大石内科循環器科医院

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高血圧かもと疑うときは何科を受診すればいい?病院に行く目安も合わせて解説

2024.08.28 生活習慣病高血圧

健康診断で血圧が高いと指摘されたことはありませんか?

日本人の成人男性の約6割、女性の約4割が高血圧だと言われています。 高血圧は自覚症状が出にくいため「サイレントキラー」とも呼ばれ、放置すると脳卒中や心筋梗塞などの命に関わる病気を引き起こすリスクも高いです。

「自分は大丈夫」と思っていても、知らないうちに高血圧が進行しているかもしれません。この記事では高血圧を疑う際に受診すべき診療科や、具体的な治療法などを詳しく解説します。ご自身の体を守るためにもぜひ最後まで読んで、高血圧についての正しい知識を身につけてください。

大石内科循環器科医院では、高血圧の診療をしております。気軽で便利なクリニックとして、通院のしやすさに定評があります。お悩みの方は気軽に相談ください。

高血圧の受診におすすめの診療科

高血圧は放っておくと怖い病気ですが、きちんと治療すれば改善する病気でもあります。ご自身の症状や状況に合わせて、適切な診療科を受診しましょう。

高血圧を診療できる主な診療科

高血圧を診療できる診療科は、大きく分けて以下の3つがあります。

内科

かぜやインフルエンザなど、あらゆる体の不調に対応する診療科です。高血圧もまずは内科で診察を受けることをおすすめします。高血圧の初期段階であれば、内科での治療で十分な場合も多いです。

循環器内科

心臓や血管の病気を専門に診る診療科です。高血圧が進行すると心臓や血管に負担がかかり、動脈硬化や狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などの病気を引き起こす可能性があります。

心臓は体中に血液を送るポンプの役割を担っており、高血圧はまるでこのポンプに負荷をかけ続けるような状態です。高血圧に伴って心臓や血管の症状が出ている場合や、動脈硬化の兆候が見られる場合は、循環器内科への受診が適切です。

当院は循環器内科を専門にしておりますので、高血圧と疑いのある方から実際に治療を受けている方まで診ることが可能です。静岡県内でお悩みの方はぜひお越しください。

腎臓内科

腎臓の病気を専門に診る診療科です。腎臓は血液をろ過して、老廃物や余分な水分を尿として排出する役割を担っています。高血圧は、腎臓にある毛細血管に負担をかけ、腎臓の働きを低下させる原因の一つとなるため、高血圧とともに腎臓の働きが気になる場合は、腎臓内科への受診も考えます。

かかりつけ医への相談がおすすめ

「どの診療科に行けば良いか迷ってしまう…」という方は、かかりつけ医に相談してみましょう。かかりつけ医は、患者さんの体質やこれまでの病歴を把握しているので適切な診療科や医療機関を紹介してくれます。かかりつけ医を持つことは、ご自身の健康を守る上で大切です。

こんな症状があれば循環器内科へ

高血圧は自覚症状が出にくい病気ですが、進行するとさまざまな症状が現れることがあります。高血圧は、自覚症状がないまま進行することが多いため注意が必要です。高血圧に加えて下記のような症状がある場合は、循環器内科への受診を検討しましょう。

  • 胸の痛み: ぎゅーっと締め付けられるような痛みや圧迫感がある
  • 動悸: ドキドキする、脈が速く感じる
  • 息切れ: 少し動いただけで息苦しさを感じる
  • めまい: 頭がクラクラする、ふらつく
  • 手足のしびれ: 手足がしびれる、感覚が鈍くなる

これらの症状は、高血圧によって心臓や血管に負担がかかっているサインかもしれません。自己判断せずに早めに医療機関を受診することが大切です。

専門性の高い医療機関を受診する目安

高血圧の治療は基本的に内科や循環器内科で行われますが、以下のような場合はより専門性の高い医療機関を受診することをおすすめします。ただし、ご自身で判断することが難しいと思いますので、まずは地域の循環器内科に相談してみてください。

複数の医療機関を受診しても、血圧がなかなか安定しない

高血圧は生活習慣病の一つであり、生活習慣の改善が治療の基本です。しかし、複数の医療機関を受診しても血圧が改善しない場合は、他の病気が隠れている可能性や、より専門的な治療が必要な場合があります。

症状が重篤化し、入院治療が必要になった

高血圧を放置すると、脳卒中や心筋梗塞などの命に関わる病気を引き起こすリスクがあります。重篤な状態に陥った場合は、専門的な治療や緊急手術に対応できる設備の整った医療機関への入院が必要となることがあります。

病院に行く目安は?高血圧の症状とセルフチェック

高血圧は自覚症状がほとんどないまま進行し、ある日突然、脳卒中や心筋梗塞などの命に関わる病気を引き起こすことがあります。皆さんの大切な家族や友人を守るためにも、高血圧について正しく理解し、早期発見・早期治療を心がけましょう。

