「動脈硬化」という言葉を耳にしたことはありますか? 心臓から全身に血液を送る血管が、まるで水道管のように、年月を重ねるごとに硬くなってしまう病気です。 放置すると心臓発作や脳卒中といった命に関わる病気を引き起こす可能性もあるため、決して軽視できません。 しかし動脈硬化は自覚症状が出にくいことが多く、気づいたときにはすでに進行していることも。
この記事では、動脈硬化のメカニズム、リスクファクター、症状、検査方法、治療法、そして予防方法について詳しく解説していきます。
体の中には心臓から血液を全身に送るための「動脈」という血管が、網目のように張り巡らされています。 これはまるで、家まで水を届ける水道管のようなものです。
水道管も長い間使い続けるとサビついたり、汚れが溜まったりしますよね? 動脈もこれと同じように年を重ねるにつれて、だんだん硬くもろくなります。 これが「動脈硬化」です。
さらに血管の内側には、コレステロールや中性脂肪といった体に必要な栄養素が、長年の間に少しずつ溜まっていきます。 これは水道管の内側に、サビや汚れがこびりついていく様子に似ています。
これらの変化により血液の通り道が狭くなったり、詰まってしまったりしてしまいます。 こうなると血液がスムーズに流れなくなり、体に様々な不調が現れます。
例えば心臓に血液を送る血管が動脈硬化を起こすと、胸が締め付けられるような「狭心症」や最悪の場合は心臓の筋肉が壊死してしまう「心筋梗塞」といった命に関わる病気になってしまうこともあります。
動脈硬化は心臓だけでなく、脳や足など体の様々な場所で起こる可能性があります。 動脈硬化が進むと命に関わる病気を引き起こすリスクが高くなるため、注意が必要です。
動脈硬化は血管の「老化現象」とも言えますが、いくつかの要因が重なることでその発症リスクがさらに高まります。ご自身の生活習慣を振り返りながら、予防意識を高めていきましょう。
血管に高い圧力がかかり続けると、血管の内壁はダメージを受けやすくなります。これは、風船を想像してみてください。常にパンパンに膨らませた状態だと、ゴムが薄くなって破れやすくなるのと同じです。高血圧はこの風船への圧力を高くし続けるようなもので、血管を傷つけやすくします。
そして、傷ついた血管の内壁には、コレステロールなどが溜まりやすくなります。これは、傷口にゴミが溜まっていく様子をイメージすると分かりやすいでしょう。高コレステロールはまさにこの「ゴミ」のようなもので、血管の内側にこびりつき、動脈硬化を引き起こします。
高血圧と高コレステロールは動脈硬化の大きなリスクファクターであり、これらを放置すると心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わる病気を引き起こす可能性もあります。
タバコに含まれるニコチンは、血管を収縮させ、血流を悪くします。これは、水道管をぎゅっと締め付けるのと同じように、血管への負担が大きくなってしまいます。さらに、タバコの煙には、血管を傷つける有害物質が多数含まれています。これらの物質が、動脈硬化を進行させる原因となります。
また、肥満も、動脈硬化のリスクを高める大きな要因です。肥満の人は、そうでない人と比べて、高血圧や高脂血症になりやすい傾向があります。特に、内臓脂肪が過剰に蓄積すると、血管を炎症させる物質が分泌され、動脈硬化を促進することが分かっています。
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動脈硬化は生活習慣病とも呼ばれるように、生活習慣の影響を大きく受けますが遺伝や年齢も関係します。
親や兄弟など家族に、動脈硬化症の人がいる場合は注意が必要です。遺伝的にコレステロール値が高くなりやすい体質などを受け継いでいる可能性があります。
また、年齢を重ねるにつれて血管は徐々に硬く、もろくなっていきます。これは、長年使い続けたゴムホースが硬くなってひび割れやすくなるのと同じようなイメージです。
動脈硬化は血管の老化現象とも例えられ、自覚症状がほとんどないまま静かに進行することが特徴です。まるで水道管の内側に徐々にサビが溜まっていくように、血管の内側にコレステロールや脂肪などが溜まり血管が硬くなって弾力を失っていきます。
初期段階では異常に気付くことは難しく、健康診断などで指摘されるまで知らない場合も多いです。しかし、動脈硬化が進行すると血管が狭窄や閉塞をきたし様々な症状が出現します。
