大石内科循環器科医院

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内臓脂肪を減らすために効果的な食べ物は?

2024.08.20 肥満生活習慣病

「お腹が出てきた…」「最近、疲れやすい」と感じているあなた、実はそれは内臓脂肪が原因かもしれません。内臓脂肪は、お腹の内側にたまる脂肪で、増えすぎると生活習慣病のリスクを高め、健康に悪影響を及ぼします。健康的な体作りには、内臓脂肪を減らすことが不可欠です。

この記事では、内臓脂肪を減らすために効果的な食べ物を詳しく紹介します。具体的な食材や食事方法、注意点などを解説しているので、ぜひ参考にして、健康的な食生活を始めましょう!

内臓脂肪の減少に効果的な食べ物

皆さんは「内臓脂肪」って聞いたことありますか?お腹の内側、腸の周りについている脂肪のことです。内臓脂肪は増えすぎると生活習慣病のリスクを高めるなど、健康に悪影響を与える可能性があります。
今回は内臓脂肪を減らすために効果的な食べ物について、詳しく解説していきます。毎日の食事に取り入れて、健康的な毎日を送りましょう!

注目の効果的な食材

内臓脂肪を減らす効果が期待できる食材として、次のようなものが挙げられます。

青魚

イワシ、サバ、サンマなどの青魚には、DHAやEPAといった良質な脂肪酸が豊富に含まれています。これらの脂肪酸は、”脂肪を燃やすのを助ける司令官”のようなもので、体内に取り込まれると、脂肪細胞に対して「脂肪を燃焼しなさい!」という指令を出してくれます。そのため内臓脂肪を減らす効果が期待できるだけでなく、血液をサラサラにする効果もあると言われています。

食物繊維が豊富な食材

野菜、海藻、きのこなどに多く含まれる食物繊維は、食後の血糖値の上昇を抑えたり、腸内環境を整えたりする効果があります。食物繊維は、”お腹のお掃除屋さん”のようなもので、腸内をきれいにしてくれます。腸内環境が整うことで、栄養の吸収がスムーズになり、代謝アップにも繋がります。これらの効果によって、内臓脂肪の蓄積を防ぐことに繋がると考えられています。
また、食物繊維は、食後の血糖値の上昇を抑える効果もあります。血糖値が急激に上がると、それを抑えようとインスリンというホルモンが分泌されます。インスリンは、糖を脂肪として蓄える働きもあるため、分泌量が増えすぎると内臓脂肪が増加しやすくなってしまいます。食物繊維を摂取することで、血糖値の上昇が緩やかになり、インスリンの分泌も抑えられるため、内臓脂肪の蓄積を防ぐ効果が期待できます。

たんぱく質が豊富な食材

肉、魚、大豆製品、卵、乳製品などに多く含まれるたんぱく質は、筋肉の材料となる栄養素です。筋肉量が増えると基礎代謝が上がり、内臓脂肪が燃焼しやすくなるため、積極的に摂取したい栄養素です。たんぱく質は”身体を作る職人”のようなもので、筋肉や臓器、血液など、身体のあらゆる部分を作るのに欠かせません。筋肉量が増えると、基礎代謝が上がり、内臓脂肪が燃焼しやすくなります。基礎代謝とは、生命を維持するために最低限必要なエネルギー消費量のことです。
基礎代謝が高いほど、何もしていなくても多くのエネルギーを消費するため、太りにくい体質になることができます。

適切な食事方法とレシピ

内臓脂肪を減らすためには、これらの食材をバランスよく食べることが大切です。具体的には、次のような食事を心がけましょう。

主食は白米だけでなく、玄米や雑穀米なども取り入れる

食物繊維が豊富なため血糖値の上昇を抑え、内臓脂肪の蓄積を防ぐ効果が期待できます。

汁物は具沢山の味噌汁やスープにする

野菜などをたくさん摂ることができ、満腹感も得やすいため食べ過ぎ防止に役立ちます。

調理方法は、揚げ物や炒め物よりも、蒸す、焼く、煮るなどの方法を選ぶ

油の使用量を控えることで、カロリーを抑えられます。

これらの食材や食事方法を参考に、内臓脂肪を減らすための食生活を送りましょう。

内臓脂肪減少に向けた食事制限と注意点

内臓脂肪を減らすための食事制限は、闇雲に食べる量を減らすのではなく食材選びや食べ方の工夫が重要です。例えるなら家を建てるのに、どんな材料を、どのように使うかが大切なのと同じです。適切な食事制限を行うことで、内臓脂肪という名の不要な建材を減らし健康な家を築き上げましょう。

