大石内科循環器科医院

静岡市葵区鷹匠2-6-1 新静岡駅より 徒歩3分 駐車場あり

静岡市葵区鷹匠2-6-1
054-252-0585

blog
ブログ

認知症予防に効果的な食べ物とは?

2024.11.11

年齢を重ねても記憶力や判断力を保ち、冴えた頭でいたいと思いませんか?しかし多くの人が不安に感じているように、認知症は誰にでも起こりうる病気です。

実は、認知症は、早期に対策を講じることで予防できる可能性があることをご存知でしょうか?最新の研究では、毎日の食事が認知症予防に大きな影響を与えることが明らかになってきました。

本記事では食事を通して認知症を予防するために効果的な栄養素と、毎日の食事に取り入れたい具体的な食材をご紹介します。具体的なレシピも掲載しているので、ぜひ参考にして、今日からできる認知症予防を始めましょう!

認知症予防に効果的な食事とは?
知っておきたい栄養素と食材

認知症は、誰もがかかりたくない病気の一つですよね。歳を重ねても頭はクリアに、そして元気に過ごしたいと誰もが願うものです。実際、私の患者さんでも物忘れが気になって診察に来る方は少なくありません。

しかし、ご安心ください。認知症は早期に適切な対策を打つことで進行を遅らせたり、予防したりできる可能性があります。その中でも、食事は私たちができる最も効果的な対策の一つと言えるでしょう。

毎日の食事で脳の働きを活発にし、いつまでも健康的な毎日を送りましょう。

認知症予防に効果的な栄養素

認知症予防には、特定の栄養素を積極的に摂取することが重要です。これらの栄養素は脳の神経細胞を保護したり、新たな神経細胞の生成を促したりする効果が期待できます。

例えば私が診察でよくお伝えしているのは、DHA・EPAという栄養素の重要性です。DHA・EPAは、魚に多く含まれる栄養素で、脳の神経細胞の情報伝達をスムーズにする働きがあります。

実際にDHA・EPAを積極的に摂取することで、認知機能の低下を抑制する効果が期待できるという研究結果も報告されています。

その他にも、様々な栄養素が認知症予防に効果が期待されています。具体的にどのような栄養素があるのか、詳しく見ていきましょう。

栄養素期待される効果多く含まれる食品
DHA(ドコサヘキサエン酸)脳の神経細胞の約20%を占める重要な成分です。脳の神経細胞の働きを活性化し、情報伝達をスムーズにすることで、記憶力や学習能力の維持に役立ちます。青魚(いわし、さば、さんまなど)、まぐろ、ぶり
EPA(エイコサペンタエン酸)血液をサラサラにし、脳の血流を改善する効果があります。脳梗塞などの脳血管疾患のリスクを減らすことで、脳血管性認知症のリスクを減らす効果が期待されます。青魚(いわし、さば、さんまなど)、えび、かに
オレイン酸悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす働きがあり、脳の血管を健康に保つ効果が期待できます。動脈硬化の予防にも効果が期待できます。オリーブオイル、アーモンド、アボカド
ビタミンE強い抗酸化作用があり、体内の細胞の酸化を防ぐことで、脳の老化を防ぐ効果が期待できます。アーモンド、ひまわり油、モロヘイヤ
ビタミンB群脳の神経細胞の働きを助け、エネルギー代謝を促進する効果があります。ビタミンB群は、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ナイアシン、パントテン酸、ビオチンの総称です。これらのビタミンB群は、それぞれ重要な役割を担っており、相互に作用しながら、健康維持に貢献しています。豚肉、レバー、うなぎ、玄米

毎日の食事に取り入れたい!おすすめの食材

毎日の食事に、これらの栄養素を豊富に含む食材を積極的に取り入れてみましょう。バランスの取れた食事を心がけることが大切ですが、具体的にはどんな食材を選べば良いのでしょうか?

  1. :特に青魚と呼ばれる、いわし、さば、さんまなどは、DHAやEPAが豊富です。焼き魚、煮魚、刺身など、様々な方法で食べられます。週に2〜3回程度、魚料理を食卓に取り入れてみるのはいかがでしょうか?
  2. 野菜:ほうれん草、小松菜などの緑黄色野菜には、ビタミンEや葉酸が豊富です。彩り豊かに、様々な種類の野菜を食べるように心がけましょう。1日350g以上の野菜摂取が目標です。
  3. 大豆製品:豆腐、納豆、味噌などの大豆製品には、良質なタンパク質やイソフラボンが豊富に含まれています。和食中心の食生活は、認知症予防にも効果的です。豆腐は味噌汁や炒め物など、様々な料理に活用できますし、納豆は朝食に手軽に取り入れやすいですね。
  4. ナッツ類:アーモンド、くるみなどのナッツ類は、ビタミンEやオレイン酸が豊富です。おやつやおつまみとして、適量を食べるようにしましょう。ただし、ナッツ類はカロリーが高いため、食べ過ぎには注意が必要です。
  5. きのこ類:しいたけ、しめじ、えのきなどのきのこ類は、食物繊維やビタミンB群が豊富です。味噌汁や炒め物など、様々な料理に活用できます。特に、きのこ類に多く含まれる「エルゴチオネイン」という成分は、強い抗酸化作用を持つため認知症予防に効果が期待されています。

