大石内科循環器科医院

静岡市葵区鷹匠2-6-1 新静岡駅より 徒歩3分 駐車場あり

静岡市葵区鷹匠2-6-1
054-252-0585

禁煙外来

禁煙を決意したのに、全然続かなかった経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。

禁煙できないのは「意志が弱いから」ではありません。禁煙が持続できないのは「ニコチン依存」がご本人の意志による禁煙を難しくしているためです。

当院では「禁煙外来」を設けております。禁煙外来では、禁煙補助薬の使用や医師による禁煙指導などの医学的サポートを受けながら、禁煙を進めることが可能です。

医療機関での禁煙治療による禁煙成功率は、自力での禁煙と比べて約2〜3倍高まることが分かっています。禁煙がうまくいかなくて悩んでいる方は、お電話(054-252-0585)でご予約の上、お気軽にご相談ください。

禁煙外来とは?

禁煙外来とは「禁煙をサポートするための医療システム」です。 当院の禁煙外来では、ニコチン代替療法による薬物療法(貼り薬)と、患者様の日常指導を行っております。 一定の基準を満たす喫煙者には健康保険の保険適応がされます。 

禁煙外来による禁煙は、自力での禁煙より2〜3倍ほど成功率が高いです。禁煙をしたいのになかなか続かなかった方や、自分に禁煙は無理だと思っている人こそ禁煙外来をご検討ください。

当院の禁煙外来は、「予約制」となっております。まずは、お電話(054-252-0585)でお問い合わせください。

禁煙外来の検査・治療内容

禁煙外来では、以下のような検査・治療を通して、医学的にあなたの禁煙をサポートします。

検査内容

当院の禁煙外来では、2種類の検査を組み合わせて薬物依存の程度を測定します。

TDSスクリーンテスト

10問の質問に「はい」「いいえ」で答え、薬物依存を測るスクリーンテストです。5点以上で「ニコチン依存症」と診断されます。

TDSスクリーンテスト

各設問に対して当てはまる項目が5つ以上あると、ニコチン依存症の可能性があります。
  • 自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか。
  • 禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがありましたか。禁煙したり本数を減らそうとしたときに、タバコがほしくてほしくてたまらなくなることがありましたか。
    • イライラ
    • 眠気
    • 神経質
    • 胃のむかつき
    • 落ちつかない
    • 脈が遅い
    • 集中しにくい
    • 手のふるえ
    • 憂鬱
    • 頭痛
    • 食欲または体重増加
  • 上の症状を消すために、またタバコを吸い始めることがありましたか。
  • 重い病気にかかったときに、タバコはよくないとわかっているのに吸うことがありましたか。
  • タバコのために自分に健康問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか。
  • タバコのために自分に精神的問題が起きていると分かっていても、吸うことがありましたか。
    ※精神問題:禁煙や本数を減らした時に出現する離脱症状(いわゆる禁断症状)ではなく、喫煙することによって神経質になったり、不安や抑うつなどの症状が出現している状態を指します。
  • 自分はタバコに依存していると感じることがありましたか。
  • タバコが吸えないような仕事やつきあいを避けることが何度かありましたか。

※ニコチン依存症の診断は医師が行います。
※5つ以上「はい」がある場合はニコチン依存症の可能性が高く、健康保険の適用も可能なケースがありますので、直接ご来院いただき医師にご相談下さい。

呼気一酸化炭素濃度測定

呼気一酸化炭素濃度測定は、呼気(吐く息)を使って、喫煙による一酸化炭素の体内取り込み状況を調べる検査です。一酸化炭素の濃度は、喫煙から約3〜5時間で半分になるため、特に当日の喫煙状況の把握に効果的です。

初回の診察以外にも定期的に測定を実施し、喫煙への依存度を調べます。

(表)呼気一酸化炭素濃度測定の評価

治療内容

禁煙外来では、「身体的依存」「心理的依存」に対して、次の2つの治療を進めます。

薬物治療

身体的依存に対してはニコチン切れによる離脱症状を抑える「禁煙補助薬」が効果的です。現在、当院ではニコチンを含む貼り薬を用いています。

ニコチンを含む禁煙補助薬はニコチンパッチと呼ばれており「たばこを吸うという習慣を取り除く」ためのお薬です。ニコチンを含んだ貼り薬で、皮膚からニコチンをゆっくり吸収させ、貼って5分後くらいから効果が現れ始め、離脱症状を抑えます。

使用期間に合わせて徐々にサイズを小さくしていき、たばこから離れさせます。喫煙本数の多いヘビースモーカーの方に効果的です。ニコチンパッチはたばこと異なり、一酸化炭素やタールなどの有害物質は含まれません。

心理療法

禁煙治療を成功させるには、心理的依存も克服する必要があります。当院では、薬物療法だけでなく、医師・看護師による以下のようなカウンセリングやアドバイスを行っています。

