大石内科循環器科医院

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ドライバーさん必見!運転中の眠気は睡眠時無呼吸症候群かも

2024.08.27 いびき・睡眠無呼吸外来

あなたは、運転中に「あれ?なんだか眠いかも…」と感じた経験はありませんか?
実はそれ、単なる寝不足ではなく睡眠時無呼吸症候群(SAS)のサインかもしれません。SASは睡眠中に呼吸が何度も止まってしまう病気で、日中の強い眠気はその代表的な症状です。
なんとSASの人はそうでない人に比べて交通事故を起こす確率が約2.5倍にもなるという報告も! 「たかが、いびきでしょ?」と安易に考えていませんか?
今回はドライバーさん必見!運転中の眠気とSASの関係、そして、もしSASと診断された場合の運転への影響について詳しく解説していきます。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)と運転の関係について

SASは、私たちの睡眠の質を大きく下げてしまう病気です。睡眠中に呼吸が止まることで、脳や身体がしっかりと休むことができず、日中に様々な影響が出てしまいます。その代表的な症状が「日中の強い眠気」です。
例えば、徹夜明けで運転している状態を想像してみてください。体はふらふら、頭はぼーっとして正常な判断をすることが難しいはずです。SASの場合たとえしっかり睡眠をとったつもりでも睡眠中に呼吸が止まることで、脳や体が酸素不足に陥り慢性的な睡眠不足の状態に陥っているのと近い状態になってしまいます。

SASの人は、そうでない人に比べて運転中に眠気を感じやすくなるという報告があります。実際にSASの患者さんはそうでない方に比べて、交通事故を起こす確率が約2.5倍にもなると言われています。
運転中に眠気に襲われると、事故を起こす危険性が非常に高くなってしまいます。車間距離が十分に取れていなかったりブレーキを踏むのが遅れたりすることで、自分だけでなく周りの人にも大きな被害を与えてしまう可能性があります。

運転中に眠気が生じる原因

運転中の眠気はSAS以外にも、様々な原因が考えられます。例えば長時間の運転や睡眠不足・疲労・風邪薬などの薬の副作用などが挙げられます。
しかし、もしあなたが十分な睡眠時間を確保しているにもかかわらず、日中に強い眠気を感じることがよくあるなら、それはSASのサインかもしれません。特に家族から「寝ている時に息が止まっている」と指摘されたことがある場合は、SASの可能性が高いと言えるでしょう。
SASは、放っておくと命に関わる病気です。高血圧や糖尿病・心筋梗塞・脳卒中などのリスクを高めることもわかっています。少しでも気になることがあれば、早めに当院へご相談ください。

SASの診断方法や検査について

「もしかして、自分はSASかな?」と思ったら、医療機関を受診して検査を受けるようにしましょう。
SASの検査には、「簡易検査」と「精密検査」の2種類があります。
簡易検査は自宅で寝ている間に、指にセンサーをつけて、呼吸やいびきの状態を測定します。指にクリップのようなものを挟んで寝るだけで検査ができるので、患者さんの負担も少なく簡便に行えることがメリットです。
精密検査は病院に一晩泊まって、脳波や心電図・呼吸状態などを詳しく測定します。脳波や心電図・呼吸状態などを同時に測定することで、睡眠中の体の状態をより詳しく把握することができます。

SASの治療方法と運転に与える影響

睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断されると、多くの方が「運転はどうなるんだろう?」と不安に感じるのではないでしょうか? ここではSASの治療方法と運転への影響について、具体的に解説して行きます。
SASの治療は、患者さん一人ひとりの症状やライフスタイルや体質に合わせて選択されます。
大きく分けて、CPAP療法・マウスピース療法・外科手術の3つの治療法がありますが、どの治療法が最適かは、医師とよく相談することが重要です。

SASの治療により運転中の眠気は改善される?

SASの治療によって多くの場合、運転中の眠気を含め日中の眠気は改善されます。 例えば以前は毎日運転中に強い眠気に襲われていた方が、治療後はほとんど眠気を感じなくなったというケースもあります。
しかし治療の効果には個人差があり、すべての人が完全に眠気から解放されるわけではありません。治療開始直後は、体への負担や薬の副作用などで一時的に眠気が強くなる場合もあります。またSASの症状が重症化している場合や、他の病気と合併している場合は治療効果が十分に得られないこともあります。
治療開始後も運転中の眠気や集中力の変化に注意し、少しでも不安を感じたらすぐに安全な場所に車を停めて休憩しましょう。そして医師に相談して治療内容や運転再開の時期などについて、改めて指示を仰ぐようにしてください。

治療費や保険適用について

睡眠時無呼吸症候群(SAS)にかかる治療費は、治療法や医療機関によって異なります。健康保険が適用される治療法と適用されない治療法がありますので、事前に確認しておきましょう。
例えばCPAP療法は健康保険が適用され、1ヶ月あたりの費用は3000円〜5000円程度が一般的です。一方、マウスピース療法は自由診療となる場合が多く、費用は数万円から数十万円と高額になる傾向があります。マウスピースは患者さん一人ひとりの歯型に合わせて作製するため、費用が高額になりがちです。

まとめ

運転中の眠気は睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性があり、放置すると交通事故のリスクが高まります。治療法は、CPAP療法・マウスピース療法・外科手術などがあり医師と相談して選択します。運転中は、定期的な通院・服薬の遵守・十分な睡眠・疲労時の運転回避・体調変化への注意が重要です。

参考文献

Mukherjee S, McDonald AD, Kesler SR, Cuevas H, Swank C, Stevens A, Ferris TK and Danesh V. Driving among individuals with chronic conditions: A systematic review of applied research using kinematic driving sensors.. Journal of the American Geriatrics Society 72, no. 4 (2024): 1242-1251.



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