「最近、片足だけがだるくて、なんだか不安…」
そんな悩みを抱えていませんか?実はそのだるさ、放っておくと大変なことになるかもしれません。
長時間のパソコン作業や立ち仕事の後、足の疲れを感じるのは当然ですが、もし片足だけにだるさを感じたら、体のSOSかもしれません。原因は、疲労やストレス、運動不足といった日常的なものから、神経や血管の病気、命に関わる病気のサインまでさまざまです。
この記事では、片足のだるさの原因となる意外な病気や自宅でできる対処法、専門医の受診が必要なケースなどを解説していきます。「もしかして…」と思ったら、ぜひ読み進めてみてください。
ここでは片足だけだるいときの原因について、以下の3つの観点から解説しています。
原因をしっかり理解して、適切に対処しましょう。
神経系の病気で片足がだるくなる場合は、足を掴まれているような感覚や、電気が走るような痛みやしびれを感じることがあります。
腰の骨と骨の間にあるクッションの役割をしている椎間板が飛び出して、神経を圧迫する腰椎椎間板ヘルニアという病気も有名です。腰や足の痛みやしびれが強くなり、長い時間立っていたり歩いたりすることがつらくなる症状が出ます。「まるで、腰から足にかけて重い鎖でつながれているような感覚」と表現する患者さんがいるほどです。
脊柱管(脊髄から枝分かれして足先まで伸びる神経の通り道)が、加齢などによって狭くなる腰部脊柱管狭窄症も、神経系の病気の一つです。しばらく歩いていると徐々に足がしびれてきて、休むとラクになるという特徴的な症状があります。脊柱管が狭くなるため、歩くことで神経への圧迫が強くなり、しびれが出現します。
血管系の病気が原因で片足がだるくなる場合は、足のむくみや冷えをともなうことが多いです。長時間同じ姿勢でいることが多いデスクワークの方や、飛行機での長旅の後などに起こりやすいです。
足の静脈に血のかたまりである血栓ができてしまう深部静脈血栓症は、足のむくみや痛み、だるさを引き起こします。血栓によって血液の流れが滞ってしまうため、心臓に戻るはずの血液が足に溜まってしまい、むくみが生じます。
動脈硬化によって足の血管が狭くなったり詰まったりしてしまう閉塞性動脈硬化症も、片足のだるさの大きな原因です。動脈硬化は、血管の内側にコレステロールなどが溜まって血管が硬くなってしまう病気です。足の血管が狭くなると、足に十分な血液が供給されなくなり、酸素や栄養が不足してしまいます。結果、足が冷たくなったりだるく感じたり、痛みが出てくるのです。
足の静脈の弁が壊れて血液が逆流してしまう下肢静脈瘤も、足のむくみやだるさの原因となります。静脈には、血液が心臓に向かって一方通行に流れるように弁がついていますが、弁が壊れると血液が逆流して足に溜まります。その結果、静脈が拡張して太くなり、足の表面に血管が浮き出て見えるのです。
疲労やストレスが原因で片足がだるくなる場合も注意が必要です。現代社会において、疲労やストレスは誰もが抱えうる身近な問題であり、軽視することはできません。
肉体的な疲労だけでなく、精神的なストレスが蓄積することによって、身体にさまざまな不調が現れることがあります。ストレスによって自律神経のバランスが乱れ、血流が悪くなったり筋肉が緊張したりするためです。
長時間のパソコン作業やスマホの使いすぎによって、首や肩の筋肉が凝り固まってしまう「テクノストレス」と呼ばれる状態も注意です。首や肩の筋肉の緊張が強くなると、神経や血管を圧迫し、血流が悪くなってしまうことがあります。
精神的なストレスや不安、緊張などが原因で、身体にさまざまな症状が現れる心身症も、片足のだるさを引き起こす可能性があります。心身症は、身体の病気とは異なり、検査をしても異常が見つからない厄介な病気です。心身症では、だるさや疲労感、頭痛、めまい、動悸、息切れ、便秘、下痢など、さまざまな症状が現れる場合があります。
片足のだるさを和らげるための対処法を、自宅でできるものと専門的な治療法にわけてご紹介します。医療機関への受診の目安についても詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
片足のだるさを感じたら、まずはご自身でできるケアを試してみましょう。毎日の生活のなかで、簡単に取り入れられるものばかりです。
自宅でのケアでも症状が改善しない場合は、医療機関を受診し、専門的な治療を受ける必要があるかもしれません。
上記の治療法を組み合わせることで、片足のだるさを効果的に改善できます。
「この程度のだるさなら、病院に行くほどでもないかな…」と自己判断せずに、少しでも気になることがあれば、早めに医療機関を受診しましょう。
受診を推奨するケースは以下のとおりです。
足の静脈に血液が滞ってしまう「下肢静脈瘤」は、適切な治療が必要です。圧迫療法(弾性ストッキングなど)の使用が求められるので、医師の指示に従い、適切な治療を継続することが大切です。