  • 自己管理法
  • たばこが吸いたくなったときの対処法
  • 喫煙をしたくなる状況の予測

カウンセリングにより、禁煙のつらさを一人で抱えることなく禁煙を進められます。心理療法をうまく活用して、少ないストレスで禁煙を進めましょう。

禁煙治療にかかる費用

禁煙治療にかかる費用を解説します。静岡市にお住まいの方向けに補助制度もご案内します。

禁煙治療の保険適用要件

以下の要件をすべて満たす方は、禁煙治療を保険適用で受診可能です。

  • ニコチン依存症のTDSスクリーニングテストで5点以上
  • 35歳未満、または35歳以上かつブリンクマン指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上
  • すぐに禁煙することを希望されている方
  • 禁煙治療について説明を受け、文書で同意(署名など)された方

保険が適用できるかどうかは医師の判断が必要です。禁煙治療を希望する方は、まずは当院にお問い合わせください。

要件を満たさない場合でも、自由診療(自費診療)で禁煙治療を行えます。なお、過去に保険適用で禁煙治療を受けた方は、前回の治療の初回診察日から1年が経過していない場合も自由診療になります。

当院の禁煙治療の費用

保険適用の場合、3割負担の方は12週間の治療スケジュールで約1万5千円〜2万円です。1箱500円のたばこを1日1箱吸う場合、12週間でたばこ代は約4万2千円です。約3か月のたばこ代と比べて、禁煙治療にかかる費用の方がはるかに安く済みます。

※画像検査などを実施した場合は、別途費用が発生します。

ニコチンパッチ3割負担2割負担1割負担
初回診療
(14枚処方)
2,640円1,760円880円
2週間後(14枚処方)2,500円1,670円830円
4週間後
(28枚処方)
3,860円2,580円1,280円
8週間後
(処方なし)
550円370円180円
12週間後
(処方なし)
540円360円180円
(表)ニコチンパッチの保険適用での費用目安
チャンピックス錠3割負担2割負担1割負担
初回診療
(14日分処方)
2,630円1,750円880円
2週間後
(14日分処方)
3,070円2,050円1,020円
4週間後
(28日分処方)
5,170円3,450円1,720円
8週間後
(28日分処方)
5,170円3,450円1,720円
12週間後
(処方なし)
540円360円180円
(表)チャンピックス錠の保険適用での費用目安

※現在メーカーより出荷停止中につき、処方休止中

ただし、以下の場合には「自由診療(自費)」になります。

  • 保険適応の条件には当てはまらないけれど、同様の禁煙治療を希望される場合
  • 全5回の治療が終わっても、引き続き治療を希望される場合
  • 初回の治療開始から、1年以内に再度治療を希望される場合

静岡市 禁煙治療 補助制度のご案内

静岡市にお住いの方には、禁煙治療費の補助制度があります。(※2024年8月現在)

詳しく知りたい方は以下の記事もあわせてご覧ください。

ご存知ですか?禁煙治療の補助制度のご案内

予約方法・治療の流れ

禁煙外来の予約から治療の流れは以下のとおりです。禁煙に挑戦したい方は、まずはお気軽にご相談ください。

当院の「禁煙外来」受診〜治療の流れ
01

禁煙外来の受診予約

禁煙外来は予約制となっております。
お電話(054-252-0585)にて受診予約をしてください。
02

受診

03

診察前準備

  • 問診
    治療にあたり、既往症、お薬の服用状況、過去の禁煙経験、喫煙状況など詳しくお伺いします。
  • TDSスクリーンテストの実施
    ニコチン依存症を調べるテストをして、保険適用で治療が受けられるかを確認します。
04

初回診察

  • 問診
  • 呼気一酸化炭素濃度測定の実施
    吐く息に含まれる一酸化炭素濃度を測定して、当日の喫煙状況を確認します。
  • 禁煙治療に対する指導
    医師より、現在の健康状態を踏まえた禁煙治療に対するアドバイスを行います。
  • 禁煙補助薬の処方
    禁煙補助薬の選択を行い、処方します。
05

治療2回目以降

  • 呼気一酸化炭素濃度の測定
  • 禁煙補助薬の処方
  • 禁煙についてアドバイス・カウンセリング

例)禁煙で苦しい・つらいことはないか、禁煙補助薬に対する副作用はないかなど

禁煙外来(保険適用)では、12週間で5回の診察を受けることが標準的なスケジュールとなっています。
(図)禁煙治療の標準的スケジュール

よくある質問

禁煙外来でよくある質問をまとめます。

喫煙がやめられないのはなぜですか?

