骨粗鬆症は、毎日の食事内容と密接な関係があることをご存知ですか? この記事では、骨粗鬆症の予防や改善に効果的な栄養素を解説します。記事を読むことで、意外な落とし穴となり得る食品や、食事以外にできる生活習慣の改善策もわかります。
大石内科循環器科医院では、骨密度検査を実施しています。骨粗鬆症は早期発見・早期治療が重要ですので、お悩みの方はお気軽にご相談ください。
骨粗鬆症は、骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。骨の健康を維持するためには、バランスの取れた食事から適切な栄養を摂取することが重要です。特に、以下の栄養素は骨の健康に深く関わっています。
カルシウムは、骨の主成分であり、骨の強度を維持するために不可欠です。私たちの骨は常に古い骨が壊され、新しい骨が作られるという代謝を繰り返しています。カルシウムが不足すると、代謝がうまくいかなくなり、骨がスカスカのもろい状態になってしまいます。カルシウムを豊富に含む食品には、以下のようなものがあります。
牛乳コップ1杯(200ml)には、約220mgのカルシウムが含まれています。成人の1日に必要なカルシウム量は約600~800mgです。意識して摂取するよう心がけましょう。カルシウムの摂取には適切な量があります。医学研究では、過剰摂取と腎臓結石との関連性が報告されています。
ビタミンDは、腸管でのカルシウムの吸収を促進する重要な役割を担っています。いくらカルシウムを摂取しても、ビタミンDが不足していると、体内に吸収されにくくなってしまいます。ビタミンDは、日光を浴びることで体内で生成されますが、食事からも摂取できます。ビタミンDを多く含む食品には、以下のようなものがあります。
牛乳やヨーグルトなどの乳製品にもビタミンDが添加されているものがあります。成人の1日に必要なビタミンDの目安量は約9.0μgです。高齢の方や日照時間が短い地域に住んでいる方は、ビタミンD不足になりやすい傾向があります。ビタミンDの状態が気になる場合は、医師に相談することをおすすめします。
ビタミンKは、骨の形成に不可欠なオステオカルシンというタンパク質の活性化に関わっています。オステオカルシンは、カルシウムを骨に結合させる役割を担っており、ビタミンKが不足すると、骨の形成がスムーズに行われなくなってしまいます。
ビタミンKを多く含む食品は、納豆、ほうれん草、ブロッコリー、小松菜などの緑黄色野菜です。ビタミンKは脂溶性ビタミンなので、油と一緒に調理すると吸収率がアップします。納豆にオリーブオイルをかけたり、ほうれん草を胡麻和えにしたりするのも効果的です。
タンパク質は、骨の土台となるコラーゲンを作るために必要です。コラーゲンは、骨に柔軟性を与え、骨折を防ぐ役割を果たします。タンパク質が不足すると、骨がもろくなりやすくなります。タンパク質を多く含む食品には、以下のようなものがあります。
バランスよくさまざまな食品からタンパク質を摂ることが大切です。高齢の方は、加齢に伴い食事からのタンパク質摂取量が低下しやすい傾向があります。意識的に摂取するよう心がけましょう。Rizzoli et al.(2021)の研究では、適切なタンパク質摂取と骨密度との関連性が報告されています。
乳製品やバランスの取れた食事を摂取することで、タンパク質とカルシウムを効率的に摂取し、骨粗鬆症の予防につなげることが期待されます。
マグネシウムは、骨の形成やカルシウムのバランスを保つのに役立つ栄養素です。リンも骨の構成成分の一つであり、カルシウムとともに骨の健康を維持するために必要な栄養素です。リンを過剰に摂取すると、カルシウムの吸収を阻害する可能性もあるため、バランスに注意が必要です。
マグネシウムが多く含まれる食品には、以下のようなものがあります。
リンが多く含まれる食品には、以下のようなものがあります。
さまざまな食品からバランスよく栄養を摂取するようにしましょう。特に、加工食品にはリンが多く含まれているため、摂りすぎには注意が必要です。
骨粗鬆症の予防には、さまざまな栄養素をバランスよく摂取することが重要です。特定の栄養素に偏ることなく、多様な食品を組み合わせて、毎日の食事を楽しみながら健康な骨を維持しましょう。
食事からの摂取が難しい場合は、補助的な栄養補給について医師や薬剤師にご相談ください。過剰摂取は逆効果になる場合もあるので、必ず経験豊富な医師の指導を仰いでください。
