大石内科循環器科医院

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尿酸値を下げる食事と運動のコツ!今日から実践できる生活習慣の改善法

2025.12.01 生活習慣病

健康診断の結果で「また尿酸値が高かった」と肩を落としていませんか?「尿酸値が高い」と聞くと、激しい痛みを伴う痛風を思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、本当に注意すべきリスクは、他にもあります。

高尿酸血症は高血圧の発症リスクを高めるだけでなく、心臓病や脳卒中などの病気に関連する可能性が近年の研究で示されています。この記事では、今日から実践できる食事や運動のコツを詳しく解説します。将来の健康を守るため、正しい知識を身につけましょう。

大石内科循環器科医院では、痛風や高尿酸血症を含む生活習慣病の診療を行っています。以下の記事では、痛風の発症メカニズムや治療の流れについても詳しく解説しています。高尿酸血症との関係を深く理解したい方は、ぜひご確認ください。
>>痛風について

尿酸値が高くなる主な2つの原因

尿酸値が高くなる主な原因は、以下の2つです。

  • 食生活の乱れ
  • 運動不足やストレスなどの生活習慣

食生活の乱れ

食品に含まれるプリン体は細胞の核に存在する成分で、私たちの体を作るうえで欠かせません。食べ物として摂取したプリン体は、体内で分解される過程で最終的に尿酸に変化します。プリン体を多く含む食品を摂りすぎると、体内に尿酸が増え、尿酸値が上がりやすくなります

肥満そのものが尿酸値を上げる原因であることも知られています。プリン体が少ない食品であっても、食べすぎによる体重増加は尿酸値の上昇につながります。砂糖を多く含む清涼飲料水や果糖の摂りすぎも、尿酸の産生を促進する可能性があります。

食生活が乱れると、複数の要因が重なって尿酸値が高くなりやすくなるため、バランスの良い食事が重要です。

運動不足やストレスなどの生活習慣

運動不足やストレスなどの生活習慣も尿酸値に関わります。特に、肥満や運動の種類、ストレス状態は尿酸値に影響を与えます。尿酸値を上げる原因や理由は次のとおりです。

  • 肥満:体内でのプリン体生成が促進し、腎臓からの尿酸排出量が低下する
  • 激しい無酸素運動:エネルギーを急激に消費する際に、尿酸が一時的に増加する
  • 過度なストレス:ストレスを感じることで分泌されるホルモンの影響で尿酸の生成が促進する

日頃から無理なく続けられる運動習慣を取り入れ、十分な睡眠や休息でストレスをため込まないよう心がけることが大切です。生活習慣を整えることは尿酸値を安定させるだけでなく、心身のバランスを整えて毎日を快適に過ごすための重要なポイントです。

尿酸値を下げる食事の5つのコツ

尿酸値の管理に役立つ食事の5つのコツは以下のとおりです。

  • プリン体を抑える食品選び
  • アルコールとの上手な付き合い方
  • 1日2リットルの水分補給
  • 野菜や海藻の摂取
  • 外食が多い人向けのメニューの選び方

プリン体を抑える食品選び

1日に摂取するプリン体は、400mg以下が推奨されています。食事から摂るプリン体の量を調整することが、尿酸値を管理するうえで大切です。プリン体の多い食品から少ない食品は、以下のとおりです。

  • 比較的多い(300mg〜):鶏レバー・あんこうの肝・マイワシの干物・白子
  • 多い(200〜300mg):豚レバー・牛レバー・カツオ・エビ・サンマの干物
  • 比較的少ない(50mg未満):野菜・きのこ類・海藻類・牛乳・チーズ・米・パン

プリン体には水に溶けやすい性質があります。肉や魚から溶け出した煮汁は、プリン体が多く含まれているため摂取を控えてください。低脂肪牛乳やヨーグルトなどの乳製品には、尿酸の排出を促す働きがあると報告されています。プリン体の少ない食品を選びつつ、バランスを重視した食材を選択しましょう。

