健康診断で高血圧を指摘された経験はありますか? 日本高血圧学会によると、40代の約3人に1人が高血圧を抱えています。 高血圧は脳卒中や心筋梗塞などの命に関わる危険な状態です。
この記事では、血圧の正常値や高血圧が引き起こす病気のリスク、血圧を正常に保つ具体的な方法を紹介します。 ご自身の生活習慣を見直すきっかけにしてください。
大石内科循環器科医院では、高血圧の診療をしております。気軽で便利なクリニックとして、通院のしやすさに定評があります。お悩みの方は気軽に相談ください。
40代になると、血管の老化が始まるため、気付かないうちに高血圧になる可能性があります。高血圧は自覚症状を感じづらく、知らない間に血管に負荷がかかっているかもしれません。40代の血圧の正常値や年齢ごとの平均値、性別による血圧の正常値の違いを解説します。
高血圧は40代から特に注意が必要な病気の一つです。 日本高血圧学会によると、40代の男性の約3人に1人、女性の約5人に1人が高血圧と言われており、決して他人事ではありません。
高血圧の基準値は、診察室で測定した場合は 140/90mmHg 以上 、家庭で測定した場合は 135/85mmHg 以上 とされています。診察室での測定値と家庭での測定値で基準が異なるのは、緊張や不安などによる血圧への影響を考慮しているためです。
血管は年齢とともに老化して硬くなるので、血液を流すためにより高い圧力が必要になり、血圧が上昇しやすくなります。
生活習慣の変化も高血圧に悪影響を与えます。 40代の人は仕事や家庭での責任が大きくなり、ストレスや睡眠不足、運動不足、偏った食事などが重なりがちです。生活習慣の変化は高血圧のリスクを高めるだけでなく、動脈硬化を進行させる大きな原因になります。
血圧の正常値は、男性は女性よりも高くなる傾向があります。男性ホルモンには、血管を収縮させる働きがあるため、血圧を上昇させる方向に働くからです。一方、女性は閉経後に血圧が上昇します。血管をしなやかに保つ女性ホルモン(エストロゲン)の減少が関係していると考えられています。
40代は、男女ともに生活習慣病のリスクが高まる年代です。 血圧の正常値を知り、日頃から血圧を意識した生活を心がけましょう。
高血圧や低血圧を放置すると、さまざまな病気を引き起こすリスクが高まります。血圧の異常が引き起こす病気や具体的な症状を解説します。当てはまる症状がある場合は、医療機関に相談しましょう。
高血圧は、血管に常に高い圧力がかかり続けている状態です。高血圧の状態が続くと、血管の内側が傷つきやすくなり、動脈硬化が進行します。動脈硬化とは、血管の老化現象であり、血管が硬く、もろくなってしまう状態です。
動脈硬化が進むと、血管が詰まったり破れたりするリスクが高まり、さまざまな病気を引き起こす原因になります。高血圧によって引き起こされる代表的な病気は以下のとおりです。
高血圧は病気を引き起こすだけでなく、症状を悪化させる可能性もあります。
高血圧は自覚症状が出にくい病気として知られていますが、全く症状が出ないわけではありません。高血圧の自覚症状は以下のとおりです。
上記の症状は、日常生活で感じる程度の軽いものから、日常生活に支障をきたすほどの重いものまでさまざまです。他の病気でもみられる症状も多く、高血圧だけが原因とは限りません。高血圧のサインを感じたら、早めに医療機関を受診しましょう。
低血圧は、一般的に自覚症状がない場合は、治療の必要はありません。めまいや立ちくらみ、意識消失などの症状が日常生活に支障をきたす場合は医療機関の受診をおすすめします。
低血圧は、心臓病や貧血、甲状腺機能低下症などの病気のサインの場合もあります。低血圧以外にもさまざまな症状を引き起こす病気のため、放置すると重症化する恐れもあり、注意が必要です。
低血圧の人は、急に立ち上がったときに、めまいや立ちくらみ、意識消失などを起こす場合があります。重力によって血液が下半身に溜まり、脳に十分な血液が送られないためです。低血圧の場合、以下の症状を伴う場合もあります。
低血圧の症状は、貧血の症状と似ているため、自己判断は危険です。低血圧は、健康な人でも起こりますが、症状が重い場合や、頻繁に起こる場合は、医療機関を受診しましょう。特に、めまいや立ちくらみ、意識消失がある場合は、医師への相談をおすすめします。
血圧は健康のバロメーターです。健康的な毎日には、正常な血圧を保つことが欠かせません。日常生活の中で簡単に取り入れられる、血圧を正常に保つ5つのポイントを紹介します。
