大石内科循環器科医院

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動悸が起きたら何科を受診する?原因別にわかる診療科の選び方

2025.01.24 循環器

突然、心臓がドキドキする動悸で不安になった経験はありませんか?動悸は、命に関わる深刻な病気の可能性もあります。動悸を引き起こす原因はさまざまで、心臓病から精神的な問題まで多岐にわたります。

この記事では、動悸の原因となる代表的な病気を、具体的な症状とともにわかりやすく解説します。どの診療科を受診すべきか、家庭でできる予防策もご紹介します。動悸の不安を解消し、健康な毎日を送りましょう。

以下の記事で、動悸の症状について詳しく解説しているので、あわせて読んでみてください。
>>動悸

動悸の原因となる病気

動悸の原因となる病気は、以下のとおりです。

  • 不整脈(期外収縮、心房細動など)
  • 甲状腺機能亢進症
  • 貧血
  • 心臓弁膜症

原因を知ることで不安を少しでも和らげ、適切な対処法を見つけましょう。

不整脈(期外収縮、心房細動など)

不整脈とは、心臓のリズムが乱れる病気です。心臓は、規則正しく収縮と拡張を繰り返すことで、全身に血液を送っています。リズムが乱れると脈が飛んだり、速くなったり、遅くなる症状が現れます。

期外収縮は、脈が「ドキン」と強く打ち、脈が飛ぶように感じます。健康な人でも、疲れているときや緊張しているとき、コーヒーを飲みすぎたときなどに起こることがありますが、すぐに元のペースに戻れば心配する必要はありません。

心房細動は、心臓の上の方にある「心房」が細かく震えることで、心臓全体のリズムが乱れる病気です。脈がバラバラで、脈の速さも不規則になります。「ドキドキ」というよりも「ドドドドッ」や「ドキドドド」のように、脈がバラバラに感じられます。めまいや息切れを伴うこともあり、放置すると脳梗塞のリスクを高める危険な不整脈です。

自覚症状がない場合でも、深刻な事態を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。不整脈は、短時間の心電図検査では捉えきれないこともあるため、日常生活中の心臓の動きを記録する検査が重要になります。

ホルター心電図検査の内容や検査でわかることについては、以下のページで詳しくご案内しています。

甲状腺機能亢進症

甲状腺機能亢進(こうしん)症は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気です。甲状腺ホルモンは、体の代謝を活発にする働きがあります。過剰に分泌されると心臓の働きも活発になり、動悸が起こります。

いつも走っているような状態になり、心臓がドキドキしたり、脈が速くなったりします。汗をかきやすくなる、暑さを感じやすくなる、体重が減る、手が震えるなどの症状が現れることもあります。

貧血

貧血とは、血液中の赤血球が不足している状態です。赤血球は、全身に酸素を運ぶ役割を担っています。貧血になると、体が酸素不足になり、心臓が頑張って多くの血液を送り出そうとするため、動悸や息切れが起こります。

鉄分が不足する鉄欠乏性貧血は、特に女性に多い貧血です。月経過多が原因で貧血になっているケースがあります。月経量を調整する治療を行うことで、貧血と動悸の改善が期待できます。

心臓弁膜症

心臓弁膜症は、心臓の弁がうまく機能しなくなる病気です。心臓には、血液が逆流しないように、一方通行の弁があります。弁が狭くなったり、閉じなくなったりすると心臓に負担がかかり、動悸や息切れが起こります。弁膜症には、大動脈弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症などさまざまな種類があります。

症状は、弁の異常の程度や種類によって異なりますが、動悸以外にも胸痛や息切れ、むくみなどが現れることもあります。運動時に症状が悪化しやすいのも特徴です。心臓弁膜症は、放置すると心不全を引き起こす可能性もあるため、早期発見・早期治療が大切です。

心臓弁膜症では、運動時に症状が出現・悪化するケースも多く、運動負荷をかけた状態で心臓の変化を確認する検査が重要になります。検査の目的や流れについては、以下のページで詳しくご案内しています。

動悸で受診すべき診療科と適切な選び方

動悸は、命に関わる病気のサインの可能性もあるため、軽く見過ごさずに適切な診療科を受診することが大切です。動悸で受診する主な診療科と、どのような場合にどの診療科を受診するのが適切なのかを解説します。