心臓の血管である冠動脈で動脈硬化が進むと、狭心症や心筋梗塞といった心臓病のリスクが高まります。
狭心症は心臓の筋肉に酸素を供給する冠動脈が狭くなり、血液の流れが悪くなることで起こります。運動時や階段を上る時など、心臓に負担がかかると胸に痛みが生じます。これは心臓が「もっと酸素をくれー!」と悲鳴を上げている状態です。症状は締め付けられるような、圧迫されるような痛みと表現されることが多く数分から十数分で治まるのが特徴です。
一方、心筋梗塞は冠動脈が完全に詰まってしまい、心臓の筋肉に血液が全く届かなくなる恐ろしい病気です。狭心症よりも重症で突然、激しい胸の痛みに襲われます。まるで心臓がギュッと握りつぶされるような、焼けつくような痛みと表現されることもあります。冷や汗や吐き気、呼吸困難を伴うこともあり一刻を争う事態となるため緊急の治療が必要です。
病気 | 症状 |
---|---|
狭心症 | 運動時や食事後の胸の痛みや圧迫感、安静にすると症状が治まることが多い。 |
心筋梗塞 | 激しい胸の痛みや圧迫感が長時間続く、冷や汗・吐き気・呼吸困難・意識消失などを伴うこともある。 |
首の両側を通っている頚動脈は、脳に血液を送る重要なパイプラインです。このパイプラインである頚動脈で動脈硬化が進むと、脳梗塞のリスクが高まります。脳梗塞は脳の血管が詰まってしまい、脳細胞に栄養や酸素が行き渡らなくなる病気です。
頚動脈が狭窄すると脳への血液の流れが滞り、一過性脳虚血発作(TIA)と呼ばれる症状が現れることがあります。TIAは脳梗塞の前触れとも言えるもので、手足のしびれや麻痺・言葉のもつれ・ろれつが回らない・ものが二重に見えるなどの症状が一時的に現れます。症状は数分から数時間で治まりますが、決して軽視してはいけません。
病気 | 症状 |
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一過性脳虚血発作(TIA) | 手足のしびれや麻痺・言葉のもつれ・ろれつが回らない・視野が狭くなるなどの症状が一時的に現れる。 |
脳梗塞 | 手足の麻痺・言葉障害・意識障害・視野障害など、症状は様々で詰まった血管によって症状が異なる。 |
動脈硬化は全身の血管で起こる可能性があり、心臓や脳だけでなく足の血管・腎臓の血管などでも発生します。
足の血管で動脈硬化が起こると、閉塞性動脈硬化症を発症することがあります。これは足の血管が狭窄したり詰まったりすることで、足に十分な血液が流れなくなる病気です。初期症状としては歩行時や階段の上り下りなど、足に負担がかかった時にふくらはぎや太ももなどに痛みやしびれを感じることがあります。休憩すると症状が和らぐのが特徴です。重症化すると安静時にも痛みが出たり皮膚の色が変化したり、潰瘍ができたりすることがあります。
腎臓の血管で動脈硬化が起こると、腎臓の働きが徐々に低下し腎不全に至ることがあります。腎臓は血液中の老廃物を濾過して、尿として排出する働きをしています。動脈硬化によって腎臓への血液の流れが悪くなると、腎臓は正常に機能することができなくなり、老廃物が体内に溜まってしまいます。
動脈硬化は自覚症状が出にくい病気ですが、放置すると命に関わる病気を引き起こす可能性があります。生活習慣を見直し、動脈硬化を予防することが大切です。
動脈硬化は自覚症状がないまま進行することが多いため、早期発見のためには検査が重要です。ここでは、動脈硬化の検査方法と診断方法について解説していきます。
皆さんは健康診断で血液検査を受けたことはありますか? 血液検査では体の中に流れる血液を調べることで、様々な病気のサインを見つけることができます。動脈硬化の場合も、血液検査である程度の予測ができます。
動脈硬化と深い関係にあるのが「コレステロール」です。コレステロールは細胞の膜やホルモンを作るために必要な物質ですが、血液中に増えすぎると血管の内側に溜まってしまい動脈硬化を引き起こす原因となります。
このコレステロールには体に良い「善玉コレステロール(HDLコレステロール)」と、体に悪い「悪玉コレステロール(LDLコレステロール)」の2種類があります。
