オゼンピックは、日本で2型糖尿病治療薬として承認されています。また、食欲を抑える働きがあり、医師の指導のもと適切に使用することで体重管理をサポートすることが期待されています。
この記事では、オゼンピックの効果や副作用などを解説します。
オゼンピックの基本と効果・効能について、以下の内容を解説します。
オゼンピックとは、注射タイプの2型糖尿病治療薬です。
オゼンピックは、腸から分泌されるインクレチンホルモンであるGLP-1の働きを模倣し、GLP-1受容体に結合することで血糖コントロールや食欲抑制効果を発揮する薬剤です。GLP-1は、ご飯を食べたときに腸から出て、すい臓に「インスリンを出して」と伝える役割をするホルモンです。インスリンは、血液中のブドウ糖をエネルギーに変えるために必要不可欠です。
オゼンピックはGLP-1の働きを助けることで、血糖値のコントロールを良くし、さらに食欲を抑える効果も持っているのです。
オゼンピックには、大きく分けて血糖値コントロールと体重減少という2つの効果があります。オゼンピックは、食後に血糖値が急上昇するのを防ぎ、穏やかに上昇するように調整してくれます。
オゼンピックは、食欲を抑える働きがあることが報告されています。ただし、効果には個人差があり、生活習慣や体質によって異なる場合があります。体重管理をサポートする際は、医師の指導のもと適切に使用してください。
2024年に発表された研究では、GLP-1受容体作動薬の一つであるセマグルチドが血糖値コントロールや体重減少において有効であることが示されています。
オゼンピックは、GLP-1と同じようにGLP-1受容体に働きかけ、インスリンの分泌を促します。GLP-1は、ご飯を食べると腸から分泌され、すい臓にあるGLP-1受容体という、いわばGLP-1を受け入れるための特別な場所に結合します。その後、すい臓はインスリンを分泌し、血糖値を下げようとします。
オゼンピックはGLP-1受容体に作用することで、主に3つの効果を発揮します。
1つ目は、すい臓からのインスリン分泌促進です。インスリンは、血液中のブドウ糖を細胞に取り込むための重要なホルモンです。オゼンピックは、インスリンの分泌を促進することで、食後の血糖値の上昇を抑えます。
2つ目は、胃の内容物の排出を遅らせる作用です。満腹感が持続し、食欲が抑えられます。
3つ目は、脳の満腹中枢に直接働きかける作用です。「お腹いっぱい」というサインを脳に送ることで、食欲をコントロールします。作用が組み合わさることで、オゼンピックは血糖値の改善と体重減少効果を発揮します。
オゼンピックの使い方と注意点について、以下のポイントをまとめています。
オゼンピックは、週に1回、同じ曜日に皮下注射します。注射する部位は、お腹、太もも、二の腕の皮下組織で、毎回注射部位を変えることが重要です。同じ場所に繰り返し注射すると、皮膚が硬くなったり、しこりができたりする可能性があるためです。
毎週土曜日の朝に注射すると決めた場合、最初はお腹、次の週は太もも、その次は二の腕、というようにローテーションします。皮膚をつまんで注射することで、筋肉に注射してしまうリスクを減らすことができます。
オゼンピックには、あらかじめ注射針がついたタイプと、注射針を自分で装着するペン型タイプがあります。どちらのタイプも、使用する前に医師から使用方法の説明を受け、正しく使えるように練習しておくことが大切です。
オゼンピックの使用を開始する際は、少量から始め、徐々に投与量を増やしていくのが一般的です。身体への負担を軽減し、薬に慣れさせるためです。多くの場合、最初の4週間は0.25mgを投与し、その後、効果と副作用の状況に応じて0.5mgに増量します。0.5mgでも効果が不十分な場合は、医師の判断で最大1.0mgまで増量することもあります。
オゼンピックは、主に食後の血糖値の上昇を抑える作用があり、空腹時の血糖値にはあまり影響を与えません。そのため、他の糖尿病治療薬と比べて低血糖を起こしにくいというメリットがあります。
糖尿病をコントロールする飲み薬として「リベルサス」もあります。以下の記事では、リベルサスの効果や仕組み、服用方法を解説していますので参考にしてください。
>>リベルサスとは?効果や副作用、服用方法と注意点について解説
オゼンピックは、適切な温度で保管することが重要です。未開封のオゼンピックは冷蔵庫(2〜8℃)で保管します。一度冷蔵庫から取り出したオゼンピックは、室温(30℃以下)で最大8週間保管できますが、再冷蔵はできません。
8週間以内に使い切るようにしましょう。直射日光や高温多湿の場所を避けて保管してください。
オゼンピックは、臨床試験で効果や安全性が評価されている医薬品ですが、他の薬と同様に、副作用が現れる可能性があります。主な副作用は吐き気や下痢、便秘などの消化器症状です。副作用は、オゼンピックの使用開始直後に起こりやすいです。
