健康診断で「中性脂肪が高い」と指摘された方は、将来どんな病気を引き起こす可能性があるのかご存知ですか?
中性脂肪が高い状態は、心臓病や脳卒中、糖尿病などの生活習慣病のリスクを高めることがわかっています。 2019年度の国民健康・栄養調査によると20歳以上の男性の約3人に1人、女性の約4人に1人が、中性脂肪値が高いという結果が出ています。
この記事では中性脂肪が高いとどんな病気にかかりやすくなるのか、具体的なリスクやそのメカニズムを詳しく解説していきます。 中性脂肪の数値を下げるための方法や生活習慣の見直し方についても詳しく解説していくので、ぜひ最後まで読んでみてください。大石内科循環器科医院は、中性脂肪の高い方や生活習慣病の診療をしております。気軽で便利なクリニックとして、通院のしやすさに定評があります。お悩みの方は気軽にご相談ください。
健康診断で「中性脂肪が高い」と指摘された方は、将来どんな病気を引き起こす可能性があるのか、不安に感じている方もいるのではないでしょうか? ここでは、中性脂肪が高いとどんな病気にかかりやすくなるのか、代表的な病気との関係性について解説していきます。
中性脂肪が高い状態が続くと、動脈硬化が進行し、血管が狭く硬くなるため、血流が悪化します。胸の痛みや圧迫感を伴う狭心症の症状が現れやすくなります。さらに進行すると、心筋に十分な栄養や酸素が行き渡らず、心筋梗塞の危険性が高まります。
中性脂肪が高い状態が続くと、動脈硬化が進み、脳の血管が硬く狭くなり脳梗塞のリスクが高まります。また、血液がドロドロになりやすく、血栓ができやすくなるため、脳卒中の危険性も増します。
中性脂肪が高い状態が続くと、インスリンの働きが悪くなるインスリン抵抗性が起こりやすくなり、血糖値が下がりにくくなるため、糖尿病のリスクが高まります。糖尿病は自覚症状が少ないものの、放置すると糖尿病網膜症や糖尿病腎症などの合併症を引き起こす可能性があります。
中性脂肪と高血圧の関係
中性脂肪が高い状態が続くと、血液が粘りやすくなり血管に負担がかかるため、血圧が上昇しやすくなります。これにより高血圧のリスクが高まり、放置すると動脈硬化が進行し、心臓病や脳卒中などの重大な病気につながる可能性があります。
中性脂肪が高い状態が続くと、肝臓に脂肪が蓄積しやすくなり、脂肪肝のリスクが高まります。脂肪肝は自覚症状が少ないものの、放置すると肝硬変や肝臓がんといった重篤な病気に進行する可能性があります。肝臓の働きが低下することで、エネルギー変換や解毒機能にも影響が及びます。このように中性脂肪が高い状態が続くと、さまざまな病気のリスクを高めることがわかります。 健康的な生活を送るためにも、中性脂肪の値を適切な範囲に保つように心がけましょう。
健康診断で「中性脂肪が高い」と指摘されても自覚症状がないと、なかなか生活習慣の改善に取り組むのは難しいですよね。
しかし中性脂肪が高い状態を放っておくと、血管の内側に脂肪が溜まりやすくなり動脈硬化のリスクが高まります。動脈硬化は、心臓病や脳卒中といった命に関わる重大な病気のリスクを高めます。
今回は中性脂肪の数値を効果的に下げるための方法とその注意点について、わかりやすく解説していきます。
中性脂肪の数値を下げるためには、食事療法が重要です。食事の内容を見直すことで体の中に入ってくる脂肪の量を減らし、中性脂肪の合成を抑えることができます。
食事で気をつけるべきポイントは以下の5つです。
運動不足は、中性脂肪値を上昇させる大きな原因の一つです。運動を行うことで、体内に蓄積された脂肪が燃焼され、中性脂肪値を下げる効果が期待できます。
ここでは、中性脂肪値を下げるための効果的な運動の考え方を5つご紹介します。
中性脂肪値を下げるためには、食事療法や運動療法とともに、生活習慣全体を見直すことが重要です。
ここでは中性脂肪値を下げるために、見直したい5つの生活習慣をご紹介します。
食事療法や運動療法を行っても中性脂肪値が十分に下がらない場合や、すでに動脈硬化が進んでいる場合は、医師の診断のもと、薬物療法が検討されます。
ここでは中性脂肪値を下げるために使われる薬について、3つをご紹介します。
フィブラート系薬剤は、中性脂肪を低下させる効果が高く、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)値も下げる効果があります。中性脂肪値が高く、LDLコレステロール値も高い場合に、よく処方されます。