アルコールとの上手な付き合い方

アルコールは体内で分解される際に尿酸の生成を促したり、尿酸の排出を抑制したりします。アルコールの利尿作用により体内の水分が不足することで、尿酸の血中濃度が上昇します。プリン体ゼロのアルコールでも飲みすぎれば尿酸値に影響するため、種類にかかわらず適量を守ることが重要です。1日の摂取量の目安は以下のとおりです。

  • ビール:中びん1本(500ml)
  • 日本酒:1合(180ml)
  • ウイスキー:ダブル1杯(60ml)
  • ワイン:グラス2杯(200ml)

週に2日以上は休肝日を設けてください。おつまみは、レバーの焼き鳥や唐揚げなどのプリン体が多く高カロリーなものは控えめにしましょう。野菜スティックや冷奴、枝豆などのプリン体が少なく低カロリーなものを選ぶのがおすすめです。

1日2リットルの水分補給

尿酸は尿と一緒に排出されるため、尿量が少ないと体内に尿酸がたまり、痛風発作や尿路結石のリスクが高まります。尿酸値を下げるためには、水分をしっかり摂って尿量を増やすことが重要です。1日2リットルを目安に、こまめに水分を摂る習慣をつけましょう。一度にたくさん飲むのではなく、コップ1杯の量を1日に何回にも分けて飲むのが大切です。

水分補給におすすめの飲み物は、糖分の含まれていない水や麦茶などです。果糖を多く含むジュースや清涼飲料水は、代謝の過程で尿酸値を上げやすいため控えましょう。夏場や運動で汗をかいたときは、普段より水分補給を意識することが大切です。体の水分が不足しないように、常に手元に飲み物を置いておくのも良い方法です。

痛風は初期段階で適切に対応することで、発作の重症化を防ぐことが可能です。早期にみられるサインを理解しておくと、受診のタイミングを逃さずにすみます。以下の記事では、初期症状の特徴をより詳しく解説しています。
>>痛風の初期症状を医師が解説|よくある前兆サインや見分け方、対処法

野菜や海藻の摂取

尿が酸性に傾くことで尿酸の排出されにくくなり、尿酸値が上昇すると考えられています。尿がアルカリ性に傾くと尿酸が水に溶けやすい状態になり、尿酸が排出されやすくなる傾向があります。尿をアルカリ化する食材として、野菜や海藻類、きのこ類などが知られています。食材の具体例は以下のとおりです。

  • 野菜:ほうれん草・ごぼう・にんじん・キャベツ
  • 海藻類:わかめ・ひじき・こんぶ
  • きのこ類:しいたけ・しめじ・えのき
  • いも類:さつまいも・じゃがいも

メニューを考えるのが難しい方は、味噌汁にわかめやきのこを足すのもおすすめです。日々の食事に具材を取り入れて、尿酸をため込まない体づくりを目指しましょう。

外食が多い人向けのメニューの選び方

外食が続くと栄養バランスが乱れがちですが、メニューを選ぶ際のポイントを知ることで、外食でも尿酸値の管理は可能です。まず心がけたいのは、主食・主菜・副菜がそろった定食を選ぶことです。ラーメンや丼ものなどの単品メニューは、栄養が偏りやすく塩分や脂質も多く含まれているため注意が必要です。

おすすめのメニューとして、野菜炒め定食や豆腐ハンバーグ定食、わかめや山菜入りのそばなどがあります。レバニラ炒めや豚骨ラーメン、揚げ物中心の定食などのメニューはカロリーと塩分が多いため注意が必要です。コンビニを利用するときは、おにぎりやパンだけでなく、サラダや野菜の総菜、ゆで卵などを組み合わせ、バランスを意識しましょう。