時間の経過とともに軽快していく場合もありますが、急性膵炎や胆嚢炎などの重篤な副作用が発生する可能性もあります。異常を感じた場合は、速やかに医師にご相談ください。
オゼンピックは、一部の薬剤と併用することができません。同じ成分であるセマグルチドを含む他の薬剤との併用は禁忌です。インスリン製剤との併用にも注意が必要です。
オゼンピックを使用する前に、現在服用しているすべての薬剤やサプリメント、健康食品について医師に伝えることが重要です。スルホニルウレア剤やインスリン製剤と併用する場合は、低血糖のリスクが高まるため注意が必要です。併用療法を行う際は、医療機関に相談してから行いましょう。
妊娠中または授乳中の女性は、オゼンピックの使用を医師に相談してください。胎児や乳児への影響はまだ十分に解明されていないため、使用の可否は慎重に判断されます。妊娠を希望している場合や、妊娠がわかった場合は、すぐに医師に知らせてください。
オゼンピックの使用に関するよくある質問は以下のとおりです。
オゼンピックを使ううえで少しでも不安を取り除き、安心して治療に臨めるように確認しましょう。
オゼンピックの効果が現れる時期には個人差がありますが、血糖値のコントロール効果は比較的早く、多くの患者さんで1~2週間以内に効果を実感し始めます。
体重減少効果はゆっくりと現れる傾向があり、数か月かけて徐々に体重が減っていく場合が多いです。最初の1か月で効果が見えなくても、焦らずに継続することが重要です。継続することで、3か月後、6か月後には大きな変化を実感できる可能性があります。
GLP-1受容体作動薬は、他の類似薬と比較して効果の持続性が高く、週1回の投与で済む点がメリットです。効果がすぐに現れなくても、医師の指示に従って治療を続けることが大切です。治療開始後、定期的に診察を受けて、効果や副作用の状況を医師に伝えましょう。
オゼンピックの注射は、週に1回行います。注射する部位は、お腹や太もも、上腕などの皮下組織です。毎日注射する必要がないため、忙しい方でも治療を続けやすいという利点があります。
毎週日曜日の夜に注射すると決めておけば、習慣化しやすく、注射を忘れにくくなります。注射する曜日や時間は、患者さんそれぞれのライフスタイルに合わせて自由に決めることができます。
針を刺すことに抵抗がある方もいらっしゃいますが、オゼンピックに用いる注射針は細いため、痛みはほとんどありません。もし注射を忘れてしまった場合は、48時間以内であればすぐに注射し、次の注射は1週間後にずらします。48時間を過ぎてしまった場合は、次の注射まで1週間待ちましょう。
オゼンピックには、以下の副作用が現れる可能性があります。
副作用 | 症状 | 対処法 | 頻度 |
吐き気 | むかつき、嘔吐 | 食事を少量ずつに分けて食べる、刺激の少ないものを食べる | よくある |
下痢 | 水っぽい便が頻繁に出る | 水分をこまめに補給する | よくある |
便秘 | 便が出にくい、硬い | 食物繊維を多く摂る、水分を十分に摂る | 時々 |
急性膵炎 | 上腹部や背中の激しい痛み、発熱、吐き気 | 速やかに医療機関を受診 | まれ |
副作用は、一般的に治療開始直後(最初の数週間~数か月)に多く見られ、時間の経過とともに軽減していくことが多いです。副作用の程度には個人差があり、全く副作用が出ない方もいれば、強い症状が出る方もいます。
副作用がつらい場合は、我慢せずに医師に相談しましょう。症状に合わせて、薬の量を調整したり、他の薬を併用したりすることで、副作用を抑えられる可能性があります。疑問や不安があれば、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
当院では、食事栄養指導も行っています。気になる方は以下の記事をご確認ください。
>>大石内科循環器科医院の食事・栄養指導はこちら
オゼンピックには、大きく分けて血糖値コントロールと体重減少という2つの効果があります。
週1回の注射で済むため、忙しい人でも継続しやすいです。主な副作用には吐き気や下痢、便秘などがあります
妊娠中・授乳中の方、併用禁忌薬がある方は、使用前に必ず医師に相談してください。肥満にお悩みの方は、医師に相談し、オゼンピックも治療の選択肢として検討してみましょう。
当院の肥満外来では、専門の医師が栄養指導や運動プログラム、必要に応じて治療薬の処方を通じて、個別のケアプランを提供します。肥満治療薬のみの処方も可能のため、お気軽にご相談ください。
大石内科循環器科医院
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