高血圧治療の基本である食事療法では、塩分を控えることが鉄則です。摂取する塩分量が多いほど、血液中の塩分濃度が高くなります。体は血液中の塩分濃度を薄めるため、血液量を増やそうとします。血液量の増加は、血管の内側にかかる圧力が高くなるため、血圧が上がる原因です。
厚生労働省によると、目標とする1日の塩分摂取量は、男性7.5g未満、女性6.5g未満です。外食が多い方は、1食あたりの塩分摂取量に注意しましょう。ラーメンやうどんは汁を全部飲んでしまうと、1食で1日の目標摂取量を超えてしまう場合もあります。外食の際は、麺類の汁は残す、メニュー表の塩分量を確認するなどの工夫をしましょう。
カリウムは体内の余分な塩分を排出するため、高血圧の予防に効果的です。カリウムを多く含むバナナやアボカド、ほうれん草や納豆などを毎日の食事に取り入れましょう。朝食にバナナを1本追加したり、昼食にほうれん草のおひたしを添えたりすると、簡単に取り入れられます。
主食、主菜、副菜がそろった食事も重要です。バランスの良い食生活を送り、健康的な毎日を送りましょう。
高血圧のときの食生活については以下の記事について詳しく書いていますので、合わせてご覧ください。
>>高血圧の人が食べてはいけないものを解説!食生活で気をつけるべきポイント
運動不足は、血圧を上昇させるだけでなく、ストレスを溜め込みやすくなるなど、体の不調につながります。運動は、血管を拡張させ、肥満を改善するため、高血圧の予防に効果的です。
ウォーキングや軽いジョギングなどを毎日30分続けましょう。通勤時に一駅分歩く、エスカレーターではなく階段を使うなど、日常生活の中で体を動かす機会を増やすだけでも効果があります。運動を習慣化するには、以下の方法がおすすめです。
自分に合った運動を見つけ、少しずつ継続することが重要です。
運動療法については以下の記事で詳細に解説していますので、合わせて読んでみてください。
>>高血圧の運動療法のおすすめの方法や効果を高血圧治療ガイドラインをもとに解説!
ストレスを溜め込むと、交感神経が活発になり血管が収縮し、血圧が上昇します。ストレスを感じると分泌される「コルチゾール」というホルモンも、血圧を上昇させる原因です。以下を参考に、自分に合ったストレス解消法を見つけましょう。
リラックスする時間もストレス解消には欠かせません。お風呂に入ったり、瞑想をしたりして、心身をリラックスさせる時間を取りましょう。
睡眠不足は、自律神経のバランスを崩すため、血圧を上昇させる原因です。睡眠不足が続くと、交感神経が優位になって血管が収縮し、血圧が上昇しやすくなります。睡眠不足は、食欲を増進させるホルモンの分泌を促し、食欲のコントロールが難しくなる場合もあります。質の高い睡眠を取るには、以下の点に気を付けましょう。
喫煙は飲酒は血圧を上昇させるだけでなく、動脈硬化などの健康問題を引き起こす原因です。禁煙や禁酒を行うと、健康全体に良い影響を与えます。最初は、少しずつタバコやお酒を減らしましょう。一人での禁煙・禁酒が難しい場合は周囲の人や専門家のサポートも借りましょう。
40代から特に注意が必要な高血圧は、血管の老化や生活習慣の変化により、誰もが発症する可能性があります。血圧の基準値は、診察室で測定した場合は140/90mmHg 以上、家庭で測定した場合は135/85mmHg以上です。
高血圧を放置すると、脳卒中や心筋梗塞などのリスクが高くなります。日頃から減塩や適度な運動、ストレス解消などを心がけ、血圧を正常に保ちましょう。
高血圧について網羅的に知りたい方は、以下の記事をぜひご覧ください。
>>大石内科循環器科医院|高血圧の基礎知識・症状・治療について
Juraschek SP, Hu JR, Cluett JL, Ishak AM, Mita C, Lipsitz LA, Appel LJ, Beckett NS, Coleman RL, Cushman WC, Davis BR, Grandits G, Holman RR, Miller ER 3rd, Peters R, Staessen JA, Taylor AA, Thijs L, Wright JT Jr and Mukamal KJ. “Orthostatic Hypotension, Hypertension Treatment, and Cardiovascular Disease: An Individual Participant Meta-Analysis.” JAMA 330, no. 15 (2023): 1459-1471.
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