腎機能が低下すると、カルシウムやリンのバランスが崩れ、骨密度の低下を招くことがあります。腎機能の状態を把握することは、骨粗鬆症の予防にもつながります。腎機能を測る指標の一つであるクレアチニンについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
>>高齢者のクレアチニンが基準値より高いのは危険?原因やリスク、合併症について
骨粗鬆症は、骨がもろくなり骨折しやすくなる病気です。骨を丈夫にするための栄養をしっかり摂ることが大切です。しかし、摂りすぎると骨粗鬆症を悪化させてしまう可能性のある食べ物や飲み物もあるため注意が必要です。骨粗鬆症を悪化させる可能性のある食べ物と飲み物は以下のとおりです。
リンを過剰に摂取すると、体内のカルシウムバランスが崩れ、骨からカルシウムが溶け出してしまう可能性があります。現代の食生活では、加工食品やインスタント食品、清涼飲料水などにリンが多く含まれており、知らず知らずのうちに過剰摂取になっているケースも少なくありません。
リンを多く含む食品を摂るときは、カルシウムを多く含む食品、例えば牛乳やヨーグルト、小魚、豆腐などを一緒に摂ることでバランスを整えましょう。栄養素は単独で働くのではなく、相互に作用し合うため、バランスの良い食事を心がけることが大切です。
塩分の摂りすぎは、尿中にカルシウムを排出する量を増やし、結果として骨粗鬆症のリスクを高める可能性があります。普段の食事で、醤油や味噌などの調味料をたくさん使ったり、漬物や塩辛いスナック菓子をよく食べたりする方は、塩分の摂りすぎに注意が必要です。外食が多い方も、知らず知らずのうちに塩分を過剰摂取している傾向があります。
一般的な栄養摂取の目安については「日本人の食事摂取基準」などをご参照ください。減塩を心がけ、薄味に慣れる努力をしてみましょう。素材の味を活かした調理法を工夫したり、香辛料やハーブを利用したりするのも効果的です。
アルコールを過剰に摂取すると、骨を作る細胞である骨芽細胞の働きが阻害され、骨密度が低下する可能性があります。アルコールの過剰摂取は、転倒のリスクを高めることにもつながります。適量のアルコールは健康に良いという報告もありますが、過剰摂取は避けましょう。
カフェインを過剰に摂取すると、カルシウムの吸収が阻害され、骨粗鬆症のリスクを高める可能性があります。カフェインを多く含む飲料には、以下のようなものがあります。
カフェインを多く含む飲み物を好む方は、摂取量をコントロールすることが重要です。どうしても飲みたい場合は、量を控えめにしたり、カルシウムを多く含む食品と一緒に摂ったりするなど工夫してみましょう。牛乳を入れたカフェオレにするのも良い方法です。
栄養バランスの乱れた偏った食事は、骨粗鬆症だけでなく、さまざまな健康問題を引き起こす可能性があります。1つの食品や栄養素に偏ることなく、多様な食品をバランス良く摂取することが健康な骨を維持するために不可欠です。
朝食はパンとコーヒーだけ、昼食は麺類だけ、夕食はご飯と揚げ物だけ、といった偏った食事は避け、野菜や果物、魚、肉、大豆製品などをバランスよく摂るように心がけましょう。骨の健康のためには、カルシウムやビタミンD、ビタミンKだけでなく、タンパク質やマグネシウムなど、さまざまな栄養素が関わっているため、いろいろな食品からバランス良く栄養を摂取することが重要です。
朝食にはヨーグルトにナッツやフルーツをトッピングしたり、昼食には野菜サラダに豆腐を加えたり、夕食には魚(特に脂ののった魚)と緑黄色野菜をメインにするなど、毎日の食事を工夫してみましょう。
以下の記事では、骨粗鬆症を悪化させる可能性のある食べ物や成分について、より具体的に解説していますので、併せてご覧ください。
>>骨粗鬆症で食べてはいけないものは?悪化を防ぐ食事のポイントを解説
骨を丈夫にするためには、カルシウムやビタミンDなどの栄養を摂るだけでなく、日々の生活習慣も大切です。骨の健康を保つために、食事以外にできることをいくつかご紹介します。毎日の生活の中に、簡単に取り入れられるものばかりですので、ぜひ今日から意識してみてください。
骨粗鬆症予防のための食事以外の生活習慣で大切なことは以下のとおりです。
適度な運動は、骨の健康維持に役立つとされています。運動によって骨に負荷がかかると、骨芽細胞と呼ばれる骨を作る細胞が活発になり、骨密度が向上するのです。骨粗鬆症の予防には、ウォーキングやジョギングなどの体重負荷運動と、筋力トレーニングなどの抵抗運動が効果的です。
