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認知症(もの忘れ)外来では「すぐに忘れてしまう」といった認知症のような症状が「加齢に伴う正常なもの忘れ」なのか、「認知症の入り口」なのかを診断します。
ご自身やご家族の方が「なにかおかしい」と感じたら、なるべく早めに当院の認知症(もの忘れ)外来にご相談ください。
認知症は早期発見・早期治療が非常に重要です。一部の認知症に関しては早めに治療することで、改善したり進行を遅らせたりすることができます。
認知症は、1度発達した認知機能が、脳の病気などによって認知機能が低下して、社会生活や日常生活に支障をきたしている状態です。
加齢によって認知症の増加傾向になり、65歳以上の方に発症率が高く、85歳以上では4人に1人程度に認知症の症状が出てくるといわれています。
認知症は主に4つに分類されます
アルツハイマー型認知症は、認知症の種類の中でも最も多く、7割程度を占めています。
原因は、脳の神経細胞にアミロイドβやタウタンパク質がたまり、これらが神経細胞を破壊して、脳が萎縮することで発症します。
アミロイドβやタウタンパク質が蓄積する要因は加齢や遺伝などが関係していると考えられていますが、具体的な原因は分かっていません。
ただし、高血圧や糖尿病の方がアルツハイマー型認知症の傾向があることから、予防するためには、生活習慣の改善が効果的なことが分かってきました。
アルツハイマー型認知症の方は、もの忘れの症状が出てきて、新しいことを覚えることが難しくなります。
また、症状が進行すると、日付が分からなくなったり、食事をしたことを忘れてしまったりする場合があります。
新しい記憶から徐々に無くなっていき、進行すると「性格の変化」「徘徊」「失禁」などの症状が出てきて、周りの人の全面的なサポートが必要になります。
血管性認知症は、全体の2割程度を占めており、アルツハイマー認知症に次いで多い認知症です。
原因は、脳出血や脳梗塞などの疾患により、脳細胞が破壊されて引き起こされ発症します。
脳梗塞や脳出血は、高血圧や糖尿病などの生活習慣病が原因で発症するため、予防するためには生活習慣を改善して、血管の障害を予防しましょう。
血管性認知症は、発症した部位によって症状が異なります。
症状としては、「歩行障害」「手足のしびれ」「排尿障害」「麻痺」「言語障害」「不眠」などがあり、血管の障害が起きるたびの症状が強くなっていきます。
そのため、血管の症状を緩和させるために、食生活や生活習慣の改善、リハビリテーションなどで再発を予防することが大切です。
レビー小体型認知症は、「レビー小体」というたんぱく質が脳にたまり、脳細胞を破壊することで発症します。
睡眠中に身体が激しく動く、手足の震え、歩行障害、身体のこわばりなどの症状が出ます。
また、うつ症状や存在しない物が見える幻覚などを伴うこともあります。
判断力や認知力などは変動しやすく、頭がはっきりしている時とぼーっとしている時を繰り返しながら症状が進行していきます。態度や気分がころころ変わる特徴もみられます。
脳の中の前頭葉や側頭葉の神経細胞が萎縮して徐々に進行する認知症です。
人格の変化、言語障害、行動障害などのさまざまな症状が出ます。
65歳未満の若い世代に発症することもあり、初期には物忘れ症状ではなく、人格の変化、言語障害、行動障害などの症状が多いため、発見が遅れるケースも少なくありません。
また、周囲の状況をみることができず、同じパターンの言動を繰り返したり、時間に固執したりするケースもあります。
症状が進行すると、物の名前が認識できなくなり、言葉が出なくなっていきます。
もの忘れなどの症状がありますが、会話もできますし、周囲がサポートをすることで、日常生活を送ることは可能です。
見当識障害が進行して、場所の認識が難しくなってきます。そのため、徘徊が増加するのもこの段階です。入浴や着替えも自分で行うことが難しくなるなど、サポートの必要が増えてきます。
時間や場所だけでなく人の認識が難しくなり、家族の方でも誰だか分からなくなってしまうケースもあります。
トイレも難しくなってしまい、失禁することも増えてきます。
言語機能もさらに低下してしまい、歩くことや座ることも困難になってきます。
認知症の検査の場合でも、通常の問診と同じように身体検査・画像診断検査・神経心理学検査などが行われます。
認知症だけでなく、さまざまな病気の可能性を考えて、血液検査・レントゲン検査・心電図検査・感染症検査などを行います。
今後の治療計画を立てるために、ほかの疾患がないかも確認していきます。
CTやMRI画像を元にして、脳の萎縮度を診断します。
また、脳の糖代謝や脳の血流検査なども合わせて行う場合があります。
レビー小体型認知症を診断するために、MTBGシンチグラフィーという検査を行う場合があります。
認知機能を測定するために、質問の回答や作業を行うことで検査します。
基準を下回ると認知症が疑われますが、抵抗や不安などで正しく検査ができない場合があるので、認知症の一つの資料として検討されます。
認知症の原因によって治療法が異なります。
レビー小体型認知症・アルツハイマー型認知症・前頭側頭変形症の3種類の認知症の根本的な治療は確立されていません。
これらは、細胞が変形したりして脳の機能が低下して認知症が進行していきます。
原因に対してアプローチすることはできませんが、進行を遅らせることはできます。
活動や運動を通して、日常生活に必要な機能の訓練を行います。
歩くこと、寝返ること、階段の上り降りなど日常生活で必要な筋力をトレーニングします。
また、料理や掃除などを通して、指先を使ったり、認知機能を回復させたりするリハビリテーションを行います。
大石内科循環器科医院の認知症対応リハビリテーション(運動教室)はこちら
また、季節を感じて認識しやすくするために、季節の行事も取り入れていきます。
認知症は、高血圧や糖尿病、高脂血症、などの生活習慣病、喫煙、睡眠時無呼吸症候群、飲酒と深い関わりがあるといわれています。
当院は長年認知症診療に携わってきており、現在たくさんの認知症患者様の診療にあたっています。
運転免許証の更新時などの認知機能検査で医師の診断が必要な方へ、診断書の発行にも対応しております。
※診断書の発行は、お電話でのご予約不要です。
当院は、認知症対応型通所介護センターを併設しております。
そこでは、認知機能を維持・回復させるためのリハビリテーションを中心とした様々な活動を行っております。
また、認知症患者様にとって、様々な人との会話やコミュニケーションは非常に重要です。私たちは、人と人がつながる場づくりを行っており、そこに楽しく参加をしていただいております。
私たちは認知症の予防にも力を入れています。
認知症は、高血圧や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病、喫煙、睡眠時無呼吸症候群、飲酒などと深い関わりがあるといわれています。
当院では、循環器内科専門医、総合内科専門医が得意とする生活習慣病の管理に力をいれており、様々な運動教室や食事・栄養指導、禁煙外来、いびき・睡眠無呼吸外来なども開設しております。
また、将来の認知症の発症リスクを明らかにするMCI(軽度認知障害)スクリーニング検査を受診いただけます。
電話にて簡単な問診
受診
認知症にはいくつか種類があり、その原因に合わせて治療をすることが大切です。静岡市にお住いの方やご家族様で違和感をを感じたら、なるべく早く当院の「もの忘れ外来」受診をご予約ください。日常生活から改善できることを始めると、進行を遅らせることができる場合もあります。
また、薬で進行を抑えたり症状を緩和したりすることもできます。ご家族の方が負担にならないよう医療面のサポートを受けながら向き合っていきましょう。