大石内科循環器科医院

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突然の動悸はストレスが原因?症状の特徴や対策、受診の目安を解説

2024.10.16 循環器

「人前で話すとき、突然の動悸を感じる」「理由もなく胸騒ぎが起きる」という方もいるのではないでしょうか。突然の動悸は、心と体が発しているストレスの可能性があります。突然の動悸を放置したままにするのは危険が伴います。

この記事では、ストレスが自律神経やホルモンを通じて動悸を引き起こすメカニズムを解説します。ストレス性と病気の可能性がある危険な動悸との見分け方や、すぐに実践できる対処法まで解説します。突然起こる動悸の原因を正しく知り、不安を安心に変えましょう。

新静岡駅から徒歩3分のところにある大石内科循環器科医院では、動悸の診療をしております。通院しやすい立地にあり、地域のかかりつけ医として診療を行っています。動悸にお悩みの方はお気軽にご相談ください。

ストレスが原因で動悸が起こる仕組み

突然の動悸は自律神経の乱れと心拍数の関係や、ストレスが体に与える影響(ホルモン・緊張反応)が関与しています。原因を理解するために、まずは体の反応の仕組みを解説します。

自律神経の乱れと心拍数の関係

自律神経は体を活発にする交感神経と、体を休ませる副交感神経のバランスで成り立っています。強いストレスを感じると交感神経の活動が過剰になります。交感神経の過活動状態が継続すると、副交感神経の活動が抑制され、自律神経のバランスが崩れやすくなります。

自律神経が乱れると、リラックスすべき場面でも副交感神経が活動できません。そのため、交感神経の影響で心拍数が上昇して動悸を感じやすくなります。

ストレスが体に与える影響(ホルモン・緊張反応)

人間の体はストレスを感じるとストレスホルモンであるアドレナリンを分泌します。アドレナリンは交感神経の働きをさらに強める作用を持ち、心臓の筋肉に直接働きかけ、心拍数増加や一回の拍動を強めます。ストレスを感じてから動悸が起こるまでの流れは以下のとおりです。

  1. 脳がストレスを感知する
  2. 交感神経が活発になる
  3. 副腎からアドレナリンが分泌される
  4. 心拍数が増え、血圧が上昇する
  5. 心臓の動悸を自覚する

ストレスは自律神経とホルモンの両方から心臓に働きかけて、動悸を引き起こします。強い不安やストレスは動悸だけでなく、息苦しさやめまい、胃腸の不調などの体症状を伴うことも少なくありません。

ストレスによる動悸を悪化させる要因

ストレスによる動悸が続く背景には、生活習慣や刺激物、思考のクセが関係することがあります。ここでは悪化しやすい要因を3つ紹介します。

睡眠不足や生活リズムの乱れ

睡眠不足や不規則な生活は、自律神経のバランスを崩す原因の一つです。睡眠は副交感神経が活発になる時間ですが、睡眠不足になると交感神経が優位な状態になります。心臓が常に軽く興奮したような状態になり、日中でも動悸を感じやすくなるのです。

寝る時間や起きる時間が日によって異なると体内時計が乱れ、自律神経が混乱しやすくなります。生活習慣を見直すために、以下の行動を取り入れましょう。

  • 睡眠時間は毎日7時間前後とる
  • 毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きる
  • 寝る直前までスマートフォンやパソコンを見ない
  • 3食摂取し、夕食~睡眠まで2時間以上あける

日常生活習慣を改善させるために、できることから少しずつ取り入れましょう。改善するだけで、動悸の症状が和らぐ可能性があります

カフェイン・アルコール・喫煙

カフェインやアルコール、タバコなどに含まれるニコチンには注意が必要です。コーヒーや紅茶、エナジードリンクなどに含まれているカフェインは、交感神経を刺激するため心拍数を増加させやすいです。カフェインの過剰摂取に注意し、カフェインレスの飲み物を活用しましょう。

アルコールの過剰摂取は、脱水になり動悸を引き起こす可能性があります。飲酒後に動悸を感じる場合は、摂取量の減量や禁酒を検討しましょう。ニコチンは交感神経を刺激し、心拍数の増加や血管収縮で心臓に負担をかけやすくします。禁煙が望ましいですが、難しい場合は禁煙外来の活用がおすすめです

喫煙による具体的な健康被害や、タバコの種類によってもたらされる体への影響は異なります。禁煙のサポートも詳しく紹介した以下の記事をご参考ください。
>>喫煙による健康影響