循環器内科

循環器内科は、心臓や血管の病気に詳しい診療科です。心臓に原因があると疑われる動悸は循環器内科を受診します。動悸の原因で最も多い不整脈をはじめ、心臓の筋肉が厚くなってしまう心筋症や、心臓の弁がうまく機能しなくなる心臓弁膜症、虚血性心疾患なども動悸の原因となります。

放置すると心不全のリスクを高めるため、注意が必要です。循環器内科では、動悸の原因を調べるための基本検査として心電図検査を行い、心臓のリズムや異常の有無を確認します。検査の内容や流れについては、以下のページで詳しくご案内しています。

内科

内科は、幅広い内科疾患に対応する診療科です。動悸の原因が特定できない場合や、貧血、甲状腺機能亢進症など、他の病気が疑われる場合は内科を受診しましょう。

内科では問診や診察、血液検査などを通して、動悸の原因を探ります。必要に応じて、循環器内科など他の専門科への紹介状を書いてもらうこともできます。

受診までの間に自分でできる対処法を知っておくことで、不安を和らげたり症状の悪化を防いだりすることができます。以下の記事では、動悸が起きたときの具体的な対処法や、日常生活で気をつけたいポイントについて症状別に解説しています。
>>動悸の対処法を症状別に解説!自宅でできる応急処置と普段から気をつけたいポイント

心療内科・精神科

ストレスや不安、緊張などが原因で動悸が起こる場合もあります。パニック障害や自律神経失調症などが代表的な例です。心療内科や精神科の受診を検討しましょう。

パニック障害は、突然激しい動悸や息苦しさ、めまいなどの発作が起こる病気です。「このまま死んでしまうのではないか」という恐怖感に襲われ、救急車を呼ぶ方も少なくありません。

自律神経失調症は、自律神経のバランスが崩れることで、さまざまな症状が現れる病気です。動悸以外にも、倦怠感や不眠、頭痛や肩こりなど、さまざまな症状が現れます。症状が多岐にわたるため、診断が難しい場合もあります。

心療内科や精神科では、問診や心理検査を通じて心の状態を把握し、適切な治療を行います。薬物療法やカウンセリングなどを通して、症状の改善を目指します。

動悸はさまざまな原因で起こるため、自己判断せずに医療機関を受診することが大切です。ご自身の症状に合った適切な診療科を受診し、専門医の診察を受けてください。

動悸で病院に行くべきタイミングと緊急性の判断

動悸で病院に行くべきタイミングと緊急性の判断について解説します。

すぐに受診すべき動悸の特徴

動悸の中には、すぐに病院へ行くべき緊急性の高いものがあります。以下の場合は、心筋梗塞や不整脈の危険性があります。

  • 胸の痛みや強い圧迫感を伴う
  • 意識が遠のく感じ
  • ひどいめまい
  • 冷や汗が出て顔色が悪くなる

以上の症状が現れたら、救急車を呼ぶか、家族に付き添ってもらって救急外来を受診してください。胸の痛みが腕や肩、あごに広がる場合や、息ができないほどの苦しさがある場合は、一刻を争う状況です。

急に脈が速くなり(1分間に150回以上)、立っていられなくなったり、目の前が真っ暗になったりする場合も危険信号です。数分以上続く強い動悸も、早急な対応が必要なサインといえます。動悸が起きたときは症状の強さや他の症状の有無をよく観察し、危険なサインを見逃さないようにしましょう。

様子を見ても良い動悸と受診のタイミング

すぐに救急受診する必要のない動悸もあります。緊張したときや運動後に一時的にドキドキしてすぐに治まる場合や、カフェインを多く摂取した後の動悸などは、様子を見ても問題ないことが多いです。以下の場合は、念のため医療機関の受診をおすすめします。

  • 動悸が頻繁に繰り返される
  • 1日に何度も起こる
  • 数日間続く

緊急性は低くても、放置すると症状が悪化する可能性があるためです。週に2〜3回、決まった時間帯に動悸が起こるなどのパターンがある場合や、動悸のせいで日常生活に支障が出ている場合は、早めに相談しましょう。動悸とともに疲れやすさや息切れが続く場合も、受診のタイミングといえます。

