしまう病気で、日中に強い眠気を引き起こします。

運転中の集中力にも影響を与えます。睡眠時無呼吸症候群の症状を持つ人は、そうでない人に比べて交通事故を起こす確率が約2.5倍も高まるとされています。運転する人にとって、SASをそのまま放置することは命に関わる危険性もあります。

この記事では、運転中の眠気とSASの関係、SAS治療中の運転への影響について詳しく解説します。眠気の原因を知り、SASの知識を深めて安心して日々の運転に臨みましょう。

睡眠時無呼吸症候群と運転の関係

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、運転中の安全性に深刻な影響を及ぼす可能性があります。具体的には、SASによる睡眠不足がどのように運転能力に影響を与えるのか、リスクを理解することが重要です。まずは、睡眠時無呼吸症候群が引き起こす運転中のリスクを詳しく見ていきましょう。

睡眠時無呼吸症候群が引き起こす運転中のリスク

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、運転中にさまざまなリスクを引き起こします。まず、SASの患者さんは日中の眠気や集中力の低下を経験しやすく、運転中の判断力や反応速度に悪影響を及ぼします。車間距離を適切に保てなかったり、信号の変化に気づくのが遅れたりすることがあります。

運転中に突然の眠気に襲われることもあり、事故の直接的な原因となることもあります。特に長時間の運転や夜間の運転では、リスクがさらに高まるため、SASの症状がある方は運転時に注意が必要です。

睡眠不足と運転能力の関係

睡眠不足は運転能力に深刻な影響を与えます。研究によれば、睡眠不足の状態では、注意力や反応時間が著しく低下し、運転中のミスが増加することが示されています。特に、睡眠時無呼吸症候群の患者さんは、夜間の睡眠が断続的に妨げられるため、日中のパフォーマンスが低下しやすいです。運転中に必要な判断力や集中力が欠如し、事故のリスクが高まります。

睡眠不足は感情のコントロールにも影響を与え、イライラや攻撃的な運転行動を引き起こすこともあります。十分な睡眠を確保することは、安全運転を心がけるために重要です。

運転中の眠気の原因

運転中の眠気は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)以外にも下記の原因が考えられます。

  • 長時間の運転
  • 睡眠不足
  • 疲労
  • 風邪薬などの薬の副作用

運転中に眠気を感じる主な原因を詳しく見ていきます。要因を理解すれば、運転中の安全性を高めるための対策を講じることができます。

長時間の運転

長時間の運転は、運転中の眠気を引き起こす主要な要因の一つです。休憩を取らずに数時間以上運転を続けると、体は疲労を感じ始め、集中力が低下します。運転中は常に注意を払い、周囲の状況を把握する必要がありますが、長時間の運転によって脳が疲労し、注意力が散漫になることがあります。この状態では、反応速度が遅れたり、判断ミスを犯したりするリスクが高まります。

長時間同じ姿勢でいることも血流を悪化させ、体の疲労感を増す要因です。長距離運転をする際は、定期的に休憩を取り、体を動かすことが重要です。

睡眠不足

睡眠不足は、運転中の眠気につながります。十分な睡眠を確保できていないと、脳の機能が低下し、注意力や反応速度が鈍ります。睡眠時間が6時間未満の場合、日中の眠気や集中力の欠如が顕著になることが多いです。睡眠不足の状態で運転すると、事故のリスクが増加します。

事故の確率も高まるため、運転前には十分な睡眠をとることが不可欠です。特に長距離運転を予定している場合は、前日の睡眠をしっかりと確保し、運転中に眠気を感じた場合は、できるだけ早く休憩を取ることを推奨します。

運転による疲労

運転中の疲労も、眠気を引き起こす大きな要因です。身体的な疲労は、筋肉の緊張や痛みを引き起こし、運転に必要な集中力を奪います。精神的な疲労も同様に、注意力や判断力を低下させる要因です。特に、ストレスや緊張が続くと、脳が疲労し、眠気を感じやすくなります。運転中に疲労を感じた場合は、無理をせずに休憩を取り、リフレッシュすることが重要です。