たばこがやめられない原因は「ニコチン依存(身体的依存)」と「心理的依存(条件反射)」です。

ニコチン依存(身体的依存)

たばこの煙の中には「ニコチン」と呼ばれる有害物質が含まれており、ニコチンが体内に入ると神経細胞から「ドーパミン」が放出されます。ドーパミンには快感を生じる作用があるため、たばこを吸うと快感を味わうようになります。

たばこを吸い続けるうちに、1本吸い終わってもすぐに次のたばこを吸いたくなるという悪循環が「ニコチン依存」の状態です。

(図)ニコチン依存のイメージ

心理的依存(条件反射)

心理的依存とは、喫煙によりイライラ・不安などが消えると感じたり「自分はたばこを吸っても病気にならない」と健康への影響を過小評価したりする「思い込み」のことです。休憩や食後の一服など癖・習慣となることも心理的依存といえます。

吸っている本人は喫煙により「良い面があった」と思い込んでいますが、実際はニコチン依存によりたばこを吸っているだけに過ぎません。

禁煙にはどんなメリットがありますか?

禁煙のメリットは以下のとおりです。

  • 身体の調子がよくなる
  • 目覚めがよくなる
  • 家族から喜ばれる
  • 何事にも自信が付く
  • ニコチン切れによるイライラ・ストレスがなくなる
  • 喫煙所を探す手間がいらなくなる
  • たばこ代が不要になることで、金銭的な余裕が生まれる

禁煙により、病気の有無や年齢にかかわらず、健康改善効果が期待できます。また、1箱500円のたばこを毎日1箱ずつ吸った場合、年間で18万円以上もの出費になります。禁煙や身体にもお財布にも優しい行動です。

禁煙外来はどんな人におすすめですか?

以下に当てはまる方は、禁煙外来の受診を検討してみてください。

  • 確実に禁煙をしたい
  • 一人での禁煙に不安がある
  • 楽に禁煙したい
  • 何度も自力で禁煙してみたが、成功できなかった

禁煙外来では、薬物療法を利用して離脱症状を抑えながら、禁煙を進めます。さらに、医師・看護師による禁煙のためのカウンセリング・アドバイスを受けられるので、禁煙のつらさを一人で抱え込まずに済み、結果として禁煙成功率が高まります。

禁煙治療の成功率を教えてください

日本医師会によると、12週間5回診察の標準的禁煙治療を終了した人に対し、禁煙状況を調査したところ、5回の指導終了まで禁煙を継続(4週間)できていた人は72.0%でした。治療終了によって少しずつ継続禁煙率は下がっていきましたが、6か月後でも53.7%の人が禁煙の継続ができていたと報告しています。

自分の意志だけで禁煙する場合の禁煙成功率の約5〜10%と比べると、医療機関による禁煙治療プログラムの成功率は高いと考えられます。

参考:すすめよう禁煙

禁煙治療中にたばこを吸いたくなったらどうしたらいいですか?

たばこを吸いたい気持ちが出てきたら、生活パターンを変えたり、喫煙環境を変えたりしましょう。他の動作をして気分転換をし、たばこに意識を向けないことが大切です。以下のポイントを意識してみましょう。

  • すぐに洗顔するなど、朝いちばんの行動順序を変える
  • たばこの代わりに別の行動をする(散歩、歯磨き、音楽を聴く等)
  • たばこ・ライター・灰皿など、身の回りにある禁煙具を処分する
  • たばこが吸える場所(喫茶店・パチンコ店・飲み屋など)を避ける
  • 周りの人に禁煙していることを話す

上記の方法以外にも、たばこを吸いたくなったら15秒だけ数えるのも効果的です。この方法は「タモリ方式」とも呼ばれています。1日60本以上喫煙していたタモリさんは「吸いたい欲望は15秒くらいしか続かない」と聞き、禁煙の際に実践して無事に成功したそうです。

「加熱式たばこ」「電子たばこ」は、紙巻きたばこと比べて、健康被害は少ないですか?

近年、煙や臭いが少ない「加熱式たばこ」「電子たばこ」が登場しており、国内外で安全性についての研究が進められています。日本禁煙学会・日本呼吸器学会によると、加熱式・電子たばこにもニコチンなどの有害物質は含まれています。

また、紙巻たばこと比べて量は少ないですが、煙・エアロゾルにも有害物質が含まれるため、喫煙者と受動喫煙者の健康に悪影響を及ぼす可能性は否定できないと報告されています。ただし、長期的な健康被害については、発売開始からの期間が浅いため、引き続き研究調査が必要とされています。

参考:加熱式タバコや電子タバコに関する日本呼吸器学会の見解と提言

禁煙したい方はお気軽にお問い合わせください

ひとりでの禁煙は難しいと感じる場合が多いです。しかし、禁煙外来なら医師や看護師による医学的なサポートを受けられるため、成功率が大幅に向上します。当院では、薬物療法とカウンセリングを通じて、禁煙を全力でサポートしています。

禁煙が難しいと感じる人こそ、禁煙外来がおすすめです。まずはお気軽にお電話(054-252-0585)にてご予約ください。