動悸を感じたら、症状の頻度や持続時間、生活への影響を記録しておくと、医師への説明がスムーズになり、適切な診断につながります。

動悸の対処法と予防策

動悸への対処法と予防策は、大きく分けて以下の5つに分類できます。

  • 家庭でできる対処法(安静、水分補給、呼吸法など)
  • 薬物療法
  • カテーテルアブレーション
  • 生活習慣の改善(食事、運動、睡眠など)
  • ストレス管理

家庭でできる対処法(安静、水分補給、呼吸法など)

動悸が起きたときは、まず落ち着いて行動することが大切です。焦りは症状を悪化させる可能性があります。落ち着いて対処するために、以下の方法を試してみてください。

  • 安静:安全な場所に座るか横になり、楽な姿勢を保つ
  • 水分補給:常温の水や白湯をゆっくりと飲む
  • 深呼吸:ゆっくりと深呼吸を繰り返して、心拍数を落ち着かせ、リラックス効果を高める
  • 衣服の締め付けを緩める:ベルトやネクタイ、ブラジャーなどを緩める

深呼吸については、息を吸うときは4秒かけてお腹を膨らませ、吐くときは6秒かけてお腹をへこませると効果が期待できます。

薬物療法

動悸の原因によっては、薬物療法が必要です。不整脈が原因で動悸が起きている場合は、抗不整脈薬が処方されます。甲状腺機能亢進症が原因の場合は、甲状腺ホルモンの分泌を抑える薬が処方されます。薬の種類や服用量は、患者さんの状態に合わせて医師が決定します。

自己判断による服用の中断や量の変更は危険です。必ず医師の指示に従って正しく服用してください。

カテーテルアブレーション

薬物療法で効果がない場合や、特定の種類の不整脈には、カテーテルアブレーションという治療法が行われます。心臓の中に細い管(カテーテル)を挿入し、動悸の原因となっている異常な電気信号を発している部分を焼き切る治療法です。

カテーテルアブレーションは、まれな遺伝性の不整脈症候群(カテコラミン誘発性多形性心室頻拍など)にも有効な場合があります。一見健康な方でも突然死を引き起こす可能性が報告されているため、早期診断と適切な治療が重要です。

生活習慣の改善(食事、運動、睡眠など)

動悸の予防には、日頃から健康的な生活習慣を心がけることが大切です。具体的には、以下の点に注意しましょう。

  • バランスの良い食事:鉄分やビタミンB12を意識し、さまざまな食品を偏りなく摂る
  • 適度な運動:ウォーキングなど無理のない運動で心肺機能を保ち、ストレスを軽減する
  • 十分な睡眠:規則正しい睡眠で自律神経の乱れを防ぐ
  • 嗜好品の制限:カフェイン、アルコール、タバコは控えめにする

症状が出たときの対処だけでなく、原因を知り、無理のないセルフケアを続けることが大切です。

ストレス管理

ストレスは、動悸を引き起こす大きな原因の一つです。日常生活でストレスを溜め込まないよう、自分なりのストレス解消法を見つけることが大切です。ストレス解消の例は以下のとおりです。

  • 好きな音楽を聴く
  • ゆっくりお風呂に入る
  • 趣味に没頭する
  • 友人や家族に話を聞いてもらう

自分一人でストレスに対処することが難しいと感じたら、心療内科や精神科を受診しましょう。専門家のサポートを受けることで、ストレスを適切に管理し、動悸の予防につなげられます。

今の社会はストレスを抱えて生きている方が多いです。ストレスが原因の動悸について詳しく解説しているので、下記もご覧ください。
>>突然の急な動悸、その原因はストレスかも?

動悸に関するよくある質問(FAQ)

動悸に関する代表的な質問について、以下の5つを解説します。

  • 夜中の動悸は何が原因?
  • 動悸がするときに自分でできる対処法はある?
  • 健康診断で心電図に異常がなくても動悸が続く場合はどうすればいい?
  • 若い人でも動悸から心臓病になることはある?
  • 更年期の動悸と心臓病の動悸はどう見分けられる?

夜中の動悸は何が原因?

夜中の動悸は、自律神経の乱れやストレス、睡眠時無呼吸症候群などが原因で起こることがあります。寝る前のカフェインやアルコールの摂取、寝室の温度や湿度なども影響することがあります。不安感が強いときや、悪夢を見たときにも動悸が起きやすくなります。

頻繁に夜中の動悸が続く場合は、心臓や呼吸器の問題も考えられるため、一度医療機関で相談することをおすすめします。いびきがひどい、日中に強い眠気がある場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。この場合は、呼吸器内科や睡眠外来での診察が適しています。

夜間の動悸が気になる場合は、就寝前のリラックス習慣や生活リズムの見直しから取り組むと良いでしょう。

動悸がするときに自分でできる対処法はある?