これらの食材をバランスよく食べることで、認知症予防だけでなく、健康な体作りにも繋がります。

具体的な献立例とレシピをご紹介

毎日の食事、どんなメニューにすればいいのか迷いますよね。

「魚は体に良いって聞くけど、毎日なんて食べられないし…」

「野菜は意識して食べるようにしてるけど、種類が多くて…」

患者さんからも、そんな声をよく耳にします。そこで、皆さんの食生活に取り入れやすいように、具体的な献立例をいくつかご紹介しましょう。

ポイントは、紹介する食材を必ずしも全て使うのではなく、ご自身の好みに合わせて無理なく続けられるメニュー作りをすることです。

朝食の献立例

  1. 納豆ご飯、豆腐とワカメの味噌汁、焼き鮭、ほうれん草のおひたし
  2. 全粒粉パン、ヨーグルト(ブルーベリー)、バナナ、コーヒー
  3. グラノーラ、牛乳、オレンジ、緑茶

朝食は、脳にエネルギーをチャージするために重要な役割を担っています。

ご飯やパンなどの炭水化物はもちろん、納豆や豆腐などの大豆製品、魚、果物などをバランス良く取り入れるように心がけましょう。

昼食の献立例

  1. 鶏肉と野菜の炒め物、ご飯、豆腐とワカメの味噌汁
  2. スパゲッティ(サバ缶とブロッコリー)、サラダ
  3. 鮭と野菜の炊き込みご飯、お吸い物

昼食は、活動エネルギーを補給するだけでなく、夕食までの空腹感を抑え、食べ過ぎを防ぐ役割もあります。

麺類だけ、丼ものだけといった単品で済ませるのではなく、栄養バランスを意識したメニューを心がけましょう。

夕食の献立例

  1. 肉じゃが、きんぴらごぼう、豆腐とわかめの味噌汁、ご飯
  2. 鶏肉のハーブ焼き、サラダ、きのこスープ
  3. きのこパスタ、サラダ、ミネストローネ

夕食は、1日の疲れを癒し、質の高い睡眠をとるために重要な役割を担っています。消化の良いものを選び、食べ過ぎないように腹八分目を心がけましょう。

認知症予防におすすめのレシピ

献立例を見ただけでは、「どんな風に作ればいいか分からない…」と感じた方もいるかもしれません。そこで、具体的なレシピをいくつかご紹介します。どれも簡単に作れるものばかりですので、ぜひ試してみてください。

きのこ炊き込みご飯

お好みのキノコ(しいたけ、しめじ、エリンギなど)と鶏肉、昆布などを一緒に炊飯器で炊くだけの簡単なレシピです。

だし汁を加え、醤油、みりんなどで味付けすると更に風味がアップします。キノコの旨味がご飯に染み渡り、食欲をそそります。

納豆と豆腐の和風サラダ

納豆、豆腐、きゅうり、みょうがなどを混ぜて、ポン酢とごま油で和えるだけの簡単レシピです。お好みで、ネギや海苔を加えてもよいでしょう。納豆と豆腐は、どちらも良質なタンパク質源であり、認知症予防に効果が期待できる食材です。

サバ缶と野菜の炒め物

サバ缶、キャベツ、ピーマン、玉ねぎなどを炒め、塩コショウで味付けするだけの簡単レシピです。サバ缶の代わりに、サンマやイワシなどの青魚缶詰を使用してもよいでしょう。手軽にDHA・EPAを摂取できます。

ホウレンソウとベーコンの炒め物

ホウレンソウ、ベーコン、ニンニクなどを炒め、醤油とオイスターソースで味付けするだけの簡単レシピです。ほうれん草には、ビタミンB群や葉酸が豊富に含まれており、認知症予防に効果が期待されています。

きのこパスタ

お好みのキノコ、ベーコン、玉ねぎなどを炒め、パスタと和えるだけの簡単レシピです。味付けは、塩コショウ、醤油、コンソメなど、お好みに合わせてください。キノコの香りと食感が食欲をそそる一品です。