不安や緊張を強める思考習慣

仕事や人間関係などに対する強い不安や緊張は、脳のストレスとなります。物事をネガティブに捉えやすかったり、完璧を求めすぎたりする思考は、過剰な不安を感じやすいです。不安がさらなる不安を呼び、動悸が悪化する悪循環に陥ることも少なくありません。

強い不安は無意識のうちに呼吸を浅く速くし、過換気に陥りやすいです。過換気は動悸だけでなく息苦しさやめまい、手足のしびれなどの症状を引き起こす場合があります。

思考習慣をすぐに変えるのは難しいですが、ご自身の考え方を客観的に見つめ直すのに大切です。一人で抱え込まず、必要であれば認知行動療法など、専門家のサポートを受けながら修正していくことも有効な手段です。

動悸症状や関連する病気が気になる方は、通院が難しい場合でもオンライン診療を利用して医師に相談することができます。大石内科循環器科医院では、ストレス性の動悸改善に向けたアドバイスついて、オンライン診療での相談も可能です。

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ストレスによる動悸を改善するためのセルフケア

ストレスによる動悸の多くは、以下のようなセルフケアによって改善が期待できます。

  • 睡眠・運動・食事によるストレス管理
  • リラックス法や呼吸法の取り入れ方
  • 動悸が起きたときの応急の対処法

睡眠・運動・食事によるストレス管理

ストレスによる動悸を和らげるには、睡眠・運動・食事を整えることが重要です。7時間程度の睡眠を確保するために生活リズムを整えたり、寝る直前のスマートフォンやパソコンの光を避けたりするのが大切です。

ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動は、セロトニンの分泌が促されるためリフレッシュが期待できます。1日20~30分程度の運動習慣は、自律神経の働きを整えたり、全身の血行を改善させ心臓の働きを安定させたりします。

バランスの良い食事は、自律神経の働きを安定させるためのエネルギー源です。以下の栄養素を意識的に摂ることで、神経の働きをサポートします。

  • ビタミンB群:精神を安定させる神経伝達物質の合成を助ける
  • カルシウム:神経の過剰な興奮を鎮め、苛立ちを抑える
  • マグネシウム:カルシウムとともに働き、神経の興奮を抑える

睡眠・運動・食事によるストレス管理に取り組むことで、心身のバランスを整えることを目指しましょう。

リラックス法や呼吸法の取り入れ方

ストレスを感じたときや動悸が起こりそうなときは、意識的に心と体を落ち着かせる方法を取り入れてください。不安や緊張は、無意識のうちに呼吸を浅く速くしてしまい、交感神経を過剰に興奮させ動悸を誘発します。心身の緊張を和らげるには、深くゆっくりとした腹式呼吸を行いましょう。

日常生活に取り入れやすい腹式呼吸のやり方は以下のとおりです。

  1. 楽な姿勢をとる:椅子に深く座るか仰向けに寝て、体の力を抜きお腹に手を当てる
  2. 鼻からゆっくり息を吸う(3〜4秒):吸い込んだ空気でお腹が自然に膨らむのを感じる
  3. 口からゆっくり息を吐く(5〜6秒):吸うときよりも長い時間をかけて、お腹をへこませながら、体の中の空気を吐き出す

腹式呼吸を寝る前や仕事の合間などに5~10分程度繰り返してください。簡単に日常生活の中にリラックスする時間を取り入れやすくなります

動悸が起きたときの応急の対処法

突然動悸が起きた場合は、慌てないことが大切です。焦る気持ちが、さらに交感神経を刺激して症状を悪化させる可能性があります。以下の手順は一時的に症状を和らげるための応急処置で、パニックを防ぎやすくします。

  1. 安全な場所で椅子に座るか横になる
  2. ゆっくりと深い腹式呼吸を繰り返す
  3. 首や肩の力を抜いて緊張をほぐす
  4. 冷たい水をゆっくり飲む

意識の向け方を変える工夫も大切です。窓の外の景色を眺めたり、好きな音楽を心の中で流したりするなど、自分に適した方法を取り入れてください。対処法を試しても動悸が改善せず、胸の痛みや強い息切れ、めまいなどの症状を伴う場合は、医療機関を受診してください

ストレス以外で動悸が起こる主な原因

ストレス以外に考えられる動悸の主な原因について解説します。

貧血や甲状腺機能異常

動悸の原因に多いのが貧血と甲状腺機能異常です。貧血になると全身に十分な酸素が届かず、体は酸素不足に陥ります。心臓は酸素を届けようと心拍数が増加し、動悸として感じられるのです。