避けるべき食材と習慣

内臓脂肪を増やす食材や習慣を理解し、日々の生活の中でなるべく避けるように心がけましょう。

高糖質・高脂肪の食事を控える

ドーナツやケーキなどの甘いお菓子やラーメン、ハンバーガー、揚げ物などの脂っこい食事は内臓脂肪を増やす大きな原因となります。これらの食品は摂取カロリーが高く体内でエネルギーとして消費されなかった分が、内臓脂肪として蓄積されやすいため注意が必要です。

例えば、毎日甘いお菓子を食べる習慣がある人は週に1回に減らす、お菓子を選ぶ際には和菓子や果物などを選ぶようにするなど工夫してみましょう。甘いものがやめられないという方は、人工甘味料を使用したゼリーやヨーグルトなどもおすすめです。

清涼飲料水の飲み過ぎに注意する

コーラやジュースなどの清涼飲料水には、大量の砂糖が含まれているため、飲み過ぎると内臓脂肪が増加するだけでなく糖尿病のリスクも高まります。

例えば、1日に500mlのペットボトル飲料を毎日飲んでいる人は、お茶や水など糖分の含まれていない飲み物に替えてみましょう。お茶の中でも特に緑茶にはカテキンという成分が含まれており、脂肪の吸収を抑えたり代謝を促したりする効果が期待できます。

アルコールの過剰摂取を控える

アルコールは食欲を増進させる効果があり、ついつい食べ過ぎてしまうことがあります。またアルコール自体にもカロリーがあるため、過剰に摂取すると内臓脂肪が増加しやすくなります。楽しくお酒を飲む席が多い方は、特に注意が必要です。

例えば、毎日晩酌をしている人は休肝日を設ける、飲む量を半分にするなど工夫してみましょう。お酒を飲む際には水を一緒に飲むことで、アルコールの吸収を穏やかにし飲み過ぎを防ぐ効果も期待できます。

食事の際は、よく噛んで食べる

早食いは、満腹感を感じにくく、食べ過ぎてしまう原因となります。よく噛んで食べることで、満腹中枢が刺激され食べ過ぎを防ぐことができます。食事はゆっくりと味わって楽しみましょう。

目安として、一口30回を目標に、ゆっくりと時間をかけて食事を楽しみましょう。よく噛むことで、消化も助けることができます。

食材・習慣具体的な例対策
高糖質・高脂肪の食事ドーナツ、ケーキ、ラーメン、ハンバーガー、揚げ物和菓子、果物、魚料理、野菜中心の食事を選ぶ
清涼飲料水の飲み過ぎコーラ、ジュース、スポーツドリンク水、お茶、無糖のコーヒー、紅茶などを選ぶ
アルコールの過剰摂取ビール、日本酒、ワイン休肝日を設ける、飲む量を減らす、低アルコール飲料を選ぶ
早食い早食いは、満腹感を感じにくい一口30回を目標によく噛んで食べる、食事に時間をかける

食事制限の期間と実施方法

内臓脂肪を減らすための食事制限は短期間集中的に行うよりも、無理のない範囲で継続することが重要です。効果を実感するためには、最低でも3ヶ月程度の期間が必要です。短距離走ではなく、マラソンをイメージすると良いでしょう。

無理せず継続可能な方法を見つける

あまりにも厳しい食事制限はストレスとなり、リバウンドのリスクも高まります。ゴムを伸ばしすぎると切れてしまうように無理のない範囲で、少しずつ食事内容を見直していくことが大切です。

バランスの取れた食事を心がける

特定の栄養素だけを極端に制限するような偏った食事は、栄養バランスを崩し健康を害する可能性があります。家を建てる際に、柱や壁、屋根など、バランスよく材料を使う必要があるように主食、主菜、副菜をバランス良く摂取するようにしましょう。

例えば、ご飯やパンなどの炭水化物を極端に減らすとエネルギー不足になり、疲れやすくなったり集中力が低下したりすることがあります。炭水化物は体や脳のエネルギー源となるため、適度な摂取は必要です。