これらのレシピを参考に、色々な食材を組み合わせて、バランスの取れた食事を心がけましょう。

生活習慣の改善も重要です

食事と同じくらい大切なのが、毎日の生活習慣です。

「先生、食事には気を付けているしサプリメントも飲んでいるんだけど、最近、物忘れがひどくなって…」

外来で、患者さんからこんな相談を受けることがあります。このような患者さんの多くは、生活習慣に問題を抱えているケースが多くみられます。食事に気を使っていても運動不足だったり睡眠不足だったりストレスをため込んでいたりすると、認知症のリスクを高めてしまう可能性があります。

認知症予防には食事だけでなく、生活習慣全体を見直し脳を活性化させることが重要です。

認知症リスクを下げる生活習慣

具体的に、どのような生活習慣を心がければ良いのでしょうか?

  1. 体を動かそう!
    運動は、体だけでなく、脳にとっても非常に良い影響を与えます。
    「運動?そんな時間ないよ…」
    そう思った方もいるかもしれません。しかし、激しい運動をする必要はありません。私の患者さんの中には、毎日1時間かけてウォーキングをしている方がいます。
    「最初は30分歩くのも大変だったけど、今では1時間歩いても疲れなくなりました。おかげで体重も減って、体調も良くなりました」
    と、話されていました。
    このように、軽い運動でも、続けることで大きな効果が期待できます。運動は、脳の血流を良くし、神経細胞を活性化させる効果があります。
    また、運動をすることで、ストレスを解消したり、質の高い睡眠を得たりすることにもつながります。週に3回程度、30分程度のウォーキングなどの軽い運動を習慣に取り入れてみましょう。
  2. 頭を使おう!
    脳は、使わなければ衰えていきます。逆に、積極的に使えば、いくつになっても成長する可能性を秘めています。「頭を使う」というと、難しく感じるかもしれませんが、特別なことをする必要はありません。
    例えば、私の患者さんの中には、定年退職後、地域のサークル活動に参加し始めた方がいます。
    「最初は不安でしたが、新しいことを学ぶのは楽しいですね。仲間もできて、毎日が充実しています」
    と話されていました。このように、新しいことに挑戦したり、人との交流を通して脳を刺激することは、認知症予防に効果が期待できます。
    読書、書道、音楽鑑賞、囲碁や将棋など、自分が楽しめるものを見つけて積極的に取り組んでみましょう。
  3. 人と話そう!
    人とのコミュニケーションは、脳を活性化させるための最良の方法の一つです。
    「でも、最近は人と話す機会が減ってしまって…」
    と感じている人もいるかもしれません。確かにコロナ禍以降、人と直接会う機会は減っているかもしれません。しかし電話やオンラインなど、コミュニケーションを取る手段はたくさんあります。大切なのは、積極的にコミュニケーションを取ることです。
    私の患者さんの中には、毎日、遠く離れて暮らす家族と電話で話している方がいます。
    「孫の声を聞くと、元気が出ます」
    と話されていました。このように人とのつながりは心の支えになるだけでなく、脳の健康維持にも役立ちます。家族や友人と積極的にコミュニケーションを取り、社会とのつながりを保つように心がけましょう。
  4. 十分な睡眠をとろう!
    睡眠は、体と脳を休ませ、疲労を回復するために欠かせません。睡眠不足は、認知機能の低下だけでなく、様々な病気のリスクを高めることが知られています。
    「最近は、なかなか良く眠れなくて…」
    と悩んでいる人もいるかもしれません。質の高い睡眠をとるためには、寝る前にカフェインを控える、リラックスできる環境を作るなど、工夫が必要です。
    規則正しい生活を心がけ、質の高い睡眠を十分に取るように心がけましょう。
    これらの生活習慣を心がけることで、認知症のリスクを下げることができるだけでなく、健康寿命を延ばすことにもつながります。今日からできることから、少しずつ生活習慣を見直してみましょう。

まとめ

認知症予防には、DHA・EPA、オレイン酸、ビタミンE、ビタミンB群などの栄養素が効果的です。 これらの栄養素を効率的に摂取するために、青魚、野菜、大豆製品、ナッツ類、きのこ類などを積極的に食べましょう。 また、食事だけでなく、適度な運動、脳を使う活動、人とのコミュニケーション、十分な睡眠などの生活習慣も、認知症予防に重要です。

当院は物忘れ外来を行っております。気になる症状等がある方は当院にご相談ください。


大石内科循環器科医院
420-0839
静岡市葵区鷹匠2-6-1
TEL:054-252-0585

Google Maps