甲状腺は甲状腺ホルモンを分泌しており、体の新陳代謝を活発にします。甲状腺機能亢進症は、ホルモンが過剰に分泌されて必要以上に心臓を働かせ、脈が速くなり動悸を感じやすくなるのです。甲状腺ホルモンは心臓伝導系にも影響を与えるため、不整脈の原因になる可能性があります。

甲状腺機能亢進症でみられる主な症状は以下のとおりです。

  • 動悸、脈が速い
  • 手の指が震える
  • 汗をかきやすい
  • たくさん食べるのに体重が減る
  • イライラしやすい、疲れやすい

動悸を感じている方で、貧血の診断や甲状腺機能亢進症の症状が該当している場合は、専門医に相談してください。動悸の原因となっている疾患の改善に取り組みましょう。

更年期障害やホルモンバランスの乱れ

40代後半からの更年期に動悸が現れる女性は少なくありません。女性ホルモンのエストロゲンの分泌が急激に減少することが関係しています。エストロゲンの減少は、心拍数や血圧をコントロールしている自律神経に影響を及ぼし、バランスを乱しやすくします。

更年期は自律神経のバランスが崩れやすく交感神経が活発になり、心拍数が上昇したり、脈が飛んだりなど動悸の症状が現れやすいです。以下の症状が該当する場合は、更年期障害の可能性があり注意が必要です。

  • ホットフラッシュ:突然顔が熱くなる、のぼせる、汗が止まらない
  • 精神的な不調:気分の落ち込み、イライラ、理由のない不安感に悩まされる
  • 睡眠の悩み:寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める
  • 体の不調:肩こり、頭痛、めまい、疲労感を感じる

症状とあわせて動悸が気になる場合は、更年期障害が原因の可能性があります。他の病気の可能性も確認するためにも、一度ご相談ください。

薬の副作用やカフェインの過剰摂取

薬の副作用やカフェインの過剰摂取が、動悸の原因になっている可能性があります。動悸を引き起こす可能性がある薬は以下のとおりです。

  • 一部市販の風邪薬や鼻炎薬
  • 気管支喘息の治療で使う気管支拡張薬
  • 一部の抗うつ薬や精神神経系の薬
  • 痛み止め(非ステロイド性抗炎症薬)

新しい薬を飲み始めてから動悸を感じるようになった場合は、自己判断で服用を中止しないでください。薬を処方した医師や薬剤師に相談することが重要です。

コーヒーやエナジードリンクに含まれるカフェインには、交感神経を刺激して心拍数を増やす作用があります。過剰摂取することで健康な方でも期外収縮という、脈が欠落する不整脈が起こりやすいです。

健康と思われる人の約75%に期外収縮が見られたという報告もあります。多くは良性の期外収縮ですが、不快感や不安の原因になる場合があります。

医療機関を受診すべき動悸の目安

突然の動悸を感じて、医療機関を受診すべき目安は以下を参考にしてください。

  • 安静にしても治まらない場合
  • 胸痛・失神・強い息切れを伴う場合
  • 検査で確認される主な項目(心電図など)

安静にしても治まらない場合

ストレスが原因の動悸は、緊張する場面が終わったりリラックスしたりすると、数分で自然に落ち着くことが多いです。心臓の病気が原因の場合、安静にしても動悸が続く場合があります。以下の症状が1つでも当てはまる場合は、注意が必要です。放置せず早期に医療機関を受診しましょう。

  • 安静にしても5分以上動悸が続く
  • 横になって休んでも、症状が改善しない
  • 夜中に突然の動悸で目が覚める
  • 動悸が起こる回数が増えてきている

一時的ではない動悸は、心臓伝導系に問題を抱えている可能性があります。ご自身の判断でストレスだと決めつけず、専門家による適切な診断を受けることが大切です。

胸痛・失神・強い息切れを伴う場合

動悸時に胸痛・失神・強い息切れを伴う場合は、心臓が体に十分な血液を送り出せていない状態であり早期の対応が必要です。動悸と一緒に以下の症状が現れた場合は、命に関わる危険な不整脈や心筋梗塞などの可能性があります。

  • 胸の症状:胸の痛み、圧迫感、締め付けられるような感じ
  • 意識の症状:気が遠くなる、めまい、失神(意識を失う)
  • 呼吸の症状:急な息切れ、呼吸が苦しい
  • 他の症状:冷や汗、吐き気

失神を伴う動悸は、極めて危険な状態である可能性があります。意識を失うのは脳への血流が一時的に途絶えた可能性があります。動悸とともに症状を感じた場合は、早急に医療機関を受診してください