ウォーキングやジョギングや階段の上り下り、縄跳び、ダンスなどは、骨に直接負荷がかかるため、骨密度を高める効果が高い運動です。近所の公園を散歩したり、毎日の通勤経路に階段を取り入れたりするなど、日常生活の中で無理なく続けられる方法を見つけましょう。
筋力トレーニングやダンベル体操、ゴムチューブを使った運動などは抵抗運動と呼ばれ、筋肉を鍛えることで骨への負担を軽減し、転倒や骨折の予防につながります。高齢になると、筋力の低下に伴い転倒しやすくなり、骨折のリスクも高まります。
運動は、骨の健康だけでなく、生活習慣病の予防や精神的な健康にも良い影響を与えます。無理のない範囲で、楽しみながら続けられる運動を見つけ、習慣づけるようにしましょう。運動を始める際は、必要に応じて医師にご相談ください。
ビタミンDは、日光を浴びることで皮膚で生成されます。1日15分ほど、日光浴をするのがおすすめです。
日光浴をする際には、いくつかの注意点があります。日焼け止めを塗るとビタミンDの生成が阻害されるため、日光浴をする際は日焼け止めを塗らないようにしましょう。ただし、長時間の日光浴は皮膚がんのリスクを高めるため、避けなければなりません。
冬場や日照時間の短い地域では、日光浴だけでは十分なビタミンDを生成できない場合があります。ビタミンDの血中濃度が低い場合は、医師に相談し、必要に応じてサプリメントなどで補うことも検討しましょう。
タバコに含まれるニコチンは、骨芽細胞の働きを阻害し、破骨細胞と呼ばれる骨を壊す細胞の働きを促進する作用があります。喫煙は骨密度を低下させ、骨折のリスクを高めるため、禁煙することが重要です。
禁煙は健康的な生活習慣の一つとして考えられています。禁煙について気になる方は、医療機関にご相談ください。禁煙は難しいと感じる方もいますが、禁煙外来などを利用することで、成功率を高めることができます。
当院では、禁煙外来を実施しています。禁煙したいと考えている方は一度ご相談ください。
>>禁煙外来 | 大石内科循環器科医院
極端な低体重は、骨密度を低下させ、骨粗鬆症のリスクを高める可能性があります。骨の形成に必要な栄養素が不足しやすいためです。肥満もまた、骨への過剰な負担がかかり、骨折のリスクを高める可能性があります。適正体重を維持することは、骨の健康を保つうえで重要な要素です。
適正体重は、BMI(ボディマス指数)を用いて評価することができます。BMIは、体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m) で計算できます。BMIが18.5~25の範囲内であれば、適正体重とされています。BMIが18.5未満の場合は低体重、25以上は過体重、30以上は肥満とされています。適正体重を維持するためには、バランスの取れた食事と適度な運動が不可欠です。
骨密度検査は、骨の状態を知るための検査の一つです。主に踵骨(かかと)や腰椎、大腿骨頸部(太ももの付け根)で行われます。検査自体は痛みを伴わず、短時間で終了します。検査結果の数値は、若年成人の平均値と比較して評価され、骨粗鬆症の重症度を判断する指標となります。ご自身の骨の健康について気になることがありましたら、医療機関にご相談ください。
骨粗鬆症と食べ物には深い関係があり、毎日の食事で予防・改善に取り組むことができます。骨の健康に欠かせない栄養素は以下のとおりです。
牛乳やヨーグルトなどの乳製品、小魚、緑黄色野菜、大豆製品などをバランス良く摂り入れるように心がけましょう。リンや塩分、アルコール、カフェインの過剰摂取は骨粗鬆症を悪化させる可能性があります。加工食品やインスタント食品、清涼飲料水、塩辛いもの、お酒の飲みすぎには注意が必要です。
骨粗鬆症の予防に効果的な生活習慣は以下のとおりです。
閉経後の女性や高齢者の方は、定期的な骨密度検査を受け、早期発見・治療に努めましょう。毎日の生活習慣を少し見直すことで、将来の健康を守り、いつまでも元気に過ごせるように心がけましょう。
以下の記事では、骨粗鬆症を放置してはいけない理由や初期症状、治療法などを網羅的に解説していますので、併せてご確認ください。
>>骨粗鬆症について
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