スタチン系薬剤はLDLコレステロール値を低下させる効果が高く、中性脂肪値も下げる効果があります。LDLコレステロール値が高く、動脈硬化のリスクが高い場合に第一選択薬として用いられます。
EPA・DHA製剤は中性脂肪を低下させる効果があり、動脈硬化の予防にも効果が期待されています。魚油に多く含まれる成分であり、安全性が高いという特徴があります。
中性脂肪値は、血液検査によって測定することができます。健康診断や病院での血液検査で、「中性脂肪」という項目をチェックしてみましょう。
ここでは中性脂肪値の正常範囲や、検査を受ける際の注意点について解説していきます。
一般的に、空腹時の中性脂肪値が150mg/dL未満であれば正常範囲とされています。
しかし正常範囲内であっても食生活や運動習慣などの生活習慣によって、中性脂肪値は変動するため油断は禁物です。
中性脂肪値は食事の影響を受けやすいため、検査を受ける際は10時間以上の絶食が必要です。
食事の内容や時間帯によっては、中性脂肪値が大きく変動することがあります。そのため検査を受ける前に医師や看護師から食事に関する指示がある場合は、指示に従って下さい。
「中性脂肪が高い」と指摘されたら、食事を見直しましょう。中性脂肪が増えすぎると、血管の内側に溜まりやすくなり、動脈硬化を引き起こすリスクがあります。これにより、血液の流れが悪くなり、心臓病や脳卒中のリスクが高まります。
今回は中性脂肪が高い方に向けて、毎日の食事で気を付けるべきポイントをわかりやすく解説します。
中性脂肪を下げるためには、毎日の食事の中で積極的に摂りたい食品があります。毎日の食事に、これらの食品をバランスよく取り入れてみましょう。
「DHA」や「EPA」といったオメガ3脂肪酸が豊富です。これらの脂肪酸は血液をサラサラにする効果があり、中性脂肪を減らすのに役立ちます。週に2〜3回程度、夕食に焼き魚として食べるなど、毎日の食事に取り入れていきましょう。
大豆に含まれる大豆タンパク質には、中性脂肪を減らす効果があります。納豆には「ナットウキナーゼ」という酵素も含まれており、こちらは血栓を溶解する作用があり動脈硬化の予防に効果が期待できます。
また食物繊維も豊富なので食後の血糖値の上昇を抑え、中性脂肪の合成を抑制する効果も期待できます。朝食に納豆を食べる、味噌汁を飲むなど、毎日の食事に取り入れてみましょう。
きのこ類には、食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は糖質の吸収を穏やかにし、食後の血糖値の上昇を抑え中性脂肪の合成を抑制する効果があります。また、きのこ類にはビタミンB群も豊富なので、エネルギー代謝を促進し中性脂肪を減らすのに役立ちます。味噌汁や炒め物など、さまざまな料理に活用してみましょう。
海藻類にも、食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は食後の血糖値の上昇を抑え、中性脂肪の合成を抑制する効果があります。また海藻類には、ミネラルも豊富なので健康維持にも役立ちます。味噌汁やサラダなど、さまざまな料理に活用してみましょう。
緑茶に含まれる「カテキン」には、脂肪の吸収を抑えたり、代謝を促進したりする効果があります。脂肪の代謝を促進するとは、脂肪を燃焼しやすい状態にするということです。そのため食後に緑茶を飲む習慣をつけると、中性脂肪の上昇を抑制する効果が期待できます。
毎日の食事で中性脂肪を効果的に下げるためには、普段の食事から気をつける必要があります。具体的な食事プランは以下のとおりです。
時間帯 | メニュー | 説明 |
朝食 | 納豆ご飯、豆腐とわかめの味噌汁、焼き魚(鮭)、緑茶 | 主食・主菜・副菜を揃え、バランスの取れた食事を心がけましょう。納豆や豆腐などの大豆製品、魚、海藻、緑茶を積極的に摂り入れましょう。 |
昼食 | 鶏肉のソテー(きのこ添え)、玄米ご飯、野菜スープ | 揚げ物や脂っこい料理は控えめにし、魚や大豆製品を使った料理を選びましょう。食物繊維を多く含む、きのこや海藻を積極的に食べましょう。 |
夕食 | さんまの塩焼き、ひじきの煮物、野菜炒め、ご飯、豆腐とわかめの味噌汁 | 夕食は、就寝の3時間前までに済ませるようにしましょう。 |
中性脂肪を増やさないためには、控えるべき食品もあります。
これらの食品を控えることで、中性脂肪の上昇を抑え健康的な食生活を送りましょう。