胸痛は心筋梗塞も関連している可能性があります。心筋梗塞の前兆である胸痛については、以下の記事で解説しています。
>>胸が痛い原因は?循環器専門医が心筋梗塞の前兆を解説

検査で確認される主な項目(心電図など)

動悸の原因を正確に診断するため、医療機関で検査を行います。ストレスが原因と思っていても、検査で心臓や他の病気が見つかることも少なくありません。主な検査は以下のとおりです。

  • 心電図(ECG)検査
  • ホルター心電図
  • 心エコー
  • 血液検査

心電図は、不整脈や心臓の筋肉の異常などを調べる基本的な検査です。ホルター心電図検査は、検査機械を24時間身につけ、普段の生活の中での心臓の動きを記録し続けます。心エコーは超音波を使い、心臓の形や大きさ、血液を送り出す動きなどを観察します。

血液検査は貧血や、甲状腺ホルモンの異常など心臓以外の不調をチェックします。まれな動悸や失神が続く場合は、長期間(数週間~数年)記録できる特殊な検査が行われる場合もあります。気になる症状があれば、かかりつけ医や循環器内科を受診し、適切な検査を受けることが重要です

当院で実施できる検査は以下のページをご覧ください。診察で症状をお伺いしたうえで適切な検査を実施いたします。
>>大石内科循環器医院 当院でできる検査一覧

ストレスと動悸に関するよくある質問

ストレスと動悸に関するよくある質問について解説します。

ストレス性の動悸と心臓病の見分け方は?

ストレスによる動悸と心臓の病気が原因の動悸を、ご自身だけで見分けることは難しいです。症状の現れ方にはいくつかの傾向があるため、知っておくことで受診を考える目安になります。心臓の病気が疑われる動悸は、以下の特徴があります。

  • タイミング:安静時や睡眠中など状況に関係なく突然起こる
  • 持続時間:5分以上続く、何度も頻繁に繰り返す
  • 伴う症状:胸痛、強い息切れ、めまい、失神(意識を失う)などを伴う

動悸の発症は個人差があるため、病院での心電図検査では異常が見つからないことも多いです。24時間心電図を記録するホルター心電図や、長期間心臓を監視する専門的な検査が必要になる場合もあります。

スマートウォッチで心電図を記録できる種類が増えてきました。動悸が起きたときのスマートウォッチの記録がきっかけで、危険な不整脈が見つかった報告が増えています。気になる症状があればストレスと自己判断せずに、医師に相談しましょう。

心筋梗塞は動悸や息切れ、胸痛など解説した症状と似ています。原因から治療までの詳しい過程については、以下のページをご覧ください。
>>心筋梗塞

受診すべきタイミングは?

ストレスによる動悸だと思っていても、危険な不整脈などが隠れている可能性があります。動悸時に以下の症状が1つでも該当する場合は、医療機関を受診してください。

  • 安静にしているのに、動悸が5分以上続く
  • 胸痛や締め付けられる感じ、圧迫感がある
  • 経験したことのないような、急な息苦しさを伴う
  • めまい、ふらつき、気が遠くなる感じがする
  • 動悸時に意識を失った、または失いそうになる
  • 動悸が起こる回数が急に増えたり、続く時間が長くなったりしている

該当する項目が無くても動悸で日常生活に支障が出ている場合や、強い不安を感じている場合は、循環器内科を受診しましょう

動悸は市販薬で治せる?

動悸に対して、自己判断での市販薬の使用はおすすめできません。動悸の原因が明確でない段階で薬を飲むことは、リスクが伴います。動悸の原因がストレスによるものなのか、心臓など他の原因であるのか医師が診断することが大切です。

重大な病気が隠れていた場合、市販薬で一時的に症状を紛らわせることで、発見が遅れる可能性があります。医師は診察や検査の結果にもとづいて、生活習慣の指導やカウンセリング、必要であれば薬を処方します。

まとめ

ストレスによる動悸は珍しいものではなく、生活習慣の見直しやリラックス法を取り入れることで改善を目指せます。ストレス性動悸を自己判断で放置するのは、危険な場合があります。

動悸が5分以上続いたり、胸痛や強い息切れ、めまいなどを伴ったりする場合は、心臓などの病気が隠れている可能性があります。意識を失う場合は、脳への酸素供給が間に合わず危険な状態であるため、早期に専門機関を受診してください

セルフケアを行っても症状の緩和が見られない場合や、不安な症状がある場合は、循環器内科など専門の医療機関へのご相談をおすすめします。体の症状を見逃さず、専門家に相談することで心身の不安を安心に変えましょう。

動悸と他の疾患との関連や治療については、以下のページでも解説しています。
>>動悸

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