大石内科循環器科医院

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認知症予防のためにできること

2024.10.29

認知症は、加齢に伴い発症する可能性が高まる病気ですが、実は早期発見や予防によって進行を遅らせたり発症を遅らせたりできる可能性があります。

近年、認知症の予防に関する研究が進み、食事や運動、脳トレーニングなど私たち自身でできることが明らかになってきました。この記事では専門家の意見を基に、認知症を予防するための具体的な方法を8つ紹介します。

今からでも遅くありません。あなたも、今日からできる簡単なことから始めて、健康的な脳を維持しましょう。

認知症を予防するための具体的な方法8選

認知症は、誰もがかかりたくない病気の一つです。しかし認知症は早期発見・早期対応によって進行を遅らせたり、予防したりすることができる病気でもあります。今回は認知症を予防するために、今日からできる具体的な方法を8つご紹介します。

認知症リスクを下げる食事とは

「バランスの取れた食事」は、健康な体づくりの基本です。しかし具体的にどんな食事をすればいいのか、迷ってしまう方も多いのではないでしょうか?認知症リスクを下げるためには、以下の3つのポイントを意識してみましょう。

  1. 色々な食品を食べる
    毎日の食事に主食(ごはん、パン、麺類など)、主菜(肉、魚、卵、大豆製品など)、副菜(野菜、きのこ、海藻など)をバランスよく取り入れるようにしましょう。
    厚生労働省が推奨する「食事バランスガイド」を参考にすると、より具体的なイメージが掴みやすいでしょう。食事は体を作るための栄養素をとるだけでなく、生活の楽しみの一つでもあります。多くの食材を食べることで栄養バランスが整うだけでなく、食事のバリエーションも増え、より豊かな食生活を送ることができます。
  2. 魚、野菜、果物を積極的に食べる
    魚に多く含まれるDHA・EPAや、野菜や果物に含まれるビタミン類、ミネラル類は、認知機能の維持や改善に効果があると期待されています。特に青魚(さんま、さば、いわしなど)は週に2回以上食べるように心がけましょう。
    野菜は、緑黄色野菜、淡色野菜、きのこ類、海藻類など、様々な種類をバランスよく食べることが大切です。果物はビタミンやミネラルが豊富に含まれているだけでなく、食物繊維も豊富なので、便秘の予防にも効果が期待できます。
  3. 塩分・糖分・脂肪分を控えめにする
    塩分の摂りすぎは高血圧のリスクを高め、脳卒中や血管性認知症の原因となります。脳卒中は脳の血管が詰まったり破れたりすることで、脳に障害が起こる病気です。脳卒中を発症すると、麻痺や言語障害などの後遺症が残ることがあります。血管性認知症は、脳卒中が原因で認知機能が低下する病気です。一度脳卒中を起こしてしまうと、その後の生活の質に大きく影響を与えかねません。減塩のためには醤油やソースなどの調味料を控える、加工食品を控える、だし汁などを活用して素材の味を生かすなどの工夫をしてみましょう。
    また糖分や脂肪分の摂りすぎは肥満や糖尿病のリスクを高め、アルツハイマー型認知症のリスクを高めるともいわれています。アルツハイマー型認知症は脳にアミロイドβというタンパク質が蓄積することで、神経細胞が壊れていく病気です。アルツハイマー型認知症になると、記憶力や判断力が低下し日常生活に支障をきたすようになります。糖分・脂肪分を控えるためには、甘い飲み物やお菓子、脂っこい食事を控えるようにしましょう。

効果的な運動とその頻度

運動は体だけでなく、脳の健康維持にも効果的です。運動には脳の血流を改善したり、神経細胞を活性化したりする効果があり認知機能の維持や向上に役立ちます。

では、どんな運動を、どのくらいの頻度で行えば良いのでしょうか?おすすめは、週に3回以上、30分程度の「有酸素運動」です。

有酸素運動とは軽く息が弾む程度の運動を、ある程度の時間継続して行う運動のことです。ウォーキングやジョギング、サイクリング、水泳などが代表的な有酸素運動です。

運動が苦手な方は、まずは週に1~2回から始めて徐々に頻度や時間を増やしていくようにしましょう。無理のない範囲で、継続することが大切です。運動を習慣化することで、体力向上やストレス解消などの効果も期待できます。

