大石内科循環器科医院

静岡市葵区鷹匠2-6-1 新静岡駅より 徒歩3分 駐車場あり

静岡市葵区鷹匠2-6-1
054-252-0585

symptoms
症状から探す

頭痛

頭痛

1.頭痛とは

頭部の一部あるいは全体が痛むことを頭痛といいますが、後頭部と首(後頸部)の境界や眼の奥の痛みも頭痛として扱います。
頭痛といっても痛みの程度や痛みのある場所・持続時間など、人によって現れる症状は様々です。また頭痛には一時的に起こる頭痛もあれば、生命がおびやかされるような緊急性の高い危険な頭痛もあります。
よくある症状だからと放置せず、頭痛の原因や自分がどのタイプの頭痛なのか等を知るためにも、我慢せず当院へご相談ください。

2.頭痛の種類

頭痛の種類について、以下の図にまとめています。自分がどの頭痛のタイプなのか、ご参考にしてください。

頭痛は、主に一次性頭痛(慢性頭痛)と二次性頭痛(症候性頭痛)に分類できます。

一次性頭痛(慢性頭痛)について
一次性頭痛(慢性頭痛)とは、明らかな基礎疾患がない慢性的な頭痛のことで、命の危険はありません。しかし、人によっては痛みが突然襲ってくることもあり、日常生活への支障度が大きく、QOLの低下に影響を及ぼします。
一次性頭痛は、主に片頭痛、緊張型頭痛、偶発頭痛の3種類に分類されます。

3.片頭痛とは

片頭痛は男性の3.6%女性の12.9%が抱える神経性の疾患(1)で、男性よりも女性の方が多く特に30歳代女性に多いといわれています。

(1):Sakai F. et al, Cephalalgia. 1997;17:15-22


片頭痛の特徴:ズキンズキンという拍動性の痛みで、頭の片側(ときには両側)に起こります。また同時に起こる症状として、悪心や嘔吐・光過敏・音過敏を伴うことがあります。
片頭痛の前兆として閃輝暗点というものがあり、目の前にキラキラした光が出現して視野がぼやけるといった症状が特徴的です。

4.片頭痛治療薬の種類

片頭痛のメカニズムは様々提唱されていますが、その中でも代表的な説に「三叉神経血管説」といものがあります。
三叉神経血管説とはストレスや天気の変化など何らかの原因で脳の三叉神経が刺激され、痛みの原因物質が出るという説です。 三叉神経が刺激され、放出される物質で「CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)」というものがあります。
このCGRPが増えると脳血管が過度に拡張され、周囲の神経が圧迫されるために片頭痛が起こると考えられています。このCGRPを抑えることで予防効果が期待される薬剤として、エムガルティという注射薬があります。

出典:日本イーライリリー株式会社 エムガルティ適正使用ガイドP2より

エムガルティ

治療の流れは初回2本注射をし、2回目以降は1か月間隔で1本注射をしていきます。3か月で効果がなければ中止を考慮します。
投与方法は当院のような医療機関で注射する方法と、ご自身で注射をする方法(自己注射)をを選択することができます。
ただし誰でも使用できるわけではなく、片頭痛が過去3ヶ月間で平均して1ヶ月に4日以上起こる、従来の片頭痛予防薬では効果が不十分である、また内服の継続が困難であるなどといった条件に当てはまる方が対象となります。また18歳未満の使用はできません。

他にも予防薬(定期的に服用することで、片頭痛発作を予防する薬)としては以下のものがあります。

降圧薬(血圧を下げる薬)

片頭痛では血管拡張の前に一時的な血管収縮が起こります。この収縮を起こさないようにする目的で降圧薬が使われます。

1.ミグシス(塩酸ロメリジン)
片頭痛の基礎予防薬。Ca拮抗薬で大きく血圧が下がることは、あまりありません。副作用が極めて少なく、予防薬としての効果も高いため使用頻度の高い薬です。

2.インデラル(プロプラノロール)
βブロッカーで不整脈をコントロールしたりする薬です。こちらの薬も血圧が大きく下がることはあまりありません。妊婦さんにも服用可能な点がこの薬の特徴ですが、喘息をお持ちの方は服用できません。
また、急性期治療薬であるマクサルトと併用することができないため、インデラルを服用する際はマクサルト以外のトリプタン製剤を選択する必要があります。

