あなたは、突然、経験したことのない激しい胸の痛みに襲われたらどうしますか?
実は、こうした症状は命に関わる病気のサインかもしれません。心臓から身体に血液を送る大動脈が裂ける「大動脈解離」という病気をご存知でしょうか? 大動脈解離は初期症状がほとんどないため、突然発症し死に至る危険性も高い病気です。
この記事では大動脈解離の恐ろしさ、そして、突然の胸の痛みを感じた時にとるべき行動について詳しく解説していきます。自身の体を守るための知識として、ぜひ最後まで読んでみてください。
大動脈解離は心臓から身体に血液を送る最も太い血管である大動脈が、高血圧などの影響で内側に亀裂が入ってしまう病気です。
そして、大動脈解離は「ほとんど前兆がない」という非常に怖い病気です。毎日、血圧手帳をつけて健康管理をしっかりしている人でも、発症する数日前までは全く異常がないことも珍しくありません。
「じゃあ、どうすればいいの!?」と不安になりますよね。
安心してください。
大動脈解離は、発症した時にいかに早く異常に気づくことができるかが非常に重要です。そのためには、大動脈解離で起こる可能性のある症状を知っておくことが大切です。
大動脈解離で最も多くみられる症状は、「突然の激しい胸や背中の痛み」です。
患者さんは「今まで経験したことがないような激痛だった」「心臓が爆発するような気がした」と表現されることがあります。
例えば風邪をひいた時の喉の痛みや、筋肉痛のように「ジワジワくる痛み」とは全く違います。
大動脈解離の痛みは、心臓発作の痛みと似ている部分もありますが、いくつか特徴があります。
胸や背中の痛み以外にも、以下のような症状が現れることがあります。
大動脈解離は「時間との勝負」です。少しでも疑わしい症状があれば、ためらわずに、すぐに救急車を呼ぶか、周りの人に頼んで病院へ連れて行ってもらいましょう。
「大動脈解離かもしれないのに、救急車を呼んで迷惑なのでは?」と心配される患者さんもいますが、ご安心ください。救急隊員も医師も「大動脈解離の疑いがある患者さんは、一刻も早く病院に搬送する」という意識を常に持って対応しています。
自己判断で様子を見たり、市販薬を服用したりすることは大変危険です。
大動脈解離の治療法は解離の部位や大きさ、患者の状態によって異なります。
大動脈解離は、動脈硬化が大きなリスク因子となります。動脈硬化は、血管の壁にコレステロールや中性脂肪などが溜まり、血管が硬く脆くなる病気です。
動脈硬化を予防するためには、以下の点に注意することが大切です。
大動脈解離は、高血圧などが原因で心臓から身体に血液を送る大動脈に亀裂が入り、突然死のリスクも伴う病気です。
恐ろしいことに、大動脈解離にはほとんど前兆がありません。
しかし、発症時にいち早く異常に気づくことができれば、命を救える可能性があります。
突然の激しい胸や背中の痛み、引き裂かれるような痛み、痛みの場所が移動するなどの症状が出たら、すぐに救急車を呼びましょう。
胸の痛みや動悸、息切れなどで不安を感じたら循環器専門医の当院へご相談ください。
大石内科循環器科医院
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