静脈血栓症は、体の静脈に血の塊(血栓)ができる病気で、放置すると命に関わる危険性も伴います。自覚症状がない場合も多くありますが、足の腫れや痛み、皮膚の変色、息切れなどの症状が現れることもあります。
近年、静脈血栓症は増加傾向にあり特に長時間座りっぱなしの仕事や長時間のフライトなど、長時間同じ体勢での活動が多い現代人に多く見られます。この記事では、静脈血栓症の症状について詳しく解説し、早期発見・早期治療の重要性を訴えます。ご自身の健康状態を見直すきっかけとして、ぜひ読み進めてみてください。
静脈血栓症は、体の静脈に血の塊(血栓)ができる病気です。自覚症状がないこともありますが、放置すると命に関わる危険性も伴います。今回は静脈血栓症の代表的な症状と、その特徴について詳しく解説していきます。早期発見・早期治療のためにも、ご自身の体と向き合い正しい知識を身につけていきましょう。
静脈血栓症の初期症状として特に多いのが、足のむくみや痛みです。血栓によって血液の流れが滞ると、静脈内の圧力が高まり足に水分がたまりやすくなるためです。多くの場合、片方の足に症状が現れます。
健康な状態では足の血管は弾力があり、血液をスムーズに心臓に戻しています。しかし静脈血栓症を発症すると、この血液循環が滞ってしまうのです。イメージとしては流れのある川に、急に大きな岩が転がり込んできた状態を思い浮かべてみてください。岩によって水の流れがせき止められ川の水位が上がってしまうように、血栓もまた血液の流れをせき止め足の血管内に血液を滞らせてしまうのです。
これらの症状は日常生活でも経験しやすいものですが、静脈血栓症の可能性も考えられます。特に長時間座りっぱなしの仕事や、長時間のフライトの後などは注意が必要です。デスクワークや長距離移動の際には、こまめな休憩や足のストレッチを心がけましょう。
静脈血栓症になると、足の皮膚の色が変化することがあります。血栓によって血流が悪くなると、皮膚の色が赤や紫っぽく変色することがあります。また、皮膚の温度が上がり、触ると熱く感じることもあります。
私たちの体は、血液によって酸素や栄養を全身に届けています。静脈血栓症によって血流が悪くなると、この酸素供給が滞り皮膚の色が変化することがあります。これは酸素を十分に受け取れない皮膚が、赤や紫っぽく変色してしまうためです。
これらの皮膚の変化は、静脈血栓症が進行しているサインかもしれません。特に足の腫れや痛みに加えて、皮膚の変色が見られる場合は早めに医療機関を受診しましょう。
静脈血栓症の血栓が剥がれて肺に詰まると、「肺血栓塞栓症」という命に関わる危険な状態を引き起こすことがあります。肺血栓塞栓症になると、突然の胸の痛みや息苦しさを感じます。
肺は、呼吸をするために非常に重要な臓器です。心臓から送られてきた血液から酸素を取り込み、全身に送り出す役割を担っています。しかし肺血栓塞栓症になると、この肺の血管が血栓によって塞がれてしまい酸素を取り込むことができなくなってしまうのです。
これらの症状は心筋梗塞や肺炎など、他の病気でも起こる可能性があります。しかし静脈血栓症の疑いがある場合は、すぐに救急車を呼ぶなど一刻も早い対応が必要です。
静脈血栓症の合併症である肺血栓塞栓症は、血栓が肺の血管に詰まることで起こります。そのため肺に十分な酸素を取り込めなくなり、息切れなどの呼吸困難を引き起こします。
私たちの体は、常に新鮮な酸素を必要としています。呼吸によって肺から酸素を取り込み、血液によって全身に運ばれています。しかし肺血栓塞栓症によって肺の血管が詰まってしまうと、この酸素供給が滞ってしまうのです。
息切れは、体が酸素不足に陥った時に起こるサインです。軽い運動でも息切れがする、階段の上り下りで息苦しさを感じるなど日常生活に支障が出ることもあります。
肺血栓塞栓症は命に関わる危険性もあるため、早期発見・早期治療が非常に重要です。
静脈血栓症と診断された場合は、医師の指示に従って適切な治療を受ける必要があります。治療には血栓を溶解する薬や、血栓が大きくなるのを防ぐ薬などが用いられます。
静脈血栓症の治療は血栓の大きさや場所、患者さんの状態によって異なります。一般的には抗凝固療法と呼ばれる、血液を固まりにくくする薬を使った治療が行われます。
これらの生活習慣の改善は、静脈血栓症の予防にもつながります。ご自身の体と向き合い、健康的な生活を送りましょう。
静脈血栓症は、足の血管に血の塊(血栓)ができる病気です。放置すると命に関わる肺血栓塞栓症を引き起こす可能性があります。主な症状は足のむくみや痛み、皮膚の変色、胸の痛みや息切れなどです。初期症状は軽いため見逃しがちですが、早期発見・早期治療が重要です。長時間座りっぱなしや立ちっぱなしなど、同じ姿勢を続ける際はこまめな休憩やストレッチを心がけましょう。また、弾性ストッキングの着用や禁煙なども効果的です。
静脈血栓症の症状に心当たりがある方や、ご不安な場合は、当院へご相談ください。
大石内科循環器科医院
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