大石内科循環器科医院

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静岡市葵区鷹匠2-6-1
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インフルエンザ

インフルエンザとは

インフルエンザとは、インフルエンザウイルスに感染することによって起こる病気です。このウイルスにはA型、B型、C型の3つの型があります。
このうち冬に流行する「季節性インフルエンザ」を引き起こす型は、A型とB型です。インフルエンザウイルスには様々な種類があるため、一度かかっても同じ年に違うインフルエンザウイルスに再び感染することがあります。
インフルエンザには、季節性インフルエンザ以外にも新型インフルエンザなど、世界的な大流行を引き起こしうるものが存在します。
新型インフルエンザとは、季節性インフルエンザと抗原性が大きく異なるインフルエンザで、一般の多くの方が免疫を獲得していないことから、全国的かつ急速なまん延により多くの方の生命および健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるものを指します。
季節性インフルエンザと異なり、ほとんどの方が初めて直面するタイプであるため有効な免疫を持っていません。そのため世界的な大流行を引き起こし、ウイルスの性質によっては死亡率も高くなる場合があります。2009年に大流行した新型インフルエンザ(H1N1型)は、日本だけでなく世界中で猛威をふるいました。

インフルエンザは、38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感等の症状が比較的急速に現れるのが特徴です。併せて普通の風邪と同じように、のどの痛み、鼻汁、咳等の症状も見られます。潜伏期間は1~5日(平均3日)で、長い時には10日に及ぶこともあります。

インフルエンザの感染経路

インフルエンザの感染経路は、接触感染と飛沫感染の主に2つになります。

飛沫感染
  1. 感染者のくしゃみや咳、つばなどの飛沫と一緒にウイルスが放出
  2. 別の人が、そのウイルスを口や鼻から吸い込み感染
接触感染
  1. 感染者が咳やくしゃみを手で押さえる
  2. その手で周りのものに触れてウイルスが付く
  3. 別の人が、その物を触ってウイルスが付着
  4. その手で口や鼻を触り粘膜から感染

インフルエンザ罹患による合併症の種類

インフルエンザにかかることによって、体力・抵抗力の低下などが起こり、様々な合併症を起こしやすくなります。特にお子様と高齢者の方は重症化しやすく、中でも、高齢者(こうれいしゃ)二次(にじ)(せい)細菌性(さいきんせい)肺炎(はいえん)といった合併症には注意が必要です。
※高齢者二次性細菌性肺炎:抵抗力が低下している高齢者がインフルエンザにかかると、気道粘膜に炎症が起こり、細菌が感染しやすく、重症化してしまう疾患のこと。

このような症状があれば当院までご相談ください

  • のどや咳、鼻水などの局所的な症状だけではなく、全身に強い倦怠感を感じる
  • 比較的ゆっくりではなく、急激に症状が現れた
  • 高熱、関節痛、筋肉痛があるなど

インフルエンザと疑われるときは安易に風邪と判断せず、早めに当院へお越しください。発症後48時間以内に抗ウイルス薬を服用すれば、症状が軽減され早期の回復が期待されます。

インフルエンザの検査

抗原迅速診断キットで確定診断を行います。鼻から長細い棒を入れて鼻咽頭から検体を採取したあと、迅速キットを用いてインフルエンザウイルスの有無をチェックします。結果は10〜15分ほどで判明します。

インフルエンザの治療

発症後48時間以内に抗インフルエンザウイルス薬を服用することにより、罹病期間を短くし、重症化を防ぐ効果があります。

インフルエンザの予防と対策

インフルエンザワクチンの接種をする

インフルエンザワクチンの接種は感染・重症化を予防し、健康被害を最小限にとどめるために有効です。日本のインフルエンザの流行は、12月下旬から3月上旬が中心です。
ワクチンの効果が現れるまでには通常2週間程度かかり、効果は約5か月続きます。

予防接種の接種回数については、13歳以上の方は原則1回接種としています。 ワクチンの添付文書には「13歳以上のものは1回または2回注射」と記載されています。健康な成人の方や基礎疾患(慢性疾患)のある方を対象に行われた研究から、インフルエンザワクチン0.5mLの1回接種で、2回接種と同等の抗体価の上昇が得られるとの報告があります。ただし医学的な理由により医師が2回接種を必要と判断した場合は、その限りではありません。なお、定期の予防接種は1回接種としています。
なお、定期の予防接種の対象となる方は以下の通りです。

  1. 65歳以上の方
  2. 60~64歳で心臓、腎臓若しくは呼吸器の機能に障害があり、身の回りの生活が極度に制限される方、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方(なお、インフルエンザワクチンと新型コロナワクチンは同日に接種することが可能です。)

13歳未満の方は、2回接種です。1回接種後よりも2回接種後の方がより高い抗体価の上昇が得られることから、日本ではインフルエンザワクチンの接種量及び接種回数は次の通りとなっています。なお1回目の接種時に12歳で2回目の接種時に13歳になっていた場合でも、12歳として考えて2回目の接種を行っていただいて差し支えありません。

外出後の手洗い・うがいを行う

流水・石鹸による手洗いは手指など体についたインフルエンザウイルスを物理的に除去するために有効な方法であり、インフルエンザに限らず接触や飛沫感染などを感染経路とする感染症の対策の基本です。インフルエンザウイルスにはアルコール製剤による手指衛生も効果があります。

出典:厚生労働省 感染症対策

適切な湿度を保持する

空気が乾燥すると、気道粘膜の防御機能が低下し、インフルエンザにかかりやすくなります。特に乾燥しやすい室内では、加湿器などを使って適切な湿度(50~60%)を保つことも効果的です。

十分な休養とバランスの摂れた食事をする

体の抵抗力を高めるために、十分な休養とバランスのとれた栄養摂取を日頃から心掛けましょう。

こまめに換気を行う

季節を問わず、また、新型コロナウイルス対策としても、十分な換気が重要です。
一般家庭でも建物に組み込まれている常時換気設備※や台所・洗面所の換気扇により、室温を大きく変動させることなく換気を行うことができます。常時換気設備や換気扇を常時運転し、最小限の換気量を確保しましょう。
※ 2003年7月以降に着工された住宅には「常時換気設備(24時間換気システム)」が設置されています。常時換気設備が設置されている場合には常に稼働させましょう。設置されていない建物でも、台所や洗面所などの換気扇を常時運転することで最小限の換気量は確保できます。

当院の発熱外来について

発熱・咳などの風邪症状がある患者様は「お電話による予約制」にて、一般外来とは別の診察室で診察を行います。院内感染防止のため、ご理解・ご協力いただきますようお願い申し上げます。
また、2024年1月に発熱外来を新たに設けました。通常の待合室とは別棟になり専用ブースで「診察待ち」→「診察」→「結果説明」→「会計待ち」→「会計」を一貫して行えます。発熱等でお困りの方は、当院の発熱外来をご利用下さい。



まとめ

インフルエンザは、身体へのダメージも多く、合併症の危険もあります。また安易に市販薬の解熱鎮痛薬を使用し、無理に熱を下げようとすることで、ウイルスの対抗力を下げインフルエンザ脳症の予後の悪化などにつながる恐れがあります。
まずはインフルエンザに罹患しないために、ワクチンを打ち予防していくことが大切です。
もしインフルエンザが疑われた場合は、お気軽に当院へお越しください。

参考文献: NIID 国立感染症研究所 アクセス (niid.go.jp)、厚生労働省令和5年度 今シーズンのインフルエンザ総合対策について|厚生労働省 (mhlw.go.jp)、MEDICMEDIA 病気がみえる 免疫・膠原病・感染症

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