高血圧の初期症状

高血圧の初期には、自覚できる症状がほとんどありません。しかし、頭痛やめまいなど症状が現れ始めると、体が危険信号を発しているサインかもしれません。

以下の記事に初期症状について詳しく書いているので合わせてご覧ください。
>>高血圧の初期症状を解説!すでに症状が出てると進行しているかも

家庭で血圧を測ってみよう

高血圧の早期発見・治療のためには、家庭での血圧測定がとても大切です。正しい方法で測定し、自分の血圧を把握しましょう。

  • 測定するタイミング:朝起きてすぐと夜寝る前の1日2回、毎日同じ時間帯に測定するのがおすすめ
  • 測定姿勢: リラックスした状態で椅子に深く腰掛け、背筋を伸ばします。足を組まず、足の裏全体を床につけましょう。腕は机の上に置き、心臓と同じ高さになるようにしましょう。
  • 測定方法:測定機器の説明書をよく読み、正しく装着します。カフ(腕に巻く帯状のもの)は、心臓の位置よりもやや高い位置に巻き、指が1~2本入る程度の余裕を持たせましょう。 カフを締めすぎると、正しい血圧が測れないため注意が必要です。測定中は話したり、動いたりせずに、リラックスして結果が出るのを待ちます。
  • 記録: 測定値(上の血圧と下の血圧)、測定日時、脈拍を記録しましょう。血圧手帳やスマートフォンアプリなどを活用するのも良いでしょう。記録することで血圧の変化に気付きやすくなるだけでなく、医師に血圧の状態を正確に伝えられます。

家庭での血圧測定値が上の血圧が135mmHg以上、または下の血圧が85mmHg以上の場合には、高血圧の可能性があります。医療機関を受診し医師に相談しましょう。

放置するとどうなる?高血圧のリスクと治療法

高血圧は自覚症状が出にくい病気ですが、長期間放置すると、心臓や脳、腎臓、血管など体のさまざまな場所に深刻なダメージを与えてしまいます。

高血圧が引き起こす病気

高血圧が引き起こす可能性のある病気は主に以下です。

動脈硬化

動脈硬化は、血管の内側にコレステロールなどが溜まり、血管が硬く狭くなってしまう状態です。高血圧はこの動脈硬化を進行させる最大の要因の一つです。動脈硬化が進むと、血液の流れが悪くなり、さまざまな臓器に障害を引き起こします。

狭心症・心筋梗塞

心臓に栄養や酸素を送る血管である冠動脈で動脈硬化が進むと、狭心症や心筋梗塞のリスクが高まります。狭心症は、心臓の筋肉に十分な血液が供給されず、胸の痛みや圧迫感を引き起こします。心筋梗塞は、冠動脈が完全に詰まってしまい、心臓の筋肉が壊死してしまう病気です。

脳梗塞

脳の血管で動脈硬化が進むと、脳梗塞のリスクが高まります。脳梗塞は、脳の血管が詰まってしまい、脳の細胞がダメージを受ける病気です。脳梗塞が起こると、言語障害や運動麻痺、意識障害など、さまざまな後遺症が残ることがあります。

腎機能の低下

腎臓は、血液をろ過して老廃物や余分な水分を尿として排出する働きをしています。しかし、高血圧は腎臓の血管にも負担をかけ、腎臓の働きを低下させる原因です。腎機能が低下すると、体内に老廃物が溜まり、さまざまな症状が現れます。

動脈瘤

高血圧は、動脈瘤のリスクを高めることも示唆されています。動脈瘤とは、血管の一部が風船のように膨らんでしまう病気で、破裂すると大出血を起こし、命に関わることもあります。

日常生活で気をつけること

高血圧は毎日の生活習慣を少し変えることによって、予防・改善ができます。

塩分を控える

醤油やソースなどの調味料は、使いすぎないように注意し、減塩タイプのものを活用しましょう。外食が多い方は、麺類のスープを全部飲み干さないなど、日頃から塩分の摂りすぎに気をつけてみましょう。

バランスの取れた食事

野菜、果物、魚、海藻、きのこなど、さまざまな食材をバランス良く食べることが大切です。特に、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルは、血圧を下げる効果があると言われています。これらの栄養素を積極的に摂取するために、野菜や果物を積極的に食べるように心がけましょう。

適度な運動

エレベーターではなく階段を使う、一駅分歩くなど、日常生活の中で体を動かすように意識してみましょう。運動は1日30分程度を目安に、週に3~5回程度行うのが理想です。運動を始める際には、かかりつけ医に相談し、無理のない範囲で行うようにしましょう。

質の高い睡眠

睡眠不足は血圧を上昇させる要因の一つなので、規則正しい生活を心がけ、十分な睡眠をとりましょう。寝る前にスマートフォンやパソコンの画面を見るのを控えたり、寝室の環境を整えたりするなど、リラックスできる環境を作ることも大切です。

運動療法については以下の記事で詳細に解説していますので、合わせて読んでみてください。
>>高血圧の運動療法のおすすめの方法や効果を高血圧治療ガイドラインをもとに解説!