軽いストレッチや深呼吸を行うことで、体の緊張を和らげ、眠気を軽減できます。運転前に適度な運動を行うことで、体を活性化させ、運転中の疲労感を軽減することが可能です。

薬の副作用

風邪薬や抗アレルギー薬など、一部の薬には眠気を引き起こす副作用があります。薬は、脳の神経伝達物質に影響を与え、眠気を誘発することがあります。抗ヒスタミン薬は、アレルギー症状を緩和する一方で、眠気を引き起こすことが多いです。運転前に服用した場合、運転中に強い眠気を感じることがあるため、注意が必要です。

薬の副作用については、医師や薬剤師に相談し、運転に影響を与えない薬を選びましょう。薬を服用した後は、運転を控えるか、十分な休息を取ることを心がけるべきです。運転中の安全を確保するためには、自分の服用している薬の影響を理解し、適切な判断を行うことが求められます。

SASは、高血圧や糖尿病、心筋梗塞、脳卒中などのリスクを高めるとされています。少しでも気になる症状がある場合は自己判断せずに、当院へご相談ください。

睡眠時無呼吸症候群の検査と治療法

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の疑いがある場合、医療機関を受診して検査を受けましょう。SASの検査法と治療法を解説します。

睡眠時無呼吸症候群の検査法は2種類

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査には、以下の2種類があります。

  • 簡易検査
    自宅で寝ている間に、指にセンサーをつけて、呼吸やいびきの状態を測定します。指にクリップのようなものを挟んで寝るだけで検査ができ、患者さんの負担も少なく簡便に行えます。
  • 精密検査
    病院に一晩泊まり、睡眠の状態を検査します。検査では、脳波や心電図、呼吸状態を測定することで、睡眠中の体の状態をより詳しく把握できます。

睡眠時無呼吸症候群の3つの治療法

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療法は、大きく分けて以下の3つがあります。

  • CPAP療法
    鼻に装着したマスクから空気を送り込む方法です。健康保険が適用され、1か月あたりの費用は3000〜5000円が一般的です。
  • マウスピース療法
    マウスピースを装着することで、いびきを軽減させる方法です。自由診療となる場合が多く、費用は数万~数十万円です。マウスピースを患者さん一人ひとりの歯型に合わせて作製するため、費用が高額になりがちです。
  • 外科手術
    鼻や喉の奥の気道を広げる手術を行う方法です。その他の治療方法で効果が得られない場合や、扁桃肥大などの解剖学的な問題がある場合に検討されます。治療費は、医療機関により異なります。

治療法は、患者さんの症状やライフスタイル、体質に応じて選択します。医療機関を受診した際には、症状だけでなく、日常的な運転の有無などを伝えるようにしてください。

睡眠時無呼吸症候群の治療中の運転への影響

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療効果や快復スピードには個人差があり、すべての人が完全に眠気から解放されるわけではありません。SAS治療は、定期的な通院が必要です。治療開始直後は、体が慣れるまで一時的に眠気が強くなる場合があります。

SASが重症化している場合や、他の病気と合併している場合には、治療効果がすぐに得られないことがあります。そのため、治療開始後も運転中の眠気や集中力の変化に注意が必要です。少しでも不安を感じたらすぐに安全な場所に車を停めて休憩しましょう。

治療開始後、十分な睡眠が取れているにもかかわらず運転中の眠気が続く場合には、治療内容や運転再開の時期などについて医師に相談してください。

まとめ

運転中の眠気はSASによる可能性があります。SASは日中の強い眠気を引き起こすため、運転中の交通事故のリスクを高めます。SASの検査には「簡易検査」と「精密検査」があり、治療法には「CPAP療法」「マウスピース療法」「外科手術」などがあります。

SAS治療を行うことで、日中の眠気が改善されることが期待されますが、効果が現れるまでに時間がかかることがあります。そのため、治療開始後も運転中の眠気や集中力の変化に注意し、定期的な通院と医師の指導を受けることで安全な運転を心がけましょう。当院では、睡眠時無呼吸症候群の治療も行っているので、お悩みの方はお気軽にご相談ください。

参考文献

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