脳トレーニングの具体例

脳トレーニングとは脳に刺激を与え、認知機能を鍛えるトレーニングのことです。脳トレーニングには、計算ドリルやパズル、ゲームなど様々な種類があります。

しかし脳トレーニングの効果については、科学的な根拠が明確に示されていないものもあります。重要なのは、楽しみながら継続することです。

以下は、脳トレーニングの具体例です。

  • 計算ドリル:簡単な計算問題を解くことで、注意力や計算力を鍛えることができます。毎日、数問だけでも良いので計算問題を解く習慣をつけましょう。最近は、スマートフォンアプリなどでも手軽に計算ドリルを行うことができます。
  • パズル:クロスワードパズルやジグソーパズルなど、頭を柔らかく使うことで空間認識力や論理的思考力を鍛えることができます。クロスワードパズルは、新聞や雑誌に掲載されているものだけでなく専門の書籍も販売されています。ジグソーパズルは、ピース数や絵柄によって難易度が異なりますので自分に合ったものを選びましょう。
  • ゲーム:トランプや囲碁、将棋など頭を使うゲームは、記憶力や判断力、戦略的思考力を鍛えるのに役立ちます。これらのゲームは友人や家族と一緒に行うことで、コミュニケーションを楽しむこともできます。

健康的な生活習慣の取り入れ方

健康的な生活習慣は、認知症予防だけでなく、健康寿命を延ばすためにも重要です。

ここでは、具体的な生活習慣の改善ポイントを3つご紹介します。

  1. 十分な睡眠をとる
    睡眠不足は認知機能の低下や、うつ病のリスクを高めることが知られています。質の高い睡眠を十分にとるように心がけましょう。睡眠時間は人それぞれですが、一般的には7~8時間が目安と言われています。睡眠の質を高めるためには、寝る前にスマートフォンやパソコンなどの画面を見ないようにする、寝る前にカフェインを摂取しない、規則正しい生活リズムを心がけるなどの方法があります。
  2. ストレスをため込まない
    ストレスは脳に悪影響を及ぼし、認知機能の低下や、うつ病のリスクを高める可能性があります。趣味やリラックスできる活動を見つけ、ストレスを上手に発散するようにしましょう。ストレスを解消するためには自分が好きなことをすることが一番です。音楽を聴く、読書をする、散歩をする、など自分に合ったストレス解消法を見つけましょう。
  3. 禁煙する
    喫煙は血管を傷つけ、脳卒中や血管性認知症のリスクを高めることが知られています。禁煙は認知症予防だけでなく、健康全体にとって非常に重要です。禁煙は肺がんや心筋梗塞などのリスクを下げるだけでなく、肌の老化防止にも効果があります。禁煙が難しい場合は、医師や禁煙外来に相談してみましょう。

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最新の研究成果と予防のヒント

認知症の予防に関する研究は、日々進歩しています。最新の研究成果を参考に、予防に役立つ新しい情報も積極的に取り入れていきましょう。

例えば近年注目されている研究の一つに、「腸内環境」と認知機能の関係があります。腸内環境を整えることは、認知機能の維持や改善に繋がると期待されています。腸内環境を整えるためには、食物繊維を多く含む食品を摂取したり発酵食品を摂取したりすることが効果的です。食物繊維を多く含む食品には野菜、果物、海藻類などがあります。発酵食品にはヨーグルト、納豆、味噌などがあります。

また認知症の予防には、周囲の人とのコミュニケーションや社会参加も重要であることがわかってきています。積極的に人と関わり、社会とのつながりを持ち続けるように心がけましょう。地域活動に参加したり、ボランティア活動に参加したりするのも良いでしょう。また、友人や家族と会って話をするのも、認知症予防に効果が期待できます。

当院では社会的な孤立を防ぎ人や社会とつながるための取り組みとして、毎月1回サクラノキテラスという催しを開催しています。

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まとめ

認知症は、早期発見・早期対応によって進行を遅らせたり、予防したりできる病気です。 バランスの取れた食事、適度な運動、脳トレーニング、健康的な生活習慣を心がけることが大切です。

具体的には色々な食品をバランスよく食べる、魚や野菜を積極的に摂取する、週に3回以上30分程度の有酸素運動を行う、計算ドリルやパズルに挑戦する、十分な睡眠をとる、ストレスをため込まない、禁煙するなどの方法があります。

最新の研究では、腸内環境の改善や社会参加も認知症予防に有効であることがわかってきています。 これらの方法を参考に、今日からできることから始めてみましょう。

当院は物忘れ外来を行っております。また、将来の認知症の発症リスクを調べられるMCI(軽度認知障害)スクリーニング検査を受診いただけます。気になる症状等がある方は、当院にご相談ください。

MCI(軽度認知障害)スクリーニング検査について



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