定期的な血圧測定

家庭用血圧計などを活用し、毎日決まった時間に血圧を測定することで、自分の血圧の状態を把握できます。血圧は毎日変動するため、家庭でこまめな測定によって、正確な血圧の状態を知ることが可能です。血圧手帳やスマートフォンアプリなどを活用し、血圧の記録をつけると、医師の診察を受ける際に役立ちます。

高血圧は自覚症状が出にくいため、以上のことに注意して健康的な生活習慣を心がけましょう。

高血圧の治療法

高血圧の治療は、大きく分けて「生活習慣の改善」と「薬物療法」の2つがあります。

生活習慣の改善 

高血圧の治療は、まず生活習慣の改善から始めます。高血圧の約9割は、生活習慣の乱れが原因で、食生活の改善、運動習慣の改善、禁煙、節酒、ストレス管理などの生活習慣を見直すことで、血圧を下げ、合併症を予防できます。

食生活の改善

食事は、減塩を心がけ、カリウムを多く含む野菜や果物を積極的に摂りましょう。減塩は、高血圧の予防・改善に最も効果的な方法の一つです。日本人は塩分の摂取量が多く、1日平均で男性10.8g、女性9.1g摂取しています(令和元年国民健康・栄養調査結果)。

高血圧を予防するためには、1日5g未満に減塩することが推奨されています。加工食品や外食は塩分が多いので注意が必要です。カリウムは体内の余分な塩分を排出する働きがあるため、高血圧の予防に効果的です。カリウムを多く含む食品には、バナナやアボカド、ほうれん草、納豆などがあります。

高血圧のときの食生活については以下の記事について詳しく書いていますので、合わせてご覧ください。
>>高血圧の人が食べてはいけないものを解説!食生活で気をつけるべきポイント

運動習慣の改善

毎日30分程度のウォーキングなどの有酸素運動を習慣にしましょう。運動は血圧を下げるだけでなく、ストレス解消にも効果的です。運動不足は、高血圧のリスクを高めるだけでなく、肥満や糖尿病などの生活習慣病のリスクを高めることも研究で示唆されています。運動は心臓や血管を鍛えて、血圧を下げたりストレスを解消したりする効果があります。

禁煙

タバコは血管を収縮させ、血圧を上昇させるため、禁煙は必須です。タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、血圧を上昇させるだけでなく、動脈硬化を促進する作用もあります。タバコの煙には、一酸化炭素などの有害物質が含まれており、これらの物質も動脈硬化を促進する作用があります。

節酒

アルコールの過剰摂取は血圧を上昇させるため、適量を守りましょう。アルコールには血管を拡張させる作用がありますが、過剰に摂取すると、逆に血管を収縮させて血圧を上昇させます。食欲を増進させる作用もあるため、飲み過ぎるとカロリーオーバーになりやすく、肥満の原因にもなります。

ストレス管理

ストレスをため込むと血圧が上昇しやすくなるため、自分なりのストレス解消法を見つけましょう。ストレスを感じると交感神経が興奮し、血管が収縮するため、血圧が上昇します。ストレスを解消すれば、交感神経の興奮を抑え、血圧を下げられます。ストレスを解消するには、十分な睡眠をとること、リラックスできる時間を持つこと、趣味を楽しむことなどが効果的です。

薬物療法

生活習慣の改善だけでは血圧が十分に下がらない場合や、高血圧に伴う合併症がある場合は、薬物療法が必要となることがあります。高血圧の薬は利尿薬やカルシウム拮抗薬、ACE阻害薬、ARBなどさまざまです。それぞれ治療効果が異なり、患者さんの状態に合わせて使い分けられます。

薬物療法を行う場合は、医師の指示に従い、決められた量をきちんと服用することが大切です。副作用が現れることもあるため、気になる症状がある場合は、自己判断せずに医師に相談しましょう。

高血圧について網羅的に知りたい方は、以下の記事をぜひご覧ください。

>>大石内科循環器科医院|高血圧の基礎知識・症状・治療について

まとめ

高血圧を疑う場合、まずは内科を受診し、症状が重い場合や心臓、腎臓に不安がある場合は、循環器内科、腎臓内科の受診を検討しましょう。高血圧は自覚症状が出にくい病気ですが、放置すると動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳梗塞などの命に関わる病気を引き起こすリスクが高まります。

早期発見・早期治療のため、家庭での血圧測定を習慣化し、高血圧の症状に注意し、健康的な生活習慣を心がけましょう。

参考文献

  1. Editorial commentary: Renal denervation for hypertension: A new meta-analysis promotes further discussion.
  2. Determinants of Self-Care and Home-Based Management of Hypertension: An Integrative Review
  3. A systematic review of the association between dementia risk factors and cerebrovascular reactivity
  4. Exercise-based rehabilitation programmes for pulmonary hypertension
  5. A systematic review and meta-analysis of cold exposure and cardiovascular disease outcomes
  6. Hypertension Management of High Blood Pressure in Adults
  7. Worldwide trends in hypertension prevalence and progress in treatment and control from 1990 to 2019: a pooled analysis of 1201 population-representative studies with 104 million participants
  8. A systematic review and meta-analysis of cold exposure and cardiovascular disease outcomes
  9. Hypertension Guidelines

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