大石内科循環器科医院

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【医師監修】50代の血圧の正常値は?女性は更年期高血圧にも注意!

2024.09.29

健康診断で血圧の項目が気になりませんか? 50代になると血管の老化が始まり、高血圧のリスクが高まります。高血圧は自覚症状がないまま進行し、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす可能性もあるため「サイレントキラー」と呼ばれます。 50代で高血圧と診断される人は少なくありません。

この記事では、50代の血圧の正常値や高血圧の危険性、具体的な予防策を詳しく解説します。ご自身の生活習慣を見直すきっかけとして、最後まで読んでみてください。

大石内科循環器科医院では、高血圧の診療をしております。気軽で便利なクリニックとして、通院のしやすさに定評があります。お悩みの方は気軽に相談ください。

50代の血圧の正常値と測定方法

50代になると、血管が少しずつ老化して硬くなるため、知らないうちに高血圧になっている可能性もあります。高血圧は自覚症状が出にくいため、気付かないうちに血管に負担がかかる場合も少なくありません。

50代の血圧の正常値や測定方法を理解し、自分の健康状態を把握しましょう。

50代の血圧の正常値はどのくらい?

血圧の正常値は測定場所によって異なります。病院で測定した場合(*)、正常値は120/80mmHg未満です。自宅で測定する場合は115/75mmHg未満が正常値とされています。

*「白衣高血圧」と呼ばれ、病院という非日常的な空間や医師に対する緊張が原因で血圧が上昇する現象

50代になると血管が硬くなってくるため、血圧はやや高くなる傾向があります。日本高血圧学会のガイドラインでは、50代の場合、診察室での測定で140/90mmHg以上を自宅での測定で135/85mmHg以上を高血圧と定義しています。

分類収縮期血圧(mmHg)拡張期血圧(mmHg)
正常120未満80未満
正常高値血圧120~12980未満
高血圧140以上90以上

血圧は常に変動しており、時間帯や体調、ストレスなどによって変化するため、何度か測定して平均値を確認しましょう。

家庭での正しい血圧測定方法

高血圧の予防には、自身の血圧の把握が重要です。以下の点に注意して、家庭での血圧測定を習慣化しましょう。

  • 測定前30分間は、激しい運動や喫煙、カフェイン摂取や入浴を避ける
  • トイレを済ませておく
  • 測定前に5分ほどリラックスする
  • 腕を締め付けないゆったりとした衣服を着用する

血圧を測るときは、以下の点に気をつけましょう。

  • 腕をテーブルの上に置き、心臓と同じ高さにする
  • カフ(腕に巻く帯状のもの)を、肘の関節から指2~3本分上に巻きつける
  • カフの締め付けが強すぎたり、弱すぎたりしないように注意する
  • 測定中は、身体を動かしたり、話したりしない
  • 測定値は、日付、時間とともに記録しておく

血圧測定の時間帯と注意点

血圧は、朝起きてすぐと夜寝る前の1日2回測定するのがおすすめです。朝は、日中に比べて血圧が上がりやすい時間帯であるため、高血圧の予防や早期発見のために重要なタイミングです。夜の血圧は、日中の活動の影響を受けにくく、リラックスした状態で測定できるため、より正確な血圧値を把握できます。

血圧は、時間帯や環境、体調によって大きく変動します。一回の測定で一喜一憂せず、毎日同じ時間帯に、同じ条件で測定しましょう。血圧測定の結果が気になる場合は、自己判断せずに医療機関を受診してください。

高血圧のリスクと更年期との関係

高血圧はさまざまな病気を引き起こす危険な状態です。更年期は高血圧の要因になるため、女性は特に注意が必要です。高血圧のリスクや更年期との関係を解説します。

高血圧を放置する危険性とは?

高血圧は、動脈硬化を進行させ、さまざまな病気を引き起こす可能性があります。

心臓に栄養を送る血管である「冠動脈」が動脈硬化によって狭くなったり、詰まったりすると、心臓に十分な血液が供給されません。胸の痛みや圧迫感などの症状が現れる病気が「狭心症」です。症状が進行して血管が完全に詰まってしまうと、心筋梗塞を引き起こし、命に関わる危険性も高まります。

脳の血管が詰まったり破れたりすると、脳卒中になる可能性もあります。脳卒中は突然発症し、半身まひや言語障害などの重い後遺症を残す場合も少なくありません。

高血圧は、腎機能が低下する「腎臓病」や、足の血管が狭くなる「閉塞性動脈硬化症」などの合併症の原因にもつながります。病気を防ぐために、高血圧の早期発見・早期治療が重要です。

女性特有の注意点!更年期と高血圧の関係

女性ホルモンの分泌量が大きく変化する更年期は、心身にさまざまな変化が現れるだけでなく、高血圧のリスクにも大きく関わる時期です。

更年期には、血管の弾力性を保つ働きを持つ女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が減少するため、高血圧のリスクが高まります。更年期に起こりやすいほてりや不眠などの症状は、自律神経の乱れが原因とされており、高血圧にも影響を与える可能性があります。