3.ブロプレス(カンデサルタン)
アンジオテンシンII受容体拮抗薬。少量服用で難治性片頭痛に効果があるとされています。

抗てんかん薬

抗てんかん薬といっても片頭痛で使用する場合は、てんかんで使用する場合の量と比べると少量ですのでご安心ください。
ただし全体的に眠気がでやすいお薬なので、眠前に服用してもらうことが多いです。

1.セレニカ、デパケン(バルプロ酸)
予防効果が高く、使用する頻度の高い薬です。妊娠中は服用できないため(催奇形性のリスクあり)、妊娠の予定ができたときや意図せず妊娠してしまった場合はすぐにお知らせください。

2.トピナ(トピラマート)
トピナは保険上単独では処方できないため、他の抗てんかん薬と一緒に処方されます。

3.イーケプラ(レベチラセタム)
難治性片頭痛にも効く可能性が高いといわれている薬です。

抗うつ薬

トリプタノール(アミトリプチリン)、デプロメール、ルボックス(フルボキサミン)
抗うつ薬ですが抗てんかん薬と同様、片頭痛で使用する場合は少量で使います。片頭痛の予防だけではなく、緊張型頭痛にも効果があります。

漢方薬

片頭痛の予防薬としてよく使用される漢方は、主に5種類あります。

五苓散、葛根湯、釣藤散、桂枝人参湯、呉茱萸湯

片頭痛の急性期薬物療法(頭痛時に服用することで疼痛のコントロールを図る)で使用される薬については以下のものがあります。

①軽度~中等度の場合
アセトアミノフェンやロキソニンなどのNSAIDS(非ステロイド性抗炎症薬)

②中等度~重症度、NSAIDSで効果がみられない場合

トリプタン製剤(5種類)レイボー錠

作用機序
セロトニン5-HT1D/1B受容体作動薬
セロトニン5-HT1D刺激でCGRPを抑制し、セロトニン5-HT1B刺激で血管を収縮させます。

特徴
片頭痛で起こる脳血管の拡張を抑え、血管を収縮させることで、痛みを和らげます。
ただし血管収縮作用があるため、心筋梗塞や脳血管障害・コントロール不良の高血圧などの疾患を持っている方は服用ができない製剤となります。
服用するタイミングは頭を振って痛みが出ているときなど、早めに服用します。症状が出てしばらくしてからでは遅く、効果が発揮されにくいといわれています。
トリプタン製剤は基本的に速く効く代わりに、効果も速く無くなります。そのためトリプタン製剤を偏頭痛予防に使ったとしても、偏頭痛が出るころにはトリプタン製剤の効果が弱くなっているため、片頭痛を予防したい目的では服用できません。

トリプタン製剤は5種類

1.イミグラン(スマトリプタン)
錠剤・点鼻薬・注射剤の3つの剤形があります。そのため随伴症状(吐き気など)がひどく、薬が服用できない方に検討されます。

2.ゾーミッグ(ゾルミトリプタン)
イミグランと同程度の効果。RM錠という水なしで服用が可能なタイプの剤形もあります。

3.マクサルト(リザトリプタン)
トリプタン製剤の種類の中で一番効果発現が速く、薬剤が抜ける時間も短くなります。

4.レルパックス(エレトリプタン)
食事の影響を受けやすく、食後服用で効果の遅延がみられます。作用時間が長いため、片頭痛の再発を抑制する効果もあり、持続する片頭痛に向いていますが、効果が出始めるまでに時間がかかります。

5.アマージ(ナラトリプタン)
トリプタン製剤の中で1番効果が持続します。そのため1日続く片頭痛に向いています。また、再発を抑制する効果もあります。ただし効果がでるまでが長いため、予防投与には不向きです。

