大石内科循環器科医院

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静岡市葵区鷹匠2-6-1
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心房細動・その他不整脈

心房細動とは

心臓は全身に血液を送り出すポンプの役割をしており、1日およそ10万回休まず拍動しています。そして、心臓の内部は右心房・右心室・左心房・左心室の4つの部屋に分かれています。
正常な心臓は、心臓内で発生する電気信号によって規則正しく心房→心室の順番に収縮と拡張(拍動)を繰り返しています。

心房細動とは心房が無秩序に興奮し、その興奮の一部が心室に伝わり心室が興奮している状態です。心拍数が150回/分以上になることもあり、心臓が早く不規則に動きます。

心房細動の症状

  • 脈が不規則になっている
  • 速い脈と遅い脈が不規則に繰り返す
  • 無症状(健康診断で施行した心電図で指摘される)

心房細動の原因

  • 生活習慣病(高血圧、糖尿病、メタボリックシンドローム)
  • 心臓病(心筋梗塞、狭心症、心臓弁膜症)
  • 慢性腎臓病
  • 肺疾患
  • 睡眠時無呼吸症候群
  • 甲状腺機能亢進症
  • 飲酒、カフェインの過剰摂取、精神的ストレス

心房細動は、生活習慣病(高血圧、糖尿病、メタボリックシンドロームなど)をお持ちの方がなりやすいと言われています。
また、心筋梗塞や狭心症心臓弁膜症といった心臓病や慢性の肺疾患、甲状腺機能亢進症といった病気は心臓に負担がかかりやすく、心房細動が併発することがあります。
そして、飲酒やカフェインの過剰摂取、精神的ストレスも心房細動の原因と知られています。そのため心房細動を予防するためには、これらの要因をなるべくコントロールする必要があります。

心房細動の検査

  • 検脈
  • 心電図
  • ホルター心電図
  • パッチ型長期間心電図ホルター

「脈が不規則になっている」といった動悸症状で病院を受診していただき、症状があるうちに病院で心電図が施行できれば、その症状の原因が心房細動なのか、そうでないのか(その他の不整脈か、そもそも不整脈ではないか)がはっきりします。
しかし、動悸は数分~数十分で改善することも多く、病院に到着して検査をした時には正常の脈になっていることも多く、動悸症状の原因がはっきりしないことが多かったりもします。
そこで重要になってくるのが、患者さんご自身の検脈です。動悸症状が出現した時に、ご自身で検脈を行っていただき、その情報を医療者に伝えていただくと、とても診療の助けになります。
検脈のとりかたについてはこちらの動画を参照ください。

心房細動の怖さ

心房細動になっても直ぐに命にかかわることはほとんどありません。
ただし、長期的な視点では困ったことが起こります。そちらをご説明いたします。

心房細動になると困ることは、主に3つあります。

  1. まず脳梗塞です。後で詳しく説明しますが、心房細動になると約5倍脳梗塞になりやすいと言われています。
  2. 次に心不全です。心房細動になると約3倍心不全になりやすいと言われており、心不全になると何らかの理で年間10~40%の方が入院することとなってしまいます。
  3. 最後に認知症です。心房細動になると約3~5倍認知症になりやすいと言われています。

このように心房細動になると主に3つの困りごとが生じてしまい、最終的には心房細動が無い人と比べ死亡率が1.5~3.5倍程上昇すると言われています。

脳梗塞について

よく脳卒中という言葉を聞かれると思いますが、脳卒中は血管が破れるタイプの脳出血やくも膜下出血と、血管が詰まるタイプの脳梗塞に分かれます。そして、脳梗塞はラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症に分かれます。心房細動が原因で生じる脳梗塞を心原性脳塞栓症と言います。

心房細動かが脳梗塞を引き起こす機序は、心房細動によって心房が無秩序に震えると血流がよどみ心房に血栓ができます。それが血流にのって、頭の血管まで到達し、はまり込んでしまうことで血流が遮断されて脳梗塞を引き起こします。

心原性脳塞栓症を発症してしまうと、約半分の患者さんは自分で歩いて退院できないというデータがあります。心原性脳塞栓症は脳梗塞の中でも特に注意が必要で、心房細動患者さんにとって、脳梗塞は絶対に防がなければいけない合併症の一つなのです。

そんな恐ろしい脳梗塞ですが、もし心房細動になったとしたらどのくらいの確率で脳梗塞になってしまうか計算できます。
下のCHADS2スコアと呼ばれる項目のうち、ご自身に当てはまる項目の点数を足してみてください。

上のグラフは、縦軸が脳梗塞発症率、横軸が先ほどの点数です。皆さんは何点でしたか?
このグラフに当てはめて、脳梗塞発症率を求めてみてください。
点数が1点以上の方は脳梗塞を予防するために、抗凝固薬という血をサラサラにする薬を飲んだ方が良いとされています。

心不全について

心臓は全身に血液を送り出すポンプの役割をしています。1日およそ10万回休まず拍動しています。しかし、狭心症や心筋梗塞、心筋症、心臓弁膜症、不整脈(心房細動など)などの心臓病や、生活習慣病などで長年心臓に負担がかかると、心臓の働きが悪くなります。そして、心臓の働きが悪いために息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなって、生命を縮める病気を心不全といいます。
心不全の詳細はこちらを参照ください

認知症について

認知症は、1度発達した認知機能が、心房細動や生活習慣病、脳の病気、頭部外傷、加齢など様々な原因によって認知機能が低下して、社会生活や日常生活に支障をきたしている状態です。
認知症の詳細はこちらを参照ください

心房細動の治療

  • 内服治療
  • カテーテルアブレーション
  • 手術
内服治療

心房細動の内服治療には大きく3種類あります。

  1. 心房細動は脈が速くなることがあり、心拍数を調整する薬(レートコントロール)
  2. 心房細動は脈が不規則になり、それを改善させる薬(リズムコントロール)
  3. 心房細動による脳梗塞(心原性脳梗塞)を予防する薬(抗凝固薬)

心房細動の方には、これらの薬を組み合わせて内服することが多くみられます。

カテーテルアブレーション

カテーテルアブレーション治療(アブレーション治療)とは、心房細動の原因となっている異常な電気信号を取り除く治療法です。心房細動の根本的な治療(根治術)として、現在一般的に行われているものです。
当院では、行っておりませんので必要な患者様には、連携病院へご紹介いたします。

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