更年期障害の症状と高血圧の症状が似ている場合もあるため、自己判断せずに医療機関を受診し、適切な診断を受けましょう。高血圧は、生活習慣の改善や薬物療法でコントロールできます。健康的な生活を送り、更年期を健やかに過ごしましょう。

血圧をコントロールするための生活習慣改善

高血圧の予防・改善には、日々の生活習慣の見直しが何よりも大切です。高血圧をコントロールするための生活習慣改善を「食事療法」「運動療法」「ストレス管理」の3つに分けて解説します。

食事療法:減塩食やカリウム摂取

毎日の食事は、私たちの体を作る基本です。血圧コントロールでも、食事内容の見直しは重要です。食事療法では、特に塩分の摂取量に気をつけましょう。塩分を摂りすぎると、血液量を増やして体内の塩分濃度を下げようとします。結果、心臓に負担がかかり、血圧を上昇させる原因になります。

厚生労働省が推奨する1日の塩分摂取量の目標値は、男性7.5g未満、女性6.5g未満です。外食や加工食品が多い現代の食生活では、知らず知らずのうちに塩分を摂りすぎているケースも少なくありません。外食が多い方や、コンビニ弁当に頼りがちな方は、自身の食生活を見直しましょう。

減塩のコツは、以下の3つです。

  • 調味料を減らす
  • だし汁を活用する
  • カリウムを多く含む食材を摂る

カリウムは体内の余分な塩分を排出する働きがあるため、高血圧予防が期待できます。カリウムを多く含む、バナナやほうれん草、納豆などを積極的に食べましょう。

高血圧のときの食生活については以下の記事について詳しく書いていますので、合わせてご覧ください。
>>高血圧の人が食べてはいけないものを解説!食生活で気をつけるべきポイント

運動療法:効果的な運動の種類と頻度

運動不足は、血圧の上昇だけでなく、肥満や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病のリスクを高める要因となります。生活習慣病は、動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳卒中のリスクも高めるため注意が必要です。

運動には、血圧を下げる効果だけでなく、ストレス解消や睡眠の質向上、肥満予防や心肺機能向上など、さまざまな効果が期待できます。ウォーキングやジョギング、水泳、サイクリングなどの有酸素運動がおすすめです。有酸素運動は、長時間続けることで脂肪燃焼効果が高まり、体重管理にも役立ちます。

運動を習慣化するコツは、無理のない範囲で、楽しみながら続けることです。毎日決まった時間にウォーキングに出かけたり、友人とスポーツを楽しんだりするのもおすすめです。

運動療法については以下の記事で詳細に解説していますので、合わせて読んでみてください。
>>高血圧の運動療法のおすすめの方法や効果を高血圧治療ガイドラインをもとに解説!

ストレス管理:リラックス方法や睡眠の重要性

現代社会でストレスは避けられません。過度なストレスは、自律神経のバランスを乱し、血管を収縮させ、血圧が上昇する原因になります。ストレス管理には、自分なりのストレス解消法を見つけることが大切です。音楽鑑賞や読書、ペットと触れ合うなど、自分がリラックスできる方法を見つけましょう。

質の高い十分な睡眠も重要です。睡眠不足は、血圧を上昇させるだけでなく、疲労回復を遅らせ、日中のパフォーマンス低下や集中力散漫の原因になります。規則正しい生活を心がけ、寝る前にカフェインを摂取しない、スマホを見ないなど、睡眠の質を下げる行動を避けましょう。

血圧コントロールは、一朝一夕にはできません。日々の生活習慣を少しずつ見直しや継続が重要です。

まとめ

50代になると血管が老化し、高血圧のリスクが高まります。高血圧は自覚症状が少ないため、日頃から家庭での血圧測定を習慣化し、自身の血圧の把握が重要です。

高血圧を放置すると、動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳卒中などのリスクが高まります。特に女性は更年期に女性ホルモンの分泌量が減少し、高血圧のリスクがさらに高まるため注意が必要です。

高血圧を予防・改善するには、減塩を心がけた食生活、適度な運動、十分な睡眠など、健康的な生活習慣の維持が重要です。高血圧が心配な方は、医療機関に相談してください。

高血圧について網羅的に知りたい方は、以下の記事をぜひご覧ください。

>>大石内科循環器科医院|高血圧の基礎知識・症状・治療について

参考文献

Rouch L, De Souto Barreto P, Hanon O, Vidal JS, Amar J, Andrieu S, Cestac P, Rolland Y, Vellas B and MAPT/DSA Group. Visit-to-Visit Blood Pressure Variability and Incident Frailty in Older Adults. The journals of gerontology. Series A, Biological sciences and medical sciences 76, no. 8 (2021): 1369-1375.

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