大石内科循環器科医院

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心不全の初期症状について

2024.10.03 循環器

あなたは「心不全」という言葉に、どんなイメージを持つでしょうか?

実は心不全はがんよりも予後が悪いとされ、日本では年間約17万人が亡くなっています。さらに自覚症状が現れにくい病気でもあるため、気づかないうちに病状が進行していることも少なくありません。

もしかしたら、あなたも初期の心不全のサインを見逃しているかもしれません。「最近、階段を上ると息切れする」「夜になると足がむくむ」といった症状はありませんか?

この記事では、心不全のステージ、症状、治療法、予後について、具体的な例を交えながらわかりやすく解説していきます。ご自身の健康状態をチェックするためにも、ぜひ最後までお読みください。

心不全は進行する病気
~ステージ・症状・治療法と予後を詳しく解説~

「心不全」と診断された時、皆さんはどんな気持ちになるでしょうか?「心臓の機能が低下している」と言われても、最初は実感がわかないかもしれません。

心不全は初期の段階では自覚症状がほとんどない場合もあれば、進行すると日常生活に大きな支障をきたす場合もあります。

今回は、この「心不全」という病気についてステージ、症状、治療法、そして予後について詳しく解説していきます。

心不全の4つのステージとは?

心不全は、心臓が体全体に十分な血液を送り出せなくなった状態です。例えるなら、心臓は体中に血液を送り出すポンプのような役割を果たしています。しかし心不全になると、このポンプの力が弱くなってしまうのです。

心不全は、その重症度に応じて、ステージA、B、C、Dの4つのステージに分類されます。

  • ステージA:心不全予備軍で、自覚症状はありません。高血圧や糖尿病などの生活習慣病、心臓弁膜症などの心臓病がある方は、心不全のリスクが高い状態と言えるでしょう。
  • ステージB:軽い運動をした時に息切れや動悸を感じるようになります。階段を上る時や坂道を歩く時に息苦しさを感じたり、少し動いただけで疲れやすくなったと感じることはありませんか?それは、心臓が少し疲れ気味になっているサインかもしれません。
  • ステージC:安静にしている時でも息切れやむくみがみられるようになり、日常生活に支障をきたすようになります。横になって休んでいても息苦しくて眠れない、といった症状が現れることもあります。
  • ステージD:最も重症な状態で、心臓移植などの高度な医療が必要になります。
病状症状
ステージA心不全の前段階で、心臓に異常があるものの、自覚症状はない自覚症状なし
ステージB軽度の心不全。心臓に負担がかかると症状が出る動悸、息切れ、疲れやすいなど
ステージC中等症~重症の心不全。安静時にも症状が出る息切れ、呼吸困難、動悸、むくみ、食欲不振、咳など
ステージD最も重症な心不全。安静時でも強い息切れやむくみ、日常生活が困難になるなど

このように、心不全は徐々に進行していく病気です。初期の段階では自覚症状がほとんどないため、放置してしまう方も少なくありません。しかし、心不全は早期発見・早期治療が非常に重要です。

心不全の初期症状【初期のうちに医師に相談すべきサイン】

心不全は初期の段階では自覚症状が現れにくい病気ですが、早期発見・早期治療が予後を大きく左右します。そのため、初期症状を見逃さないことが非常に重要です。

心不全の初期症状には以下のようなものがあります。

  • 息切れ:階段の上り下りや少し動いただけでも息切れがする。
    • 普段は息切れを感じない程度の運動で息切れがするようになった場合は注意が必要です。例えば、「以前は楽に上れていた階段を、最近は途中で休まないと上れなくなった」といった場合は、心不全のサインかもしれません。
  • 疲労感:以前は楽にできていた作業や運動がつらくなった。
    • 日常生活の中で、「最近疲れやすい」「体がだるい」と感じることはありませんか?それは、心臓が疲れ気味になっているサインかもしれません。
  • 足のむくみ:夕方になると足がむくむ。靴や靴下の跡がくっきりつく。
    • 夕方になると足がむくんで、靴がきつくなったり、靴下のゴムの跡がくっきり残ったりしていませんか?それは、心臓のポンプ機能が低下しているサインかもしれません。
  • :特に夜間や横になると咳が出る。
    • 夜間や横になった時に咳が出やすい場合は、心不全が原因かもしれません。これは、横になると心臓に血液が戻りやすくなるため、心臓に負担がかかりやすくなることが原因です。
  • 動悸:心臓がドキドキする。脈が速くなる。
    • 心臓がドキドキしたり、脈が速くなったりする場合は、心臓が興奮している状態です。心不全になると、心臓は全身に血液を送り出すために、より多くの血液を送り出そうと頑張ります。その結果、動悸や頻脈が起こりやすくなるのです。
  • 呼吸困難:横になると息苦しくなる。
    • 横になると息苦しくなる場合は、心不全のサインかもしれません。これは、横になると肺に水がたまりやすくなるため、呼吸が苦しくなることが原因です。

これらの症状は、風邪などの他の病気でもみられることがありますが、繰り返し起こる場合は、心不全のサインかもしれません。

「たかが息切れ」「年のせい」と安易に考えずに、少しでも気になる症状があれば、早めに医療機関を受診することをおすすめします。

まと

心不全は初期症状が分かりにくく、進行すると日常生活に支障が出る病気です。 自覚症状がない段階でも、高血圧や糖尿病などの持病がある方は注意が必要です。

息切れや動悸、足のむくみなど、少しでも気になる症状があれば、早めに当院へご相談ください。

大石内科循環器科医院
420-0839
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TEL:054-252-0585

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