例えば善玉コレステロールは、血管に溜まった悪玉コレステロールを回収してくれる掃除屋さんみたいなものです。一方で悪玉コレステロールは、血管の壁にゴミを溜め込んでしまういたずらっ子のようなものです。 血液検査ではこの善玉コレステロールと悪玉コレステロールのバランスを調べることで、動脈硬化のリスクを評価します。
その他にも糖尿病に関連する血糖値やHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)といった項目も、動脈硬化のリスク評価に役立ちます。糖尿病は血管を傷つけやすく、動脈硬化を進行させる大きな要因の一つです。甘いものを食べ過ぎると糖尿病になりやすいので注意が必要です。
心電図検査は心臓に電極を付け、心臓の電気的な活動状態を記録する検査です。動脈硬化が進行すると心臓に負担がかかり、心臓の動きにも異常が現れることがあります。
例えば狭心症という病気は心臓に栄養を送る冠動脈という血管が動脈硬化で狭くなることで、心臓に十分な血液が流れなくなる病気です。心電図検査ではこの狭心症の兆候を、早期に発見することができます。
エコー検査では、超音波を使って心臓や血管の様子を画像で確認します。心臓のエコー検査では心臓の動きや弁の状態、心臓の筋肉の厚さなどを確認することで動脈硬化によって心臓に負担がかかっていないかを調べます。
また頚動脈エコー検査では、首にある頚動脈の血管壁の厚さやプラークの有無を調べることができます。プラークとは、コレステロールなどが溜まって血管の内側にできた粥状の塊のことです。プラークは血管を水道管に例えると、水道管の内側に溜まったサビのようなものです。プラークが大きくなると血管が狭くなり血流が悪くなることで、脳梗塞などを引き起こすリスクが高まります。
冠動脈造影検査は心臓の冠動脈という血管に造影剤という特殊な薬を流し込み、X線撮影を行い冠動脈の狭窄や閉塞の有無を調べる検査です。カテーテルと呼ばれる細い管を腕や足の血管から挿入し、心臓の冠動脈まで進めて検査を行います。
CTアンギオグラフィは造影剤を注射し、CTスキャンを行い冠動脈を含む全身の血管を立体的に描出する検査です。冠動脈造影検査と比較して身体への負担が少なく、外来で検査が受けられるというメリットがあります。
これらの検査は、動脈硬化の程度や血管の状態を正確に把握するために有効な手段となります。医師の指示に従って、適切な検査を受けるようにしましょう。
動脈硬化は自覚症状がないまま進行することが多く、気づいたときには病気がかなり進行していることもあります。しかし早期発見・早期治療によって、進行を遅らせたり合併症を予防したりすることが可能です。ここでは動脈硬化の治療法について、わかりやすく解説していきます。
動脈硬化の治療の基本は、生活習慣の改善です。 「生活習慣病」という言葉もあるように、動脈硬化は毎日の生活習慣と密接に関係しています。 家の水道管が古くなってサビで詰まっていくように、血管も長年の生活習慣によって徐々に硬く狭くなっていくのです。
動脈硬化を予防するための食事療法は、まるで血管を掃除するようなイメージです。 体に悪いものを溜め込まないように、そして血管を柔らかく保つために毎日の食事の内容を見直してみましょう。
運動は、血管にポンプで勢いよく水を流すようなイメージです。 運動不足は、血管の老化を早める原因となります。
生活習慣の改善だけでは十分な効果が得られない場合や、動脈硬化が進行している場合には薬物療法が行われます。薬物療法は動脈硬化が進行することを抑えたり、合併症を予防したりする効果が期待できます。
スタチン系薬剤は、血管の掃除屋さんを助ける薬です。 私たちの体では肝臓でコレステロールが作られていますが、スタチン系薬剤はこのコレステロールの合成を抑える働きがあります。 その結果、血液中の悪玉コレステロール(LDLコレステロール)値を低下させ動脈硬化の予防や治療に効果を発揮します。
RAS阻害薬は、血管をしなやかに保つ薬です。 血管は様々な要因で収縮し、硬くなってしまいます。 RAS阻害薬は血管を収縮させるホルモンの働きを抑え、血管をしなやかに保つことで血圧を下げ動脈硬化の進行を抑制します。
カルシウム拮抗薬も、血管をしなやかに保つ薬の一つです。 カルシウムは血管を収縮させる働きがあります。カルシウム拮抗薬はこのカルシウムの働きを抑えることで、血管を拡張し血圧を下げます。
4. その他の薬剤