動悸を感じたときは、まず安静にして深呼吸をしましょう。以下の対処法も試してみてください。

  • 安静にして深呼吸を行う(腹式呼吸
  • 冷たい水を少しずつ飲む
  • 首の後ろや手首を冷やす
  • 静かでリラックスできる環境に移動する
  • 横になれる場合は、楽な姿勢で休む

不安や緊張が原因の動悸なら、目を閉じて好きな音楽を聴いたり、アロマの香りを楽しんだりすることで気持ちが落ち着くことがあります。症状が治まらない場合や悪化する場合は、無理をせず医療機関を受診してください。

日頃からストレスを溜めない生活習慣や、適度な運動を心がけることも、動悸の予防につながります。

心電図に異常がなくても動悸が続く場合はどうする?

健康診断の心電図は、検査時のほんの数十秒の心臓の状態を記録するものです。普段は動悸があっても、検査のタイミングでは異常が見つからないことがあります。動悸が頻繁に起こる場合は、24時間心電図(ホルター心電図)や運動負荷心電図など、より詳しい検査を受けることをおすすめします。

精密検査では、日常生活の中での心臓の動きを長時間記録できるため、一時的な不整脈なども発見しやすくなります。動悸が起きるタイミングが決まっている場合や、特定の動作で起こる場合は、その状況を医師に伝えることで、適切な検査方法を提案してもらえます。

心電図に異常がなくても動悸が続くなら、循環器内科で相談し、必要に応じて精密検査を受けるようにしましょう。

若い人でも動悸から心臓病になることはある?

若い人でも、不整脈や心筋症、弁膜症などの心臓病を発症する可能性はあります。家族に心臓病の方がいる場合や、激しいスポーツをしている場合は注意が必要です。甲状腺機能亢進症や貧血など、心臓以外の病気が原因で動悸が起こることもあります。

若いからといって油断せず、動悸が頻繁に続く場合や、胸の痛みやめまいを伴う場合は、早めに医療機関を受診しましょう。動悸が起こる具体的な例は、以下のとおりです。

  • 運動中に突然動悸が激しくなり、胸が苦しくなる:心筋症や不整脈の可能性
  • ダイエットや偏った食生活が続いている:貧血が原因の動悸

若い世代でも、動悸が気になるときは自己判断せず、専門医に相談して適切な検査を受けることが大切です。

更年期の動悸と心臓病の動悸はどう見分けられる?

更年期の動悸は、ホルモンバランスの変化によって自律神経が乱れることで起こります。ほてりや発汗、イライラ、不眠などの更年期症状と一緒に現れることが多いです。一方、心臓病による動悸は、胸の痛みや圧迫感、息切れ、むくみなどを伴うことが特徴です。

更年期の動悸は一時的で波があるのに対し、心臓病の動悸は持続的だったり、運動時に悪化したりすることがあります。ホットフラッシュと同時に動悸が起こり、数分で治まる場合は更年期症状の可能性が高いです。階段を上るだけで息が切れて動悸がひどくなる場合は、心臓や肺の問題が考えられます。

更年期か心臓病か迷ったときは、まず内科や循環器内科を受診し、必要に応じて婦人科を紹介してもらいましょう。

まとめ

心臓の動悸は、不安やストレスだけでなく、命に関わる病気のサインであることもあります。動悸を感じたら、まずは落ち着いて安静にし、水分補給や深呼吸を試してみてください。症状が続く場合や他の症状を伴う場合は、自己判断せずに医療機関を受診しましょう。循環器内科や内科、心療内科などが主な診療科です。

日頃からバランスの良い食事や適度な運動、十分な睡眠を心がけ、ストレスを溜め込まない生活習慣を送り、健康な毎日を過ごしましょう。

参考文献

Krahn AD, Tfelt-Hansen J, Tadros R, Steinberg C, Semsarian C, Han HC. Latent Causes of Sudden Cardiac Arrest. JACC. Clinical electrophysiology 8, no. 6 (2022):806-821.

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