片足だけにだるさを感じると、体に何か異常があるのではないかと不安になりますよね。場合によっては、放置すると命に関わる病気も隠れている可能性があります。
閉塞性血栓症は、足の静脈に血の塊(血栓)ができてしまう病気です。「エコノミークラス症候群」と聞いたことがあるかもしれません。静脈という血液を心臓に戻すための血管に血栓ができてしまうことで、血液の流れが悪くなってしまいます。
足の静脈に血栓ができると、血液が心臓に戻りにくくなり、足に溜まります。その結果、片足だけにむくみやだるさ、痛みなどの症状が現れるのです。
閉塞性血栓症で起こる症状は以下のとおりです。
これらの症状に心当たりがある場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
慢性疲労症候群は、原因不明の強い疲労感が長期間続く病気です。十分な休息を取っても疲労感が取れず、日常生活に支障をきたすこともあります。慢性疲労症候群では、体のさまざまな部位に症状が現れますが、そのなかでも足の症状を訴える方は少なくありません。
慢性疲労症候群で起こる症状は以下のとおりです。
これらの症状は、人によって現れ方が異なり、症状の強さも日によって変化することがあります。原因がはっきりしないため、さまざまな検査をおこなっても異常が見つからないことが多いです。
神経因性疼痛は、神経の損傷や障害によって起こる痛みです。神経が傷つくと、本来は痛みとして感じないような刺激でも痛みを感じてしまうことがあります。神経因性疼痛は、糖尿病や帯状疱疹などの病気の後遺症として起こることもあれば、原因がわからない場合もあります。
神経因性疼痛で起こる症状は以下のとおりです。
神経因性疼痛は、痛みの種類や程度、痛む場所などが人によって大きく異なります。そのため、診断が難しく、治療法も確立されていないのが現状です。
自律神経失調症は、ストレスなどによって自律神経のバランスが乱れることで、さまざまな身体症状が現れる病気です。
自律神経は、体温調節や消化吸収、呼吸など、生命活動を維持するために重要な役割を担っています。自律神経には交感神経と副交感神経の2種類があり、2つの神経がバランスを取りながら、体の機能を調節しています。
ストレスや不規則な生活習慣、環境の変化などが原因で、自律神経のバランスが乱れてしまうのが自律神経失調症です。
自律神経失調症で起こる症状は以下のとおりです。
これらの症状は、人によって異なり、さまざまな症状が現れるのが特徴です。病院の検査では異常が見つからないことも多く、診断が難しい病気とされています。自律神経失調症は、病院での治療に加えて、生活習慣の改善も大切です。
十分な睡眠をとり、バランスの取れた食事を心がけ、適度な運動をするようにしましょう。
片足のだるさがあると、他の症状が現れることもあります。ここでは、片足のだるさに関連する他の症状についても見ていきましょう。
片足のだるさがあると、歩くときにいつもと同じように足を上げることが難しくなったり、地面を踏みしめる力が弱くなってしまったりすることがあります。
例えば、こんな経験はありませんか?
このような症状がある場合、片足のだるさが原因で歩行やバランスに問題が生じている可能性があります。高齢の方の場合、転倒は骨折などの大きな怪我につながる可能性もあるため、注意が必要です。
片足のだるさと一緒に、ピリピリとしたしびれや、チクチクと針で刺されるような痛みを感じることがあります。神経が圧迫されたり、損傷を受けたりすることで起こる可能性があります。例えば、以下のような症状です。
このような症状がある場合、神経系の病気が隠れている可能性も考えられます。坐骨神経痛のように、腰から足にかけて伸びる神経が圧迫されて、だるさだけでなく痛みやしびれを引き起こすことがあります。糖尿病の合併症として神経障害が起こり、足のしびれや痛みを感じることもあるので要注意です。
片足のだるさだけでなく、同じ側の腕や顔にも力が入りにくくなったり、だるさを感じたりすることがあります。脳の血管が詰まる脳梗塞などで起こる可能性があり、注意が必要です。脳梗塞は、脳の血管が詰まることにより、その先の細胞に栄養や酸素が送られなくなって脳の機能が損なわれる病気です。
例えば、こんな症状が現れたら、すぐに病院を受診しましょう。
これらの症状は、命に関わる病気のサインかもしれません。早急に医療機関を受診することが大切です。
片足だけにだるさを感じたら、病気のサインかもしれません。神経系や血管系の病気から、疲労やストレスまで、さまざまな原因が考えられます。
症状が重い場合や長引く場合は、放置せずに医療機関を受診しましょう。足のしびれや冷え、歩行障害など、他の症状をともなう場合は注意が必要です。
自己判断でマッサージなどをせずに、まずは医師に相談し、適切な検査や治療を受けることが大切です。
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