糖尿病や脂質異常症など動脈硬化のリスク因子となる病気がある場合には、それぞれの病気に対する治療薬も併用されます。 動脈硬化は様々な病気と関連しているため、それぞれの病気の治療をすることも重要です。
動脈硬化が進行し血管が狭窄したり閉塞したりした場合には、カテーテル治療や外科的治療が必要となることがあります。それらの治療は、動脈硬化によって狭くなった血管を直接治療する方法です。
心臓の筋肉に血液を送る冠動脈が、狭窄または閉塞した場合に行われる手術です。 心臓は全身に血液を送るポンプのような役割をしていますが、心臓自身も栄養や酸素を必要とします。
冠動脈は心臓自身に栄養や酸素を供給する血管で、動脈硬化によって狭窄したり閉塞したりすると心臓に十分な血液が供給されなくなります。 冠動脈バイパス手術は別の血管を移植して、血液の流れを迂回させるバイパスを作り心臓への血流を改善する手術です。
心臓カテーテル検査を行いながら風船のついたカテーテルやステントと呼ばれる金属製の網状の筒を用いて、狭窄した冠動脈を拡張する治療法です。
心臓カテーテル検査は足の付け根や腕の血管から細い管(カテーテル)を挿入し、心臓まで進めて検査や治療を行う方法です。 PCIはこのカテーテルを用いて、狭窄した冠動脈を拡張する治療法です。
これらの治療法は患者さんの状態や動脈硬化の進行度合いによって、適切なものが選択されます。 動脈硬化は、放っておくと心筋梗塞や脳梗塞など、生命に関わる病気を引き起こす可能性があります。
早期発見・早期治療が重要ですので、気になる症状があれば早めに当院へ受診してください。
動脈硬化は自覚症状がないまま進行することが多いため、日頃から予防を心がけることが大切です。ここでは動脈硬化の予防と進行を遅らせるためにできる、具体的な生活習慣改善方法をご紹介します。
動脈硬化の予防には、食事の内容や運動習慣を見直すことが重要です。次のポイントを参考に、できることから始めてみましょう。
運動の種類 | 時間 |
---|---|
ウォーキング | 30分 |
ジョギング | 20分 |
水泳 | 30分 |
筋トレ | 10分 |
ストレスや喫煙も、動脈硬化のリスクを高める要因となります。
当院では禁煙外来の受診が可能ですので、お気軽にご相談下さい。
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動脈硬化は初期段階では自覚症状が出にくいため、定期的な健康チェックで早期発見することが重要です。
動脈硬化は、生活習慣病と深く関わっています。生活習慣を見直し動脈硬化を予防することで、健康で長生きを目指しましょう。
動脈硬化はそれ自体が命に関わる病気ではありませんが、血管の老化現象とも言え様々な病気を引き起こす原因となるため注意が必要です。
動脈硬化が進行すると、血管の内側にコブのようなものができます。これは血管の中を流れる血液中のコレステロールや、脂肪などが溜まってできたもので「プラーク」と呼ばれます。プラークによって血管が狭くなったり詰まったりすると、血液の流れが悪くなり様々な臓器に影響が出ます。
例えば脳の血管が詰まると、脳梗塞を引き起こします。脳梗塞は意識障害や言語障害・運動麻痺など、後遺症が残る可能性も高い病気です。私が診察した患者さんの中にも、脳梗塞を発症してしまい右半身に麻痺が残ってしまった方がいらっしゃいました。
また心臓の血管が詰まると、心筋梗塞を引き起こします。心筋梗塞は激しい胸の痛みや呼吸困難などを引き起こし、突然死の原因となることもあります。心筋梗塞は心臓の筋肉が壊死してしまう恐ろしい病気で、早期発見・早期治療が重要です。
心臓は全身に血液を送り出す、ポンプのような役割を担っています。動脈硬化が進行すると心臓に血液を送り出す冠動脈も硬く狭くなってしまい、十分な血液を送り出すことができなくなります。
その結果、心臓は酸素不足に陥り狭心症や心不全といった病気を引き起こします。狭心症は運動時やストレスを感じた時などに、胸の痛みや圧迫感などの症状が現れます。心不全は、動悸や息切れ・疲れやすくなるなどの症状が現れます。
動脈硬化は、腎臓や足の血管にも影響を及ぼします。腎臓は血液をろ過して、老廃物や余分な水分を尿として排出する役割を担っています。腎臓の血管が動脈硬化によって狭くなると、腎臓に十分な血液が供給されなくなり腎機能が低下します。