適切な食事をすることと並んで、中性脂肪を下げるために欠かせないのが運動です。 しかし「運動と言われても、どんな運動をすればいいのかわからない…」という方もいるかもしれませんね。
そこで今回は中性脂肪が高い方におすすめの運動方法について、わかりやすく解説していきます。
有酸素運動とはウォーキングやジョギング、水泳など比較的長時間続けられる運動のことです。 体の中に溜まっている脂肪を燃やす効果が高く、中性脂肪を下げるためには効果的です。
中性脂肪を下げる効果的な有酸素運動は以下のとおりです。
運動の種類 | 目安時間 | ポイント |
ウォーキング | 30分以上 | 少し息が弾む程度のペースで歩く |
ジョギング | 20分以上 | 歩くよりも負荷の高い運動をしたい方におすすめ |
水泳 | 30分以上 | 全身運動で、体への負担も少ない |
サイクリング | 30分以上 | 景色を楽しみながら運動できる |
以下の運動を続けるコツを知っておくと、より続けやすいので参考にしてください。
筋力トレーニングは、スクワットや腕立て伏せなど、筋肉に適度な負荷をかけることで筋肉を鍛える運動です。 筋トレというと、ムキムキのマッチョになるイメージを持つ人もいるかもしれませんが、適切な筋トレは、中性脂肪を減らすだけでなく、健康な体作りにも役立ちます。
筋力トレーニングを行うことで、基礎代謝が上がり太りにくい体作りにつながります。基礎代謝が上がると安静時でも多くのエネルギーを消費するようになるため、中性脂肪値の上昇を抑える効果が期待できます。
具体的な運動メニューと回数は以下のとおりです。
運動の種類 | 回数 | ポイント |
スクワット | 10回×3セット | 太ももやお尻など、大きな筋肉を鍛えることで、基礎代謝アップ! |
腕立て伏せ | 10回×3セット | 自宅でも簡単にできる筋トレ |
腹筋運動 | 10回×3セット | お腹周りの脂肪を落としたい方におすすめ |
上記のような運動は、週に2~3回を目安に行いましょう。正しいフォームで行うことが大切で、無理のない範囲で自分の体力レベルに合った負荷をかけてください。
運動の効果を高めるには、適切な時間と頻度で行うことが大切です。 厚生労働省は成人に対して、1週間に合計60分以上の運動を推奨しています。おすすめの運動メニューと頻度は以下のとおりです。
種類 | 頻度 |
有酸素運動 | 週に3~5回程度 |
筋トレ | 週に2~3回程度 |
毎日運動するのが理想ですが、仕事や家事などで忙しい場合は週に数回でも構いません。 無理のない範囲で、継続していくことが大切です。
中性脂肪が高い人に適した運動メニュー
中性脂肪が高い方でも運動に慣れていない方や体力に自信がない方は、無理のない運動を選びましょう。おすすめの運動メニューは以下のとおりです。
運動メニュー | 効果 |
ウォーキング | 特別な道具や場所を必要とせず、誰でも簡単に始められる運動です。日常生活の中で歩く距離を増やすだけでも効果があります。 |
水泳 | 全身運動で、体への負担が少ない運動です。水中の浮力によって関節への負担も軽減されます。 |
ヨガ | 柔軟性を高め、体幹を鍛える効果があります。深呼吸と共に行うことで、リラックス効果も期待できます。 |
ストレッチ | 筋肉の柔軟性を高め、血行促進効果があります。自宅でも簡単に行うことができます。 |
これらの運動は体への負担が少なく、初心者でも始めやすいというメリットがあります。
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中性脂肪が高いと、動脈硬化や心臓病、脳卒中、糖尿病、高血圧、脂肪肝などのリスクが高まります。中性脂肪を下げるには、食事療法と運動療法が大切です。
食事療法では、青魚、大豆製品、きのこ類、海藻類、緑茶などの摂取を心がけましょう。揚げ物や脂身の多い肉、甘いもの、アルコール、清涼飲料水は控えてください。
運動療法ではウォーキング、ジョギング、水泳などの有酸素運動とスクワット、腕立て伏せ、腹筋運動などの筋力トレーニングを組み合わせることが効果的です。健康的な食生活と運動を継続することで、中性脂肪値を下げ健康的な体作りができます。
中性脂肪値が高い方や、生活習慣病のリスクが気になる方は、当院の専門医師にご相談ください。適切なアドバイスと治療法の提案を行います。
中性脂肪や健康診断の結果、生活習慣病が気になったら当院へご相談ください。
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