大石内科循環器科医院

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ニコチンは体にどんな影響がある?

2025.01.17 禁煙外来

「タバコを吸うと落ち着く…」そんな経験はありませんか?

タバコに含まれるニコチンは、脳の快楽中枢を刺激し、一時的な満足感をもたらします。しかし、その裏には恐ろしい事実が隠されています。

2021年の厚生労働省の調査によると、喫煙者の肺がん死亡リスクは非喫煙者の約15倍にも上ると言われています。これは、ニコチンが様々な病気のリスクを高めることを示唆しています。 心臓病や脳卒中、さらには様々な種類のがん…ニコチンは、まるで体に忍び寄る影のように健康を蝕んでいくのです。

この記事ではニコチンが体に与える具体的な影響と、その恐ろしいリスクについて徹底的に解説します。 血圧上昇や心拍数の増加といった即効性のある影響から、肺がんや心臓病といった長期的で深刻な健康被害まで、分かりやすく説明します。 もしかしたら、あなたの人生を変える、重要な情報が隠されているかもしれません。

ニコチンが体に与える影響とそのリスク

タバコを吸うと、なんとなくホッとしたり気分がスッキリしたり、集中力が上ったように感じることがあります。これはタバコに含まれるニコチンが脳に作用し、一時的に快感や満足感をもたらす神経伝達物質であるドーパミンを放出させるためです。まるで疲れた体に鞭打って頑張れるような感覚かもしれません。しかしこのニコチンは、実は体にとって様々な悪影響を及ぼす、非常に危険な物質なのです。ニコチンが体にどんな影響を与えるのか、詳しく見ていきましょう。

ニコチンの依存性と中毒症状の理解

ニコチンは脳の報酬系に作用し、ドーパミンを放出させることで快感を与えます。この快感は、まるで美味しいものを食べた時や、褒められた時のような感覚に似ています。しかし、この心地よさは長くは続きません。ニコチンの効果が切れると再びニコチンを欲するようになり、タバコに手が伸びてしまうのです。これがニコチン依存の始まりです。

最初は「今日は吸わないでおこう」と思えても、時間が経つにつれて吸いたい気持ちが強くなり、ついには我慢できなくなってしまいます。まるで、砂漠で水を求めるように、ニコチンを求めてしまうのです。そして、タバコを吸うと一時的に落ち着きますが、すぐにまたニコチンが不足し、イライラしたり、集中力がなくなったり、落ち着かなくなったりします。まるで、電池切れ寸前のロボットのように、正常に機能しなくなってしまうのです。これがニコチンの離脱症状です。

ニコチン依存症は、進行性の病気です。最初は軽い気持ちで吸っていたタバコも、次第に体の要求が強くなり、最終的にはタバコ中心の生活になってしまいます。例えば、朝起きたらまずタバコ、食後はタバコ、仕事中にタバコ、寝る前にタバコ…といったように、生活のあらゆる場面でタバコが欠かせなくなってしまうのです。

依存症の段階症状の例
初期「今日はやめよう」と思えるが、夕方になると吸いたくなる。
中期タバコがないとイライラし、仕事に集中できない。禁煙に挑戦するも、数日で挫折してしまう。
末期タバコ代を捻出するために食費を削ったり、家族に嘘をついたりする。健康診断で異常を指摘されても、タバコをやめられない。

短期的影響:血圧上昇と心拍数の変化

ニコチンを摂取すると、即座に体に様々な変化が現れます。ニコチンは、交感神経を刺激するため、血管が収縮し、血圧が上昇します。また、心拍数も増加し、心臓への負担が増大します。

健康な人であれば、一時的な血圧や心拍数の変化は大きな問題にはなりませんが、高血圧や心臓病の持病がある人にとっては危険な状態です。持病が悪化したり、心筋梗塞や脳卒中などの重篤な合併症を引き起こすリスクが高まります。

またニコチンは胃腸の働きにも影響を与え、胃酸の分泌を促進します。そのため、胃がムカムカしたり、吐き気を催したり、胸焼けなどの症状が現れることがあります。まるで、刺激の強い香辛料を食べた後のような不快感です。

長期的影響:肺がんや心臓病のリスク

ニコチンを長期間摂取し続けると、血管が慢性的に収縮した状態になり血管内皮が傷つきやすくなります。これにより、動脈硬化が進行し、心臓病や脳卒中のリスクが高まります。水道管に徐々にサビが溜まっていくように、血管が硬く脆くなっていくのです。

またニコチン自体には発がん性はありませんが、タバコの煙には多くの発がん性物質が含まれており、ニコチンはこれらの発がん性物質の吸収を促進する作用があります。そのため、肺がんをはじめ、食道がん、胃がん、膀胱がんなど、様々ながんのリスクを高めます。

疾患ニコチンの影響
肺がん発がん性物質の吸収促進
心臓病動脈硬化の促進
脳卒中血管損傷によるリスク増加
胃がん発がん性物質の吸収促進
食道がん発がん性物質の吸収促進
膀胱がん発がん性物質の吸収促進

まとめ

この記事では、ニコチンの体に与える様々な影響について解説しました。ニコチンは一時的な快感をもたらしますが、強い依存性があり、健康に深刻な悪影響を及ぼします。 短期的には血圧上昇や心拍数増加、胃腸障害などを引き起こし、長期的には肺がんや心臓病、脳卒中などのリスクを著しく高めます。さらに、他の物質との相互作用も懸念されます。

禁煙は容易ではありませんが、あなたの健康を守るために非常に重要な一歩です。 禁煙を成功させるために、ニコチンパッチなどの禁煙補助薬も活用できます。今日から禁煙を始めてみませんか? 迷っている方は、まずはお気軽に当院にご相談ください。あなたをサポートする体制は整っています。



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