これを放置すると最終的には、人工透析が必要になる腎不全に至ることもあります。また足の血管が動脈硬化によって狭くなると足の血行が悪くなり、足のしびれや冷え・痛みなどの症状が現れます。さらに進行すると、足の組織が壊死してしまうこともあります。
動脈硬化は、自覚症状がないまま進行することが多く、気づいたときには重症化している場合もあります。日頃から生活習慣に気をつけ、動脈硬化を予防することが大切です。
動脈硬化はまるで血管の老化現象とも言える病気ですが、実は単独で発生するよりも他の病気と深く結びついている場合が多いのです。これはいくつかの病気がまるで手を取り合うように動脈硬化をさらに悪化させたり、逆に動脈硬化が原因となって他の病気を引き起こしたりする可能性があることを意味します。
糖尿病と高血圧は、動脈硬化と切っても切れない関係を持つ病気です。例えるならこの三つ巴の関係は、悪ガキ三人組がいたずらをして家(血管)をボロボロにしていくようなものです。
糖尿病は、血液中のブドウ糖(砂糖)が多すぎる病気です。この過剰な糖は血管の内側を傷つけ、まるで紙やすりでこすったようにザラザラにしてしまいます。するとそこにコレステロールなどの物質が付着しやすくなり、動脈硬化を引き起こしやすくなるのです。
高血圧は、血管に常に高い圧力がかかっている状態です。これは毎日タイヤに空気入れでパンパンに空気を入れ続けるようなもので、血管に大きな負担がかかります。その結果、血管の内側が傷つき動脈硬化へとつながってしまうのです。
動脈硬化・糖尿病・高血圧。この悪ガキ三人組は互いに悪影響を及ぼし合い、病気をさらに悪化させていきます。例えば動脈硬化が進むと血管が硬くなり、血液を送り出すために心臓はより一層頑張らなければなりません。すると心臓に負担がかかり、高血圧が悪化してしまうのです。
病気 | 特徴 |
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糖尿病 | 血液中の糖分が多すぎる病気 |
高血圧 | 血管に常に高い圧力がかかっている状態 |
脂肪肝やメタボリックシンドロームも、動脈硬化と深く関係しています。脂肪肝は、肝臓に脂肪が過剰に溜まった状態です。フォアグラは高級食材として知られていますが、あれはアヒルやガチョウに無理やり脂肪を蓄積させた状態。人間にとっても肝臓は本来脂肪を蓄える場所ではないため、脂肪肝になると様々な問題を引き起こします。
メタボリックシンドロームは、内臓脂肪型肥満に加えて高血圧・糖・脂質代謝異常などの危険因子が複数重なった状態です。これはまるで体に爆弾を抱えているようなもので、動脈硬化だけでなく心臓病や脳卒中などのリスクを大幅に高めます。
脂肪肝やメタボリックシンドロームになると血液中の悪玉コレステロールが増えたり、善玉コレステロールが減ったりするなど脂質代謝異常が起こりやすくなります。悪玉コレステロールは血管の内側にへばりつきやすく、動脈硬化を進行させる原因となります。まるで水道のパイプに油汚れがこびりついていくように、血管が狭くなってしまうイメージです。
病気 | 特徴 |
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脂肪肝 | 血肝臓に脂肪が過剰に蓄積した状態 |
メタボリックシンドローム | 内臓脂肪型肥満に加えて、高血圧・高血糖・脂質代謝異常などの危険因子が重なった状態 |
動脈硬化は自覚症状がないまま進行することが多いため、早期発見のためには定期的な健康チェックが欠かせません。
健康診断などで動脈硬化の疑いを指摘された場合や、動脈硬化の症状が気になる場合はぜひ当院にご相談下さい。当院では問診・診察・血液検査・画像検査などを行い、動脈硬化の程度や原因・合併症の有無などを詳しく調べた上で、患者さん一人ひとりに最適な治療法を提案いたします。
動脈硬化は、血管が硬くなって弾力を失う病気です。 心臓や脳の血管だけでなく、足の血管や腎臓の血管など全身の血管で起こる可能性があります。
動脈硬化は、高血圧・高コレステロール・喫煙・肥満・遺伝などの要因が複合的に影響して発症します。 初期症状はほとんどないため健康診断などで発見されることが多く、放置すると心筋梗塞や脳梗塞などの深刻な病気を引き起こす可能性があります。
動脈硬化の予防には、バランスの取れた食事・適度な運動・禁煙・ストレス管理などが大切です。 早期発見・早期治療が重要であり、気になる症状があれば当院にご相談下さい。