夜中に何度も目が覚めてしまう、朝起きてもスッキリしない…そんな経験はありませんか?
もしかしたら、それは睡眠時無呼吸症候群(SAS)が原因かもしれません。 SASは眠っている間に呼吸が何度も止まり、体の酸素が不足してしまう病気です。 放置すると高血圧や心臓病などのリスクを高めることも報告されています。
この記事では、SASの原因や症状、そして治療方法について詳しく解説します。 あなたは、SASのリスクを知っていますか? 自分の睡眠の質を見直すきっかけになるかもしれません。
「夜中に何度も目が覚めてしまう」「朝起きてもスッキリしない」そんな経験はありませんか? もしかしたら、それは「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」が原因かもしれません。 もしかしたら自分では気づいていないだけで、悩んでいる方もいるかもしれません。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、眠っている間に呼吸が何度も止まり、体の酸素が不足してしまう病気です。 息を止めてプールに潜っている状態を想像してみてください。 息を止めている間は当然、体の中に酸素は入ってきませんよね? SASは、まさにこの状態が、寝ている間に何度も繰り返される病気なのです。
SASになる一番の原因は、「気道」と呼ばれる、空気の通り道が狭くなってしまうことです。 寝ている間に、のどの奥にある筋肉がリラックスしてしまい、気道が塞がってしまうイメージです。 特に、太っている方は首回りに脂肪がつきやすく、気道が狭くなりやすいと言われています。
SASの代表的な症状を、いくつか例に挙げてみましょう。
症状 | 説明 |
---|---|
いびき | 睡眠中に、大きないびきをかいたり、呼吸が止まったりを繰り返してしまいます。 |
日中の眠気 | 睡眠が十分に取れていない状態が続くため、日中でも強い眠気に襲われます。まるで、徹夜明けのような状態が毎日続くイメージです。 |
集中力・記憶力の低下 | 睡眠不足によって、集中力や記憶力が低下しやすくなります。会議中に集中できなかったり、人の名前が思い出せなくなったりすることがあります。 |
朝の頭痛 | 睡眠中の無呼吸状態が続くと、脳に十分な酸素が送られず、その結果、朝起きたときに頭痛を引き起こすことがあります。 |
夜間頻尿 | 睡眠中に何度もトイレに行きたくなることがあります。OSAによって心臓に負担がかかり、その結果、夜間頻尿が起こりやすくなると考えられています。 |
「もしかして、自分もSASかも?」と思ったら医療機関を受診し、検査を受けることが大切です。 SASの検査では「ポリソムノグラフィー検査」という検査が一般的です。この検査によって睡眠中の無呼吸の状態や、睡眠の質などを詳しく調べることができます。
当院には、いびき・無呼吸外来がありますので検査をご希望の方はご相談下さい。
SASは放置しておくと、高血圧や心臓病、脳卒中などのリスクを高めることが報告されています。 これは睡眠中の無呼吸によって体内の酸素が不足することで、心臓や血管に大きな負担がかかってしまうためです。 高血圧の患者さんの約30~70%にSASの合併が見られるという報告もあります。
またSASは、糖尿病やメタボリックシンドロームとの関連も指摘されています。 例えばSASと診断された手術を受ける患者さんは、そうでない患者さんと比べて、術後に合併症を起こすリスクが約2倍高くなってしまいます。
具体的には心臓や血管に関する合併症や、呼吸に関する合併症、さらには入院期間が長引いてしまったり、集中治療室に入ることになってしまうリスクが高くなってしまうのです。 そのためSASは、決して軽視できない病気なのです。
夜中に何度も目が覚めてしまう原因が睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断された場合、治療が必要になります。 「治療」と聞くと、大掛かりなものを想像して不安になる方もいるかもしれません。しかし、安心してください。SASの治療は症状の重さや生活習慣、体質などを考慮し医師と患者さんが一緒に決めていくものなのです。
SASの治療は、大きく分けて「生活習慣の改善」「CPAP療法」「マウスピース療法」の3つのアプローチがあります。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に呼吸が何度も止まってしまう病気です。実はSASは生活習慣と密接に関係しており日々の生活習慣を改善することで症状を和らげたり、予防したりすることが期待できます。日々の生活の中で少し意識を変えるだけで、SASのリスクを減らせるかもしれません。
SASの症状を和らげるためには、いくつかの生活習慣の改善が有効です。
SASは、生活習慣の改善や工夫によって予防できる可能性があります。
睡眠姿勢 | メリット | |
---|---|---|
仰向け | 体への負担が少ない | 気道が狭くなりやすい |
横向き | 気道を確保しやすい、いびきをかきにくい | 寝返りが打ちにくい、肩や腰に負担がかかる |
うつ伏せ | いびきをかきにくい | 腰痛を引き起こす可能性がある、呼吸がしにくい |
夜中に何度も目が覚める原因として、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性があります。SASは睡眠中に呼吸が止まり、体の酸素が不足する病気です。主な症状は、いびき、日中の眠気、集中力・記憶力の低下などです。
SASは放置すると、高血圧や心臓病などのリスクを高めるため、早期の診断と治療が重要です。治療法は、生活習慣の改善、CPAP療法、マウスピース療法などがあります。症状の重さや体質によって、適切な治療法を選択する必要があります。
SASは、肥満や喫煙、アルコール摂取など、生活習慣と密接に関係しています。日々の生活習慣を改善することで、症状を和らげたり、予防したりすることが期待できます。
気になる症状等があるときは、ぜひ当院にご相談ください。
Pivetta B, Sun Y, Nagappa M, Chan M, Englesakis M and Chung F. Postoperative outcomes in surgical patients with obstructive sleep apnoea diagnosed by sleep studies: a meta-analysis and trial sequential analysis.. Anaesthesia 77, no. 7 (2022): 818-828.
大石内科循環器科医院
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