専門家のアドバイスを受ける

自分の体質や生活習慣に合った食事制限を行うためには、医師や管理栄養士などの専門家のアドバイスを受けることがおすすめです。家を建てる際に専門家の意見を聞くように、食事に関しても専門家のアドバイスを受けることは、より健康的な体作りに繋がります。
特に持病がある方や妊娠中の方などは、自己流の食事制限は危険です。必ず専門家の指導のもとで行うようにしましょう。

医療の力でダイエット! 大石内科循環器科医院の肥満(ダイエット)外来

内臓脂肪を減らすためには、食事制限だけでなく運動も効果的です。適度な運動を日常生活に取り入れることで、より効果的に内臓脂肪を減らすことができます。

内臓脂肪減少のメリットと健康への影響

内臓脂肪を減らすことは健康的な体作りにおいて、まさに“一石二鳥”、いや“一石三鳥”とも言えるくらい、たくさんの嬉しい効果をもたらします。見た目がスッキリするだけでなく、体の内側から元気になれるんです。

内臓脂肪減少の効果と健康リスクの軽減

内臓脂肪が減ると、まるで血管の中を掃除するようなもので様々な病気のリスクを減らすことができます。例えば糖尿病、心臓病、高血圧などの生活習慣病は、内臓脂肪が多いほどかかりやすくなってしまいます。内臓脂肪は血管の中を流れる物質に悪影響を与えたり、臓器の働きを悪くしたりするためです。
例えば糖尿病は、血糖値を下げるインスリンという物質が、鍵穴(インスリンの receptors)に鍵(インスリン)がうまく入らないような状態になり、血糖値が上がりやすくなる病気です。内臓脂肪が多いと、この鍵穴が錆び付いてしまいインスリンがうまく働かなくなってしまうのです。
また、内臓脂肪は、血管を傷つけたり、血圧を上げたりする物質を分泌し、心臓に負担をかけます。これは、まるで、ホース(血管)にたくさんのゴミが詰まってしまい、水が流れにくくなってしまうようなイメージです。内臓脂肪を減らすことは、血管の健康を保ち、心臓病のリスクを減らすことに繋がります。
内臓脂肪を減らすことで、これらの病気にかかるリスクを下げ、健康的な体を手に入れることができるでしょう。

内臓脂肪減少の長期的な効果と生活改善

内臓脂肪を減らすことは一時的なダイエットではなく、長期的な健康維持に繋がります。健康的な食生活や適度な運動を続けることで、内臓脂肪がつきにくい体作りを目指しましょう。
内臓脂肪が減ると体が軽くなり、疲れにくくなります。毎日階段を上るのも息切れがする、少し動くと汗が止まらないという方でも内臓脂肪を減らすことで、これらの症状が改善され、より活動的に毎日を過ごせるようになるでしょう。
また、内臓脂肪は睡眠にも影響を与えます。内臓脂肪が多いと、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害のリスクが高まります。内臓脂肪を減らすことで、これらのリスクを減らし、質の高い睡眠を得やすくなります。
内臓脂肪を減らすことは、健康面だけでなく、外見や心の持ちようにも良い影響を与えます。ぜひ、今日から生活習慣を見直し、内臓脂肪を減らすための取り組みを始めてみましょう。

まとめ

内臓脂肪は、お腹の内側にたまる脂肪で、増えすぎると生活習慣病のリスクを高めます。内臓脂肪を減らすには、青魚、食物繊維、たんぱく質を豊富に含む食材をバランスよく摂取することが重要です。
具体的な食事方法としては、白米だけでなく玄米や雑穀米を取り入れたり、具沢山の味噌汁やスープを食べる、揚げ物や炒め物よりも蒸す、焼く、煮るなどの調理方法を選ぶことが挙げられます。
また、高糖質・高脂肪の食事、清涼飲料水の飲み過ぎ、アルコールの過剰摂取、早食いは控えるべきです。

内臓脂肪を減らすことで、糖尿病、心臓病、高血圧などの生活習慣病のリスクを減らし、健康的な体作りに繋がります。さらにお腹周りがスッキリし、見た目も若返る効果も期待できます。

当院では行動療法、食事療法、薬物療法を組み合わせた肥満(ダイエット)外来を行っております。ご興味のある方はぜひ当院にご相談下さい。



参考文献

Russell N, Hoermann R, Cheung AS, Zajac JD, Handelsman DJ and Grossmann M. Effects of estradiol on fat in men undergoing androgen deprivation therapy: a randomized trial.. European journal of endocrinology 186, no. 1 (2021): 9-23.