トリプタン製剤を連続して服用する場合は一定時間、間隔をあける必要があります。

・イミグラン注射を使用した場合:1時間以上、1日2本を超えては使用しないこと

・イミグラン錠/点鼻薬、ゾーミッグ、マクサルト、レルパックスを服用した場合:2時間以上

・アマージを服用した場合:4時間以上

またトリプタン製剤の効果を比較するために別のトリプタン製剤に切り替える場合は、24時間以上間隔をあけてから切り替えます。

レイボー錠

作用機序
セロトニン5-HT1F受容体作動薬
セロトニン5-HT1F受容体を刺激することで、CGRPの放出を抑制し効果を発揮します。

特徴
レイボー錠は、早い効果発現時間が特徴です。
通常量100㎎では1時間後、200mgでは30分後から痛みの消失・改善が認められました。
また、血管収縮作用がないため、トリプタン製剤を服用できない方(心筋梗塞や脳血管障害、コントロール不良の高血圧 などの疾患を持っている方)も服用することができます。
さらにトリプタン製剤は頭痛のピーク時に服用しても効果が少ない薬でしたが、レイボー錠は発作から1時間経過後に服用しても改善されるという治験結果があります。

トリプタン製剤やレイボー錠単独で効果がない場合

トリプタン製剤、レイボー錠+NSAIDS併用

随伴症状(悪心や嘔吐)に対する薬

制吐剤(メトクロプラミドなど)

急性期薬物療法における注意点

NSAIDSでは15日/月以上、トリプタン製剤では10日/月以上の3か月を超える定期的服用は、薬剤の使用過多による頭痛を誘発する可能性があるので注意が必要です。
使用過多を防ぐため、片頭痛の治療薬の処方日数は短くなることが基本となります。

片頭痛の予防薬や急性期の治療薬だけでも、このように様々な種類があります。
一人ひとりの頭痛の性質や特徴を把握したうえで、適切な診断や治療を行っていくことが大切です。

5.緊張型頭痛とは

緊張型頭痛は、一次性頭痛の中で最も多い頭痛とされています。
原因としてはストレスや姿勢の異常、頭頚部の筋肉の酷使などによって、頭頚部の筋肉が凝った状態となり、筋肉が放出する発痛物質によって頭痛が生じると考えられています。
片頭痛は頭蓋内血管拡張により痛みが増えるため、入浴やマッサージ、アルコールなどは悪化の原因となりますが、緊張性頭痛の場合は入浴で温めたり、マッサージで筋肉をほぐしたりすることが有効です。

6.群発頭痛とは

群発頭痛とは、有病率が0.01%とまれな頭痛です。発症すると数週間~数か月にわたって片方の目の周囲から前頭部や側頭部にかけて激烈な痛みが発作的に生じ、日常生活に大きな支障をもたらすのが特徴です。

7.二次性頭痛(症候性頭痛)について

二次性頭痛(症候性頭痛)は脳腫瘍・髄膜炎・脳炎・クモ膜下出血や脳卒中など脳や頭部の病気の症状として出てくる頭痛のことです。また感染症や薬物の副作用や離脱症状として起こる頭痛・精神疾患などで起こる頭痛などもあります。
急な頭痛で
・これまでに経験が無いようなひどい頭痛
・突発して短時間でピークに達するような頭痛
・熱がある、手足の麻痺やしびれを伴う
このような場合には至急、脳神経外科または脳神経内科を受診して正確な診断を受ける必要があります。
また頭痛が数週間のうちに悪化してくる場合は、脳腫瘍や慢性硬膜下血腫などの可能性もあるので注意が必要です。

8.頭痛の検査・診断

一次性頭痛

一次性頭痛の診断には、頭痛の性状や持続時間、その他の症状などの問診による情報が重要になります。また、二次性頭痛を除外するために、頭部CT検査やMRI検査などで頭頚部に病変がないか確認します。

二次性頭痛

二次性頭痛では、画像検査のほかに、必要に応じて脳波検査や血液検査を行うこともあります。a

9.このような症状なら当院へお越しください

一口に頭痛といってもいろいろな種類があります。頭痛はほとんどの人が経験しますが、大部分の人は我慢するか、市販の薬を服用しているのが現状です。
しかし中には命に関わることのある頭痛もありますし、そうでなくても様々な種類があり、病状に応じて治療も異なります。
適切な診断、治療を受けることで、頭痛は上手にコントロールできます。
頭痛のある人は「たかが頭痛ぐらいで」などと思わず、ぜひ一度当院へお越しください。

病状から探すへもどる