尿酸値を下げる3つの生活習慣

尿酸値を下げるために以下の3つの生活習慣を見直しましょう。

  • 適度な有酸素運動
  • 十分な睡眠
  • ストレス管理

適度な有酸素運動

運動は肥満の解消につながるため、運動で体重をコントロールすることは尿酸値の管理において大切な要素の一つです。運動により体の代謝機能が改善されることで血糖値を下げるインスリンの働きが改善され、尿酸の排出が促進されやすくなります。筋力トレーニングなどの無酸素運動は、エネルギーを急激に消費する際に尿酸が一時的に増加しやすいため注意が必要です。

尿酸値を下げるためにおすすめの運動は、ウォーキングなどの有酸素運動です。会話を楽しみながら、少し息が弾むくらいの強度が目安になります。週に3〜5日程度、1回あたり20〜30分の運動を心がけましょう。運動中は汗によって体内の水分が失われ、一時的に尿酸値が上昇します。運動の前や途中、後には、水やお茶などでこまめに水分補給をすることが大切です。

十分な睡眠

睡眠不足により、自律神経のバランスが乱れやすくなります。自律神経が乱れると、腎臓の血管が収縮し血流が悪化するため、尿酸を尿として排出する機能が低下します。睡眠不足の状態が続くと、尿酸値のコントロールがしにくくなります。質の良い睡眠はストレスを軽減し、ホルモンバランスを整えるうえで欠かせません。質の良い睡眠をとるための工夫は次のとおりです。

  • 毎日なるべく同じ時間に就寝、起床する
  • 就寝直前のスマートフォンの使用は控える
  • リラックスできる環境を作る
  • カフェインを含む飲み物は避ける

十分な睡眠は心と体の疲れを癒し、健康な状態を保つための基本であり、尿酸値のコントロールにおいても必要です。日々の生活習慣の見直しが、将来の健康につながります。

ストレス管理

過度なストレスは尿酸値を上げる一因になるだけでなく、ストレスから暴飲暴食などの生活習慣の乱れにもつながりかねません。日々の生活の中で、上手にストレスを解消していくことが重要です。具体的なストレス解消の方法を以下に示します。

  • 趣味に打ち込む(読書、音楽鑑賞、映画鑑賞など)
  • ぬるめのお風呂にゆっくり浸かる
  • 軽いストレッチやヨガで体をほぐす
  • 信頼できる家族や友人と話す

ストレス管理を意識することは、尿酸値を安定させるだけでなく心の健康を守るためにも欠かせません。食事や運動、生活習慣の改善がうまくいかなくても一人で抱え込まないでください。医師や薬剤師など医療チームが一丸となってあなたの治療をサポートします。自分が「楽しい」「心地よい」と感じる時間を作りましょう。

まとめ

尿酸値を下げるためには「食事」「運動」「生活習慣」という3つの柱を無理なく改善していくことが重要です。プリン体を意識した食材選びや調理法、1日2リットルの水分補給、アルコールとの上手な付き合い方を心がけましょう。会話ができる程度の有酸素運動を週3〜5日、1回20〜30分程度続けることも、尿酸値を下げる生活習慣として推奨されています。

十分な睡眠とストレス管理も、体のバランスを整えるうえで欠かせません。尿酸値の改善は小さな行動の積み重ねから始まります。すべてをこなそうとせず、まずは一つずつ改善することを心がけましょう。不安な点や疑問点があれば、医師や薬剤師に相談してください。今日から始める小さな一歩が、仕事や趣味を楽しめる未来につながります。

痛風の症状が長引く場合には、生活改善だけでは対応しきれないケースもあります。症状が続く背景には、関節の炎症や腎機能への負担などの要因が潜んでいる可能性があります。長期間痛みが改善しないときの注意点や受診の目安については、以下の記事で詳しく解説しています。
>>痛風が1ヶ月以上痛いときの対処法|長引く痛みの原因と放置するリスクを解説

参考文献

大石内科循環器科医院
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静岡市葵区鷹匠2-6-1
TEL:054-252-0585

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